JPS6235168A - 歯車伝動系のバツクラツシユ低減装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、例えば内燃エンジンの動力を、歯車列を介し
てカム軸に伝達する動弁カム軸駆動装置等の歯車伝動系
に適用されるバックラッシュ低減装置に関する。

（従来技術及びその問題点） 一般に上述したような内燃エンジンの動弁カム軸駆動装
置等の歯車伝動系においてはトルク変動があり、該トル
ク変動に起因してバックラッシュが衝撃荷重を急増させ
打音の増加及び伝動系共振での異常荷重による歯車の破
損等の問題を生じる。

斯かる問題を解消するため従来、互いに噛合する駆動側
歯車と被駆動側歯車のうち、少なくともいずれか一方の
歯車を、回転軸に一体回転可能に支持された主歯車と、
該主歯車と同軸に相対回転可能に支持　された副歯車と
より構成すると共に、これら主歯車と副歯車との間に両
歯車を相対方向に付勢するばねを介装することにより該
ばねの付勢力により主歯車と副歯車の歯部が相対的にず
れた状態のところに相手側歯車が挾み込まれる如く噛合
されることによりバックラッシュを低減し且つ衝撃力を
吸収し得るようにしたものが公知である。

斯かる従来のものは、トルク変動に対しばね力が弱いと
バックラッシュ低減効果がなくなってしまう。これを防
止するためばね力を強めると、噛合騒音を発生してしま
う。

従って、内燃エンジンに使用される歯車伝動系のように
トルク変動が大幅に変化する歯車伝動系に対して、低回
転から高回転までの全域に亘ってハックラッシュを確実
に低減することは回能であった。

（発明の目的） 本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、トルク変動
が大幅に変化する歯車伝動系に対して、低回転から高回
転までの全域に亘ってバ・ツクラッシュに起因する噛合
騒音を確実に低減し得るようにした歯車伝動系のバンク
ラッシュ低減装置を提供することを目的とする。

（問題点を解決するための手段） 上述の問題点を解決するため本発明は、互いに噛合する
駆動側歯車と被駆動側歯車とを有する歯車伝動系の前記
少なくともいずれが一方の歯車を、回転軸に一体回転可
能に支持された主歯車と、該主歯車を挾持する如くその
両側に相対回転可能に支持された一対の歯車とより構成
すると共に、前記主歯車にその厚さ方向に貰通する溝を
設け、且つ前記副歯車の主歯車との対向面に該主歯車の
溝より幅の狭い溝を設け、更に中間部を大径に両端部を
小径にした重錘の大径中間部を前記主歯車の溝に且つ小
径端部を前記副歯車の溝にそれぞれ摺動自在に嵌装して
なり、前記歯車の回転に伴う遠心力にて前記重錘が前記
主歯車と副歯車とを相対的に回動させることにより前記
駆動側歯車と被駆動側歯車との間のハックラッシュを低
減し得るようにしたものである。

（作用） 歯車の回転に伴う遠心力にて重錘が主歯車と副歯車とを
相対的に回動させることにより駆動側歯車と被駆動側歯
車との間のバックラッシュを最小限にしトルク変動が大
幅に変化する歯車伝動系に対して低回転から高回転まで
の全回転域に亘って衝撃打音を確実に低減することがで
きる。また、前記重錘はその大径中間部が主歯車の溝に
且つ小径端部が主歯車の両側の溝にそれぞれ摺動自在に
係合していることにより重錘が転倒することなく安定し
た姿勢で作動する。更に、主歯車の溝及び両側の副歯車
の溝は歯車の厚さ方向に貫通しているから、その製作が
容易であり、しかも重錘の大径中間部と小径端部との段
差により該重錘の外方への脱落が防止できる。

（実施例） 以下、本発明の一実施例を図面に基づき説明する。第１
図は本発明のバックラッシュ低減装置を備えたＶ型子気
筒エンジンの動弁カム軸駆動装置の側面図で、同図中１
．１°はシリンダ２，２゜に嵌装されたピストンで、こ
れらピストン１，１“はコンロッド３，３°を介してク
ランク軸４に連結され、ピストン１．１′の往復運動に
伴いクランク軸４が回転される。該クランク軸４の回転
はクランク歯車５、該クランク歯車５と噛合する被駆動
側アイドル歯車６、該被駆動側アイドル歯車６と同軸回
転する駆動側アイドル歯車７、該駆動側アイドル歯車７
と噛合する中間アイドル歯車８゜８°、これら中間アイ
ドル歯車８，８“に噛合する終段アイドル歯車９，９°
、及びこれらの終段アイドル歯車９，９°に噛合するカ
ム歯車１０゜１１、’１０°、１１′をそれぞれ介して
各シリンダ２．２１の吸入弁１２．１２”、及び排気弁
１３゜１３°の各カム軸１４．１４’及び１５，１５“
にそれぞれ伝達される。このような動弁カム軸駆動装置
において互いに噛合する歯車間であれば、いずれの歯車
でも本発明のバックラッシュ低減装置は適用し得るもの
であるが、本実施例においては駆動側アイドル歯車７と
中間アイドル歯車８゜８′とに適用したものである。即
ち、第２図及び第３図に示すように駆動側アイドル歯車
７は、その回転軸１６に一体回転可能に支持された主歯
車１７と、該主歯車１７を挾持する如くその両側に位置
して前記回転軸１６に相対回転可能に支持された一対の
副歯車１８．１８とより構成されており、これら主歯車
１７と副歯車１８．１８は互いにその対向面が摺接した
状態となって、被駆動側である中間アイドル歯車８．８
′と噛合している。

前記主歯車エフには周方向に等配して複数（例えば４個
）の細長い直状の溝１９が形成されている。

これら溝１９は主歯車１７の厚さ方向に貫通しておりそ
の長軸線βが、該溝工９の中心Ｏと前記主歯車１７の中
心０１とを通る軸線りに対して全て同一方向に角度θ１
だけ傾斜させて配設されている。これら主歯車１７の溝
１９に対応して前記副歯車１８．１８の主歯車１７との
対向面に周方向に等配して前記溝１９と同数の溝２０が
形成されている。これら副歯車１８．１８の溝２０はそ
の長さが主歯車１７のｌＲ１９の長さと略等しいと共に
その幅が１１９の幅より小さく、更にその中心０２が溝
１９の中心Ｏと互いに合致している。また、副歯車１８
のｔＩ２０の長軸線１１が、該溝２０の中心０２と副歯
車１８の中心ｏ３とを通る軸線Ｌ１に対して全て同一方
向に前記主歯車１７の溝１９と同一角度θだけ傾斜させ
て配設されているが、その傾斜方向は溝１９と２０は互
いに逆方向に設定されている。一方の溝１９の幅方向−
側面が一方の挟持面Ａとされ且つ他方の溝２ｏの幅方向
−側面が他方の挟持面Ｂとされている。なお、左右の傾
斜角度θ１　とθ２とはθ１　＝θ２のみに限られるも
のではなくθ１ζθ２或はθ１　≠θ２でもよく、また
外周側へ進むに従って傾斜角θ１及びθ２が上記と逆方
向即ち漸次減少するように変化させてもよい。

これら主歯車１７と副歯車１８．１８の互いに対向する
溝１９と２０．２０との間には重錘２１がそれぞれ摺動
自在に嵌装されている。該重錘２１は断面円形コロ状を
なし、両歯車１７．１８の回転に伴う遠心力の作用で外
周側に移動し、該移動に伴い両歯車１７．１８は相対的
に回動され、当該回転数に適応したセラシカが与えられ
るようになっている。

前記重錘２１は中間部２１ａが大径で両端部２１ｂ。

２１ｂが小径となっており、その大径中間部２１ａが前
記主歯車１７の溝１９内に且つ小径端部２１ｂ。

２１ｂが前記副歯車１８．１８の溝２０．２０内にそれ
ぞれ摺動自在に係合されている。そして、前記重錘２１
の大径中間部２１ａと小径端部２１ｂとの境界段部２１
ｃ、２１ｃが前記副歯車１８゜１８の内側面（主歯車１
７との対向面）に摺動自在に当接している。

次に、上記構成の本発明の歯車伝動系のバックラッシュ
低減装置の作用を第４図に基づき説明する。駆動側歯車
である駆動側アイドル歯車７の主歯車１７と副歯車１８
．１８との回転動力は、被駆動側歯車である中間アイド
ル歯車８．８′に、該中間アイドル歯車８，８°と主歯
車１７との噛合点Ｋを介して伝達されるが、ここで、主
歯車１７と中間アイドル歯車８．８゛の間の噛合点Ｋに
バックラッシュが存在する場合を考える。各歯車１７．
１８．１８は、その回転に伴いトルク変動により中間ア
イドル歯車８の一対の歯車の間を振動することとなる。

その結果、各挟持面Ａ、Ｂの周方向の間隔は拡大・縮小
を繰り返すこととなるが、その拡大時に重錘２１は回転
軸１６の回転により生ずる遠心力によって、この両挟詩
画Ａ、　　Ｂの間に挾み込まれる。即ち、遠心力は主に
、重錘２１がバックラッシュを最小にする方向への移動
に用いられる。更に、この両挟詩画Ａ、Ｂ間に挾み込ま
れた重錘２１はこの両挾詩画Ａ、Ｂの成す角度（挟持角
）θ（＝θ１＋θ２）に応じて軸線中心方向にはじき出
す力Ｐと、歯車の周方向に働く力により生ずる力Ｎと、
重錘２１と両挟詩画Ａ。

Ｂとの間の摩擦力Ｆ　（＝μＮ、但しμ：摩擦係数）と
の釣り合いによって、重錘２１を略定位置に保持する如
くなる。また、高回転域に移行するに従って、重錘２１
には遠心力が増大し、該遠心力が更に前記力Ｐに抗して
重錘２１を前記両挾詩画Ａ。

Ｂ間に保持する力を増大させるから、トルク変動に抗し
てバックラッシュ最小の位置で釣り合うこととなり、低
回転から高回転の全域に亘ってバックラッシュに起因す
る噛合騒音を低減することができる。

ここで重要なことは重錘２１の釣合条件が両挟詩画Ａ、
Ｂ間の挟持角θ（＝θ１＋θ２）及び重錘２１の接触部
摩擦係数μのみの関数で、歯面から受ける強大な力Ｎに
は関係しないことである。

従って、力Ｐが略ゼロになるように摩擦係数μと挟持角
θを設定すれば前記釣合条件以外の遠心力により生ずる
小さな力で大きなトルク伝達力及びハックラッシュによ
る衝撃荷重を受けることができる。

また、遠心力は回転数の２乗に比例して力が発生するた
め機関のアイドリング近辺で釣合条件を満足するように
挟持角θと摩擦係数μを設定すれば、高回転域になる程
大きな力でバックラッシュを低減することができる。そ
の逆に負荷運転後ケース類の熱膨張分が収縮する方向に
作用した時、歯面のバックラッシュは減少方向となり重
錘は元に戻されようとする。この条件は機関が高負荷後
の長期アイドリング状態か、または停止状態にあると想
定され、即ち、遠心力が小なる領域となり、容易に可逆
的運動をし、過大歯面荷重を発生することなく、機関の
再始動時も適正荷重におけるノーラッシュを保持する。

なお、回転数が高い状態から低い状態に変化するのに伴
う遠心力の減少により重錘２１は、軸線り、　　Ｌ＋に
沿って溝１９．２０内を主歯車１７と副歯車１８の中心
側に移動し易くなるが、その際、溝１９．２０の幅方向
両側縁部が、前記軸線り。

Ｌｌに対してθ１．θ２角度傾斜の最適化により楔作用
が生じて重錘２１の中心側への移動に対して抵抗力が生
じ、主歯車１７と副歯車１８とは徐々に戻り回動するの
でセラシカが急速に減少するということがない。

また、重錘２１の大径中間部２１ａが主歯車１７の溝１
９内に且つ小径端部２１ｂ、２１ｂが主歯車１７の両側
の副歯車１８．１８の溝２０．２０内にそれぞれ係合し
ていることにより、この重錘２１は溝１９．２０相互間
内において転倒することなく安定した姿勢で作動する。

更に、主歯車１７の溝１９及び両側の副歯車１８゜１８
の溝２０．２０は歯車の厚さ方向に貫通しているので製
作上も容易であり、重錘２１の大径中間部２１ａと小径
端部２１ｂとの境界段部２１ｃにより、該重錘２１が外
方へ膜薄することを防止し得る。

なお、上記実施例においては本発明のバックラッシュ低
減装置を内燃機関の動弁カム軸駆動装置に適用した場合
について説明したが、これに限られることなく、互いに
噛合する駆動側歯車と被駆動側歯車とを有する歯車伝動
系であれば、いかなるものでも本発明は適用可能である
。また、主歯車と副歯車との間に回転に伴う遠心力に応
じてその両歯車を相対的に回動させて駆動側歯車と被駆
動側歯車との間のバックラッシュを低減する手段を、溝
１９．２０と重錘２１とにより構成したが、これに限ら
れるものではない。

（発明の効果） 以上詳述した如く本発明の歯車伝動系のバックラッシュ
低減装置は、互いに噛合する駆動側歯車と被駆動側歯車
とを有する歯車伝動系の前記少なくともいずれか一方の
歯車を、回転軸に一体回転可能に支持された主歯車と、
該主歯車を挾持する如くその両側に相対回転可能に支持
された一対の歯車とより構成すると共に、前記主歯車に
その厚さ方向に貫通する溝を設け、且つ前記副歯車の主
歯車との対向面に該主歯車の溝より幅の狭い溝を設け、
更に中間部を大径に両端部を小径にした重錘の大径中間
部を前記主歯車の溝に且つ小径端部を前記副歯車の溝に
それぞれ摺動自在に嵌装してなり、前記歯車の回転に伴
う遠心力にて前記重錘が前記主歯車と副歯車とを相対的
に回動させることにより前記駆動側歯車と被駆動側歯車
との間のバックラッシュを低減し得るようにしたもので
ある。

従って、トルク変動が大幅に変化する歯車伝動系に対し
ても、低回転から高回転までの全域に亘ってバックラッ
シュを確実に低減し得、打音を生じることがなく　ｔＦ
撃荷重を減少し得、全回転域においても噛合騒音を生じ
ないと共に、重錘が転倒することなく安定した姿勢で作
動し得、また、主歯車の溝及び両側副歯車の溝は歯車の
厚さ方向に貫通しているので製作上も容易であり、重錘
の大径中間部と小径端部との境界段部により該重錘が外
方へ脱落することを防止し得る等の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示し、第１図は本発明のバン
クラッシュ低減装置を備えた■型多気筒エンジンの動弁
カム軸駆動装置の側面図、第２図は同要部の拡大側面図
、第３図は第２図のｍ−ｎｒ線に沿う断面図、第４図は
作用説明図である。 ７・・・駆動側アイドル歯車（駆動側歯車）、８゜８°
・・・中間アイドル歯車（被駆動側歯車）、１６・・・
回転軸、１７・・・主歯車、１８・・・副歯車、１９゜
２０・・・溝、２１・・・重錘、２１ａ・・・大径中間
部、２１ｂ・・・小径端部。 出願人　　本田技研工業株式会社 代理人　　弁理士　渡　部　敏　彦 Ｌ、ｍ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １、互いに噛合する駆動側歯車と被駆動側歯車とを有す
   る歯車伝動系の前記少なくともいずれか一方の歯車を、
   回転軸に一体回転可能に支持された主歯車と、該主歯車
   を挾持する如くその両側に相対回転可能に支持された一
   対の歯車とより構成すると共に、前記主歯車にその厚さ
   方向に貫通する溝を設け、且つ前記副歯車の主歯車との
   対向面に該主歯車の溝より幅の狭い溝を設け、更に中間
   部を大径に両端部を小径にした重錘の大径中間部を前記
   主歯車の溝に且つ小径端部を前記副歯車の溝にそれぞれ
   摺動自在に嵌装してなり、前記歯車の回転に伴う遠心力
   にて前記重錘が前記主歯車と副歯車とを相対的に回動さ
   せることにより前記駆動側歯車と被駆動側歯車との間の
   バックラッシュを低減し得るようにしたことを特徴とす
   る歯車伝動系のバックラッシュ低減装置。