JPS6234819Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ルーフ開口部の開状態でスライデイ
ングルーフをルーフ開口部後方のルーフパネル下
側に格納するようにした自動車のスライデイング
ルーフ装置に関し、特に透明なスライデイングル
ーフとその下方に配設された日除け用のサンシエ
ードとを備えたものにおける誤操作時の安全対策
に関する。

従来、自動車のスライデイングルーフ装置とし
て、例えば実開昭55−56719号公報に開示されて
いるように、車体のルーフ開口部の両側部下方に
配設した左右一対のガイドレール間に乗架され、
前後にスライドして上記ルーフ開口部を開閉する
ガラス製または樹脂製の透明なスライデイングル
ーフと、該スライデイングルーフの下方において
上記両ガイドレール間にスライド可能に配設され
たサンシエード（日除け）とを備え、スライデイ
ングルーフを閉じサンシエードを開いて太陽光線
のみを車室内に導入する日光導入状態と、スライ
デイングルーフおよびサンシエードを共に開いて
車室を外部に開放する開放状態との２通りの使用
状態に操作できるようにしたサンシエード付きの
ものは知られている。

ところで、このサンシエード付きのスライデイ
ングルーフ装置においては、通常のサンシエード
なしのものと同様に、開いたスライデイングルー
フを後側のルーフパネルの下側に潜り込ませて格
納するために、スライデイングルーフを下降させ
ながら後方にスライドさせて開くようにしてお
り、このスライデイングルーフの後退の際の下降
動作を邪魔しないように、ルーフ開口部における
スライデイングルーフとガイドレールとの間には
後方に向うに従つて大きくなる間隙が設けられて
いる。

しかし、このようなスライデイングルーフとガ
イドレールとの間隙は、日光導入状態、すなわち
スライデイングルーフが閉じサンシエードが開い
た使用状態では、サンシエードが開いていること
によつて車室内へむき出された状態になる。この
ため、この間隙に例えばサンシエードを操作しよ
うとする乗員が手を挿入し、その状態で誤つてス
ライデイングルーフを開操作すると、下降してき
たスライデイングルーフとガイドレールとの間に
手が挾まれて負傷するという危険性があつた。

そこで、本考案は、上記の如きサンシエード付
きのスライデイングルーフ装置において、サンシ
エードを開いたときに形成されるガイドレールと
スライデイングルーフとの間隙を閉塞するように
することにより、サンシエード開時に手がスライ
デイングルーフ作動機構部分へ侵入するのを阻止
して、安全性の向上を図ることを目的とするもの
である。

この目的の達成のため、本考案の構成は、上記
の如く、車体のルーフ開口部の両側部下方に配設
した一対のガイドレール間に乗架されて上記ルー
フ開口部をスライド開閉する透明なスライデイン
グルーフと、該スライデイングルーフの下方にお
いて上記両ガイドレール間にスライド可能に配設
されたサンシエードとを備え、上記一対のガイド
レールは上記ルーフ開口部よりも後方まで延設さ
れ、かつ後方に向かつて下方に傾斜して設けら
れ、この各ガイドレールと上記ルーフ開口部との
間には後方に向かつて大きくなる間隙が形成さ
れ、上記スライデイングルーフは、その後方への
スライド動作に連動して下降動作し、かつ上記ル
ーフ開口部の開状態では該開口部後方のルーフパ
ネル下側に格納可能に設けられた自動車のスライ
デイングルーフ装置に対して、上記各ガイドレー
ルの内側部に、上記ルーフ開口部の閉状態での該
ガイドレールとスライデイングルーフとの間隙を
閉塞するガード部材を立設し、このガード部材
を、上記各ガイドレールとスライデイングルーフ
との間隙に対応して後方に向かつて高さ寸法が大
きくなるように形成し、かつその後端を少なくと
も上記ルーフ開口部の後側部近傍まで延設するよ
うにすることにより、そのガード部材によつてガ
イドレールとスライデイングルーフとの間隙への
手の挿入を阻止するようにしたものである。

以下、本考案を図面に示す実施例に基づいて詳
細に説明する。

第１図および第２図において、１は自動車車体
のルーフ面を形成するルーフパネル、２は該ルー
フパネル１に形成されたルーフ開口部であつて、
該ルーフ開口部２の両側部下方には前後方向に延
びる左右一対のガイドレール３，３（一方しか図
示せず）が、ルーフパネル１に固定したフレーム
４にビス止め支持されて配設されている。そし
て、上記一対のガイドレール３，３は上記ルーフ
開口部２よりも後方まで延設され、かつ後方に向
かつて下方に傾斜して設けられ、この各ガイドレ
ール３と上記ルーフ開口部２との間には後方に向
かつて大きくなる間隙が形成されている。

また、５は上記ルーフ開口部２をスライド開閉
するガラス製または樹脂製の透明なスライデイン
グルーフであつて、該スライデイングルーフ５の
左右両側部にはスライデイングルーフ５内面に接
着せしめたルーフサポート６を介してロアパネル
７が結合され、該ロアパネル７にはブラケツト８
が取り付けられ、該ブラケツト８にはガイド部材
９が固定されている。該ガイド部材９には第３図
に示すように前半部が水平で後半部が斜め上方に
傾斜した略く字形状のガイド溝９ａが穿設され、
該ガイド溝９ａにはピン１０が移動可能に嵌挿さ
れ、該ピン１０には上記各ガイドレール３に転動
案内されるガイドローラ１１と、駆動装置（図示
せず）によりガイドレール３に沿つて移動する駆
動ケーブル１２とが連結されており、よつて、ス
ライデイングルーフ５は左右の両ガイドレール
３，３間にスライド可能に乗架されている。そし
て、駆動装置による駆動ケーブル１２の移動によ
りスライデイングルーフ５をガイドレール３，３
で案内しながら前後にスライドさせてルーフ開口
部２を開閉し、かつ該スライデイングルーフ５の
開動作の際、ピン１０のガイド溝９ａ内での後退
移動に伴つてガイド部材９が第３図仮想線に示す
ように押し下げられることにより、スライデイン
グルーフ５の後部を下降させて、該ルーフ５をそ
の後方へのスライド動作に連動して下降動作させ
るとともに、上記ルーフ開口部２の開状態ではス
ライデイングルーフ５を該開口部２後方のルーフ
パネル１下側に格納するように構成されている。

一方、１３は芯材１３ａの下面にクツシヨン材
１３ｂを貼り付け該クツシヨン材１３ｂの上から
表皮１３ｃを被覆してなる不透明なサンシエード
であつて、該サンシエード１３の左右各側縁部は
それぞれ上記左右の各ガイドレール３に前後方向
にスライド移動可能に支持されており、よつてサ
ンシエード１３は上記スライデイングルーフ５の
下方において、すなわちスライデイングルーフ５
の後退の際の下降動作の邪魔にならないように該
スライデイングルーフ５との間に間隔をあけて上
記両ガイドレール３，３間に配設され、両ガイド
レール３，３を開口縁の一部とする車室内に臨む
車室側開口部１４を開閉するように構成されてい
る。

さらに、上記各ガイドレール３の内側部、すな
わち上記車室側開口部１４の開口縁となる部分に
は、各ガイドレール３とスライデイングルーフ５
との間に形成される後方に向かつて大きくなる間
隙１５を閉塞するガード部材１６が立設され、こ
のガード部材１６は、上記各ガイドレール３とス
ライデイングルーフ５との間隙１５に対応して後
方に向かつて高さ寸法が大きくなるように形成さ
れていて、その後端は上記ルーフ開口部２の後側
部近傍まで延長されている。尚、第２図中、１７
はスライデイングルーフ５とブラケツト８との連
結部材を車室内から隠蔽するためにブラケツト８
にクリツプ１８で取り付けられたガーニツシユ、
１９は車室天井面を形成するトツプシーリング、
２０はルーフレール、２１はレインレール、２２
はスライデイングルーフ５周縁部に取り付けられ
その閉時にルーフ開口部２との間隙を気密シール
するウエザーストリツプ、２３はシーミングウエ
ルトである。

したがつて、上記実施例においては、各ガイド
レール３とスライデイングルーフ５との間隙１５
がガード部材１６により閉塞されているため、ス
ライデイングルーフ５を閉じサンシエード１３を
開いた日光導入状態で使用した場合、上記各ガイ
ドレール３とスライデイングルーフ５との間隙１
５より奥側に乗員が手を挿入することが阻止され
ることになる。そのため、この日光導入状態で誤
つて駆動装置を操作してスライデイングルーフ５
が開いても、下降するスライデイングルーフ５と
ガイドレール３，３との間に手が挾まれるという
事故が発生することはなくなり、よつて乗員の安
全性を高めることができる。

以上の如く、本考案によれば、ガイドレールの
案内により前後方向にスライドしてルーフ開口部
を開閉し、その開状態でルーフ開口部後方のルー
フパネル下側に格納される透明なスライデイング
と、該スライデイングルーフの下方にスライド可
能に配設されたサンシエードとを備えた自動車の
スライデイングルーフ装置において、上記スライ
デイングルーフとその案内のためのガイドレール
との間隙をガード部材で閉塞するようにしたの
で、サンシエードの開状態においてスライデイン
グルーフの開操作によりスライデイングルーフと
ガイドレールとの間に手が挾まれるのを確実に防
止することができ、よつて簡単な構造でもつて乗
員の安全性を向上させることができるものであ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は車体ル
ーフ部分の縦断側面図、第２図は第１図の−
線断面図、第３図はガイド部材の拡大側面図であ
る。 ２……ルーフ開口部、３……ガイドレール、５
……スライデイングルーフ、９……ガイド部材、
１１……ガイドローラ、１２……駆動ケーブル、
１３……サンシエード、１５……間隙、１６……
ガード部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体のルーフ開口部の両側部下方に配設した一
   対のガイドレール間に乗架されて上記ルーフ開口
   部をスライド開閉する透明なスライデイングルー
   フと、該スライデイングルーフの下方において上
   記両ガイドレール間にスライド可能に配設された
   サンシエードとを備えた自動車のスライデイング
   ルーフ装置において、上記一対のガイドレールは
   上記ルーフ開口部よりも後方まで延設され、かつ
   後方に向かつて下方に傾斜して設けられ、この各
   ガイドレールと上記ルーフ開口部との間には後方
   に向かつて大きくなる間隙が形成され、上記スラ
   イデイングルーフは、その後方へのスライド動作
   に連動して下降動作し、かつ上記ルーフ開口部の
   開状態では該開口部後方のルーフパネル下側に格
   納可能に設けられ、上記各ガイドレールの内側部
   には上記ルーフ開口部の閉状態での該ガイドレー
   ルとスライデイングルーフとの間隙を閉塞するガ
   ード部材が立設され、このガード部材は、上記各
   ガイドレールとスライデイングルーフとの間隙に
   対応して後方に向かつて高さ寸法が大きくなるよ
   うに形成され、かつその後端が少なくとも上記ル
   ーフ開口部の後側部近傍まで延設されていること
   を特徴とする自動車のスライデイングルーフ装
   置。