JPS623383Y2

JPS623383Y2 -

Info

Publication number: JPS623383Y2
Application number: JP13575482U
Authority: JP
Priority date: 1982-09-06
Filing date: 1982-09-06
Publication date: 1987-01-26
Also published as: JPS5940348U

Description

【考案の詳細な説明】この考案は冷却効率がすぐれ、運転コストの低
い転炉の炉口リング冷却装置に関するものであ
る。

一般に転炉の炉口には、炉口レンガを押えるた
め炉口リングが設けられている。しかし、精錬時
の転炉炉内は非常に高温となるため熱損耗あるい
は熱変形がおこり、炉口リングの補修取替頻度は
非常に多い。そのため、炉口リング内部に冷却管
を鋳込んで水、又は圧縮空気、あるいは蒸気の単
体を通して冷却し、熱による損耗や変形を防止す
ることは行なわれている。

しかし、水を用いた場合は冷却効率は良好であ
るが、非精錬時等は冷却過剰となり、熱損失が大
きく経済的でない。また、冷却水が漏れ炉内に入
ると爆発の危険がある等の問題がある。そのた
め、爆発の危険のない圧縮空気または蒸気を使用
するとその運転費がかかりコスト高となる欠点が
ある。

この考案はこのような欠点を除くもので、爆発
等の危険がなく、かつ運転費用の安価な炉口リン
グ冷却装置を提供するもので、その要旨は、炉口
リング内部に圧縮空気を通す冷却管を設け、該冷
却管路に加圧水を噴霧するスプレーノズルを設け
たことを特徴とするものである。

以下添付図面にもとづいてこの考案を説明す
る。第１図、第２図はこの考案の１実施例を示す
図である。１は転炉、２は炉口リング、３は炉口
レンガである。炉口リング２は炉口レンガ３を押
えるように２〜４分割して設けられている。図は
４分割したものを示す。この考案は炉口リング２
内部に冷却管４を蛇行させて鋳込んで設け、圧縮
空気を通してある。５は圧縮空気供給管であり、
６は空気流量調節弁である。この冷却管路に加圧
水をミスト状に噴霧し混合するものである。第３
図は混合室を示す図である。７はスプレーノズル
であり、0.1〜0.5mm径の小孔があけてあり、ミス
ト状の水が噴霧され圧縮空気と噴霧水が混合して
冷却管４に送られるようになつている。加圧水供
給管８には加圧水流量調節弁９、フイルター１０
を設ける。即ち、圧縮空気と加圧水は別個に流量
調節できるようになつている。また、この考案装
置は、転炉の非精錬時等は過冷却を防止するよう
ミスト添加を中止するようになつている。１１は
切替え弁であり、転炉が非精練時は切替え弁１１
により圧縮空気がバイパス管１２より導かれ、供
給管８とスプレーノズルにある水を押し出し、圧
縮空気がスプレーノズルから噴射されるようにな
つている。すなわち、非精錬時はスプレーノズル
７からの圧縮空気のみとなり過冷却が防止される
ものである。

また、この考案はこのような操作を自動的に制
御するようになつている。１３は制御器であり、
炉口リング温度Ｔと精錬信号Ｍが入力され、炉口
リング温度Ｔから圧縮空気と加圧水の流量が制御
され、精錬信号Ｍから切替弁１１の切替が自動的
に制御され非精錬時の過冷却を防止するものであ
る。

この考案装置を160T／chの転炉に実施し炉口
リングの温度を測定した結果について説明する。
第４図は炉口リングに温度計を設けた位置を示す
図である。温度計１４は炉口側から１４−１，１
４−２，１４−３，１４−４の４個所を設け記録
計１５に導き測定した。冷却管には冷媒として、
この考案装置による圧縮空気とミストの混合気流
と、比較のため圧縮空気のみと、蒸気のみの場合
について調査した。第５図は各温度計位置におけ
る炉口リング温度を示す図である。第５図ａは、
この考案装置により圧縮空気とミストの混合冷気
による温度曲線である。図中〇印はミスト量を６
×10^-2l／Ｎm³として圧縮空気量145Nm³／Ｈの混
合による温度曲線であり、△印は圧縮空気を
135Nm³／Ｈに減じたもので、□印はさらに圧縮
空気を112Nm³／Ｈに減じた場合の温度曲線であ
る。第５図ｂは圧縮空気のみによる冷却曲線であ
り、〇印は圧縮空気量145Nm³／Ｈ、△印は135N
m³／Ｈ、□印は112Nm³／Ｈの温度曲線である。
また、第５図ｃは蒸気を通した場合の温度曲線で
ある。〇印は125Kg／Ｈ、△印は63Kg／Ｈ、□印
は32Kg／Ｈを流した場合の温度曲線である。第５
図からわかるように、圧縮空気のみの場合は最高
の145Nm³／Ｈを流しても炉口付近は冷却不足で
ある。蒸気を流した場合は量を多くすると比較的
冷却効率は良くなるが運転コストは割高である。
これに対しこの考案装置による圧縮空気とミスト
の混合気流では非常に冷却効率がよく運転コスト
も安価である。第６図は炉口リング温度と運転コ
スト指数との関係を示す図である。（測定温度計
は１４−１）。横軸は運転コスト指数であり、縦
軸は炉口リング温度である。図中〇印はこの考案
装置により、ミスト量３×10^-2l／Ｎm²と圧縮空
気量145Nm³／Ｈ時の曲線であり、●印はこの考
案装置でのミスト量６×10^-2l／Ｎm³、圧縮空気
量145Nm³／Ｈ時の曲線である。△印は圧縮空気
のみであり、□印は蒸気の場合の曲線である。図
でわかるように、圧縮空気のみの場合は運転コス
トは低いが炉口リングの最適温度範囲である300
〜400℃まで低下しない。蒸気のみの場合は、最
適温度範囲まで低下させるには蒸気量を多くする
必要があり運転コスト指数も340程度必要であ
る。これに対しこの考案装置による圧縮空気とミ
ストの混合気流では運転コスト240程度で十分炉
口リングの最適温度範囲まで低下させることがで
きることを示すものである。

以上のように、この考案装置は炉口リング内の
冷却管に通してある圧縮空気に加圧水がミスト上
に噴出されるので、従来のように漏水等がなく爆
発等の危険は全くない。また、冷却効率が非常に
よく運転コストが安価である。さらに、転炉の非
精錬時の過冷却等も防止できる等省エネルギー効
果は、従来の蒸気冷却に対し30％以上低下させる
ことができる等の効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図はこの考案の１実施例を示す
図、第３図は混合室を示す図、第４図は炉口リン
グに温度計を設けた位置を示す図、第５図は各温
度計位置における炉口リング温度を示す図、第６
図は炉口リング温度と運転コスト指数との関係を
示す図である。図中、１……転炉、２……炉口リング、３……
炉口レンガ、４……冷却管、５……圧縮空気供給
管、６……空気流量調節弁、７……スプレーノズ
ル、８……加圧水供給管、９……加圧水流量調節
弁、１０……フイルター、１１……切替弁、１２
……バイパス管、１３……制御器、１４……温度
計、１５……記録計。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

転炉の炉口リング内部に圧縮空気を通す冷却管
を設け、該冷却管路に加圧水を噴霧するプレーノ
ズルを設けたことを特徴とする転炉の炉口リング
冷却装置。