JPS6233277Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 この考案は回転台の軸部にストツパー部材を設
けて回転台の抜け止めを施したターンテーブル装
置を備えた高周波加熱装置にかかり、特にストツ
パー部材廻りで発生する電波リークを改善した高
周波加熱装置に関する。

〔考案の技術的背景とその問題点〕

一般に高周波加熱装置に用いられる回転台の抜
け止めを施したターンテーブル装置においては、
加熱室の底壁面を通じて駆動側の回転軸と係合す
る回転台の軸部の外周側にストツパー部材を設
け、このストツパー部材と加熱室の底壁面との規
制で抜け止めを構成したものが採用されている。

従来から採用されているものとしては、第１図
で示すように回転台ａの軸部ｂの外周側に着脱自
在なワツシヤーｃを係合し、このワツシヤーｃを
支持部としてワツシヤーｃの上面にストツパー部
材としての環状の金属製のワツシヤーｄを重合さ
せたものが用いられている。なお、ワツシヤーｄ
は加熱室の底壁面ｅに穿設した回転台貫通孔ｆよ
り大きくなつていることはいうまでもない。

ところで、ターンテーブルを備えた高周波加熱
装置においては、回転台ａと加熱室の底壁面ｅと
の間隙を通じて加熱室から底壁面ｅの下部側へ若
干高周波がリークすることは知られている。

ところが、上述したような金属製のワツシヤー
ｄを用いて抜け止めする技術によると、ワツシヤ
ーｄに電波がのり、リークの量が多くなつてしま
う問題がある。データによれば無負荷の高周波加
熱動作の条件下でターンテーブルを駆動するモー
タでのリーク測定で60mW／cm²にも達し、これが
高周波加熱装置を制御するトランジスタ、マイコ
ンなどの電子部品等に影響を与えて誤動作をきた
したり、機外へリークするおそれをもたらす要因
となつている。

〔考案の目的〕

この考案は、上記事情に着目してなされたもの
でその目的とするところは、簡単な構造で回転台
廻りを通じての電波リークを減少させることがで
きる高周波加熱装置を提供することにある。

〔考案の概要〕

この考案は、ストツパー部材を環状の電波吸収
体で構成することにより、回転台を通じてリーク
する高周波の減少化を図り、リークによる他部品
への影響および機外へのリークを防止しようとす
るものである。

〔考案の実施例〕

以下、この考案を図面に示す一実施例にもとづ
いて説明する。第２図中１は高周波加熱装置であ
る電子レンジの本体で、この本体１内には加熱室
２が設けられる。さらに本体１内にはマグネトロ
ンなどの加熱機器（図示しない）が設けられ、加
熱室２内で食品等の被加熱物（図示しない）を高
周波加熱することができるようになつている。ま
た本体１の前面側には、加熱室１の開口を開閉す
る横開き式の扉体３および操作パネル４が設けら
れる。

そして、このように構成された電子レンジの加
熱室２の底部側には第３図で示すようにターンテ
ーブル装置５が設けられる。このターンテーブル
装置５は、加熱室２内の中央底面側にターンテー
ブル６を回転自在に支持する金属製の回転台７を
配し、加熱室２の底壁面２ａの下部側に駆動モー
タ８を設置し、上記駆動モータ８の回転軸８ａに
回転台７に設けられた軸部７ａを底壁面２ａを通
して挿入し、かつ回転軸８ａと軸部７ａとをたと
えば溝１４ａとピン１４ｂとの係合手段で回転方
向に係合してなる。しかして、回転軸８ａと回転
台７とは動力的に接続され、駆動モータ８の励磁
で回転台７上のターンテーブル６を回転動作させ
ることができるようになつている。なお、９はテ
ーブル案内ローラーである。また回転台７には抜
け止めが施されている。この抜け止めの構造とし
ては、第４図でも示すように回転台７の軸部７ａ
の外周側にワツシヤー１０を係合し、このワツシ
ヤー１０を支持部としてストツパー部材１１をワ
ツシヤー１０の上面に重合させてなる。またこの
ストツパー部材１１は、環状、かつ円板状をなす
電波吸収体１２から構成されていて、高周波を吸
収することができるようになつている。さらに電
波吸収体１２は、底壁面２ａに穿設された回転台
貫通孔１３よりも大きく形成され、この底壁面２
ａと回転台１との上下方向の規制関係で回転台７
の加熱室２側への抜け止めをはたしている。

しかして、このように構成された高周波加熱装
置５において、回転台７と加熱室２の底壁面２ａ
との間隙を通じて加熱室２内から底壁面２ａの下
部側へリークする高周波は、大きな吸収面を備え
た電波吸収体１１で吸収されることになり、回転
台７廻りを通じての電波リークを減少させること
ができるようになる。実験によれば無負荷の高周
波加熱動作の条件下で駆動モータ８でのリーク測
定で20mW／cm²といつた従来と比較して格段にリ
ーク量が少ないデータが得られるものであつた。

したがつて、リークによるトランジスタ、マイ
コンなどの電子部品等への影響および機外へのリ
ークを防止することができる。実験によると、特
に表示管を用いた電子レンジ製品については電波
によるちらつきがなくなつた。

〔考案の効果〕

以上説明したようにこの考案によれば、簡単な
構造で回転台廻りを通じての電波リークを減少さ
せることができ、他部品の影響および機外へのリ
ークを防止することができるといつた効果を奏す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の高周波加熱装置のターンテーブ
ル装置を示す断面図、第２図はこの考案の一実施
例の高周波加熱装置を示す斜視図、第３図はその
ターンテーブル廻りの構造を示す断面図、第４図
はその要部を示す断面図である。 ２……加熱室、７……回転台、７ａ……軸部、
８ａ……回転軸、１１……ストツパー部材、１２
……電波吸収体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ターンテーブルを回転自在に支持する回転台の
   軸部を駆動側の回転軸に加熱室の底壁面を通じて
   係合するとともに、回転台の軸部にストツパー部
   材を設けて回転台を抜け止めしてなるターンテー
   ブル装置を備えた高周波加熱装置において、上記
   ストツパー部材を環状の電波吸収体で構成したこ
   とを特徴とする高周波加熱装置。