JPS6232652Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、鉄筋等を波形に成形する成形装置
に関するものである。

棒状の鉄筋等を波形に成形する成形装置は、特
公昭57−60088号公報において既に開示されてい
る。

ところで、上記成形装置は、第１成形チエンと
第２成形チエンを用い、その両チエンの屈曲によ
つて鉄筋等を波形に成形するものであるが上記チ
エンを屈曲させるため、多数のシリンダを必要と
し、このため、コストが高く、しかも構造が複雑
で組立てに手間がかかり、さらに、鉄筋のピツチ
および高さを変更する場合、特殊な形状の成形チ
エンを取替える必要があり、その取替えのため数
種の成形チエンを用意しておく必要があるなどの
不都合がある。

この考案は、上記成形装置を改良し、ピツチお
よび高さが一定の数種の波形鉄筋等を能率よく成
形することができると共に、屈曲部間の長さが一
定で折り曲げ角度が次第に変化する波形鉄筋、あ
るいは折り曲げ角度が一定で屈曲部間の長さが異
なる波形鉄筋等を成形することができるようにし
た構造の簡単な成形装置を提供することを目的と
している。

上記の目的を達成するため、この考案は、水平
方向に長く延びる固定のレールに対して可動のレ
ールを接近・離反可能に設け、その可動レールの
両端部を支持するレール昇降用シリンダの一方を
可動レールに回動可能に連結し、他方を可動レー
ルの長さ方向に移動可能に連結し、両レールに支
持された複数の支柱のうち、一本をレールに固定
し、残りの支柱をレールに沿つて移動可能に支持
し、固定レールの支柱と可動レールの支柱を交互
に配置し、隣接する支柱をリンクで連結し、その
連結支柱の両側支柱端部にクランプ装置を設け、
残りの支柱端部に成形ガイドを取付け、一方レー
ルの支柱の成形ガイドで鉄筋等を支持してその両
端部をクランプ装置で挾持し、それより可動レー
ルを固定レールから離反させて鉄筋を波形に成形
するようにしたものである。

以下、この考案の実施例を添付図面に基づいて
説明する。

第１図および第２図に示すように、固定枠１
は、両側に側枠２，２を備え、その各側枠２の側
面に一対のレール昇降用シリンダ３，３′が支持
され、そのシリンダ３，３′のピストンロツド４
によつて、固定枠１の上方に配置した可動枠５の
側枠６下部が支持されている。

上記シリンダ３の一方は固定枠１の側枠２に固
定され、そのピストンロツド４の先端に取付けた
ローラ７が可動枠５の側枠６下面に設けた案内溝
８に嵌り込んでいる。また、他方のシリンダ３′
は、固定枠１の側枠２に取付けたブラケツト９に
ピン１０を介して回動可能に取付けられ、そのピ
ストンロツド１１の先端と可動枠５の側枠６下面
に取付けたブラケツト１２は、ピン１２′で連結
されている。

固定枠１の側枠２間および可動枠５の側枠６に
は、それぞれレール１３，１４が渡されている。
このレール１３，１４は、第５図および第６図に
示すように、二本を一組とし、レール１３間に所
要の間隔をあけて前後に並行に設けられ、固定枠
１のレール１３間には複数の下部支柱１５が、可
動枠５のレール１４間には複数の上部支柱１６が
それぞれ挿通されている。

上部支柱１６のうち、一本は、そのレール１４
に固定され（第１図の符号１６′で示す）他の残
りの上部支柱１６および下部支柱１５のそれぞれ
は、レール１３，１４を上下から挾持するローラ
１７によつて移動可能に支持されている。

下部支柱１５と上部支柱１６のそれぞれは、交
互に配置され、その隣接する支柱１５，１６はリ
ンク１８によつて互に連結されている。リンク１
８は、第７図に示すように、少なくとも両端部に
ピン孔１９を有し、そのピン孔１９を各支柱１
５，１６の端部に設けたピン２０に嵌め合わせ、
ピン２０の端部に割ピン２１を取付けて抜け止め
される（第５図および第６図参照） 下部支柱１５の上部および上部支柱１６の下部
には、成形ガイド２２が取付けられ、上部支柱１
６の成形ガイド２２は、下部支柱１５の成形ガイ
ド２２より下部に位置し、その上部支柱１６の成
形ガイド２２上に載置した被成形部材Ａの両端部
は、リンク１８で互に連結した支柱１５，１６の
両側の支柱に取付けたクランプ装置３０で挾持さ
れる。

図示の実施例では、固定枠１のレール１３で支
持された両側位置の下部支柱１５にクランプ装置
３０を設けてある。そのクランプ装置３０は、第
６図に示すように、成形ガイド２２の下方に案内
筒３１を取付け、その案内筒３１内に挿入した挾
持体３２の下端の傾斜面３３をその下方に配置し
たウエツジ３４の上部傾斜面３５に接触せしめ、
上記ウエツジ３４を下部支柱１５に取付けたシリ
ンダ３６のピストンロツド３７に連結し、ウエツ
ジ３４の水平方向の移動によつて挾持体３２を上
下動させるようにしてある。

また、下部支柱１５には、成形ガイド２２の下
方に排出ガイド２３を取付け、その排出ガイド２
３の上面を傾斜面２４にしてある（第５図参
照）。

実施例で示す成形装置は上記の構造から成り、
この成形装置は、上部支柱１６の成形ガイド２２
上に、例えば鉄筋Ａを載置し、その鉄筋Ａの両端
部をクランプ装置３０で挾持し、それより可動枠
５を上昇して上記の鉄筋Ａを波形に成形するもの
である。

いま、上部支柱１６の成形ガイド２２上に載置
した鉄筋Ａの両端部をクランプ装置３０によつて
挾持したのち、固定枠１の側枠２に取付けたシリ
ンダ３，３′を作動して可動枠５を上昇させる
と、下部支柱１５の成形ガイド２２が鉄筋Ａの下
側に係合し、それより可動枠５が上昇すると、鉄
筋Ａは各成形ガイド２２によつて折り曲げられる
と共に、レール１３，１４に沿つて移動可能に支
持された各支柱１５，１６が固定された支柱１
６′の方向に移動し、鉄筋Ａは波形は成形され
る。

可動枠５を水平状態を維持して所定量上昇させ
ると、第８図に示すように、折り曲げ角度が一定
し、屈曲部Ｂ間の長さが一定の波形の鉄筋を得る
ことができる。

また、可動枠５の上昇用シリンダ３，３′のピ
ストンロツド４の移動量を相違させて可動枠５を
所定量上昇させることによつて、シリンダ３のピ
ストンロツド４の先端のローラ７に沿つて可動枠
５の案内溝８が移動するので、可動枠５が傾斜
し、この結果、第９図に示すように、屈曲部Ｂ間
の長さが一定で折り曲げ角度が相違する波形の鉄
筋を得ることができる。

さらに、各支柱１５，１６を連結するリンク１
８の長さを相違せしめ、あるいは、第７図に示す
ように、複数のピン孔１９を有するリンク１８で
各支柱１５，１６を連結し、そのピン孔１９に対
するピン２０の挿入位置を変えて各支柱１５，１
６の間隔を不均一にしておくと、折り曲げ角度が
一定で、屈曲部間の長さが異なる波形鉄筋や、折
り曲げ角度および屈曲部間の長さが異なる波形鉄
筋などを成形することができる。

なお、波形に成形する成形物は鉄筋に限らず、
帯状の鉄板であつてもよい。

以上のように、この考案においては、上部支柱
の成形ガイド上に成形物を載置し、その両端をク
ランプ装置により挾持してから上部支柱を支持す
るレールを上方向に移動させる簡単な作業によつ
て被成形物を波形に成形することができると共
に、上部支柱を支持するレールを水平状態におい
て、その上昇量を適宜に規制することにより、折
り曲げ部間のピツチ、折り曲げ角度が一定の数種
の波形鉄筋を形成することができる。

また、上部支柱を支持するレールの昇降用シリ
ンダの作動によつて、上昇動させたレールを傾斜
状態とすることができると共に、隣接する支柱の
間隔を、その支柱間に渡したリンクによつて任意
に規制することができるため、折り曲げ部の角度
や、屈曲部間の長さが異なる数種の波形の成形物
を得ることができる。

さらに、上部支柱を支持するレールを一対のシ
リンダによつて昇降動させる簡単な構成であるた
め、成形装置の製作コストを安く、製作も容易で
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案に係る成形装置の正面図、
第２図は同上の側面図、第３図は第１図の右側部
分を拡大して示す正面図、第４図は同上の作動状
態を示す正面図、第５図は同上の下部支柱の支持
部を示す縦断側面図、第６図は同上のクランプ装
置部を示す縦断側面図、第７図は同上のリンクを
示す斜視図、第８図および第９図は同上の装置に
よつて成形した成形品の一部分を示す正面図であ
る。 ３，３′……シリンダ、１３，１４……レー
ル、１５，１６……支柱、１８……リンク、２２
……成形ガイド、３０……クランプ装置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 水平方向に長く延びる固定のレールに対して可
   動レールを接近離反可能に設け、その可動レール
   の両端部を支持する一対のレール昇降用シリンダ
   の一方を可動レールに回動可能に連結し、他方を
   可動レールの長さ方向に移動可能に連結し、両レ
   ールに支持された複数の支柱のうち、一本をレー
   ルに固定し、残りの支柱をレールに沿つて移動可
   能に支持し、固定レールの支柱と可動レールの支
   柱を交互に配列して隣接する支柱をリングで互に
   連結し、その連結された支柱の両側の支柱にクラ
   ンプ装置を設け、他の残りの支柱の端部に成形ガ
   イドを取付け、固定レールの支柱の成形ガイドと
   可動レールの支柱の成形ガイドを上下方向に位置
   をずらした波形鉄筋等の成形装置。