JPS6232527Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は中間支点形式とした鋏における刃部を
把持用の柄部に対して簡易迅速にとり替えうるよ
うにした替刃式鋏に関する。

従来の替刃式鋏は、支点軸にて枢着させた一対
の鋏部材を、該支点軸を抜きとることで一旦分解
させた状態として柄部より取り外すようにしてい
るのであるが、このように一対として予め組つけ
られている鋏部材を、支点軸を除いて分解するこ
とは面倒であるばかりか、両部材の摺接度に変化
が生じて機能上の調子を狂わせることになつて好
ましくないのである。

本考案は替刃式鋏において、支点軸で結合され
た鋏部材を分解させることなく、しかもドライバ
ーのような工具を用いずに該部材を柄部より取り
外して他の鋏部材と交換できるようにしたもの
で、以下これを図の実施例について説明する。

図において１及び２は中間の交差部を支点軸３
により枢着させた一対の部材であつて、夫々刃部
１ａ，２ａの後方に脚片１ｂ，２ｂが形成され、
４は上記脚片１ｂ，２ｂの後方に延長状として着
脱可能に連設される柄部である。この柄部４は
夫々腹部において内側面より該柄部の先端にかけ
て開口するスリツト５が形成され、さらに該スリ
ツト内の前後位置には夫々ピン６，７が貫設され
ていて、一方の後ピン７には、上記前後ピン６，
７間の長さより短くし、かつ内方に弓なり状に弯
曲させた弾性状の腕金８の後端が枢着せしめら
れ、然して前ピン６には、スリツト５内に脚片１
ｂ，２ｂを介入させて、各部材１，２が前方の刃
部がわに抜け出るのを阻止する方向として該脚片
の一側に形成した切込９が係合されるのである。
１０は部材の各脚片１ｂ，２ｂの後端に設けた凹
部であつて、この凹部１０は、前ピンに上記切込
９を係合させて各脚片１ｂ，２ｂをスリツト５の
内面に当接するまで介入せしめた状態において、
上記前後ピン６，７を結ぶ線Ｘの内がわに位置す
るよう定められているのであつて、この凹部に腕
金８の先端を突つ張り状に突入係止させるのであ
る。なお前記の前ピンに係合させる切込９は、第
１〜４図においては部材１，２の各外面に形成し
たものを示したが、第５図のように脚片１ｂ，２
ｂの内面に設けてもよく、さらに柄部４の材質は
間はないが、部材１，２は金属とする他、セラミ
ツク材で形成してもよいのである。

次に本考案の鋏における部材１，２と柄部４の
着脱についてであるが、第３，５図に示す組付け
状態では、部材の各脚片１ｂ，２ｂは、切込９が
前ピン６に係止されていることにより前方への移
動が阻止され、かつピン６，７を結ぶ線Ｘの内方
に後端の凹部１０が位置した状態で該凹部に弯曲
腕金８の先端が係合していることにより部材と柄
部は一体とされて使用に供しうるのである。この
状態で第３図で示すように部材１及び２に対して
各柄部４を夫々前ピン６を中心としてイ，イ′の
矢印方向にこじるように強く回動させると、部材
後端の凹部１０が第４図で示すように、Ｘ線上を
瞬間時に通過して外方の鎖線位置に移動すること
により腕金８による支持から解放されて部材と柄
部を分離しうるのであつて、然して組付けは前ピ
ン６に切込９を係合させた状態で凹部１０内に腕
金８の先端を臨ませて上記と反対に脚片１ｂ，２
ｂをスリツト５内にロ矢印方向へ押しこめばよい
のである。なおこの押しこみは左右の柄部を夫々
内方に接近させることで各脚片１ｂ，２ｂの内面
が柄部４の対応内面４′で押圧されることにより
軽い力でもつて容易に行いうるのである。

このように本考案によるときは、刃部後方に脚
片を形成して夫々の中間を支点軸で枢着すること
により結合せしめた一対の部材と、該部材の各脚
片に夫々着脱自在に連結される柄部とよりなり、
該柄部は内側面より先端にかけて開口するスリツ
トを設けてこのスリツト内の前後位置に夫々ピン
を貫設すると共に、一方の後ピンには上記前後ピ
ン間の軸間長さより短くした弯曲状の弾性腕金を
枢着し、さらに上記部材における各脚片の側部に
は、前方に抜け出るのを阻止する方向として前記
前ピンに係止しうる切込みを形成し、かつ後端に
は該脚片をスリツトの内面に接当する迄介入させ
た状態として、前後ピンを結ぶ線の内方位置にて
前記腕金の先端を突張り状に係合させうる凹部を
設けしめたものであるから、両部材を枢着させた
状態として夫々の脚片に対し各柄部を着脱自在に
連結しうることにより鋏の切断機能に支障を与え
ることなく柄部に対する刃部部材の交換が可能と
なり、しかも工具を必要としないので交換作業が
簡易迅速にはかれ、替刃式鋏の取扱いに便ならし
めうる効果を有するのである。

【図面の簡単な説明】

図は本考案にかかる鋏を示し、第１図は平面
図、第２図は第１図Ａ〜Ａ線の断面図、第３，４
図は部材と柄部の夫々着脱状態を示す要部切欠平
面図、第５図は他の実施例を示す同平面図であ
る。 １，２は部材、１ａ，２ａは刃部、１ｂ，２ｂ
は脚片、３は支点軸、４は柄部、５はスリツト、
６は前ピン、７は後ピン、８は腕金、９は切込、
１０は凹部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 刃部後方に脚片を形成して夫々の中間を支点軸
   で枢着することにより結合せしめた一対の部材
   と、該部材の各脚片に夫々着脱自在に連結される
   柄部とよりなり、該柄部は内側面より先端にかけ
   て開口するスリツトを設けてこのスリツト内の前
   後位置に夫々ピンを貫設すると共に、一方の後ピ
   ンには上記前後ピンの軸間長さより短くした弯曲
   状の弾性腕金を枢着し、さらに上記部材における
   各脚片の側部には、スリツト内より前方に抜け出
   るのを阻止する方向として前記前ピンに係止しう
   る切込みを形成し、さらに脚片後端には該脚片を
   スリツトの内面に当接するまで介入させた状態と
   して、前後ピンを結ぶ線の内方位置において前記
   腕金の先端を突張り状として係合させうる凹部を
   設けしめたことを特徴とする替刃式の鋏。