JPS6231606B2 - - Google Patents

Description

請求の範囲 １ 乳濁液および／または懸濁液を装置に導入す
るための導入口を有する予混合室と、上記予混合
室の下流側に連通され、下壁中央に通し孔が形成
された混合室とが画成されたハウジングを有し、
上記混合室には、ロータの回転中に乳濁液およ
び／または懸濁液の流れに対して、振動抵抗を与
えるため、上記下壁と対向する面に、周方向に一
様に、放射方向には等間隔に配設された梯形断面
の歯形状の突起を有するロータを配設し、上記下
壁のロータと対向する面に、周方向に一様に、放
射方向には等間隔に配設され、かつ上記ロータの
突起の半径とは同心で、しかも異なる半径で梯形
断面の歯形状の突起を形成した回転式脈動装置に
おいて、予混合室２と混合室４を連通する流路５
に環状ツバを設け、混合室４に向かつて集中する
コンフユーザを構成するようにしたことを特徴と
する回転式脈動装置。

技術分野 本発明は混合装置に関するものであり、特に回
転式脈動装置に関するものである。

背景技術 乳濁液および／または懸濁液の高分散混合物を
製造するための回転式脈動装置は公知である。
「分散」とは果粒状物質を所定の粒径まで粉砕ま
たは縮小することを意味するのは専門家において
は常識である。故に、高分散液状混合物は、その
構成成分の均一性を保証する程度に細かく粉砕さ
れた混合物粒子を前提とする。

公知の回転式脈動装置はハウジングを有し、そ
の上部の壁体が予混合室を限定している。この予
混合室は、ハウジングの縦軸線に対して対称的に
配置された３個の導入口を備えている。

これらの導入口は、液状混合物、一般に乳濁液
および／または懸濁液を回転式脈動装置の中に供
給するためのパイプラインと連通している。

予混合室は全体的に円筒形である。

ハウジングの中央部に混合室が収容され、この
混合室は、ハウジングの側壁によつて限定された
流路を介して予混合室と連通し、また本質的に円
筒形の形状を有する。

混合室はロータとステータとを収容し、これら
はロータの回転中に乳濁液流および／または懸濁
液流に対して振動抵抗を加えるためのものであ
る。

ステータとして役立つ混合室の下壁上に、ハウ
ジングの縦軸線に対して対称的な突起要素が配置
され、これらの突起要素は、ハウジングの縦軸線
に対して放射方向に離間されまた同心円に沿つて
一様に配置された歯形要素の形状を有する。

ロータは、軸に固着されたデイスクとして形成
され、この軸は、ハウジングの縦軸線に沿つて配
列され、またハウジング上端壁に固着されたモー
タによつて駆動される。

予混合室の中を貫通する軸部分上に、液状混合
物をねじつて混合室の中に押込むための複数のバ
ケツトが備えられている。

混合室の下壁上に配置された突起要素に対向す
るデイスク面も、同様にハウジングの縦軸線に対
して対称的に同心円に沿つて配置された突起要素
を備える。これらの突起の形状および全体配置は
混合室の下壁の突起と本質的に類似である。但
し、その同心円の半径は、混合室の下壁上に配置
された突起の同心円の半径と相違している。

デイスクの突起と、混合室下壁の隣接突起によ
つて形成されるグルーブの面との間に、また混合
室下壁の突起と、デイスクの突起要素によつて形
成されるグルーブの面との間に、ロータの回転に
際して混合室から排出孔の中へ液状混合物を送る
ためのチヤンネルが限定されている。

この排出孔は、軸全体を包囲する様に混合室の
下壁の中に配置されている。

混合室の中を通る軸部分に対して、デイスクの
手前においてバケツトが固着され、これらのバケ
ツトは混合室内部を通る液状混合物流に対して運
動を与えるためのものである。

従来の回転式脈動装置は、乳濁液および／また
は懸濁液の混合物の分散効率が低い欠点を有す
る。

発明の開示 本発明は、予混合室と混合室とを連通する流路
が多成分液状混合物の分散を改良する形状を有す
る様にした回転式脈動装置を提供しようとするも
のである。

乳濁液および／または懸濁液を導入するための
導入口を備えた予混合室と、流路を介して予混合
室と連通した混合室とを壁部によつて限定し、こ
の混合室は通し孔を備え、またロータの回転運動
に際して乳濁液流および／または懸濁液流に対し
て振動抵抗を与えるためのロータおよびステータ
を収容する様にした回転式脈動装置において、本
発明によれば予混合室を混合室と連通する流路は
混合室に向つて集中するコンフユーザとして形成
される様にして、前記の目的を達成される。

この様な流路の構造は、予混合室と混合室の全
長に沿つて液流の速度と圧を大幅に変動させる。

この液流の速度と圧の変動は、一般にいずれの
液体媒質中にも存在するガス泡を発生させる。流
路の集中構造がガス泡の量を大幅に増大させる様
に作用する。

回転デイスク状ロータの突起と混合室壁上に配
置された突起の表面によつて限定されるグルーブ
との間、および混合室壁の突起とデイスク上に配
置された突起の面によつて限定されるグルーブと
の間を液状混合物が通る際に、その流れは回転デ
イスクによつて周期的にまたは間欠的に中断さ
れ、その結果、高周波振動を出現させる。

集中流路中で発生した泡は、この高周波の作用
で破断または破裂させられる。この効果はまたミ
クロ爆発と説明することもでき、この様にして発
生したエネルギーが液状混合物粒子の高度分散を
容易にする。

本発明による回転式脈動装置は装置を通過する
乳濁液および／または懸濁液の分散のより効率的
な実施を可能にする。

本発明による回転式脈動装置はコストが低く、
生産床面積が小さく、操作信頼度が高く、取扱い
容易である。

本発明を図面に示す実施例についてより詳細に
説明する。

【図面の簡単な説明】

付図は本発明による回転式脈動装置の略示的縦
断面図である。

発明を実施するための最良の形態 本発明による回転式脈動装置は全体として円筒
形のハウジング１を含み、その縦軸線Ｏ―Ｏは本
質的に垂直に配置されている。

ハウジング１の上部に、このハウジングの外壁
体によつて限定された全体として円筒形の予混合
室２が備えられている。予混合室２は、乳濁液お
よび／または懸濁液等の液体の導入口３を有す
る。この導入口３は予混合室２の側壁の上部に配
置されている。

ハウジング１の中央部において、その側壁によ
つて、混合室４が限定され、この混合室は、ハウ
ジング１の縦軸線Ｏ―Ｏと本質的に一致した流路
５を通して予混合室２と連通している。

混合室４は、その縦軸線がハウジング１の縦軸
線Ｏ―Ｏと本質的に一致する様に予混合室２と同
軸に配置されている。同じく円筒形混合室４の中
に、ロータ６とステータ７が配置されている。こ
れらは、ロータ６の回転運動中に液流または混合
物流に対して振動抵抗を与えるためのものであ
る。

ロータ６は、軸８上に固着され混合室４の中に
収容された同一番号のデイスク６から成る。

軸８は、ハウジング１の中においてその縦軸線
Ｏ―Ｏと一致する様に配置され、またそれぞれ予
混合室２と混合室４を貫通している。

ハウジング１の上端板１ａに対して固着された
モータ９によつて、軸８に対して回転運動が与え
られる。

混合室４の下壁７が同一番号のステータ７とし
て役立ち、この下壁７は梯形の歯形要素状の突起
１０を備えている。

これらの突起要素１０は、ハウジング１の縦軸
線Ｏ―Ｏに対して対照的に配置され、一様に周方
向に、また相互に放射方向に一定間隔で配置され
ている。

ロータデイスク６の上面は平坦または平面であ
るが、混合室４の下壁７の突起１０に対向したそ
の下面は突起要素１１を備えている。

突起要素１１は突起要素１０と類似の形状およ
び寸法を有し、またデイスク６上に同様に配置さ
れているが、このデイスク６の突起要素１１を包
む同心円は、混合室４の下壁７の突起要素１０の
同心円と大巾に相違した半径を有する。

軸８の回転運動中は、デイスク６の突起要素１
１は下壁７の突起要素１０に近接して動く。故
に、これらの要素を通して流れる乳濁液流およ
び／または懸濁液流に対して可変抵抗または振動
抵抗を生じる様に作用し、その結果、流れの擾乱
と脈動が増大し、この様にして乳濁液および／ま
たは懸濁液の分散を容易にする。

下壁７の中に、ハウジング１の縦軸線Ｏ―Ｏと
本質的に一致して、通し孔１２が備えられてい
る。

予混合室２の中に配置された駆動軸８の部分に
対して、バケツト１３が固着され、このバケツト
１３は、ハウジング１の縦軸線Ｏ―Ｏに対して対
称的に配置され、また軸８の回転方向と逆の方向
に突出した曲面を備えて絃状に彎曲している。

このバケツト１３の目的は、液体混合物流を導
入口３から予混合室２を通して混合室４の中に送
る様に液流に対して運動を与えるにある。

混合室４の中において、軸８に対してバケツト
１４が固着されており、その目的、形状および構
造はバケツト１３のものと本質的に同様である。

本発明の１形態によれば、混合室４を予混合室
２と連通する流路５は、液流を混合室４に向つて
集中させる混合器として形成されている。ハウジ
ング１の大体中央部においてハウジング側壁の内
側面と一体を成す環状ツバ１ｂによつて流路５が
限定されている。

流路５の集中形状は、予混合室２から混合室４
の中に流れる液流の圧のきわめて急激な変化を生
じ、これが液状混合物の混合と分散を強化する。

ハウジング１の下部に、前記室２，４と同軸的
に、後混合室１５がハウジング側壁によつて形成
され、またこの後混合室１５を通る軸８に対し
て、２個の弾性羽根１６と１７が固着されてい
る。これらの羽根１６と１７の中間に配置される
様に、弾性翼１８が後混合室１５の側壁に固着さ
れている。

これらの羽根１６，１７と弾性翼１８は、混合
液を更にねじり、その結果、更に分散させるため
のものである。

後混合室１５の最下部または低部には、混合液
の分散中に放出されるガスの発生する過圧を噴出
するための逃し弁１９が配置されている。

この弁１９は任意適当な構造であつて、本発明
の本質と関連がないので以下には説明しない。後
混合室１５の底部には、生成混合物の排出口２０
が備えられている。

本発明による回転式脈動装置は下記の様に作動
する。

モータ９が稼動すると、軸８が回転させられ、
従つて、乳濁液および／または懸濁液から成る液
体混合物が導入口３から予混合室２の中に入り、
予混合室２の中のバケツト１３と混合室４の中の
バケツト１４の生じる圧力水頭の作用で、予混合
室２と混合室４の間の流路５を通つてデイスク６
の方に流入させられる。

ロータ６が回転させられる間に、集中流路５を
通過する乳濁液および／または懸濁液の混合物の
中で発生された波がガス泡を形成したり破裂させ
たりする。この様な微細爆発から生じたエネルギ
が混合液粒子を粉砕／破断し、またはその他の方
式で液状混合物の十分に高い分散を生じる。

集中流路５を通過する液状混合物はその速度を
増大し、その結果、混合液中に、急激な圧力降下
と、より活溌なガス泡形成を生じる。

ロータデイスク６が回転する際、混合液は、ロ
ータデイスク６の突起要素１１と混合室４の下壁
７の突起要素１０の対応側壁との間のスペース、
または突起要素１０と突起要素１１の側壁の成す
グルーブとの間のスペースを非連続的に通過す
る。この様にして、混合液の流れは周期的に中断
され、その結果、液体の乱流脈動を生じ、この混
合液内部に波場を発生する。

混合液は混合室４を通過したのち、液状混合物
は通し孔１２を経て、後混合室１５の中に入り、
その内部で、羽根１６と１７の回転による低周波
振動と、軸８の回転による高周波振動とを受け
る。

この様にして高度に分散された混合液は排出口
２０からコレクタ（図示されず）の中に排出され
る。

本発明による回転式脈動装置は、内燃機関にお
いて使用するために高度の分散性と安定度（７時
間乃至20時間）を有する、ガソリン／水またはデ
イーゼル燃料／水等の難混合性成分の液状混合物
を得ることができる。本発明による装置において
得られる燃料混合物は、排気ガスの毒性を大巾に
低下させ、効率を増大させ（約10％）、またエン
ジン出力を増大させることができる。

産業上の利用可能性 本発明による回転式脈動装置は加熱プラントお
よび発電プラント用の高分散液体燃料の製造に使
用するのが最も有利である。

また本発明は、建築工業において建築材料の製
造のため、化学工業において各種接着剤および布
類含浸剤を得るためにも使用することができる。
また本発明は、食品工業、薬品工業において、ま
た装飾被覆を得るためなどに家具工業において使
用することができる。