JPS6231542Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は塗り壁における柱の散り部分を容易
に美しく仕上げるために使用する壁散り定規に関
する。

従来、散り部分は下塗り、上塗りの壁塗りの工
程中に壁材料が付着して汚れやすく、その都度水
刷毛で掃除をする必要があつた。下塗り工程には
石こうプラスター等の壁材料が使用され、又上塗
りに比較して厚塗りするため、特に汚れやすく掃
除に相当の手間を要していた。

また、通常柱寸法の四分の一を散り寸法とし、
これに合わせて壁材料の塗厚を一定にしなければ
ならず、この散り寸法を揃えるために左官技術面
の熟練が必要となるが、最近こうした熟練工の不
足から塗壁工程におけるネツクとなつていた。

そこで、この考案は壁塗りの塗厚設定が容易に
しかも散り寸法を一定に揃えて仕上げられ、そし
て、下塗り工程中散り部分を汚染から保護するこ
とによつて、散り部分を美しく、かつ作業性よく
仕上げることができる散り定規を提供する。

以下、この考案の実施例を図面に基いて説明す
ると、壁散り定規１は定規板２の辺端に突起３を
有する埋込定規板部４と、該埋込定規板部の長手
方向に並設したくの字形に折曲してなる保護板部
５とからなる合成樹脂の押出成形品である。そし
て前記保護板部５は前記突起３の基部付近に薄肉
部６が形成され連結されている。

さらに前記定規板の表面には壁材料との付着を
良好ならしめるため所望により穿孔７を多数設け
たり凹凸条を設けたりする。また裏面には両面接
着テープ８を貼着してあり、柱側面への取付けが
容易にできる構成としてある。

このような構成の壁散り定規を使用するには、
まず柱９の側面に、定規板の裏面に貼着してある
両面テープの離型紙を剥がして貼着し、壁散り定
規を所定の位置へ固定する。さらにまた、養生紙
１０を柱９と保護板部５の間に挟み込むことによ
り広範囲の汚染を防止することもできる。

つぎに石こうプラスター等の壁材料を用いてラ
スボード１１上に下塗り１２を行なう。この下塗
り作業は突起３がコテの当りとなるため、壁材料
を常に一定の厚みで容易に塗着できる。

そして、壁材料の付着による散り部分１３の汚
れの大半は前述したように、この下塗り工程中で
あるが、保護板部５により散り部分が覆われてい
るので汚染は防止される。なお、下塗り壁材料の
硬化後、埋込定規板部４は壁材料内に埋込まれて
しまい離脱することはない。つぎに、保護板部５
を薄肉部６より折り取り、あるいは切り取つた
後、上塗り１４を塗つて仕上げる。この上塗り壁
材料は主に繊維質をボンドで練合わせたいわゆる
繊維壁材料を用いるため付着しても除去しやす
く、この時に保護板部がなくても散り部分はほと
んど汚れない。また、聚楽壁材料が用いられる場
合であつても、上塗りに使用される壁材料は少量
であるため汚れることもきわめて少なく、従来の
ような掃除手間は大幅に軽減される。

以上説明した如く、この考案の壁散り定規は定
規板の辺端に突起を有し、この突起をコテ当りと
して壁塗り作業を行なえるので、常に一定でしか
も直線の通つた塗壁を形成することができ、また
保護板部が前記埋込定規板部に薄肉部を形成して
連結されているので作業中の散り部分が隠蔽保護
され、掃除手間が不用なことと、薄肉部より保護
板部を簡単に折り取れるので壁面を傷つけること
がない利点を有し、したがつて散り部分の美しい
壁面を容易に能率よく仕上げることができる特徴
がある。

なお、保護板部はくの字形に折曲してなるの
で、前述養生紙等の挟着が可能であり、また保護
板部の折り取りに際し指先等を係止でき、こじり
やすい利点もある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の壁散り定規の一実施例を示
す斜面図、第２図は壁面の正面図、第３図及び第
４図は第２図のＡ部における壁塗り工程の拡大断
面図である。 １……壁散り定規、２……定規板、３……突
起、４……埋込定規板部、５……保護板部、６…
…薄肉部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 定規板の辺端に突起を有する埋込定規板部と、
   該埋込定規板部の長手方向に並設したくの字形に
   折曲してなる保護板部とからなり、該保護板部は
   前記突起の基部付近に薄肉部を形成して連結され
   ていることを特徴とする壁散り定規。