JPS623126Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、治療部位周辺から吸引した空気、
煙、汚水、汚物を分離器によつて気体、液体及び
固体に分離した上、気体を吹出口から大気中に放
出する医・歯科用吸引装置に関するものである。

（従来例の構成とその欠点） 第１図は、従来の医・歯科用吸引装置の分離器
の構成を示すもので、１は内側上部空間に液量調
整用の仕切板２を内設した汚水捕集器、３は汚水
捕集器１の一方の内側上部空間に設置した通気、
通水性の汚物捕集フイルタ、４は汚水捕集器１の
他方の内側上部空間に設置した液量調整弁で、こ
の液量調整弁４は、管壁に通気穴５を穿設した案
内筒６と、上下方向に移動自在に案内筒６に収納
されたフロート弁７とから成る。８は汚水捕集器
１の底部に設置した排出制御弁、９は汚物捕集フ
イルタ３の取出蓋、１０は汚物捕集フイルタ３の
上部に設置した吸入口で、この吸入口１０には、
吸引管（図示しない）によつて治療部位周辺から
吸引された、空気、レーザメス、電気メス等の使
用時に治療部位から発生する煙、治療部位周辺に
溜つた水、薬液、唾液等の汚水、肉片、骨片、歯
牙片等の汚物が流入する。１１は液量調整弁４の
上部に設置した、開口がフロート弁７の弁座とな
る排気口で、この排気口１１は吸気ポンプ（図示
しない）に接続される。１２は排出制御弁８の下
部に設置された排液口である。

このように構成された従来例では、吸気ポンプ
を作動させると、汚水捕集器１の内圧が大気圧よ
り低下して、排出制御弁８が閉じると同時に、治
療部位周辺から空気、煙、汚水、汚物を分離器に
吸引し、汚物を汚物捕集フイルタ３によつて捕集
し、且つ、汚水捕集器１によつて捕集した後、空
気及び煙を排出口１１から排出する。そして、吸
気ポンプを停止させると、汚水捕集器１の内圧が
大気圧と等しくなつて、治療部位周辺から空気、
煙、汚水、汚物を分離器に吸引しなくなると同時
に、排出制御弁８が開いて汚水捕集器１の底部に
溜つた汚水が排液口１２から排出される。又、汚
物捕集フイルタ３に溜つた汚物は、適宜取出蓋９
を開けて汚物捕集フイルタ３ごと取り出して廃棄
し、新たな汚物捕集フイルタ３を定位置に取り付
けて取出蓋９を閉じる。更に、吸気ポンプが作動
している時に、汚水が溜つて、汚水に浮んだフロ
ート弁７が排気口１１を閉ざすと、排気口１１か
らの排気が遮断されて、汚水捕集器１の内圧が大
気圧と等しくなるので、排出制御弁８が開いて汚
水捕集器１から排出されるが、汚水捕集器１の汚
水の液面が低下すると、排気口１１が開いて汚水
捕集器１の内圧が再び大気圧より低下し、汚水が
汚水捕集器１から全て流出してしまうと、排出制
御弁８が再び閉じて、治療部位周辺から空気、
煙、汚水、汚物を再び分離器に吸引する。ところ
で、排気口１１から排出された空気、煙は吸気ポ
ンプを通つて、そのまま大気中に放出されるた
め、汚水、汚物、吸引装置内の堆積物等の臭気及
び雑菌、煙等もそのまま大気中に放出されること
になり、特に密閉された室内においては、臭気、
雑菌、煙等が室内に充満することになつて、環境
衛生上問題があつた。又、吸気ポンプが発熱して
くると、臭気が強くなる欠点があつた。

（考案の目的） 本考案の目的は、汚水捕集器から排出される気
体の脱臭、殺菌、煙粒子の吸着を行なつて、前記
従来例の欠点を解消した医・歯科用吸引装置を提
供するものである。

（考案の構成） 本考案は、汚水捕集器の排気口から吹出口の間
の排気路に煙吸着手段、脱臭手段及び殺菌手段を
設置したものである。

（実施例の説明） 第２図は、本考案の一実施例の構成を示すもの
で、１３は汚水捕集器１の排気口１１に接続され
る吸気口、１４は吸気口１３から吸入された気体
から煙の粒子を捕集する煙吸着材、１５は吸気口
１３から吸入された気体から更に臭気を除去する
脱臭剤、１６は吸気ポンプ、１７は吸気ポンプ１
６から排出された気体を殺菌する殺菌灯１８を内
蔵した排気ケース、１９は吹出口である。

このように構成された本実施例では、排気口１
１から排出された気体は、煙吸着材１４によつて
煙の粒子が捕集され、脱臭剤１５によつて脱臭さ
れ、且つ、殺菌灯１８によつて殺菌された上、吹
出口１９から大気中に放出される。又、汚物捕集
フイルタ３によつて捕集されなかつた細かい塵埃
は、煙吸着材１４及び脱臭剤１５によつて捕集さ
れる。

（考案の効果） 以上説明したように、本考案によれば、医・歯
科用吸引装置に吸着手段、脱臭手段及び殺菌手段
を設けることにより、医・歯科用吸引装置から排
出される空気の中から煙の粒子、細かい塵、臭い
等が除去される上、空気と共に治療患部等から吸
引された細菌等が殺菌手段によつて殺菌されるの
で、手術環境が良好になると共に、治療時におい
て最も留意しなければならない２次感染を防止で
きるという利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の医・歯科用吸引装置の分離器の
断面図、第２図ａは本考案の一実施例の平面図、
第２図ｂは本考案の一実施例の半断面図である。 １……汚水捕集器、３……汚物捕集フイルタ、
４……液量調整弁、７……フロート弁、８……排
出制御弁、１０……吸入口、１１……排気口、１
２……排液口、１３……吸気口、１４……煙吸着
材、１５……脱臭剤、１６……吸気ポンプ、１８
……殺菌灯、１９……吹出口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. レーザメス、電気メス等によつて焼かれた治療
   部位から発生する煙、前記治療部位周辺の空気等
   と共に、汚水、汚物等を吸引する医・歯科用吸引
   装置において、前記汚水、汚物等を除去した後の
   前記空気の中に含まれる前記煙の粒子、細かい塵
   等を捕集する吸着手段と、前記空気の中から臭気
   を除去する脱臭手段と、前記空気の中の細菌等を
   殺菌する殺菌手段とが具備されていることを特徴
   とする医・歯科用吸引装置。