JPS6231210B2

JPS6231210B2 -

Info

Publication number: JPS6231210B2
Application number: JP56082227A
Authority: JP
Inventors: Takenori Kamio
Original assignee: Daikin Manufacturing Co Ltd
Current assignee: Exedy Corp
Priority date: 1981-05-28
Filing date: 1981-05-28
Publication date: 1987-07-07
Also published as: JPS57195926A

Description

【発明の詳細な説明】本発明は自動車用エヤークラツチに適したイン
チングバルブに関する。

従来の自動車用クラツチはプレツシヤープレー
トをスプリンによりフライホイール側へ押圧し、
又レリーズレバー等を有するレリーズ機構により
逆方向へ戻すようになつているが、そのような従
来品ではスプリングやレリーズ機構が大形化する
という不具合や、フエーシングが摩耗するにつれ
てスプリングからプレツシヤプレートに加わる押
圧力が不足するという不具合等がある。その対策
として本件出願人は特願昭55−7151号等において
エヤークラツチを既に提案している。そのエヤー
クラツチはクラツチカバーに取り付けたエヤーシ
リンダ機構によりプレツシヤプレートをフライホ
イール側へ押圧するようにしたもので、エヤーシ
リンダ機構と加圧空気源とをつなぐ空気通路の途
中にクラツチペダルに連動するインチングバルブ
が設けてある。ところが既に提案されているイン
チングバルブにおいては、クラツチ遮断状態と半
クラツチ状態との間で空気圧すなわちクラツチ接
続状態を微妙に調節することが難しいという不具
合や、クラツチを速やかに遮断することが難しい
という不具合がある。

本発明は上記不具合を解決するために、インチ
ングバルブに使用される圧縮ばねとして円錐ばね
や竹の子ばねのようなばね、すなわち全長が増す
につれて単位圧縮量当りの弾性反発力の変化量が
減少するようなばねを使用し、クラツチペダルス
トロークの一定量の変化に対して、クラツチ遮断
状態から半クラツチ状態の間では空気圧が緩やか
に変化し、半クラツチ状態から完全接続状態の間
では空気圧が大幅に変化するようにしたもので、
図面により説明すると次の通りである。

第１図の１はコンプレツサで、大型車がブレー
キ用圧縮エヤーを得るために一般に搭載している
ものであり、その吐出口はパイプ２を介してタン
ク（加圧空気源）に続しており、タンク３は例え
ば８Kg／cm²の圧縮エヤーを蓄積している。タンク
３の吐出口はパイプ４を介して圧力調整弁５に接
続し、弁５の吐出口はパイプ６を経てインチング
バルブ７に接続する。圧力調整弁５はクラツチの
機種に応じた所定の最大伝達トルクが得られるよ
うに、インチングバルブ７へ供給するエヤー圧を
例えば常時４Kg／cm²に維持する役割を果す。９は
圧力表示ランプである。インチングバルブ７の出
口にはパイプ１２の一端が接続し、パイプ１２の
他端はクラツチハウジング１３内の回転継手１５
に接続している。バルブ７はクラツチペダル１１
（操作部材）と連動するようになつている。

回転継手１５はクラツチ出力軸１６の周囲に配
置された筒状の組立品で、クラツチカバー１７の
内周部からクラツチデイスク１９と反対側へ突出
した姿勢にある。継手１５にはパイプ１２の他に
パイプ２０の一端が接続し、パイプ２０の他端は
クラツチカバー１７の外周寄りの部分にプレツシ
ヤプレート２１と反対側から固定されている。ク
ラツチカバー１７とプレツシヤプレート２１の間
には環状のエヤーシリンダ２２（加圧空気供給
部）が設けてあり、パイプ２０はシリンダ２２の
加圧室２３に接続している。シリンダ２２はカバ
ー１７に固定されており、シリンダ２２に嵌合す
る環状ピストン２５は断熱材２６を介してプレツ
シヤプレート２１に連結されている。プレツシヤ
プレート２１の外周部は弾性ストラツプ７を介し
てカバー１７に連結され、カバー１７の外周縁は
フライホイール２８に連結されている。

垂直縦断面図である第２図の如く、インチング
バルブ７は例えば垂直な筒状のボデー３０を備
え、ボデー３０の環状下端面には後述するダイヤ
フラム３１（移動部材）を挾んで筒状の別のボデ
ー３２がボルト（図示せず）により同芯に固定さ
れている。ボデー３２は垂直中心線Ｏ−Ｏと同芯
の小径孔３３を上半部に備え、下半部には底蓋３
５の筒状フランジ３６がＯリング３７を介して嵌
合する大径孔３９を備えている。４０は底蓋３５
をボデー３２の下端面に固定するボルトである。
ボデー３２にはパイプ６に接続する入口４０とパ
イプ１２に接続する出口４１とが小径孔３３を挾
んで設けてある。小径孔３３の周壁部４２には出
口４１と小径孔３３をつなぐ孔４３が設けてあ
る。ボデー３２の上面とダイヤフラム３１の間に
は圧力室３８が形成され、圧力室３８は孔４４を
介して出口４１に連通している。大径孔３９の上
端壁外周部には溝状の環状通路４５が設けてあ
り、入口４０は通路４５に接続している。

周壁部４２の下端は通路４５の内周側へ突出し
てフイードバルブの環状弁座ｆを形成し、弁座ｆ
の下側にはフイードバルブのプレート状弁体Ｆが
設けてある。弁体Ｆはばね受け４６上に取り付け
てあり、ばね受け４６の下面と蓋３５の間には小
形の円錐ばね４７が設けてある。小径孔３３には
エキゾーストバルブの弁体Ｅが嵌合している。弁
体Ｅは垂直な筒状体で、下端は弁体Ｆの中心寄り
の部分（エキゾーストバルブの弁座）に当接でき
るようになつており、弁体Ｅと弁座ｆの間には環
状断面の通路４９が設けてある。弁体Ｅは上端近
傍の大径部において周壁部４２の内周面に摺動自
在に案内支持されており、弁体Ｅの上端部は補強
プレート５０と共にダイヤフラム３１の中心部に
固定されている。

ダイヤフラム３１の中心部上面には弁体Ｅ上端
の外向きフランジ５１を介して円形プレート状の
ばね受け５２が着座している。第２図の−断
面部分図である第３図の如く、ばね受け５２は十
字状の通路５３を下半部に備え、第２図の弁体Ｅ
内の通路５５は通路５３を介してダイヤフラム３
１の上面側の室５４を連通している。ばね受け５
２の上面には垂直な圧縮コイルばねからなるメイ
ンスプリング５６の下端が着座している。スプリ
ング５６は上方へゆくにつれて大径となる円錐ば
ねで、上端は環状ばね受け５７の下面に着座して
いる。ばね受け５７は内周部から上向きに延びる
筒状部５９を一体に備え、筒状部５９内にはステ
ム６０が摺動自在に嵌合している。ステム６０の
下端はばね受け５２に固定され、上端部の外周面
にはスナツプリング状のストツパー６１が取り付
けてある。

筒状部５９は垂直ロツド６２の下端面に明けた
深い穴６３に摺動自在に嵌合し、ロツド６２の下
端に設けた外向きフランジ６５はばね受け５７の
上面に当接している。ロツド６２の下端近傍の部
分は筒状部材６６の上半部内周面に嵌合してい
る。部材６６は環状段部６７を境にして下半部が
大径に成形されており、段部６７の下面はフラン
ジ６５の上面に当接している。筒状部材６６は外
向きフランジ６９を下端に備え、フランジ６９の
外周面はボデー３０の内周面に摺動自在に嵌合し
ている。ボデー３０は下端近傍に内向きフランジ
７０を備え、図示の状態においてフランジ６９は
フランジ７０の上面に当接している。フランジ６
９の上面と上蓋７１の間には圧縮コイルばねから
なるリターンスプリング７２が配置してある。上
蓋７１はボルト７３によりボデー３０の上端面に
固定された部材で、ロツド６２が摺動自在に嵌合
する孔７５を備え、孔７５の周囲には複数の垂直
孔７６が設けてある。孔７６はスプリング７２を
収容した室７７に連通しており、前記筒状部材６
６の大径部には室７７と室５４をつなぐ孔７９が
設けてある。孔７６の上端開口は上蓋７１に取り
付けた弾性体のダストカバー８０により覆われて
おり、室７７の圧力が上昇するとカバー８０は弾
性変形して孔７６を外部８１に連通させるように
なつている。上蓋７１はボデー３０を車体（図示
せず）に取り付けるためのブラケツトを形成して
いる。ロツド６２の上部はボデー３０外へ突出
し、レバー機構８２等を介してクラツチペダル１
１に連結している。レバー機構８２はクラツチペ
ダル１１を踏み込むとロツド６２が上昇するよう
に構成されている。

作動について説明する。クラツチペダル１１が
踏み込まれていない第２図の状態において、リタ
ーンスプリング７２の弾力により筒状部材６６は
フランジ７０と当接する位置まで押し下げられて
おり、ロツド６２は筒状部材６６の段部６７に押
し下げられても最も下方の位置を占めると共に、
ロツド６２によりメインスプリング５６はばね受
け５７を介して大きく圧縮されている。この状態
からペダル１１を踏み込み、ペダルストロークＳ
（第４図）をレバー機構８２の遊び量S₁以上にす
ると、レバー機構８２を介してロツド６２は部材
６６と共に引き上げられ、スプリング５６は伸び
る。スプリング５６が伸びると、ステム６０は筒
状部５９に対して相対的に下降するが、ストロー
クＳが最大値Ｓ_nに近い値S₂になると、ステム６
０上端のストツパー６１が筒状部５９の上端面に
当接し、ストロークＳが上記値S₂よりも大きくな
ると、ばね受け５２及びステム６０は筒状部５９
やロツド６２と共に上昇し、スプリング５６の伸
長量は増加しない。再びペダル１１を離すと、ス
プリング７２の弾力により部材６６及びロツド６
２は下降し、スプリング５６は大きく圧縮され
る。

上記動作においてスプリング５６の反発力は次
のように変化する。すなわちスプリング５６は円
錐ばねであるので、その全長Ｌ（ストロークＳに
比例して増加する）が増すにつれて単位圧縮変化
量dl当りの弾性反発力Ｇの変化量dg、dg′が減少
し（dg＞dg′）、換言すればスプリング５６は大
きく圧縮された状態では一定量dlの伸長に対して
反発力Ｇも大きく減少するが、長く伸長した状態
では一定量dlの伸長に対して反発力Ｇは僅かしか
減少しないという特性を有している。従つて前述
の如くペダルストロークＳが増加する場合、遊び
区間Ｏ−S₁を過ぎると反発力Ｇは当初大幅に減少
し、以後次第に反発力Ｇの減少率（特性曲線Ｍの
傾き）が低下し、前記ストロークS₂の直前では反
発力Ｇが緩やかに減少する。

次に第２図の弁体Ｅ，Ｆの動作について説明す
る。ペダル１１を離した図示の状態では、スプリ
ング５６の弾力により弁体Ｅが弁体Ｆを押し下げ
て弁座ｆから僅かに離しており、タンク３から弁
５を経て入口４０に達した加圧空気は通路４５、
弁体Ｆと弁座ｆ間の隙間、隙間４９、孔４３を通
つて出口４１に達し、出口４１からパイプ１２等
を経てシリンダ２２に供給されてクラツチを後述
する如く接続している。

次にペダル１１が踏み込まれ、ばね５６の反発
力が前述の如く低下すると、圧力室３８の加圧空
気によりダイヤフラム３１が押し上げられ、弁体
Ｅは上昇する。そうするとばね４７の弾力により
弁体Ｆは押し上げられて弁座ｆに着座し、入口４
０から出口４１への空気供給は停止する。これと
並行して弁体Ｅは弁体Ｆから離れるので、次のよ
うな排気通路すなわち出口４１から孔４３、隙間
４９、弁体Ｅ，Ｆ間の隙間、弁体Ｅ内の通路５
５、通路５３、室５４、孔７９、室７７、孔７６
を経て外部８１に至る排気通路が形成され、シリ
ンダ２２内の加圧空気は出口４１側へ逆流して上
記排気通路から外部８１へ排出される。その場合
に出口４１の圧力降下に対応して圧力室３８の圧
力も低下するが、圧力室３８からダイヤフラム３
１に加わる圧力がスプリング５６からの弾力より
も僅かに下回ると、ダイヤフラム３１が下降して
弁体Ｅが弁体Ｆに着座し、排気通路は閉鎖され
る。従つて出口４１や圧力室３８の圧力はスプリ
ング５６の弾力に概ね比例して変化する。

又ペダル１１を踏み込んだ状態から一定量戻す
と、プリング５６の反発力が増すので、ダイヤフ
ラム３１は押し下げられ、弁体Ｅは弁体Ｆを押し
下げて出口４１を入口４０に接続すると共に前記
排気通路を遮断する。この接続状態は出口４１の
圧力がスプリング５６の反発力と釣り合う値にな
るまで続き、上記圧力と反発力が釣り合うと、ダ
イヤフラム３１が上昇し、弁体Ｆが弁座ｆに着座
して圧力上昇は停止する。従つてペダル戻し行程
においても出口４１や圧力室８の圧力はスプリン
グ５６の反発力に概ね比例して変化する。

このように出口圧力Ｐはスプリング反発力Ｇに
比例し、又スプリング反発力Ｇはペダルストロー
クＳに対応して前述の如く変化するので、ストロ
ークＳが遊び区間Ｏ−S₁に近い領域では、圧力Ｐ
は急激に変化し、ストロークＳが増すにつれて次
第に圧力Ｐの変化率（特性曲線Ｎの傾き）が低下
し、前記所定値S₂に近くなると圧力Ｐは緩やかに
変化する。又ストロークＳが所定値S₂以上になる
と、第２図のストツパー６１が筒状部５９と係合
し、スプリング５６からダイヤフラム３１に加わ
る弾力が解放されるので、出口圧力Ｐは急激に変
化する。

第４図の特性Ｎに関連して第１図のクラツチの
動作を説明する。エンジン運転中、コンプレツサ
１はエンジンにより常時駆動され、クンク３内に
は所定圧の加圧エヤーが充満し、圧力調整弁５で
調圧された加圧エヤーはバルブ７の入口４０に達
している。ペダル１１が踏み込まれていない状態
では（Ｓ＝Ｏ）、加圧エヤーは入口４０から出口
４１へ達し、出口４１からパイプ１２等を経てシ
リンダ２２の加圧室２３へ導入され、該加圧エヤ
ーからの押圧力によりピストン２５はプレツシヤ
プレート２１を介してクラツチデイスク１９のフ
エーシングをフライホイール２８に押圧し、クラ
ツチは接続されている。

ペダル１１を踏み込むと、加圧室２３の圧力は
パイプ１２や出口４１を経てバルブ７から外部８
１へ解放されるので、ピストン２５に対する押圧
力が解放され、プレツシヤプレート２１がストラ
ツプ２７の弾力によりデイスク１９に圧接しない
位置まで戻され、クラツチは遮断される。この遮
断行程では、第４図の如くストロークＳが比較的
小さい段階で圧力Ｐが大幅に減少するので、クラ
ツチも完全接続状態から急激に遮断される。従つ
てクラツチフエーシングに摩耗の原因となる無駄
な滑りは生じない。

ペダル１１を再び離すと、出口圧力Ｐは上昇
し、加圧室２３が加圧されてクラツチ各部は接続
方向へ作動する。その場合にストロークＳが比較
的大きい段階では圧力Ｐが緩やかに変化するの
で、ペダル操作により出口圧力Ｐ及び加圧室２３
の圧力を微妙に調節することができる。従つて半
クラツチ領域（圧力Ｐが低い領域）において接続
状態を細かく調節することができ、微妙な発進操
作が可能となる。

以上説明したように本発明によると、圧力調整
用のメインスプリング５６として円錐ばねのよう
なばね、すなわち全長が増すにつれて単位圧縮量
当りの弾性反発力の変化量が減少するようなばね
を使用したので、バルブ７を開放状態（出口４１
と入口４０を接続した状態）から閉鎖及び圧力解
放状態へ作動させる行程において、出口圧力Ｐを
当初急激に減少させ、以後次第に緩やかに減少さ
せることができる。従つて本発明によるバルブ７
を自動車用エヤークラツチに使用すると、クラツ
チの無駄な滑りを防止すると共に、微妙な発進操
作を容易に行うことができる。

しかも本発明では、スプリング５６の特性を充
分に利用するために、スプリング５６に連結する
連動部材（ロツド６２）と操作部材（ペダル１
１）とをレバー８２等により機械的に連結すると
共に、バルブＥ，Ｆを圧力源とクラツチ加圧室２
３とをつなぐ通路に配置している。

従つてクラツチペダル１１の操作量とスプリン
グ５６の圧縮量とが極力正確に対応すると共に、
バルブＥ，Ｆの動作状態と加圧室２３の実際の圧
力が正確に対応する。そのためにスプリング５６
の圧縮特性と実際の空気圧力特性との関係が外的
要因によつて影響されることを極力防止し、スプ
リング５６の非直線的圧縮特性を有効に利用して
上記効果を得ることができる。

なお本発明を具体化する場合には、メインスプ
リング５６として竹の子ばねや不等ピツチコイル
ばねを使用することもできる。ダイヤフラム３１
をピストンに代えることもできる。インチングバ
ルブ７をエヤークラツチ用以外の圧力制御に使用
することもできる。

【図面の簡単な説明】

第１図はエヤークラツチの縦断面略図、第２図
はインチングバルブの垂直縦断面図、第３図は第
２図の−断面部分図、第４図はばね特性及び
圧力制御特性のグラフである。３……タンク（加
圧空気源）、７……インチングバルブ、１１……
クラツチペダル（操作部材）、２２……エヤーシ
リンダ（加圧空気供給部）、３１……ダイヤフラ
ム（移動部材）、３８……圧力室、４０……入
口、４１……出口、５６……メインスプリング
（圧縮ばね）、６２……ロツド（連動部分）、Ｅ…
…エキゾーストバルブの弁体、Ｆ……フイードバ
ルブの弁体。

Claims

【特許請求の範囲】

１入口が加圧空気源に接続し、出口がエアーク
ラツチの加圧室に接続するインチングバルブに、
上記入口と出口を接続できるフイードバルブと、
出口を排気通路に接続できるエキゾーストバルブ
と、出口圧力が導入される圧力室と、圧力室に面
して移動自在に配置された移動部材と、移動部材
を挾んで圧力室の反対側の位置において操作部材
と機械的に連結された連動部材と、連動部材と移
動部材をつなぐ圧縮ばねとを設け、エキゾースト
バルブの弁体とフイードバルブの弁体とを移動部
材に連動させ、移動部材が連動部材側へ移動する
とフイードバルブが閉じると共にエキゾーストバ
ルブが開くようにし、前記ばねとして全長が増す
につれて単位圧縮量当りの弾性反発力の変化量が
減少するようなばねを使用したことを特徴とする
インチングバルブ。