JPS6231068B2 - - Google Patents

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JPS6231068B2
JPS6231068B2 JP9060185A JP9060185A JPS6231068B2 JP S6231068 B2 JPS6231068 B2 JP S6231068B2 JP 9060185 A JP9060185 A JP 9060185A JP 9060185 A JP9060185 A JP 9060185A JP S6231068 B2 JPS6231068 B2 JP S6231068B2
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JP
Japan
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film
tin
stainless steel
steel
deposited film
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Expired
Application number
JP9060185A
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English (en)
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JPS61250178A (ja
Inventor
Koichi Tanaka
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tanaka Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Tanaka Manufacturing Co Ltd
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Publication date
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  • Chemical Treatment Of Metals (AREA)
  • Physical Vapour Deposition (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 この発明はステンレス鋼製ねじ部品に関するも
のである。 〔従来の技術〕 従来、多湿、多塩の状況下(たとえば、地中、
水中もしくは海中等に埋設された状態、または
水、海水その他腐食性の飛沫に曝された状態)で
諸材料を締め付けるために、鉄製ねじ部品が広く
使用されて来たが、普通鋼は腐食が著しく、近時
これをステンレス鋼(不銹鋼)に代替しようとす
る傾向にある。その上耐熱鋼としても宇宙、航空
用機器等に盛んに使用されるようになつて来た。
しかし、ステンレス鋼は耐食性に優れているとは
言つても、通常の炭素鋼に比べて硬度が低く打痕
傷が入りやすかつたり、また強力に締め付けると
ねじ切れや焼き付けなどの現象を起こしたりし
て、充分な締め付けが出来なくなり、宇宙、航空
機用の締結部品として高温(900℃)にさらにさ
れると熱伝導率が小さく(普通鋼の約1/3)、ねじ
の嵌合面および被締結物との間で発生した熱が発
散されにくく、焼き付け固着を起こすといつた不
都合がしばしば生ずる。 また、金属表面の耐腐食性、耐摩耗性、非凝着
性または装飾性などの改善を目的とする表面処理
方法が数多く開発され実用化されており、電解に
よる陽極酸化皮膜(硫酸法、硬質陽極酸化法、シ
ユウ酸法、クロム酸法、自然発色法、電解着色
法、その他)、無電解による金属皮膜、化成皮膜
(リン酸塩法、クロム酸塩法、その他)、加熱圧着
膜、溶着膜、蒸着膜(真空蒸着法、カソードスパ
ツタリング法、イオンプレーテイング法、ベーパ
ープレーテイング法、その他)など、基材表面に
異質の皮膜層が形成されることはよく知られ、そ
してステンレス鋼の前記欠陥を補うためにも各種
の皮膜形成が試みられ、イオンプレーテイング法
に基づいて表面にTiN(窒化チタン)皮膜が被覆
されることもよく知られている。このイオンプレ
ーテイング法とは、たとえば金属チタンを真空下
(10-5〜10-7Torr)電子ビームもしくは抵抗加熱
方式によつて蒸発させ、蒸発した粒子と熱電子と
を衝突させてイオン化させ、電界分布により走行
するイオン化粒子とほかの蒸発粒子との衝突によ
つてイオン化粒子はさらに増殖され、これらイオ
ン化によつて強力な運動エネルギーをもつた蒸発
チタン粒子が系内に導入された窒素ガスと反応
し、適当な電圧が印加された被処理物表面に大き
い速度で衝突してTiN皮膜を形成するというもの
であつて、通常数μm以下のきわめて薄い膜厚の
ものが用いられている。このようなTiN皮膜の形
成によつて基材の硬度、耐腐食性、非凝着性およ
び装飾性などが著しく向上するのである。 〔発明が解決しようとする問題点〕 このようにステンレス鋼表面にTiN皮膜を形成
することによつてステンレス鋼の硬度は上昇し、
ねじ部品のような特殊な用途に使用される際のね
じ切れ、焼き付けなどの防止にきわめて有効であ
ることは明らかであるが、トルク係数の低減によ
る適正軸力の確保、電食防止または隙間腐食防止
などについては充分満足できず幾多の問題が残さ
れている。 〔問題点を解決するための手段〕 上記の問題点を解決するために、この発明はス
テンレス鋼製ねじ部品の全面もしくは一部にTiN
蒸着膜を形成し、このTiN蒸着膜の欠損部分に蓚
酸塩皮膜を形成し、その膜上に有機酸塩による処
理層を形成させるという手段を採用したのであ
る。 〔作 用〕 元来、蒸着膜は膜厚が薄く、ピンホールのよう
な微細な孔が残りやすく、また、蒸発源から見て
影になる部分には皮膜が付着しないという宿命的
な欠陥がある。このような欠陥は蒸着時間を延長
したり、被蒸着物を回転させたりすることによつ
てある程度減らすことは可能であつても、完全に
無くすことは不可能である。したがつてこの発明
のねじ部品は、蒸着膜固有の欠陥部分とともに、
意図的に蒸着膜を形成しなかつた部分(たとえ
ば、ボルトの頭部)などにも蓚酸塩皮膜を形成
し、その膜上に有機酸塩の処理膜を適宜形成させ
て、この処理膜とTiN皮膜との相乗作用を期待し
たものである。 〔実施例〕 まず、この発明のねじ部品とは、小ねじ類、ボ
ルトおよびナツト(六角ボルト、六角穴付きボル
ト、植込みボルト、基礎ボルト、角根丸頭ボルト
等およびそれぞれに対応するナツト類)、ならび
に座金類であり、さらにステンレス鋼とは前記部
品がそれぞれ必要とする機械的諸性質を発現する
に適した組成を有するニツケル−クロム鋼、クロ
ム鋼、ニツケル鋼(不銹鋼)である。 つぎに、この発明におけるTiN蒸着膜の形成方
法は、特に限定するものではなく、従来広く用い
られている方法、すなわち、前記した真空蒸着
法、カソードスパツタリング法、イオンプレーテ
イング法、ベーパープレーテイング法などと呼ば
れている方法のいずれであつてもよい。なお、
TiN蒸着膜形成前にステンレス鋼製ねじ部品の基
材表面を脱脂、酸洗などによつて清浄にしておく
ことは言うまでもない。 また、蓚酸塩皮膜を形成するには、たとえば、
蓚酸に硝酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム等の
酸化剤および弗酸、塩酸、ハロゲン化物等の素材
溶解剤を少量添加した処理液中に被処理物を5〜
15分間浸漬すればよい。 さらに、この発明における有機酸塩とは、脂肪
酸、樹脂酸もしくはナステン酸などのアルカリ金
属塩またはこれら有機酸のアルミニウム、マンガ
ン、コバルト、鉛、カルシウム、クロム、銅、
鉄、水銀、マグネシウム、亜鉛、ニツケル等の金
属塩(通常金属石鹸と呼ばれるもの)であつて、
価格や含有金属の毒性等からはアルカリ金属(た
とえばナトリウム)またはアルカリ土類金属(た
とえばカルシウム)の塩が好ましい。そして、蓚
酸塩皮膜を形成し、その膜上にこれら有機酸塩
を、水もしくはアルコール系の溶剤および反応促
進剤等を適宜加えて処理液とし、この処理液に前
記TiN蒸着膜および蓚酸塩皮膜を形成した基材を
浸漬すればよい。この際の浸漬温度は通常の場合
60〜80℃程度でよく、また浸漬時間は約0.5〜5.0
分程度でよい。 以上の処理を行なえば、TiN蒸着膜の形成時に
影になつた部分および意識してTiN蒸着膜の形成
を避けた部分などのようなTiN蒸着膜の形成され
ていない場所に対しても有機酸塩の層が形成さ
れ、TiN蒸着膜のみが形成された状態のものに比
較してねじ切れ、焼き付けなどの防止のみなら
ず、トルク係数の低減による適正軸力の確保、電
食または隙間腐食の防止などにもきわめて効果の
あるねじ部品が得られる。 このような効果を確認するために材質
SUS304、径16mm、呼び長さ75mmのステンレス鋼
製ボルトを用いてつぎの条件に従つてTiN蒸着膜
およびステアリン酸ナトリウム皮膜を形成し、締
め付けトルクKgf・cm、軸力Kgf、ゆるめトルク
Kgf・cmを測定し、得られた結果を表にまとめ
た。なお、対照品はTiN蒸着膜のみを形成し、ス
テアリン酸ナトリウム皮膜を設けない同質、同寸
法のボルトである。 TiN蒸着膜形成条件:アーク放電形高真空イオン
プレーテイング装置(神港精機社製:A1H−
1070SB形)、10-6Torr、20分、膜厚3μm 蓚酸塩皮膜形成条件:蓚酸(酸化剤として硝酸ナ
トリウム、素材溶解剤として塩酸を含有)の処
理液中に10分間浸漬 ステアリン酸ナトリウム皮膜形成条件:ステアリ
ン酸ナトリウム6%水溶液、温度70℃浸漬3分
間、乾燥80℃5分、膜厚5μm 表に示した結果から明らかなように、同一締め
付けトルクに対して、対照品よりも軸力は遥かに
〔効 果〕
この発明のステンレス鋼製ねじ部品は、ねじ切
れ、900℃以下高温使用後の焼き付けなどの防
止、適正軸力の確保(トルク係数の低減)、電食
または隙間腐食の防止に非常に有効であり、この
発明の意義はきわめて大きいと言うことができ
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 基材表面の全面もしくは一部にTiN蒸着膜を
    形成し、このTiN蒸着膜の欠損部分に蓚酸塩皮膜
    を形成し、その膜上に有機酸塩による処理層を形
    成したことを特徴とするステンレス鋼製ねじ部
    品。
JP9060185A 1985-04-25 1985-04-25 ステンレス鋼製ねじ部品 Granted JPS61250178A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9060185A JPS61250178A (ja) 1985-04-25 1985-04-25 ステンレス鋼製ねじ部品

Applications Claiming Priority (1)

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JP9060185A JPS61250178A (ja) 1985-04-25 1985-04-25 ステンレス鋼製ねじ部品

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Publication Number Publication Date
JPS61250178A JPS61250178A (ja) 1986-11-07
JPS6231068B2 true JPS6231068B2 (ja) 1987-07-06

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ID=14002990

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JP9060185A Granted JPS61250178A (ja) 1985-04-25 1985-04-25 ステンレス鋼製ねじ部品

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007139453A (ja) * 2005-11-15 2007-06-07 Denso Corp 圧力センサ

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JPS61250178A (ja) 1986-11-07

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