JPS6230145Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 自動販売機による販売商品が高額化するにつれ
て釣銭を払出す機会が飛躍的に高まつているが、
自動販売機内のコインメツクと称する硬貨処理装
置に備え付けられている釣銭収納筒は、スペース
的な問題で収納枚数に限りがあるためにとかく釣
銭不足をきたしやすくなつている。そして釣銭不
足の事態が生じると釣銭を必要とする販売は行な
えず販売効率が低下することになる。

そのため予備の硬貨収納筒を有し本体側の釣銭
収納筒が釣銭不足となると適宜硬貨を補給する補
給装置を備えた自動販売機が公知となつている。

第１図は斯かる補給装置４を備えた硬貨処理装
置７を示し、硬貨投入口８より投入された硬貨は
選別部９で選別された後、振分部１０を経て釣銭
収納筒１或いは硬貨返却通路１１へ導入される。
そして釣銭収納筒１内の硬貨は釣銭払出装置２に
より適宜払い出し可能で、また回収スイツチ５の
操作でも釣銭払出装置２は駆動して硬貨の払出し
が行なえる。そして補給装置４の補給筒１２には
釣銭として頻繁に使用される種類の硬貨が準備さ
れており、硬貨処理装置７側で此種硬貨を欠乏す
ると補給装置４が駆動して釣銭収納筒１に補給通
路１３を経て硬貨を補給するようになつている。
第２図は電源L₁，L₂に接続される制御回路を示
し、釣銭収納筒１の収納釣銭が所定枚数を割つて
不足すると釣銭検出スイツチ３が閉止し、カムス
イツチCS₁の接点ａ及びリレー１５の常閉接点
RS₁を介してモータ１７の起動回路が閉成され補
給動作が行なわれる。そしてモータ１７が駆動す
るとカムスイツチCS₂が所定時間閉成されて自己
通電回路が形成されると共に、カムスイツチCS₁
も接点ｂに閉止してリレー１５が通電され接点
RS₂の閉止により自己保持する。しかる後モータ
１７が所定時間駆動して規定枚数の硬貨が釣銭収
納筒１へ補給されるとカムスイツチCS₂が開放し
て補給動作が終了する。斯かる補給動作により釣
銭収納筒１の収納釣銭が所定枚数を回復すると釣
銭検出スイツチ３が開放してリレー１５は消磁
し、次に収納釣銭が所定枚数を割ると再び補給動
作が開始される。そして補給筒１２にも硬貨が無
くなりモータ１７が駆動したものの補給されず釣
銭収納筒１が所定枚数まで回復しない場合、釣銭
検出スイツチ３は閉止状態に維持されてリレー１
５は消磁しない。したがつてリレー１５の接点
RS₁は開放したままとなりモータ１７の起動回路
は閉成されず再び補給動作となることはない。

上記制御回路に依ると、補給筒１２の硬貨切れ
検出スイツチが不要であるばかりか補給筒１２の
硬貨を全て有効利用することができる。更に補給
筒１２の硬貨を回収する場合にスライド式の回収
スイツチ５を操作すれば釣銭払出駆動を行なうモ
ータ１６が通電されて釣銭収納筒１の硬貨が払出
される。そして釣銭収納筒１の収納硬貨が回収払
出により所定枚数を割ると適宜補給筒１２の硬貨
が釣銭収納筒１に導入されるため補給筒１２及び
釣銭収納筒１の硬貨を釣銭払出装置２より回収払
出を行なうことができる。尚、回収スイツチ５と
並列に接続される釣銭払出スイツチ１８は釣銭払
出時に制御部（図示せず）より出力される釣銭払
出信号CHGにて閉止しモータ１６を駆動させ
る。

しかしながら回収動作に於いて、釣銭払出装置
２による釣銭払出速度が補給装置４の硬貨補給速
度より速いと硬貨の補給が追いつかず釣銭収納筒
１の収容硬貨はだんだん減少し補給にも係わらず
収容硬貨が前記所定枚数にまで回復しない事態を
招来する。こうなると補給装置４は補給筒１２内
に硬貨を残していても動作を終了してしまい補給
筒１２及び釣銭収納筒１より全硬貨を回収できな
くなる。したがつて、硬貨補給速度を釣銭払出速
度より速く設定すると補給速度は極めて速いもの
となつて補給通路１３で詰まりを引起こす危惧が
ある。また硬貨回収時にのみ別回路で釣銭検出ス
イツチ３の状態にかかわらず補給動作を継続させ
るようにしても、釣銭払出速度が僅かでも速いと
やはり補給にも係わらず釣銭収納筒１の釣銭は減
少しやがて無くなつて、補給筒１２にのみ硬貨が
残る事態が生じる。この場合、補給筒１２より導
入される硬貨は直ちに釣銭払出装置２から払出さ
れることになるが、導入のタイミングと釣銭払出
装置２の動作タイミングとが合わないと硬貨が釣
銭払出装置２で引掛かりを生じる虞れがある。

したがつて釣銭払出速度と補給速度は完全に一
致させるのが望ましいが、両者の構造上の違いか
らこれには複雑な制御を必要としていた。

上記点より本考案は、硬貨回収時に限り釣銭払
出速度を補給速度より遅らすことで回収動作の安
定を図るものである。

第３図は本考案による実施例を示し、電源
L₁L₂の他にモータ１６の低速回転用電源L₃を設
けている。したがつて切換装置にリレー６を使用
して回収スイツチ５に接続し、リレー接点R₁S₁
を釣銭払出スイツチ１８と並列にモータ１６と接
続すると共に、接点Ａに電源L₂接点Ｂに電源L₃
に接続した切換スイツチR₁S₂を備えている。ま
た切換スイツチR₁S₂は通常接点Ａに閉止してい
るが、リレー６の励磁で接点Ｂに閉止するように
なつている。そして電源L₁L₂がモータ１６に供
給される場合、釣銭払出装置２は通常の速度で硬
貨を払い出すために釣銭払出動作で時間がかかる
ことはない。

斯上の構成により、回収スイツチ５がONされ
るとリレー６が励磁しリレー接点R₁S₁が閉止す
ると共に、切換接点R₁S₂に接点ｂに閉止する。
したがつて釣銭払出装置２のモータ１６には低速
回転用電源が供給されて通常の釣銭払出速度より
低い速度で硬貨が払出される。そして回収動作に
て釣銭収納筒１の収納硬貨が所定枚数を割ると釣
銭検出スイツチ３が閉止して補給装置４のモータ
１７が駆動して補給筒１２の硬貨が釣銭収納筒１
へ導入される。回収時に於ける釣銭払出装置２の
硬貨払出速度は補給速度より遅いため補給筒１２
に硬貨が有るうちは補給によつて釣銭収納筒１は
必ず前記所定枚数以上に復帰する。やがて補給筒
１２内の硬貨がなくなるとリレー１５は継続して
励磁し、補給動作は停止し補給筒１２の回収動作
は終了したことになる。そして釣銭払出装置２の
みが引続き作動して回収が続行され釣銭収納筒１
が空になつたとき管理者により回収スイツチ５が
OFFされると、リレー１６が消磁しモータ１６
は停止して回収動作が終了すると共に、接点
R₁S₁及び切換接点R₁S₂が初期状態に復帰する。

また本例に於いては、回収時に於いては電源を
切換えることで釣銭払出速度を低下しているが、
別の方法として電源は同じであるが、回収時には
モータをタイマー等で間欠駆動させて硬貨の払出
間隔を大きくすることでも払出速度の低下が図れ
る。したがつて同一時間での釣銭払出装置２に於
ける払出硬貨枚数を回収時が釣銭払出時より少な
くすれば良い。

以上詳述した本考案に依ると、釣銭補給装置を
備えた硬貨処理装置に於いて硬貨回収時の釣銭払
出速度を低下させることで補給筒及び釣銭収納筒
より全ての硬貨を回収することができる。しかも
装置内に硬貨詰まりを引起こすことがなく安定し
た回収処理が行なえ、硬貨処理装置の管理性が向
上する。そして回収時にのみ釣銭払出速度を低下
させるために通常の販売動作で釣銭払出に時間が
かかることはなく販売効率の低下を免がれる。

【図面の簡単な説明】

第１図は硬貨処理装置と硬貨補給装置の係りを
示し、第２図は従来の制御回路、第３図は本考案
による制御回路を示す。 １……釣銭収納筒、２……釣銭払出装置、３…
…釣銭検出スイツチ、４……硬貨補給装置、５…
…回収スイツチ、６……切換装置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 釣銭収納筒と、該釣銭収納筒より硬貨を払出す
   釣銭払出装置と、前記釣銭収納筒内の釣銭硬貨切
   れを所定枚数を基準として検出する釣銭検出スイ
   ツチと、釣銭硬貨切れ時に規定枚数の硬貨を前記
   釣銭収納筒へ導入する補給装置と、硬貨回収を指
   定する回収スイツチと、前記補給装置及び前記釣
   銭払出装置に通電する第１電源と前記釣銭払出装
   置に低速駆動用として通電する第２電源とを有し
   た電源装置と、通常前記釣銭払出装置には前記補
   給装置とともに第１電源を供給しており、前記回
   収スイツチの操作により該釣銭払出装置には第２
   電源を供給する切換装置とから成る自動販売機の
   硬貨回収装置。