JPS6230141B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は自動車のフロントガラス或いはリヤガ
ラス等のように彎曲した強化ガラスを製造する装
置のうち、特に同一位置において成形と急冷を行
なうようにした強化曲げガラスの製造装置に関す
る。

従来から、自動車のフロントガラス或いはリヤ
ガラスの如く彎曲した強化ガラスを製造する装置
として第１図に示す縦型の装置或いは第２図に示
す横型の装置がある。このうち第１図に示す装置
は加熱炉１で軟化点近くまで加熱したガラス板２
を、トング３によつて上方へ取り出して凸型４と
凹型５との間に臨ませ、これら凸型４、凹型５間
でプレス成形した後、更に上方へ移動せしめ、多
数の冷却用ノズル６………を設けた急冷部７にお
いてガラス板２表面を急冷して強化するようにし
たものである。

また、第２図に示す装置は上流側のローラ８…
……上にガラス板２を載せ、ローラ８によつてガ
ラス板２を加熱炉９内に搬入し軟化点近くまで加
熱し、次いで加熱されたガラス板２を凸型４及び
凹型５間に投入し、これら凸型４、凹型５間でプ
レス成形した後、急冷部１０に搬送し、この急冷
部１０にてガラス板２表面を急冷し、彎曲した強
化ガラスとするようにしている。

このような従来装置にあつては、プレス成形す
る位置と急冷する位置とが離れているため、プレ
ス位置から急冷位置までガラス板２を移動せしめ
る間に、ガラス板２表面の温度が低下し、急冷効
果が不十分となり、結果として強化度を十分高め
ることができないこととなる。このため、一定厚
以下の薄い強化曲げガラスを製造することができ
ず、場合によつては安全基準等に定められる破砕
数を満足できなくなる。また、プレス位置から出
たガラス板２は急冷されるまでにガラス板の自重
及び移動の際の加速度によつて変形し、型との形
状差が大きくなる不利がある。

このような不利を是正すべく、プレス型を枠状
とし、この枠内に急冷用のノズルを配設する構成
が考えられる。しかしながら、斯る装置による
と、ガラス板中央部を成形するプレス面を型に形
成することができないので、ガラス板中央部の成
形精度が悪くなる。

本発明は上述の如き従来の問題点に鑑み、これ
を解消すべく成されたものであり、その目的とす
る処は、成形と急冷とを同一位置で行なえると共
に、成形精度及び強化度に優れ、従来よりも薄く
且つ破砕数を満足し得る強化曲げガラスを製造す
る装置を提供する装置を提供するにある。

上記目的を達成するため本発明に係る強化曲げ
ガラスの製造装置は、ガラス板をプレス成形する
一対の型のうち少くとも一方、例えば凸型をガラ
ス板中央部を成形するプレス面を有する中空状と
し、且つ該凸型にはプレス面に対し出没動を行な
う冷却用ノズルを配設したことをその要部として
いる。

以下に本発明の実施例を第３図乃至第８図に基
いて詳述する。

第３図はガラス板を垂直に吊り下げた状態でプ
レス成形する装置の成形状態を示す断面図、第４
図は第３図の一部拡大断面図である。図中１１は
凸型、１２は凹型であり、凸型１１、凹型１２は
内部を中空状とし、凸型１１の凹型１２に対向す
る面は側方に膨出した成形面１１ａとされ、また
この成形面１１ａと対向する凹型１２の成形面１
２ａは成形面１１ａに倣つて側方に凹んでいる。
そして、各々の型１１，１２には冷却用空気の導
入部１３，１４を形成している。

また、成形面１１ａ，１２ａのそれぞれには、
第５図の成形面の正面図にも示す如く格子状をな
すように一定間隔で多数の貫通孔１５………を穿
設し、この貫通孔１５に冷却空気を噴出するノズ
ル１６………を挿着している。このノズル１６の
径は例えば高圧型では内径を２mm、外径を６mm程
度とし、また低圧型では内径を３mm、外径を５mm
程度とし、型１１，１２内に臨む基端部にはフラ
ンジ１７が形成され、このフランジ１７と成形面
１１ａ，１２ａの内面との間にコイルスプリング
１８を縮装している。尚、このコイルスプリング
１８の代りに板バネを介設するようにしてもよ
い。

更に、上記成形面１１ａ，１２ａの表面にはプ
レス用突部１９………を貼設している。このプレ
ス用突部１９は上記ノズル１６間に配設されると
ともにシリコーンゴムなどの弾性体１９ａにガラ
スクロス、カーボンクロス或いはシリカクロス等
の耐熱性に優れ熱伝導率の小さいクロス１９ｂを
貼り付けてなり、成形に際しガラス板２０が成形
面１１ａ，１２ａに付着したり型跡がつかないよ
うにしている。

次に本発明に係る製置の作用を説明する。

先ず加熱炉において軟化点近くまで加熱された
平板状ガラス板２０の上辺部をトング２１で吊
り、上方へ移動せしめて凸型１１、凹型１２の成
形面１１ａ，１２ａ間に臨ませる。次いでシリン
ダ装置等により凸型１１及び凹型１２を型閉め
し、第１図に示すように成形面１１ａ，１２ａに
設けたプレス用突部１９………によつて彎曲状に
プレス成形する。

この後、第６図及び第６図の一部拡大図である
第７図に示す如くシリンダ装置等によつて凸型１
１及び凹型１２を離型せしめる。そしてこれと同
時に冷却用空気の導入部１３，１４を介して凸型
１１及び凹型１２内に大気圧よりも高い圧力の空
気を供給する。すると凸型１１、凹型１２内の空
気はノズル１６を介して低圧側、即ち彎曲成形せ
しめられたガラス板２０の表面に向けて噴出す
る。そして、この空気の噴出に伴なう抵抗及び内
外の圧力差によつてノズル１６は成形面１１ａ，
１２ａから突出し、この突出によつてノズル１６
がガラス板２０表面に近づくので風冷による効果
が上がり、ガラス板２０表面は急冷される。また
凸型１１に設けられたノズル１６………と凹型１
２に設けられたノズル１６………はその延長線が
ガラス板２０の位置において一致するようにして
いるので、ガラス板２０の両表面において冷却が
片寄ることがなく、またガラス板２０と型１１，
１２を相対的に直線往復運動或いは円運動等を行
なうようにすればより冷却を均等になすことが可
能となる。

第８図は別実施例を示すものであり、この実施
例は本発明に係る装置をガラス板を水平状態で上
下の型２２，２３間に投入する場合を示し、上型
２２、下型２３はともに冷却用空気の導入部２
４，２５を形成した中空状をなし、上型２２の膨
出した成形面２２ａ、及び下型２３の凹んだ成形
面２３ａのそれぞれには一定間隔で貫通孔２６…
……が形成され、この貫通孔２６にはスプリング
２７によつて型内方へ付勢されるノズル２８……
…を挿着している。

而して、保持具２９で端部を保持されたガラス
板２０を上下の型２２，２３間に臨ませ、型閉め
をしてガラス板２０をプレス成形し、この後型２
２，２３を上下に離すと同時に型２２，２３内に
空気を供給し、スプリング２７の弾発力に抗して
ノズル２８を突出せしめ、ガラス板２０表面に冷
却用空気を吹き付けて急冷する。

尚、以上は本発明の実施の一例を示したに過ぎ
ず、成形面１１ａ，１２ａ，２２ａ，２３ａから
出没するノズルの配列は格子状に限らず、菱形状
或いは方形状等任意である。また前記実施例にあ
つては、ノズルの出没動をスプリングによつて行
なうようにしているが、これを機械的操作例えば
カム機構等を介して行なうようにしてもよい。

以上の説明で明らかなように本発明によれば、
ガラス板をプレス成形する型をガラス板中央部を
成形するプレス面を有する中空状とし、更に該型
には成形時にあつてはプレス面から型内に引つ込
み、急冷時にはプレス面から突出するノズルを配
設したため、成形と急冷を同一位置で行なうこと
ができ、装置自体のコンパクト化が図れるととも
に、従来の如く成形位置から急冷位置まで搬送す
る間に生じるガラス板の変形をなくすことがで
き、且つノズルをガラス板に近づけて冷却するこ
とが可能となるため、従来よりも急冷効果が大巾
に向上され、強化度がアツプする。その結果薄く
且つ成形精度に優れ、所望の強化度を有する曲げ
強化ガラスを得ることができる等多くの利点を有
する。

【図面の簡単な説明】

図面は従来例及び本発明の実施例を示すもので
あり、第１図及び第２図は従来の強化曲げガラス
の製造装置の概略図、第３図は本発明に係る強化
曲げガラスの製造装置の成形時の要部断面図、第
４図は第３図の一部を拡大した断面図、第５図は
成形面の側面図、第６図は同製造装置の急冷時の
要部断面図、第７図は第６図の一部を拡大した断
面図、第８図は別実施例を示す断面図である。 尚、図面中１１，１２，２２，２３は型、１１
ａ，１２ａ，２２ａ，２３ａは成形面、１６，２
８は冷却用ノズル、１８，２７はスプリング、２
０はガラス板である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 一対の型間でガラス板をプレス成形するとと
   もに急冷するようにした強化曲げガラスの製造装
   置において、上記一対の型のうち少くとも一方は
   ガラス板中央部をプレスする成形面を有する中空
   状をなし、且つ該成形面から急冷時に突出する冷
   却用ノズルを備えていることを特徴とする強化曲
   げガラスの製造装置。