JPS6229766Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、燃料ガスおよび燃焼用空気を燃焼室
の一端側に逆止弁を介して供給し、前記燃焼室の
他端側に燃焼排ガスの排出路を形成するテイルパ
イプの一端を接続し、前記燃焼室内にて混合気を
爆発燃焼させ、前記爆発に伴うテイルパイプ内を
流れる燃焼排ガスの高速流の動慣性によつて燃焼
室が負圧となることによつて前記逆止弁を介して
再び燃料ガスおよび燃焼用空気を吸引、爆発する
動作を繰り返すべく構成したパルス燃焼装置に関
する。

パルス燃焼装置は、始動時以外は燃焼用空気供
給のためのエネルギおよび点火のエネルギは不要
であり、高負荷燃焼が可能であるとともに、テイ
ルパイプを利用しての流体の加熱を効率的に行な
うことが可能である。

第１図は従来のパルス燃焼装置１の簡略化した
縦断面図である。パルス燃焼装置１には、点火に
先立つてパルス燃焼装置１内の残存する気体をパ
ージするための送風手段としてのブロワ３が設け
られる。パルス燃焼装置１では、燃焼室２は前述
のように高負荷燃焼が可能であるので小形化する
ことができる。しかしながら、爆発燃焼の衝撃圧
を和らげるためにデカツプリングチヤンバ４，５
や騒音を防止するための消音器６，７を設ける必
要があり、そのためパージしなければならない容
積は大きい。パルス燃焼装置１内の残存する気体
のパージは、ブロワ３によつて、実線矢符で示さ
れるように消音器６から吸気し、デカツプリング
チヤンバ４、燃焼室２、テイルパイプ３４、デカ
ツプリングチヤンバ５、消音器７に送風すること
によつて行なわれる。燃焼室２は小形で容積が小
さいのでパージの際の圧力損失が大きい。したが
つて短時間でパルス燃焼装置１のパージを達成す
るには高風圧のブロワが必要となり、ブロワを含
む装置全体が大形化し、そのための費用が多大と
なる。

本考案の目的は、送風手段を小形化することに
よつてパルス燃焼装置を小形化し、それによつて
費用を低減したパルス燃焼装置を提供することで
ある。

以下、図面に基づいて本考案の実施例について
説明する。第２図は本考案の一実施例のパルス燃
焼装置８の簡略化した縦断面図である。燃焼室９
の一端側は、逆止弁１０を備えた燃料ガス供給路
１１が接続されるとともに、空気逆止弁１２を備
えた共鳴室１３を介して爆発の際の衝撃圧を和ら
げるための第１デカツプリングチヤンバ１４に臨
み、さらにオリフイスなどの絞り１５を備えた流
路１６を介して送風手段としてのブロワ１７に接
続される。燃焼室の上流側に設けられた前記第１
デカツプリングチヤンバ１４には、燃焼に伴なう
騒音を防止するために一端が大気に開放された消
音器１８が流路１９を介して接続され、さらに流
路２９を介してブロワ１７が接続される。このよ
うにして燃料ガスおよび燃焼用空気が燃焼室の一
端側に逆止弁を介して供給される。

燃焼室９の他端は、燃焼排ガスの排出路を形成
するテイルパイプ２０の一端が接続され、このテ
イルパイプ２０の他端は、爆発の衝撃を和らげる
第２デカツプリングチヤンバ２１に接続される。
この燃焼室の下流側に設けられた第２デカツプリ
ングチヤンバ２１は、一端が大気に開放された消
音器２５に接続されるとともに、爆発燃焼の際に
第１デカツプリングチヤンバ１４が第２デカツプ
リングチヤンバ２１よりも低圧力になつたときに
第２デカツプリングチヤンバ２１から第１デカツ
プリングチヤンバ１４へ燃焼排ガスが逆流しない
ための逆止弁２２、流量調整弁２３を備えた流路
２４を介してブロワ１７に接続される。貯留槽２
６には、入口２７から加熱されるべき流体たとえ
ば水が送り込まれ、加熱後の水は出口２８から排
出される。貯留槽２６において、水はテイルパイ
プ２０の高温燃焼ガスによつて加熱される。

パルス燃焼装置８では、始動時にブロワ１７を
作動させて、燃焼用空気を燃焼室９に供給しつ
つ、一方燃料ガス供給路１１から燃料ガスを供給
して図示しない点火プラグによつて燃焼室９内で
混合気の爆発を生じさせる。その結果、爆発に伴
い、テイルパイプ２０内を流れる燃焼排ガスの動
慣性によつて燃焼室が負圧となり燃料ガス供給路
１１から燃料ガスが、流路１６，２９から燃焼用
空気が適当量ずつ、それぞれ燃焼室９に送込ま
れ、同時に、爆発の反動で高温燃焼排ガスがテイ
ルパイプ２０から燃焼室９に逆流して、その燃焼
排ガスの熱エネルギによつて再び爆発が生じ、こ
のような動作が繰返される。ブロワ１７および点
火プラグの作動は、パルス燃焼が安定すれば停止
させる。ブロワ１７を停止させた後燃焼用空気
は、消音器１８、流路１９を介して供給される。

本考案に従うパルス燃焼装置８では、点火に先
立つてパルス燃焼装置８内の残存する気体のパー
ジを行なうために、送風手段としてのブロワ１７
が流路２９を介して第１デカツプリングチヤンバ
１４に接続されるとともに、絞り１５を備えた流
路１６を介して燃焼室９に接続され、さらに流路
２４を介して第２デカツプリングチヤンバ２１に
接続される。ブロワ１７によつて実線矢符で示さ
れるように各流路２９，１６，２４に同時に送風
される。このとき、流路２９および流路１６に送
られる風量と、流路２４に送られる風量とのバラ
ンスを調整するための流量調整弁２３を絞り、流
路２９における圧力を高くすることによつて流路
２９から燃焼室９およびテイルパイプ２０側への
送風も可能となる。この流量調整弁２３は、パー
ジのために適した開度に実質的に固定される。ま
た、燃焼室９、テイルパイプ２０は、流路１６か
らの送風によつて確実に残存気体のパージが達成
される。

従来技術では、パージの際に燃焼室における圧
力損失が大きいために高風圧のブロワを必要とし
たけれども本考案に従うパルス燃焼装置８では、
第１デカツプリングチヤンバ１４と、第２デカツ
プリングチヤンバ２１と、燃焼室９とに流路を介
して同時に送風することによつて、低風圧のブロ
ワ１７にすることが可能である。

前述の実施例では、ブロワ１７によつて流路１
６を介して燃焼室９に送風されたけれども、本考
案の他の実施例として流路１６は形成されなくて
もよい。

第３図は本考案の他の実施例のパルス燃焼装置
３０の簡略化した縦断面図であり、前述の実施例
に対応する部分には同一の参照符を付す。注目す
べきは、流路３３を介して第１デカツプリングチ
ヤンバ１４に接続され、かつ流路３２を介して第
２デカツプリングチヤンバ２１に接続されたブロ
ワ３１の吸気は、消音器１８に接続された流路１
９を介して行なわれる。その他の構成は前述の実
施例と同様である。

このように構成されたパルス燃焼装置３０で
は、ブロワ３１の送風音も消音器１８によつて消
音することが可能であるとともに、消音器１８側
のパージはブロワ３１の吸気によつて達成される
ので、ブロワ３１の風量を小さくすることが可能
である。

前述の実施例では、燃焼用空気と燃料ガスは、
逆止弁１２，１０をそれぞれ介して燃焼室に供給
されるいわゆる先混合について述べたけれども、
本考案の他の実施例として燃焼用空気と燃料ガス
とを燃焼室の上流側において予め混合した後、共
通の逆止弁を介して燃焼室に供給するいわゆる元
混合のパルス燃焼装置に関連して実施されてもよ
い。

以上のように本考案によれば、第１および第２
デカツプリングチヤンバに同時に送風するように
したので、パルス燃焼装置の残存する気体のパー
ジを行なうためのブロワの風圧を低くすることが
でき、したがつてブロワを含む装置を小形化する
ことができ費用を低減することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のパルス燃焼装置１を示す簡略化
した縦断面図、第２図は本考案の一実施例のパル
ス燃焼装置８の簡略化した縦断面図、第３図は本
考案の他の実施例のパルス燃焼装置３０の簡略化
した縦断面図である。 ８，３０……パルス燃焼装置、９……燃焼室、
１４……第１デカツプリングチヤンバ、１７……
ブロワ、２１……第２デカツプリングチヤンバ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 燃料ガスおよび燃焼用空気を燃焼室の一端側に
   逆止弁を介して供給し、前記燃焼室の他端側に燃
   焼排ガスの排出路を形成するテイルパイプの一端
   を接続し、前記燃焼室内で混合気を爆発燃焼さ
   せ、前記爆発に伴うテイルパイプ内を流れる燃焼
   排ガスの高速流の動慣性によつて燃焼室が負圧と
   なることによつて前記逆止弁を介して再び燃料ガ
   スおよび燃焼用空気を吸引、爆発する動作を繰り
   返すべく構成したパルス燃焼装置において、 前記燃焼室の上流側に設けた第１デカツプリン
   グチヤンバと、燃焼室の下流側に設けた第２デカ
   ツプリングチヤンバとに送風手段から同時に送風
   するようにしたことを特徴とするパルス燃焼装
   置。