JPS6229734Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

本考案は主として空気制御回路において、流路
の切換を行わせる流路切換弁装置に関する。 一般に空気制御回路においては近年、自動制御
の機構が複雑になり、これに伴つて複数の入力信
号によつて機構部分に所定の動作を行わせるもの
が多くある。例えば第１図に示すように、空気圧
シリンダー１をモード切換信号と、正逆の切換信
号によつて所定の方向に動作させる場合には、そ
の空気圧シリンダー１の両端の給排気ポート１
ａ，１ｂに第１、第２の電磁弁２，３を介して給
気路４及び排気路５を連通させ、両弁２，３のソ
レノイド２ａ及び３ａ，３ｂのいずれかにそれぞ
れ動作用電流を通じさせることによつて給排気ポ
ート１ａ，１ｂに対する給気路４及び排気路５の
連通関係を選択するようにしたものが知られてい
る。 このように給気路４及び排気路５とシリンダー
１との間に二つの電磁弁２，３を直列に備える方
式では特に空気圧シリンダー等の機構部分が大容
量である場合には、両弁とも同等の大容量のオリ
フイスのものを用いる必要があり、また多数の機
構部分を同時に動作させたい場合、これと同数の
第１、第２の電磁弁がそれぞれ必要である等不経
済であつた。 本考案は上述の如き欠点を解消することを目的
としてなされたものであり、その要旨とする構成
はスプール弁体を有し、該スプール弁体の移動に
より供給ポートに対する出力ポートの切換がなさ
れるメイン流路切換弁を備え、該メイン流路切換
弁を電気信号及びパイロツト空気圧によつて切換
動作させるようにしてなる流路切換弁装置におい
て、前記スプール弁体の一方側端部にそれぞれパ
イロツト空気圧によつてスプール弁体を他方側に
動作させる戻し空気ばね用感圧動作手段と、スプ
ール駆動用感圧動作手段を備えるとともに前記ス
プール弁体の他方側端部に前述の両感圧動作手段
と対称に同様の戻し空気ばね用感圧動作手段とス
プール駆動用感圧動作手段とをそれぞれ備え、前
記両戻し空気ばね用感圧動作手段のパイロツト流
路を別々の戻し空気ばね用パイロツト空気圧供給
ポートに連通させるとともに前記両感圧動作手段
感圧動作手段はそれぞれ別々の電磁開閉弁を介し
て別々のパイロツト空気圧供給ポートに連通させ
前記一方側の戻し空気ばね用感圧動作手段と他方
側のスプール駆動用感圧動作手段とのパイロツト
空気圧供給ポートを同一のパイロツト流路に、か
つ他方側の戻し空気ばね用感圧動作手段と一方側
のスプール駆動用感圧動作手段とのパイロツト空
気圧供給ポートを他の同一のパイロツト流路にそ
れぞれ連通させ、前記両パイロツト流路へのパイ
ロツト空気圧の送り込みをパイロツト用電磁切換
弁をもつて切換自在にしたことにあり、スプール
弁体を使用した弁をメイン流路切換弁として用
い、これにスプール弁体をパイロツト空気圧によ
つて一方側に附勢する感圧動作手段を備えるとと
もに併せてソレノイドの動作によつてもスプール
弁体に動作が与えられるようにして一の小容量の
パイロツト用電磁切換弁により一又は複数のメイ
ン流路切換弁のモード切換を可能にし、前記目的
を達成せんとしたものである。 次に本考案の実施の一例を第２図、第３図につ
いて説明する。 図中Ａは流路切換弁装置であり、１０は該流路
切換弁装置Ａの弁ケーシングである。この弁ケー
シング１０にはその中央部分供給ポート１１と、
これと連通自在な一対の出力ポート１２ａ，１２
ｂ及び出力ポート１２ａ，１２ｂに連通自在な排
気ポート１３ａ，１３ｂを有し、この各ポート間
を連通もしくは閉鎖するスプール弁体１４が収容
されている。 このスプール弁体１４は第２図に示すように、
右側に動作されることによつて供給ポート１１と
出力ポート１２ａが出力ポート１２ｂと排気ポー
ト１３ｂがそれぞれ連通され、かつ第３図に示す
ように、左側に動作されることによつて供給ポー
ト１１と出力ポート１２ｂが、及び出力ポート１
２ａと排気ポート１３ａがそれぞれ連通されるよ
うにしている。スプール弁体１４の両端にはスプ
ール駆動用感圧動作手段である第１、第２のピス
トン１５ａ，１５ｂが取り付けされている。この
ピストン１５ａ，１５ｂは第１、第２のシリンダ
ー１６ａ，１６ｂに収容され、その第１、第２の
シリンダー１６ａ，１６ｂに連通開口されたパイ
ロツト空気圧導入路１７ａ，１７ｂより、そのい
ずれかにパイロツト空気圧が導入されることによ
つていずれかのピストンによりスプール弁体１４
が押されて動作されるようにしている。両ピスト
ン１５ａ，１５ｂの頂部に当接させて戻し空気ば
ね用感圧動作手段である第３、第４のピストン１
８ａ，１８ｂが備えられており、この両ピストン
１８ａ，１８ｂは前述した第１、第２の両ピスト
ン１５ａ，１５ｂを収容したシリンダー１６ａ，
１６ｂに隣接して備えられた第３、第４のシリン
ダー１９ａ，１９ｂに収容され、この両シリンダ
ー１９ａ，１９ｂに戻し空気ばね用パイロツト空
気圧供給ポート２０ａ，２０ｂが別々に連通さ
れ、この両ポートのいずれかよりパイロツト空気
圧を供給することにより第３、第４のいずれかの
ピストンにより対応する第１、第２のいずれかの
ピストンが押圧され、スプール弁体１４を左右の
いずれかに附勢するようにしている。 なお、第３、第４の両ピストン１８ａ，１８ｂ
は第１、第２の両ピストン１５ａ，１５ｂよりパ
イロツト空気圧の受圧面積が小さく形成され、例
えば第２図に示すように、第３のピストン１８ａ
にパイロツト空気圧を作用させてスプール弁体１
４を右側に附勢させた状態で第２のピストン１５
ｂに同圧のパイロツト空気圧を作用させた場合、
第２のピストン１５ｂは第３のピストン１８ａに
よる附勢力に打ち勝つてスプール弁体１４が左側
に動作されるようにしている。 一方、第１、第２のシリンダー１６ａ，１６ｂ
に通じるパイロツト空気圧導入路１７ａ，１７ｂ
はそれぞれスプール駆動用パイロツト空気圧供給
ポート２１ａ，２１ｂに連通され、その中間に電
磁開閉弁２２ａ，２２ｂが備えられている。 この電磁開閉弁２２ａ，２２ｂはそれぞれ弁空
２３ａ，２３ｂ内にパイロツト空気圧供給ポート
側に連通させたノズル状の弁座２４ａ，２４ｂを
有するとともに弁座２３ａ，２３ｂにはリリーフ
ポート２５ａ，２５ｂとパイロツト空気圧導入炉
１７ａ，１７ｂの第１、第２のシリンダー１６
ａ，１６ｂ側の流路が連通されている。 リリーフポート２５ａ，２５ｂと弁座２４ａ，
２４ｂとの間には両端にシール材２６，２７を有
する弁体２８ａ，２８ｂが収容され、この弁体２
８ａ，２８ｂはソレノイド２９ａ，２９ｂへの通
電によつてリリーフポート２５ａ，２５ｂを閉じ
る側に動作するプランジヤーとなつている。 そしてソレノイドへの非通電時にはスプリング
３０ａ，３０ｂによつて弁座２４ａ，２４ｂ側に
附勢され、パイロツト空気圧供給ポート側の流路
を閉じ、リリーフポート２５ａ，２５ｂを開き、
弁室２３ａ，２３ｂを大気に開放するようにして
いる。 このように構成されるメイン流路切換弁Ａの戻
し空気ばね用パイロツト空気圧供給ポート２０
ａ，２０ｂ及びスプール駆動用パイロツト空気圧
供給ポート２１ａ，２１ｂへのパイロツト空気圧
をパイロツト用電磁切換弁３１の切換により変化
させるようにしている。 このパイロツト用電磁切換弁３１の接続はスプ
ール弁体１４の一端側の戻し空気ばね用パイロツ
ト空気圧供給ポート２０ａと他端側のスプール駆
動用パイロツト空気圧供給ポート２１ｂとを同一
のパイロツト流路３２ａに、かつスプール弁体１
４の他端側の戻し空気ばね用パイロツト空気圧供
給ポート２０ｂと一端側のスプール駆動用パイロ
ツト空気圧供給ポート２１ａを一のパイロツト流
路３２ｂにそれぞれ貫通させ、この両パイロツト
流路３２ａ，３２ｂをパイロツト用電磁切換弁３
１の一対の出力ポート３３ａ，３３ｂに連通させ
ている。 一方パイロツト用電磁切換弁３１は一対のソレ
ノイド３４ａ，３４ｂを両端に有するとともに一
対の出力ポート３３ａ，３３ｂとこれに対応した
供給ポート３５及び排気ポート３６が設けられ、
ソレノイド３４ａに通電することによつて図示の
如く、一方の出力ポート３３ａが供給ポート３４
に連通し、他方の出力ポート３３ｂが排気ポート
３６に連通されるとともに逆にソレノイド３４ｂ
に通電することによつて他方の出力ポート３３ｂ
が供給ポート３４に連通され、一方の出力ポート
３３ａが排気ポート３６に連通されるようにして
いる。 上述の如く構成される流路切換弁装置は図示の
如く空気圧シリンダー３７の動作用の流路とし
て、その空気圧シリンダー３７の両端の給排気口
３７ａ，３７ｂにメイン流路切換弁Ａの出力ポー
ト１２ａ，１２ｂを連通させる。 この状態でパイロツト用電磁切換弁３１の両ソ
レノイド３４ａ，３４ｂに選択的にモード切換の
信号電流を供給し、メイン流路切換弁Ａの両ソレ
ノイド２９ａ，２９ｂに選択的に動作切換の信号
電流を供給するようにする。 このソレノイド３４ａにモード切換の信号電流
を通電すると第２図に示すように図において左側
の第３のシリンダー１９ａ及び右側のスプール駆
動用パイロツト空気圧供給ポート２１ｂにパイロ
ツト空気圧が供給され、これによつてスプール弁
体１４は第３のピストン１８ａによつて右側に移
動される。スプール弁体１４が右側に移動される
と供給ポート１１が出力ポート１２ａに通じ、空
気圧シリンダー３７の給排気ポート３７ａに圧力
空気が送り込まれ、ピストン３７ｃは右側に移動
される。 この状態で動作切換用の信号電流をソレノイド
２９ｂに通電すると、第３図に示すように弁体２
８ｂが右側に動作し、パイロツト空気圧導入路１
７ｂが開かれ、第２のシリンダー１６ｂにパイロ
ツト空気圧が導入され、第２のピストン１５ｂに
よりスプール弁体１４が押され、第３のシリンダ
ー１８ａの押圧力に抗してスプール弁体１４が左
に移動され、これによつて供給ポート１１と出力
ポート１２ｂとが連通され空気圧シリンダー３７
のピストン３７ｃは左側に動作される。なお、こ
のとき、ソレノイド２９ａに電流が流されてもポ
ート２１ａにパイロツト圧が通じていないため、
スプール弁体１４に対してはいかなる作用も及ぼ
さない。 そして、ソレノイド２９ｂに対する通電を停止
するとパイロツト空気圧導入路１７ｂのピストン
側はリリーフポート２５ｂに通じ大気に放出さ
れ、これによつて第３のピストン１８ａによつて
再びスプール弁体１４が右側に移動され、空気圧
シリンダー３７のピストン３７ｃは右側に移動さ
れる。逆にソレノイド３４ｂにモード切換用の信
号電流が通電されるとパイロツト流路３２ｂにパ
イロツトエアが供給され、前述とは逆に、第４の
ピストン１８ｂが常時スプール弁体１４を左側に
押し、ソレノイド２９ａへ動作切換用の信号電流
を供給することによつて第１のピストン１５ａが
働き、スプール弁体１４を右側に動作させる。 然して各ソレノイド２９ａ，２９ｂ，３４ａ，
３４ｂへの通電、各ピストン１５ａ，１５ｂ，１
８ａ，１８ｂの加圧状態スプール弁体１４の動作
及び空気圧シリンダー３７のピストン３７ｃの動
作の関係は第一表の如くである。

【表】 表中「＋」はパイロツト圧による加圧状態にあ
ること、「−」はパイロツト圧が加わつていない
状態にあること、「右」、「左」はそれぞれ動作方
向を表す。 本考案の流路切換弁装置は上述のように構成さ
れ、モード切換用の信号電流及び切換動作用信号
の如き、二種類の信号電流によつて切換動作させ
るようにした流路切換弁装置においてメイン流路
切換弁としてスプール弁体の一方側端部にそれぞ
れパイロツト空気圧によつてスプール弁体を他方
側に動作させる戻し空気ばね用感圧動作手段と、
スプール駆動用感圧動作手段を備えるとともに前
記スプール弁体の他方側端部に、前述の両感圧動
作手段と対称に、同様の戻し空気ばね用感圧動作
手段とスプール駆動用感圧動作手段とをそれぞれ
備え、前記両戻し空気ばね用感圧動作手段のパイ
ロツト流路を別々の戻し空気ばね用パイロツト空
気圧供給ポートに連通させるとともに前記両感圧
動作手段はそれぞれ別々の電磁開閉弁を介して
別々のパイロツト空気圧供給ポートに連通させて
なるメイン流路切換弁を使用し、その切換弁の一
方側戻し空気ばね用感圧動作手段と他方側のスプ
ール駆動用感圧動作手段とのパイロツト空気圧供
給ポートを一のパイロツト流路に、かつ他方側の
戻し空気ばね用感圧動作手段と一方側のスプール
駆動用感圧動作手段とのパイロツト空気圧供給ポ
ートを他の一のパイロツト流路にそれぞれ連通さ
せ、前記両パイロツト流路へのパイロツト空気圧
の送り込みをパイロツト用電磁切換弁をもつて切
換自在にしたことによつて、メイン流路切換弁を
切換操作するためのパイロツト用電磁切換弁は小
オリフイスを用いた小型のものでよく、しかもパ
イロツト用電磁切換弁をもつて多数のメイン流路
切換弁のモード切換が可能となり、従来のように
大型のオリフイスを用いたものを一対ずつ使用す
るものに比べ著しく経済的となつたものである。 またモード切換をした状態でメイン流路切換弁
の両方のソレノイドに信号電流を送ることとして
も一方側しか作動せず従つて誤動作がなくなると
ともに配電の設定が容易になつたものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の弁装置を用いた空気圧シリンダ
ーの回路図、第２図は本考案の弁装置を空気圧シ
リンダーに用いた断面図を含めた回路図、第３図
は同上の一動作状態を示す同上の回路図である。 Ａ……メイン流路切換弁、１０……弁ケーシン
グ、１１……供給ポート、１２ａ，１２ｂ……出
力ポート、１３ａ，１３ｂ……排気ポート、１４
……スプール弁体、１５ａ，１５ｂ……ピスト
ン、１６，１６ｂ……シリンダー、１７ａ，１７
ｂ……パイロツト空気圧導入路、１８ａ，１８ｂ
……ピストン、１９ａ，１９ｂ……シリンダー、
２０ａ，２０ｂ……戻し空気ばね用パイロツト空
気圧供給ポート、２１ａ，２１ｂ……スプール駆
動用パイロツト空気圧供給ポート、２２ａ，２２
ｂ……電磁開閉弁、２８ａ，２８ｂ……弁体、３
１……パイロツト用電磁切換弁、３２ａ，３２ｂ
……パイロツト流路、３３ａ，３３ｂ……出力ポ
ート、３４ａ，３４ｂ……ソレノイド、３５……
供給ポート、３６……排気ポート、３７……空気
圧シリンダー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. スプール弁体を有し、該スプール弁体の移動に
   より供給ポートに対する出力ポートの切換がなさ
   れるメイン流路切換弁を備え、該メイン流路切換
   弁を電気信号及びパイロツト空気圧によつて切換
   動作させるようにしてなる流路切換弁装置におい
   て、前記スプール弁体の一方側端部にそれぞれパ
   イロツト空気圧によつてスプール弁体を他方側に
   動作させる戻し空気ばね用感圧動作手段と、スプ
   ール駆動用感圧動作手段を備えるとともに前記ス
   プール弁体の他方側端部に前述の両感圧動作手段
   と対称に同様の戻し空気ばね用感圧動作手段とス
   プール駆動用感圧動作手段とをそれぞれ備え、前
   記両戻し空気ばね用感圧動作手段のパイロツト流
   路を別々の戻し空気ばね用パイロツト空気圧供給
   ポートに連通させるとともに前記両感圧動作手段
   はそれぞれ別々の電磁開閉弁を介して別々のパイ
   ロツト空気圧供給ポートに連通させ、前記一方側
   の戻し空気ばね用感圧動作手段と他方側のスプー
   ル駆動用感圧動作手段とのパイロツト空気圧供給
   ポートを同一のパイロツト流路に、かつ他方側の
   戻し空気ばね用感圧動作手段と一方側のスプール
   駆動用感圧動作手段とのパイロツト空気圧供給ポ
   ートを他の同一のパイロツト流路にそれぞれ連通
   させ、前記両パイロツト流路へのパイロツト空気
   圧の送り込みをパイロツト用電磁切換弁をもつて
   切換自在にしたことを特徴としてなる流路切換弁
   装置。