JPS6229720A - 原子力発電所用非常用デイ−ゼル発電機吸気系統 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の利用分野〕 本発明は、原子力発電所用の非常用ディーゼル発電機の
ディーゼルエンジン吸気系統に係り、特にディーゼルエ
ンジンの燃焼用空気として吸い込む外気の温度が低い環
境下においても、始動特性を低下させることなく、確実
かつ迅速な始動を行うための吸気系統に関する。

〔発明の背景〕

原子力発電所における非常用ディーゼル発電機は事故に
よる電源喪失時のバックアップ電源として安全設計上重
要な位置にあり、それゆえいかなる場合でも確実・迅速
な始動が要求される。しかるにディーゼルエンジンの燃
焼室での着火は、エンジンの温度、過給機による燃焼用
空気の圧縮比および圧縮温度によって定まり、これが最
低着火温度を上廻れば、エンジンは始動することができ
るという特性をもっている。第３図は、縦軸に圧縮温度
と最低着火温度の差、すなわち着火の裕度をとり、横軸
に機関の回転数をとって、燃焼用空気となる大気温度と
圧縮比を変えた時の始動特性を示したグラフである。第
３図より、エンジンの回転数が上昇するにつれ、大気温
度が低い場合には圧縮比を高くしても裕度がとれないこ
とがわかる。

原子力発電所が建設地が寒冷地に進出する場合冬期には
、零下数十塵という低温になり、急速始動に必要な最低
着火温度が満足できない事態が予想され、対策が必要と
なる。

第２図は、ディーゼルエンジンの吸気系統を表わす系統
図である。エンジンは大量の空気を必要とするため、外
気を使用する。吸気フィルタ２を通じて吸気配管３に取
り込まれた空気は、過給機４で圧縮され、その結果昇温
した空気は、燃焼室内への空気充填率を上げ出力を高め
るために設けられた空気冷却器１２でいったん冷やされ
た後、燃焼用空気として用いられる。空気冷却器は水冷
であり、通常海水または海水によって熱交換した２次循
環水が供給される。

外気温度が低すぎる場合には、吸気温度を上げてやる必
要があるが、このようなエンジンの給気を加熱する方法
としては、たとえば特開４９−１１７８１６のようにヒ
ータを用いる方法、あるいは特願昭５８−１４８２２６
、および特願昭５７−３５１１６のように、エンジン冷
却によって高温になった冷却水を用いる方法がある。し
かし、前者は電源を必要とするため、原子力発電所のデ
ィーゼルエンジンのように停電時に始動しなければなら
ない場合には利用できない。また後者についてもエンジ
ン冷却後の高温になった冷却水を給気の加熱に利用する
ものであり、始動後の運転制御に関するものであって、
始動時の改善とはならない。

〔発明の目的〕

本発明の目的は、原子力発電所においてディーゼル発電
機を始動しなければならない停電時で、かつ燃焼用空気
となる外気温度が低い場合においても、ディーゼル発電
機を急速始動できるだけの吸気温度を供給する吸気系統
を提供することにある。

〔発明の概要〕

前記目的を達成するため、本発明では、ディーゼル発電
機運転時において燃焼室内への空気充填　　　率を高め
るための空気冷却器に供給する冷却水をディーゼル発電
機停止時には吸気配管に取りつけた熱交換器に循環させ
てこれを保温しておき、ディーゼル発電機始動時には、
水の熱容量によって吸気を加熱して外気温度が低い場合
の始動特性低下を防ぎ、発電機が始動して冷却水循環ポ
ンプが再起動した際にはディーゼルエンジンの空気冷却
器に冷却水を給水することを特徴とする。

〔発明の実施例〕

以下、実施例にもとづき本発明の詳細な説明する。

第１図は本発明による原子力発電所用非常用ディーゼル
発電機エンジンの吸気系統の一例を示す系統図である。

第１図において、吸気フィルタ２を通じて吸気配管３に
取り込まれた空気は、吸気加熱用熱交換器１１を経たの
ち、過給機４において圧縮され、空気冷却器１２を通っ
て、エンジンの燃焼室５に送り込まれる。吸気加熱用熱
交換器１１および空気冷却器１２への給水は共通の機器
冷却用配管１３を通じて冷却水ポンプ１４により冷却水
１５が循環することによって行われる。吸気加熱用熱交
換器への配管および空気冷却器への配管はそれぞれ弁１
６ａ、１６ｂおよび１７ａ、１７ｂを通じて、冷却水配
管１３に並列に接続する。冷却水１５は、海水または、
熱交換器を介して海水と接する２次循環水であり、寒冷
地の冬期においても＋１０℃前後の水温を保っている。

したがって、本冷却水は、寒冷地の冬期における零下数
十℃という大気温度に対してはこれを加熱する熱源であ
り、一方デイーゼルエンジン始動後、過給機によって圧
縮昇温した＋２０°Ｃ〜３０℃の燃焼室入口空気に対し
ては冷却の役割をはたす。

制御装置１８はディーゼル発電機１の運転状態に応じて
空気冷却器への入口弁１７ａ、出口弁１７ｂの開閉を制
御する。ディーゼル発電機停止時には弁１７ａ、１７ｂ
を閉じて、熱交換器１１に冷却水を循環させ、これを保
温しておく。常用電源喪失してディーゼルエンジンが始
動する際には、熱交換器１１に蓄積された冷却水が、低
温の外気に対して熱源として働き、エンジンの急速始動
に必要な空気温度まで吸気を加熱する役割をはたす。

ディーゼル発電機起動後は再び冷却水ポンプ１４は電源
を取り戻して再起動するが、この時には弁１７ａ、１７
ｂを開いて空気冷却器への＠環を開始させ、燃焼室内へ
の空気充填率を高めてエンジン出力を安定化させる。

また、外気温度が高い夏期においては、熱交換器１１は
必要ないため、弁１６ａ、１６ｂを閉じておくことによ
り、ポンプ１４の負荷を減らす。

〔発明の効果〕

以上説明したごとく、本発明によれば、次のような効果
がある。

（１）ディーゼル発電機において、燃焼用空気となる外
気温度が低く、機関の最低着火温度が満足されないよう
な場合でも、外気よりも高温な冷却水によって吸気を加
熱することにより、エンジンの始動性の低下を防ぐこと
ができる。

（２）ディーゼルエンジン運転時に燃焼室内への空気充
填率を高めるための空気冷却器と給水系統を共有するこ
とにより、吸気加熱の為の独自の系統が必要でなく、設
備を単純化できる。

（３）常時冷却水を吸気加熱用熱交換機に循環させて熱
量を蓄えているため、ディーゼル発電機始動が必要な停
電時においても、吸気を加熱し急速始動に必要な吸気温
度を確保することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による原子力発電所用非常用ディーゼル
発電機吸気系統を表わす系統図、第２図は従来のディー
ゼル発電機吸気系統を示す系統図、第３図はディーゼル
エンジンの圧縮温度の着火最低温度に対する裕度と回転
数との関係を燃焼用外気温度と過給機による圧縮比で比
べたグラフである。 １・・・ディーゼルエンジン、２・・・吸気フィルタ、
３・・・吸気系配管、４・・・過給機、５・・・エンジ
ン燃焼室、　　　ｆｌｌ・・・吸気加熱用熱交換器、１
２・・・空気冷却器、１３・・・冷却水配管、１４・・
・冷却水ポンプ、１５・・・冷却水、１６ａ・・・吸気
加熱用熱交換器人口弁、１６ｂ・・・吸気加熱用熱交換
器出口弁、１７ａ・・・空気冷却器人口弁、１７ｂ・・
・空気冷却器出口弁、１８・・・吸気加熱／空気冷却切
り換え用制御装置。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １、原子力発電所用非常用ディーゼル発電機の吸気系統
   において、ディーゼルエンジン始動時に燃料室内への空
   気充填率を高めるための空気冷却器に供給する冷却水を
   、エンジン停止時においては吸気配管を通した熱容量の
   大きな熱交換器に循環させておき、電源喪失してディー
   ゼルエンジンが始動する際には熱交換機の蓄熱によって
   吸入空気を暖めてエンジンの急速始動を可能とし、ディ
   ーゼル発電機始動後、冷却水ポンプが再起動した後は空
   気冷却器に冷却水を供給することを特徴とする原子力発
   電所用非常用ディーゼル発電機吸気系統。