JPS6229335Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はブレーキ装置のキヤブコントロールバ
ルブに関し、特にスプリングブレーキ装置に使用
するエア圧供給源からスプリングブレーキシリン
ダに至るエア回路に介装されたキヤブコントロー
ルバルブに関するものである。

スプリングブレーキ装置はよく知られているよ
うにエアブレーキ使用の大型車両に装備されてい
るもので、その概略的配管系はたとえば第１図に
示す通りである。第１図に於て、１はエアコンプ
レツサ、２は圧力供給源であるエアタンク、３は
空気供給管、４は車両運転台の計器盤近傍に設置
したキヤブコントロールバルブ、５は車輪近傍位
置に於てスプリングブレーキ用配管６に取付けら
れた圧力応動スイツチ、７はクイツクリリースバ
ルブ、８はスプリングブレーキシリンダ、９はブ
レーキロツド、１０はスイングレバー、１１はブ
レーキ作動用カム軸、１２はサービスブレーキ用
空気供給管、１３はブレーキバルブである。これ
らの各構成機器の構造はそれ自体周知のものであ
るから、その詳細な説明は省略し、本考案と関係
のあるキヤブコントロールバルブについて第２図
を参照して従来技術を説明する。

第２図において、キヤブコントロールバルブ４
はバルブボデイ４ａに三つのポート４ｂ，４ｃ，
４ｄを有している。そしてポート４ｂは空気供給
管３に、ポート４ｃはスプリングブレーキ用配管
６にそれぞれ接続されており、また、ポート４ｄ
は大気中に開いている。弁体４ｅ及びそれに固定
されたスプール４ｆ並びに４ｇはスプリング４ｈ
によつて第２図に於て常に上向きの力を与えられ
ているが、空気供給管３内の空気圧が所定値より
も高い場合には弁体４ｅは第２図の二点鎖線位置
に保持され、キヤブコントロールバルブ４を介し
て空気供給管３とスプリングブレーキ用配管６と
が連通状態に保たれる。

第１図及び第２図に示した公知のスプリングブ
レーキ装置において、エアタンク２内の圧力が所
定値よりも高い場合にはキヤブコントロールバル
ブ４のスプリング４ｈが圧縮された状態となり、
空気供給管３はキヤブコントロールバルブ４を介
してスプリングブレーキ用配管６に連通してい
る。従つてエアタンク２の圧縮空気がスプリング
ブレーキシリンダ８の非常制動用チヤンバに導入
されているためブレーキロツド９を介して制動力
は働いていない。さてブレーキペダル１３を踏ん
でサービスブレーキ用空気供給管１２からスプリ
ングブレーキシリンダ８のサービスブレーキチヤ
ンバ内に圧縮空気を送り込むと、ブレーキロツド
９及びスイングレバー１０が第１図の矢印の方向
に駆動されてブレーキ作動用カム軸１１が回動さ
れるようになつている。

一方、エアタンク２内の圧力が所定値よりも低
下すると、キヤブコントロールバルブ４内のスプ
リング４ｈによつて弁体４ｅが自動的に押上げら
れてポート４ｂとポート４ｃとの連通が断たれる
と同時にポート４ｃとポート４ｄとが連通するの
で、スプリングブレーキシリンダ８の非常制動用
チヤンバはクイツクリリースバルブ７及びキヤブ
コントロールバルブ４を介して大気中に開放され
る。このためブレーキロツド９及びスイングレバ
ー１０が第１図の矢印の方向に作動されて非常制
動がかけられるものである。一方、前記のように
空気源の圧力低下等によつてスプリングブレーキ
が作動した時には、スプリングブレーキ用配管６
に設けた圧力応動スイツチ５によつて該配管６の
圧力低下を検出するとともに該圧力応動スイツチ
５の開閉をスプリングブレーキ作動表示信号とし
て利用し、計器盤の表示灯が点灯する。このよう
にして非常制動がかかつた車両を再び動かしてた
とえば車両点検のために車両工場等へ自力回送す
る時には、キヤブコントロールバルブ４のノブ４
ｇを手動で押込んで強制的にポート４ｂとポート
４ｃとを連通させてスプリングブレーキを解除す
る。

前記の如き構造及び機能を有する公知のスプリ
ングブレーキ装置に於ては次のような問題点があ
つた。

(i) 圧力応動スイツチ５が車両の床下等の外気に
露出している環境に設置されているため、水が
かかつたり、振動を受けたりする機会が多く、
これを防止するために圧力応動スイツチを防水
兼耐震構造にする必要があり、従つて圧力応動
スイツチそれ自身のみならず装置全体が高価と
なつていた。

(ii) 圧力応動スイツチが運転台よりはるかに遠い
位置にあるため、電気線が長くなり、また配管
系も複雑になつていた。

本考案の目的は前記問題点を解決し、改良され
たスプリングブレーキ装置を実現するためのキヤ
ブコントロールバルブを提供することにある。

以下に第３図及び第４図を参照して本考案の実
施例について説明するが、同図に於て第１図およ
び第２図と同一符号で表示された部分は第１図お
よび第２図と同一の部分であるから説明を省略す
る。

第４図は本考案により改良されたキヤブコント
ロールバルブを用いて構成したスプリングブレー
キ装置の配管系統の一部を示したもので、この図
から該装置に於てはスプリングブレーキ用配管６
には圧力検出器が設けられておらず、キヤブコン
トロールバルブ４Ａのみが（クイツクリリースバ
ルブを除いて）設けられていることが判る。この
スプリングブレーキ装置に使用するキヤブコント
ロールバルブ４Ａは従来公知のものとは若干、構
造が異つており、バルブボデイ４ａの上端面にス
プール作動検出スイツチ１３が取付けられるとと
もにスプール４ｆには該スイツチ１３に係合する
スイツチ作動フランジ４ｉが取付けられている
（第３図）。スプール作動検出スイツチ１３は車両
の計器盤上の表示灯などに電気的に接続されたも
のである。

このような構成の本考案の実施例においてはス
プリングブレーキの作動及び不作動の検出がスプ
ール作動検出用スイツチ１３のみによつて行われ
るので、従来圧力応動スイツチによるよりも検出
及び表示が確実である上、圧力応動スイツチが不
要となるため装置コストが安価となり、更に保守
も著しく容易になる。すなわち第３図に於て、ス
プリングブレーキの作動時にはキヤブコントロー
ルバルブ４Ａのスイツチ作動フランジ４ｉが二点
鎖線位置に動き、また、スプリングブレーキの不
作動時には該フランジ４ｉが実線位置に動いてス
プール作動検出スイツチ１３と係合する。このた
め、車両の計器盤上の表示灯はスプリングブレー
キの不作動時には非点灯となり、また、スプリン
グブレーキ作動時には点灯する。

スプール作動検出用スイツチ１３の接続電線は
計器盤の近傍のみに配置できるため、電線必要長
さも極めて短かくまた、故障の発生の恐れも極め
て少い。

以上のように本考案のキヤブコントロールバル
ブによれば従来のスプリングブレーキ装置におけ
る問題点が解決され、安価で且つ故障が少く、そ
の上作動検出が正確なスプリングブレーキ装置が
実現できる。

なお、前記実施例では本考案のキヤブコントロ
ールバルブを特に非常制動用ブレーキ装置に適用
した場合について説明したが、本考案はグラデユ
アル作動形の制御弁にも適用できることは勿論で
ある。又作業用補助制動装置と連動させる時にも
有効である。

【図面の簡単な説明】

第１図は公知のスプリングブレーキ装置の配管
系の一例を示す概略図、第２図は公知のキヤブコ
ントロールバルブの概略縦断面図、第３図は本考
案によるキヤブコントロールバルブの要部縦断面
図、第４図は第３図のキヤブコントロールバルブ
を用いて実現されるスプリングブレーキ装置の配
管系の一例を示した図である。 ４，４Ａ……キヤブコントロールバルブ、８…
…スプリングブレーキシリンダ、１３……スプー
ル作動検出用スイツチ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. エア圧供給源からスプリングブレーキシリンダ
   に至るエア回路に介装され、圧力に応動するとと
   もに手動操作可能なスプールを有したキヤブコン
   トロールバルブにおいて、前記スプースルの位置
   を検出するためのスプースル作動検出用スイツチ
   がバルブボデイに一体に取り付けられていること
   を特徴とするブレーキ装置のキヤブコントロール
   バルブ。