JPS6228901Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は店売り弁当、駅弁、仕出し弁当など所
謂パツク弁当の容器として多用されている使い捨
てのプラスチツク製簡易弁当容器の改善に関す
る。

この種の簡易弁当容器は極く一般的にはポリス
チレン、ポリプロピレン、ポリエチレン等の半硬
質又は硬質の薄肉充実プラスチツクシート、或は
発泡プラスチツクシートを素材にしてこれを真空
成形・圧空成形・熱プレス成形などシートフオー
ミング手法により所定の容器形状に成形して量産
される。量的には少ないが射出成形で製造される
ものもある。容器の形態は、 (1) 容器内を主食たる米飯をつめる部分と、副食
を入れる部分とに仕切りリブ（又は隔壁）で大
きく区画し、副食を入れる部分は数種の副食を
体裁よく分けて納め得るように更に幾つかの小
室に仕切りリブで区画したものとし、これに容
器開口全体にかぶさる蓋を容器とは別体物とし
て、或は容器の成形と同時に容器の一辺に開閉
回動自由に一連につなげた形態で成形して具備
させたもの、 (2) 容器内を単に主食収容部と副食収容部とに仕
切りリブで大きく区画しただけのもの、 (3) 容器内を仕切らず１つの大きな空間とし、主
食たる米飯を容器内の一方に片寄せてつめ、残
余の空間に副食を入れて使用するもの、 などがある。

しかし何れのものも１つの容器内に主食と副食
とをつめて蓋をするものであるから、 (a) 上記(3)のもののように主食部と副食部との仕
切りリブがない場合は勿論、(1)や(2)のもののよ
うに仕切りリブがある場合でもその仕切りリブ
の上縁と蓋内面との隙間空間を通つて主食部か
ら生じる水蒸気が副食部に容易に廻り込む。そ
のため、副食が湿潤化して風味・食感・外観等
が損なわれる場合がある。又所謂イタミを早く
する原因ともなつている。

(b) 店売りのパツク弁当の場合は電子レンジで加
温してから客に渡すサービスを行なつていると
ころも多いが、この場合主食・副食の全体が加
温され、加温をきらう、又は加温すべきでな
い、例えばなますなどの冷菜、漬物なども加温
され風味や食感が大きく損なわれる。

(c) 予め副食だけをつめておき、販売直前で暖か
い米飯をつめて蓋をし客に渡すシステムを採る
ところもあるが、作業性が悪く非能率的で、扱
い数の少ないところに限られ量産販売には向か
ない。

等の欠点又は不具合を有している。

主食たる米飯と副食とを別々の独立容器につめ
ておき、その２つを組にして販売するようにした
ものもあるが、まとまりや体裁が悪く、又個々の
独立した容器だと食べるとき戸惑いや不便を生じ
ることもある。

本考案は上記に鑑みて提案されたもので、上記
各種従来品の欠点又は不具合を解消したプラスチ
ツク製簡易弁当容器構造を提供することを目的と
する。

即ち、内空を仕切り凸リブ又は隔壁１１をもつ
て平面上第１及び第２の区画室Ａ・Ｂに大きく区
画した主容器１と、その主容器１の第１区画室Ａ
と略同形・同大で、該第１区画室に嵌め込み・抜
き出し自由の副容器２と、主容器１の第２区画室
Ｂの開口のみに対して、第１及び第２区画室Ａ・
Ｂ相互間に連通隙間部を生じさせることなく、実
質的に気密に嵌着される開閉蓋３と、副容器２の
開口のみに対して実質的に気密に嵌着される開閉
蓋４とからなる、プラスチツク製簡易弁当容器を
要旨とする。

図に示す実施例容器は主容器１、副容器２、各
蓋３・４の何れもポリスチレン・ポリプロピレ
ン・ポリエチレン等の半硬質又は硬質の薄肉充実
プラスチツクシートを素材にして真空成形・圧空
成形等のシートフオーミング手法で各別に製造し
たものである。

主容器１は横長の平面隅丸長方形で、その内空
を容器内略中央部の縦方向凸リブ１１をもつて右
側の第１室Ａと左側の第２室Ｂの２室に大きく区
画した。そして第１室Ａを副容器嵌合室とし、副
容器２の平面外形形状を該室Ａに対応する縦長の
隅丸長方形状とした。又第２室Ｂは副食収容部と
して数種の副食を体裁よく分類して納め得るよう
に更に幾つかの小室B1〜B3に縦・横の仕切り凸
リブ１２・１３で区画した。蓋３・４は弁当内容
物が透視できるように透明シートを素材にして作
つてある。

又図示例容器は主容器１の第１室Ａに対する副
容器２の嵌合を、嵌め込み状態に於て、第２図の
断面図に示すように室Ａの内面と、副容器２の底
部及び周壁の外面間に断熱隙間空間Ｓが生じるよ
うに、副容器２の周壁の容器開口に近い上位部に
容器開口フランジ縁２１に並行に外方張り出し環
状段部２２を形成し、一方室Ａ側の周壁の室開口
に近い上位部に室開口縁に並行に、副容器２を室
Ａに嵌入したとき副容器２の底が室Ａの底に接触
する少し手前で副容器２の上記外方張り出し環状
段部２２を受け止めて副容器２のそれ以上の室Ａ
内への嵌入を阻止する内方張り出し環状段部１４
を形成した構造にしてある。１５は縦方向仕切り
凸リブ１１を境にして主容器１の第１室Ａと第２
室Ｂとが折れ曲るのを防止すべくリブ１１の両端
部の材料シート面に形成した横方向波形の補強リ
ブ部を示す。

用法は、主容器１の第２室Ｂに副食をつめて蓋
３をし、副容器２には主食たる米飯をつめて蓋４
をし、その副容器２を主容器１の第１室Ａに嵌入
して納めてパツク弁当として販売するものであ
る。即ち、 (イ) 主食と副食は互に完全に隔離された形態でパ
ツクされるから前述従来容器の欠点(a)のような
主食部からの発生水蒸気の副食部への廻り込み
による副食の湿潤化、イタミが防止される。

(ロ) 加温サービスの際は主食を入れた副容器だけ
を取り外してそれを電子レンジ加温処理するこ
とができ、加熱をきらう、又は加熱すべきでな
い副食を加熱する不具合が解消される。又副食
も一諸にレンジ加温処理する場合よりも主食だ
けの加温の方が加温処理時間が短縮化され、能
率が向上する。

(ハ) 販売直前で暖かい米飯をつめるシステムの場
合も、その米飯を主容器１よりも約半分程度に
小さくて扱い易い副容器２につめればよいから
作業性がよく、能率的である。このことはパツ
ク弁当の量産出荷工場に於ても同様のことが言
える。

(ニ) 主容器１の第２室Ｂに副食を納めて蓋３を、
又副容器２に主食たる米飯を入れて蓋４をした
形態に別々に事前包装してコンテナに入れて出
荷・配達し、販売時両者を組合せることにより
作業性よく短時間に大量に販売する事が出来、
又スーパー等でも事前包装する事によつて短時
間に大量に販売数を延ばす事が出来る。

(ホ) 販売直前迄副食を入れた主容器１と、暖かい
米飯を入れた副容器２とを別々に分けておくこ
とにより副食が米飯側の熱でむれることがな
く、食品衛生面で有利である。

(ヘ) 主容器１と副容器２の２容器ではあるが、副
容器２は主容器１側の嵌合区画室Ａに嵌め込む
カセツト方式であるからまとまりがよく、扱
い、携行にも便利で、又体裁もよい。食べると
きは主食側の蓋４及び副食側の蓋３をあけ主食
の入つている副容器２をそのまま主容器１に納
めた状態にすることにより副容器２は不動で食
べ易い。勿論必要に応じて副容器２を主容器１
から外して食べることもできる。

(ト) 図示例容器のように主容器１の第１室Ａに対
する副容器２の嵌合を、嵌め込み状態に於て室
Ａの内面と、副容器２の底面及び周壁外面間に
断熱隙間空間Ｓが生じる嵌合構造にすることに
より保温性がよく副容器に入れた米飯をかなり
長時間にわたつて暖かい状態に保たせることが
できる。又米飯側の熱の副食側への伝導が押え
られ副食のむれを防止する上でも効果がある。
この断熱保温性をより向上させるために成形シ
ート材料としてAl蒸着等金属蒸着処理シート
を用いる等により主容器１の内面又は／及び副
容器２の外面を熱反射性面にするとよい。又副
容器２を発泡スチロール（PSP）等の発泡シー
トを素材にして構成するのもよい。

等の種々の利点があるもので、前述従来容器の欠
点又は不具合が解消され、パツク弁当の使い捨て
プラスチツク製簡易弁当容器の改善として有効適
切である。

尚、蓋３・４は夫々主容器１及び副容器２に対
してそれ等の容器の成形と同時に容器の一辺に開
閉回動自由に一連につなげた形態で成形して具備
させてもよい。

主容器１の第１室Ａと副容器２との断熱隙間空
間Ｓは第１室Ａの底面に上向きに、又は副容器２
の底面に下向きにスペーサ突起又は脚片２３（第
２図鎖線示）を設けることにより副容器２を第１
室Ａの底面から浮上げ状態にすることにより形成
する構成にしてもよい。

主容器１，副容器２，蓋３，４の全部又はそれ
等の例えば容器１・２だけを射出成形法で薄肉容
器として製造するようにしてもよい。

副容器２内に副食を、主容器１の第２室Ｂ内に
主食をつめるようにしてもよい。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の簡易弁当容器の一実施例を示す
もので、第１図は分解斜面図、第２図は組んだ状
態の縦断面図。 １は主容器、２は副容器、３・４は蓋。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 内空を仕切り凸リブ又は隔壁１１をもつて平
   面上第１及び第２の区画室Ａ・Ｂに大きく区画
   した主容器１と、その主容器１の第１区画室Ａ
   と略同形・同大で、該第１区画室に嵌め込み・
   抜き外し自由の副容器２と、主容器１の第２区
   画室Ｂの開口のみに対して、第１及び第２区画
   室Ａ・Ｂ相互間に連通隙間部を生じさせること
   なく、実質的に気密に嵌着される開閉蓋３と、
   副容器２の開口のみに対して実質的に気密に嵌
   着される開閉蓋４とからなる、プラスチツク製
   簡易弁当容器。 (2) プラスチツクシートのシートフオーミング
   品、又は薄肉の射出成形品である、実用新案登
   録請求の範囲第１項に記載のプラスチツク製簡
   易弁当容器。 (3) 主容器１の第１区画室Ａに対する副容器２の
   嵌合を嵌め込み状態に於て、該第１区画室Ａの
   内面と、副容器２の底部及び周壁の外面間に断
   熱隙間空間Ｓを存して嵌合して支持される構造
   にした実用新案登録請求の範囲第１項に記載の
   プラスチツク製簡易弁当容器。