JPS6228458Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本案はペン芯と、このペン芯に係合してインキ
をボールペンチツプ部へ誘導するインキ誘導芯を
具備した水性インキボールペンのインキ流通機構
の改良に関する。

従来から、ペン芯と係合するインキ誘導芯を介
してインキをボールペンチツプ部へ誘導する構造
のインキ流通機構は種々、存在する。しかして、
この種のインキ流通機構においては、その多くは
ペン芯内を貫通したインキ誘導芯の存在を前提と
するものであり、その流通機構の主要部はインキ
誘導芯自体の構造や、インキと直接、接触する部
分にみられるものであつた。しかしながら、イン
キ誘導芯自体の改良はこれが小径であることから
実際上、その加工には限界がありまた、インキと
の接触部の改良にも問題が多く、顕著な効果を発
揮するような改良を試みたものは末だ出現してい
ない。

本案はこのような従来技術にみられる欠点を改
善し、簡便にしてかつ、安直にえられる構造のイ
ンキ流通機構を提供しようとするものである。以
下、本案の実施例を図面に基づいて説明する。

インキ収容部１内に装着されるペン芯２は先端
部にそのインキ通溝２ａと連通するインキ誘導芯
３との係合部４を有する。このインキ誘導芯係合
部４は有底状の中空孔に形成してあり、インキ誘
導芯３の一端部３ａがその底部４ａに当接してい
る。インキ誘導芯３の他端部はボールペンチツプ
部５に挿嵌してあり、先記のインキ通溝２ａの作
用とあいまつてインキ収容部１内からインキｉを
誘導している。ペン芯２とインキ誘導芯３との係
合部４には適宜な構造からなる第２のインキ滞留
部６が形成してある。しかして、この第２のイン
キ滞留部６はインキを一時的に貯留しうるもので
ありかつ、ペン芯２とインキ誘導芯３の係合部４
に形成されるものであれば、その構造は先記のと
おり適宜に定めてよい。

第１図に示した例は、インキ誘導芯３にその周
面が有底孔である係合部４の側面とわずかに間隙
をおいた状態のくし溝６ａに形成したものであり
また、第４図の例は、ペン芯２自体にその係合部
４と連通する凹凸溝６ｂを設けたものである。

図中、７はペン芯２の外周面に設けたくし溝で
あつて通常のインキ流通制御の作用を奏する。２
ａは先記のとおりインキ通溝であつて、その一端
をインキ収容部１のインキｉ内に連通させるとと
もにその他端をインキ誘導芯係合部４に連通して
いる。また、２ｂはインキ収容部１のインキｉ内
へ通ずる空気溝であつて大径の通気溝Ｓを介して
外気をとり入れる通気孔８と通じている。

本案は以上のとおり、ペン芯外周面に設けたイ
ンキ流通制御用のくし溝のほかに、インキ誘導芯
とペン芯が係合する有底かつ、中空状の係合部に
第２のインキ滞留部を形成してなるものであるか
ら、ボールペンチツプ部へのインキ流通の過不足
が改善されることは勿論、相当時間の不使用状態
の後の書き出しにおいてもスムーズなインキ追従
が期待できるようになつた。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案を実施したインキ流通機構を説示
した一部省略側断面図、第２図は第１図Ａ−Ａ断
面図、第３図は第１図Ｂ−Ｂ断面図、第４図はイ
ンキ流通機構の他の実施例に係わる説明図であ
る。 １……インキ収容部、２……ペン芯、３……イ
ンキ誘導芯、４……係合部、６……第２のインキ
滞留部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. インキ滞留用のくし溝を設けるとともにくし溝
   に直交して設けたインキ通溝および空気溝を有す
   るペン芯と、このペン芯と係合してインキ収容部
   からインキをボールペンチツプ部へ誘導するイン
   キ誘導芯を具備してなる水性インキボールペンに
   おいて、インキ収容部１に直接、装着したペン芯
   ２のインキ誘導芯係合部４を有底孔に形成し、こ
   のインキ誘導芯係合部４に第２のインキ滞留部６
   を形成したことを特徴とする水性インキボールペ
   ンにおけるインキ流通機構。