JPS6227832B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、環状中わた材料及びその製造方法に
関する。

布団、クツシヨン、衣料などの詰物として羽毛
が多く使用され近時その使用量は増加の一途をた
どつており、その供給も不足する事態が考えられ
るようになり、天然の羽毛にかえ、天然の羽毛と
同様に使用できる羽毛様詰物が望まれ、種々開発
されているが、適度の弾性、耐圧縮性を発揮させ
るためには中わた材料の構造として出来る限りル
ープ状構造体とするのが望ましい。そして、主た
るループ状構造体と共に叢生した繊維が一体とな
つて存在する状態が保温上も望ましい。

そこで、本出願人は、ハープ状に屈曲した複数
の短繊維が一点に集中し、該集中点において、集
中した短繊維が一体に固着されている中わた材料
を開発（特許第1177611号）した。この中わた材
料は適宜本数のフイラメントよりなるトウを環状
或いは涙滴状に屈曲してその端部を溶着切断して
なるもので、端部で切断されたフイラメントは短
繊維長となるが、環状の途中で切断されることは
ない。そのために、中わた材料は、滑りの良いも
のとなり、羽毛に混合するのに好適である。一方
上記の滑りを押さえて使用する場合に、環状を構
成する繊維に引掛かりが要求され、更には空気保
有空間の増大も望まれた。

本発明はこの点に鑑みて、上記発明を改良した
ものである。

本発明は天然の羽毛にかわる中わた材料及び上
記の如き骨格となるループ状構造体と共に叢生し
た繊維が混在するような環状の中わた材料を製造
する製造方法に係る。

次に本発明の実施例につき説明する。

本発明方法により作られる環状中わた１は第１
図に示す如き形状をなし、ウエブ２を筒状体に構
成した筒状体ウエブ３から作られる。ウエブ２は
合成繊維のトウを拡巾してなる適宜厚さのものを
方向を違えて任意枚数重ねたもの、或は単にトウ
を拡巾したもの、或は天然繊維よりなるウエブを
合成繊維よりなるウエブと重ね合わせたもの等任
意であるが、でき得れば熱溶融性を有する繊維を
含むものであることが望ましい。

上記ウエブ２を筒状体ウエブ３にするには第２
図に示す如く、ウエブ端部を環状に捲回し、その
端部をウエブ上面又は下面に重ね該部を加熱溶断
すると共に溶着部分４を作ることによる第１の方
法、或は第３図に示す如くウエブ２をその端部か
ら螺旋状に連続して捲回し、積層された状態の筒
状体ウエブとする第２の方法などがある。第２の
方法にあつては、捲回したウエブ層がはく離しな
いようウエブ表面に接着剤を用いる。更に、第３
の方法としては、回転軸５に連続的に適宜厚さに
トウ６を捲き付け、トウ６が熱溶融性の繊維であ
れば線状に加熱して熱融着による固着部分７を構
成し、非熱溶融性の繊維であれば接着剤により固
着部分７を構成する。上記の加熱溶融或は接着に
よる固着部分７の形成に当つてトウ６が回転軸５
と固着しないよう心掛け、トウ６が環状に固着さ
れてから回転軸５から引き抜くことによつて筒状
体ウエブ３を作る。

このようにして作られた筒状体ウエブ３を、そ
の仮想中心線Ａ―Ａ（第５図）と交差するＢ―Ｂ
方向に適宜微細間隔を有して切断すれば、第１図
に示す如き環状中わた１ができる。

第１図Ａに示す環状中わた１は、ウエブを構成
する繊維の方向がウエブ１の長手方向Ｘ方向のみ
ではなくそれと交差するＹ方向或はＺ方向のもの
もあるため、Ｘ方向繊維は溶着部分４から溶着部
分４まで涙滴状に環状となつているが他のＹ方向
Ｚ方向の繊維はＢ―Ｂ方向切断線で切断され端部
８を突出して叢生した繊維となつている。

ウエブ２を作る際に、ウエブ２を構成する繊維
の方向をほゞＸ方向にのみ用いたウエブを用い
て、上記方法により環状中わたを作れば端部８を
突出した繊維の少ない第１図Ｂに示すような環状
中わたを作ることができる。

第１図Ｃに示す環状中わた１は、第２の方法で
作られた接着剤により筒状に接着された筒状体ウ
エブ３を切断したものであるため、第１図Ａ，Ｂ
に示す環状中わたの如き溶着部分４は存在しな
い。

第１図Ｄに示す環状中わた１は、第３の方法で
作られたもので、固着部分７を有するが、全体が
円をなしている。そして、中わた１を構成する繊
維はトウ６を捲き付けたものでありその切断方向
が捲き付けたフイラメントと同方向であるため端
部８を突出する繊維は少ない。

本発明環状中わた材料は、全体が環状をなして
いるために外部からの圧迫に耐え弾性が著しくそ
のためにへたりが少ない。また長期間の使用に際
しても空気保有空間の減少を見ることがない。更
に環状構造をなす繊維のうち一部の繊維の端部が
環状体より突出した状態を呈して叢生するために
保温作用上も有効である。そして、上記突出する
繊維端の多少は、筒状体ウエブを作る際のウエブ
構成繊維の方向性を適宜選択することにより任意
に増減することができるものである。

本発明方法は上記した如く適宜厚さのウエブを
捲回してなる筒状体ウエブを、その仮想中心軸線
と交差して適宜微細間隔を有して切断することに
より環状の中わた材料を作るものであるため、中
わた材料の環状の径の大小は筒状体ウエブを作る
ときの径を任意に選ぶことにより自由に選択で
き、また、筒状体ウエブは連続して作られるもの
であるから筒状体ウエブを切断することにより得
られる環状中わた材料も連続して生産され、その
生産能率を高めることができる。また、ウエブを
作る際にウエブ内における繊維の方向を任意に選
択することによつて、環状中わた材料中の叢生し
た繊維の割合を自由に変更でき、叢生した繊維の
ほとんどないものから極めて多いものまで自由に
中わた材料の性質を変更できる。

【図面の簡単な説明】

第１図Ａ，Ｂ，Ｃ，Ｄは本発明方法によつて作
られた環状中わた材料の正面図、第２図は本発明
方法における筒状体ウエブの第１の製法を示す斜
視図、第３図、第４図は同じく第２、第３の製法
を示す平面図、第５図は筒状体ウエブを切断する
状態を示す平面図である。 １…環状中わた材料、３…筒状体ウエブ、８…
繊維端部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ウエツブを切断してなる、環状に捲回された
   複数の繊維及び前記捲回長よりも短かい繊維より
   なり、前記繊維のうち捲回長より短かい繊維の端
   部が環状体より突出している環状中わた材料。 ２ 筒状体ウエブを、その仮想中心軸線と交差し
   て適宜微細間隔を有して切断することを特徴とす
   る環状中わた材料の製造方法。