JPS62278033A - 親水性と耐食性を有する熱交換器用フインの製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ３、発明の詳細な説明 産業上の利用分野 この発明は、例えばルームエアコンおよびカーエアコン
等に使用せられる親水性と耐食性を有する熱交換器用フ
ィンの製造方法に関Ｊる。

この明細書において、アルミニウムとは、アルミニウム
およびアルミニウム合金を含むものとする。

従来の技術 一般に、アルミニウム製熱交換器、例えば空気調和機の
蒸発器においては、フィンの表面渇陵が大気の露点以下
となるためフィンの表面に水滴が付着する。このような
水滴の付着により通風抵抗が増大し、かつ風量が減少し
て熱交換効率が低下する。このような蒸発器の熱交換効
率を向上させるために、本出願人は、先に表面に親水性
皮膜を形成したフィンを提案した。しかしながら、先提
案にかかるフィンの親水性成膜は無機質系皮膜であるた
め、親水性および耐食性にすぐれている反面、成形ｔ’
ｌおよび耐金型摩耗性が悪いという問題があった。また
従来、フィンの表面に有機系親水ｔ！ｌ皮膜を形成覆る
ことも行なわれてｊ３す、このような皮膜を有Ｊるフィ
ンは無機系親水性皮膜を有するフィンに比べて成形性と
耐金型摩耗性にすぐれている反面、凝縮水等の水の存在
づる環境においては、吸水したりあるいは水分が透過し
たりし易く、フィンの耐食性が悪いという問題があった
。

発明の目的 この発明の目的は、上記の問題を解決し、アルミニウム
製フィンＨの表面において疎水性ポリマー皮膜よりなる
防水層を内側に親水性ポリマー皮膜にりなる親水層を外
側にそれぞれ設け、そのさい両層の密着性の不具合を疎
水性ポリマー皮膜よりなる防食層の表面を１１ｉ雷加工
により極性化して改善することにより、親水性と耐食性
にすぐれ、しかも成形性と耐金型摩耗性の良好な熱交換
器用フィンを製造し得る方法を提供しようとするにある
。

発明の構成 この発明は、上記の目的を達成するために、アルミニウ
ム製フィン材の表面に、疎水性ポリマー皮膜よりなる防
食層を形成づる工程と、防食層の表面を放電加工づるこ
とにｊ：り疎水性ポリマー皮膜の少なくとも表面部分の
分子を極性化する工程と、極性化された疎水性ポリマー
皮膜よりなる防食層の表面に親水性ポリマー皮膜Ｊ：り
なる親水層を形成する工程とよりなる親水性と耐食性を
有づる熱交換器用フィンの製造方法を要旨としている。

＝　　３　− 上記において、アルミニウム製フィン材は、所要長さを
有する平板の状態で処理および加工をすることができる
が、とくにコイル材の状態で連続的に処理および加工を
するのが好適である。

防食層を構成Ｊ゛る疎水性ポリマーとしては、ビニル系
樹脂、アクリル系樹脂、アルキッド系樹脂、エポキシ系
樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、スチレン
系樹脂、シリコン系樹脂、フッソ系樹脂、ポリアミド系
樹脂、メラミン系樹脂、ポリカーボネー１−、オレフィ
ン系樹脂等を使用する。

疎水性ポリマーは、溶液の状態でアルミニウム製フィン
材の表面に塗布する。ここで、使用し得る溶剤は、疎水
性ポリマーの種類ににつて定まるものであり、例えばメ
チルエチルケ１〜ン、アルコール、水、トルエン、キシ
レンあるいはこれらの混合物等を使用する。疎水性ポリ
マー溶液のｍｌは、乾燥時に形成される疎水性ポリマー
皮膜の膜厚が１０μｍ以下、好ましくは０゜３〜３μｍ
となるように設定すればよい。

アルミニウム製フィン材の表面を上記疎水性ポリマーの
溶液で処理するには、スプレーやはけ塗りによつ−Ｃ塗
布するか、または溶液中にフィン材を浸漬すればよい。

疎水性ポリマー溶液の塗膜の乾燥は、使用されるポリマ
ーの種類および溶剤の種類に応じて適宜性なうが、通常
６０〜１８０℃の温度で、３０秒〜３０分の時間加熱し
、フィン材の表面に疎水性ポリマー皮膜よりなる防食層
を形成する。

つぎに、疎水性ポリマー皮膜の表面を極性化する放電加
工としては、コロナ放電およびグロー放電があげられる
が、ここでは非持続性放電としての紫外線照射等も含ま
れる。これらのコロナ放電、グローｔＩｉ電および紫外
線照射等の放電加工によって疎水性ポリマー皮膜の少な
くとも表面部分の分子が極性化される。

ここで、コロノー放電加工は、例えば周波数１〜１１０
ＫＨ１１出力電圧１〜６０にｖ１ラインスピード０．１
〜２００ｍ／分の条信下で実施１−る。

グロー放電は、例えば圧力１トル（Ｔｏｒｒ）、電圧１
３０〜１７０Ｖ、およびアルゴン等不活性ガス雰囲気下
で実施する。紫外線照射は、疎水性ポリマー皮膜の表面
に例えば波長１００〜４００ｎｍの紫外線を照射するこ
とにより実施する。

放電加工の所要時間は、放電加工の種類によって異なる
ものであり、これは疎水性ポリマー皮膜の表面部分の分
子が極性化されて、親水性ポリマーとの間に充分な密着
性が得られるように設定される。

また親水層を構成する親水性ポリマーとしては、具体的
には、多糖類系天然高分子、水溶性蛋白系天然高分子、
アニオン、非イオンあるいはカチオン性付加重合系水溶
性合成高分子、および重縮合系水溶性高分子、あるいは
これらの変性樹脂などを使用する。

ここで、多糖類天然高分子としては、可溶性デンプン、
カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロ
ース、グアーガム、トラガカントゴム、キサンタンガム
、アルギン酸ソーダなどを使用する。水溶性蛋白系天然
高分子としては、ゼラチンなどを使用する。

アニオンあるいは非イオン性付加重合系水溶−７＝ 性高分子としては、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ソ
ーダ、ポリアクリルアミド、これの部分加水分解物、ポ
リビニルアルコール、ポリヒドロキシエチルアクリレ−
１〜、ポリビニルピロリドン、アクリル酸共重合体、マ
レイン酸共重合体およびこれらのアルカリ金属、有機ア
ミンおよびアンモニウムの塩などを使用する。

また、上記の付加重合系水溶性合成高分子のカルボキシ
メチル化あるいはスルホン化などによる変性水溶性合成
高分子も使用できる。

カチオン性付加重合系水溶性合成高分子としては、ポリ
エチレンイミン、ポリアクリルアミドのマンニッヒ変性
化合物、ジアクリルジメチルアルミニウムクロライド、
ポリビニルイミダシリン、ジメチルアミノエヂルアクリ
レート重合体などのポリアルキルアミノ（メタ）アクリ
レートなどを使用する。

重縮合系水溶性合成高分子としては、ポリオキシエチレ
ングリコール、ポリオキシエヂレンオキシプロピレング
リコールなどのポリアルキレンポリオール、エチレンジ
アミンまたはへキサメチルジアミンなどのポリアミンと
エピクロルヒドリンとの重縮合物、水溶性ポリエーテル
とポリイソシアネートの重縮合された水溶性ポリウレタ
ン樹脂、ポリヒドロキシメチル尿素樹脂、ポリヒドロキ
シメチルメラミン樹脂などを使用する。

上記親水性ポリマーのうちでは、カルボン酸あるいはカ
ルボン酸塩基を有するアニオン性（＝１加重合系水溶性
高分子を使用するのが好ましく、と（にポリアクリル酸
、アクリル酸共重合体およびこれらのアルカリ金属塩、
１）【びにポリアクリルアミドを使用するのがよい。こ
こで、アクリル酸共重合体としては、アクリル酸と耐酸
ビニルの共重合体、並びにアクリル酸またはマレイン酸
と、メタアクリル酸、メチルメタアクリエート、エチル
メタアクリエート、ヒドロキシエチルメタアクリレート
、イタコン酸、ビニルスルホン酸、アクリルアミドとの
共重合体を使用するのが好ましい。

また上記親水性ポリマーを、分子内にカルボニル！！　
（＞Ｃ＝Ｏ＞を有する低分子有機化合物、具体的にはア
ルデヒド類、エステル類、おにびアミド類などで変性し
た親水性変性ポリマーも使用可能である。

親水性ポリマーは水に溶解して使用づる。親水性ポリマ
ー溶液の濃度は、乾燥後に形成される親水性ポリマー皮
膜の膜厚が１０μｍ以下、好ましくは０．３〜３μｍと
なるように設定Ｍればよい。

放電加工後の疎水性ポリマー皮膜の表面を上記親木性ポ
リマーの水溶液で処理するには、スプレーやは（プ塗り
によって塗布するか、または水溶液中に疎水性ポリマー
皮膜付きフィン材を浸漬すればよい。

水溶液で処理した後のフィン材は、１００〜２００°Ｃ
１好ましくは１５０〜１８０℃の温度で、３０秒〜３０
分の時間加熱して、表面に疎水性ポリマー皮膜と密着し
た親水性ポリマー皮膜を形成する。

上記のようにして得られた疎水性ポリマー皮膜よりなる
防食層と親水性ポリマー皮膜よりなる親木層とを有づ゛
るアルミニウム製フィンを、最後にプレス加工すること
ににす、所定形状の熱交換器用フィンを造る。ここでプ
レス加工とは、上記皮膜付きフィンよりチコーブ挿通孔
を有する板状フィンを形成するための加工であって、こ
れにはたとえば張出し加工、絞り加工、打抜き加工、カ
ーリング加工、およびチコーブ挿通孔周縁の筒形立上り
壁をしごいて高くするしごき加工等が含まれる。また上
記皮膜付きフィンがコイル状である場合には、これらの
加工の後に続いて行なうフィンを所定長さに切断するせ
ん断加工も含まれる。

フィンの表面には上記のＪ：うな有機系ポリマーの皮膜
よりなる防食層と親水層が設置−１られているので、き
わめて円滑にプレス加工を行なうことができ、金型の摩
耗が少なくて、熱交換器用フィンを能率よくつくること
ができる。

実　　施　　例 −１２一 つぎに、この発明の実施例を比較例とともに説明する。

アルミニウム製フィン材として、厚さ１ｍｍ。

幅５Ｑｍｍおよび長さ１００ｍｍのＪｆＳＡ−１１００
１−１２４のアルミニウム薄板を用いた。

このアルミニウム薄板の表面に、まず下記のような疎水
性ポリマーを含む溶液を塗布し、この溶液が塗布された
アルミニウム薄板を１５０℃で５分間乾燥して、アルミ
ニウム薄板の表面全面に疎水性ポリマーの皮膜よりなる
防食層を形成した。つぎに、この疎水性ポリマー皮膜の
表面をコロナ放電またはグロー放電により極性化したの
ち、下記のような親水性ポリマーを含む水溶液を塗布し
、この水溶液が塗布された疎水性ポリマー皮膜付きアル
ミニウム薄板を１５０℃で５分間乾燥して、疎水性ポリ
マー皮膜よりなる防食層の表面全面に親水性ポリマー皮
膜よりなる親水層を形成した。そしてこの防食層と親木
層とを有するアルミニウム薄板を成形して、熱交換器用
フィンをｌ１１ｍした。

評価試験 上記のようにし］４１られたフィンの性能を評価するた
めに、皮膜の密着性、親水性および耐食性を測定し、得
られた結果を下表に示した。

ここで、密着性は、疎水性ポリマー皮膜の表面に親水性
ポリマー皮膜を塗布形成したときの密着状態を測定する
ことにより評価し、疎水性ポリマー皮膜に対して親水性
ポリマー皮膜が均一に塗布され、密着された場合を◎、
一部ムラが生じた場合をΔ、および親水性ポリマー皮膜
が剥がれてしまった場合をＸの記号でそれぞれ表示した
。

また親水性は、それぞれフィンの水の接触角を図ること
により測定した。親水性の評価は、接触角１５°以下を
◎、１６°〜３０°を０１３１°以上を×の記号でそれ
ぞれ表示した。

耐食性は、防食層と親水層を有するフィンについてＪＩ
Ｓに規定される塩水噴霧試験を３００時間実施すること
により測定した。耐食性の評価は、レイティングナンバ
ー（Ｒ−Ｎ）が７以上のものを◎、７未満のものをＸの
記号で表示した。

また比較のために、上記アルミニウム薄板の表面に、放
電加工を行なうことなく疎水性ポリマーの皮膜と親水性
ポリマーの皮膜とを形成した場合、および親水性ポリマ
ー皮膜のみを形成した場合についても同様に評価試験を
行ない、その結果を下表にまとめて示した。

一　　１６　− 上記表から明らかなように、この発明の方法により製造
された熱交換器用フィンは、比較例のフィンに比べて密
着性、親水性および耐食性に優れており、また両皮膜は
有機質であるため、成形性および耐金型摩耗性にもすぐ
れていた。

発明の効果 この発明の方法は、上述のように、アルミニウム製フィ
ン材の表面に、疎水性ポリマー皮膜よりなる防食層を形
成する工程と、防食層の表面を放電加工することにより
疎水性ポリマー皮膜の少なくとも表面部分の分子を極性
化する工程と、極性化された疎水性ポリマー皮膜よりな
る防食層の表面に親水性ポリマー皮膜よりなる親水層を
形成する工程とよりなるもので、疎水性ポリマー皮膜よ
りなる防食層は疎水性を有しているから、該皮膜が水分
を吸収したり、あるいは皮膜の中に水分が透過したりす
るようなことがなく、アルミニウム製フィン材の腐食を
有効に防止することができて、耐食性にすぐれている。

またこの防食層の表面に親水性ポリマー皮膜よりなる親
木層が形成されているから、フィン表面に付着した水が
水滴となりにくいため、通風抵抗が小さくなり、民間が
多くなって熱交換効率が非常に大きいものである。そし
て放電加工により疎水性ポリマー皮膜の表面を極性化し
たのち、親水性ポリマー皮膜を形成しているから、両皮
膜の密着性が非常に良い。さらに、熱交換器に組立てる
前のアルミニウム製フィン材に防食層と親木層を形成す
る処理を行なうものであるから、非常に作業性が良く、
かつフィンの表面に優れた親水性と耐食性を有する均一
な皮膜を形成することができる。また疎水性ボリマー皮
膜と親水性ポリマー皮膜は共に有ＩＩ質であるから、こ
れらの皮膜付きフィンの成形性および耐金型摩耗性はき
わめて良好であるという効果を奏する。

以　　上 特許出願人　　昭和アルミニウム株式会社代　理　人　
　岸本　瑛之助　（外４名）−２〇　−

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. アルミニウム製フィン材の表面に、疎水性ポリマー皮膜
   よりなる防食層を形成する工程と、防食層の表面を放電
   加工することにより疎水性ポリマー皮膜の少なくとも表
   面部分の分子を極性化する工程と、極性化された疎水性
   ポリマー皮膜よりなる防食層の表面に親水性ポリマー皮
   膜よりなる親水層を形成する工程とよりなる親水性と耐
   食性を有する熱交換器用フィンの製造方法。