JPH0531463B2 - - Google Patents

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JPH0531463B2
JPH0531463B2 JP62084295A JP8429587A JPH0531463B2 JP H0531463 B2 JPH0531463 B2 JP H0531463B2 JP 62084295 A JP62084295 A JP 62084295A JP 8429587 A JP8429587 A JP 8429587A JP H0531463 B2 JPH0531463 B2 JP H0531463B2
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JP
Japan
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film
hydrophilic
water
corrosion
hydrophilicity
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JP62084295A
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Akihiro Tamaru
Masaaki Ito
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Altemira Co Ltd
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Showa Aluminum Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
産業上の利用分野 この発明は、熱交換器用フイン材に関する。 この明細書において、アルミニウムとは、アル
ミニウムおよびアルミニウム合金を含むものとす
る。 従来の技術 一般に、熱交換器、とくに空気調和機の蒸発器
においては、フインの表面温度が大気の露点以下
となるためフインの表面に水滴が付着する。この
ような水滴の付着により通風抵抗が増大し、かつ
風量が減少して熱交換効率が低下する。これは熱
交換器の性能向上と小形化のためにフインピツチ
を狭くした場合とくに顕著に現われる。熱交換効
率はフイン表面の水のヌレ性が大きく影響するも
のであり、フイン表面のヌレ性が良いと付着した
水が水滴となりにくゝ、このため通風抵抗が小さ
くなり、風量も多くなつて熱交換効率が増大す
る。このようなフイン表面のヌレ性を改良するた
めに、従来アルミニウム製フインの両表面に水ガ
ラス(アルカリケイ酸塩)の皮膜を形成する方法
が提案された(特公昭53−48177号公報参照)。 発明が解決しようとする課題 しかしながら、このような従来法によれば、水
ガラス皮膜は硬質であるため、とくにアルミニウ
ム製フインのしごき加工およびバーリング加工の
さいに金型のポンチに摩耗傷が生じ、このような
傷を有するポンチによつて次のフインを成形する
と、逆にフインの成形部分の内面に傷が付いた
り、あるいは成形部分の先端にクラツクが生じた
りして、熱交換管との結合のさいにフインに割れ
が発生するという問題があつた。 この発明の目的は、上記の従来技術の問題を解
決し、熱交換器用フイン材について、アルミニウ
ム板両面の耐食性樹脂皮膜の表面に形成される2
つの親水性皮膜の性質を相互に異なるものとし、
一方の第1親水性皮膜は親水性を重視して、相対
的に硬質であるけれども強い親水性を有する皮膜
とし、これに対し他方の第2親水性皮膜は柔軟性
を重視して、第1親水性皮膜に比べて親水性は若
干劣るものゝ、チユーブ挿通孔の穿孔時の穿孔用
ポンチが当てられるべき軟質の皮膜とすることに
より、すぐれた親水性とその持続性を発揮し得、
しかもフイン成形時の金型の摩耗が非常に少なく
かつ成形後のフインに傷やクラツクが生じないと
いう2つの性質を兼ね備えた熱交換器用フイン材
を提供しようとするにある。 課題を解決するための手段 この発明は、上記の目的を達成するために、両
面に水溶性合成樹脂よりなる耐食性樹脂皮膜がそ
れぞれ形成されたアルミニウム板の一方の耐食性
樹脂皮膜の表面に、親水性無機材料とカルボニル
基を有する低分子有機化合物とよりなる相対的に
硬質でかつ強い親水性を有する第1親水性皮膜が
形成され、同他方の耐食性樹脂皮膜の表面に、水
溶性有機高分子化合物、または水溶性有機高分子
化合物とカルボニル基を有する低分子有機化合物
とよりなる相対的に軟質でかつ弱い親水性を有す
るとともにチユーブ挿通孔の穿孔時に穿孔用ポン
チが当てられるべき第2親水性皮膜が形成されて
いる、熱交換器用フイン材を要旨としている。 上記において、アルミニウム板は、所要長さを
有する平板の状態で処理および加工をすることが
できるが、とくにコイル材の状態で連続的に処理
および加工をするのが好適である。 上記耐食性樹脂皮膜を構成する水溶性合成樹脂
としては、水溶性アクリル樹脂、水溶性ポリウレ
タン樹脂およびその共重合体、水溶性アルキツド
樹脂、水溶性ポリエステル樹脂、並びに水溶性ア
ミノ樹脂の少なくとも1種を使用する。ここで、
アミノ樹脂は、アミノ基を含む化合物とアルデヒ
ドとの縮合反応によつて得られる樹脂をいい、具
体的にはメラミン樹脂、尿素樹脂およびアニリン
アミノ樹脂等が含まれる。 上記水溶性合成樹脂は、水に完全に溶解して溶
液となるものおよび水に一部溶解して分散状の溶
液となるものが含まれる。 アルミニウム板の表面に、水溶性合成樹脂より
なる耐食性樹脂皮膜を形成する処理は、上記水溶
性合成樹脂を含む水溶液を用いて、浸漬、噴霧ま
たは塗布により行なう。このようにして形成され
た皮膜は、親水性とともにすぐれた耐食性を有し
ている。 このような水溶性合成樹脂よりなる耐食性樹脂
皮膜の厚みは、たとえば1〜50μmであるのが好
ましい。ここで耐食性樹脂皮膜の厚みが1μmよ
り薄い場合には耐食性に問題があり、逆に50μm
を越えるとアルミニウム板の熱伝導が阻害される
とともに成形性が悪くなる。 また、上記第1親水性皮膜は強い親水性を有す
るもので、これは親水性無機材料とカルボニル基
を有する低分子有機化合物とよりなるが、後述の
第2親水性皮膜に比べて相対的に硬質となる。 ここで、この第1親水性皮膜に含まれる親水性
無機材料(A)としては、ケイ酸、ケイ酸塩、シリカ
ゾルおよびアルミナゾルがあげられる。またケイ
酸塩としては、SiO2/M2O(式中Mはリチウム、
ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属を意味す
る)で表わされる比が1以上のものを使用する必
要がある。とくに、SiO2/M2Oが2〜5のアル
カリケイ酸塩を用いるのが好ましい。ここで、
SiO2/M2Oの比が1未満である場合には、アル
カリ成分に対してSiO2が少ないため、アルカリ
成分によるアルミニウムの侵食作用が大きくな
る。 また上記低分子有機化合物(B)は、分子内にカル
ボニル基(>C=O)を有する低分子有機化合物
であつて、これは親水性無機材料(A)による皮膜を
安定化させて、より親水性を向上させ、かつ皮膜
に柔軟性を与えるものである。 このような低分子有機化合物(B)としては、具体
的にはアルデヒド類、エステル類、およびアミド
類などがあげられる。 ここで、アルデヒド類としては、ホルムアルデ
ヒド、アセトアルデヒド、グリオキザール、マロ
ンジアルデヒド、スクシンジアルデヒド、グルタ
ルジアルデヒドおよびフルフラールジアルデヒド
などを使用する。 またエステル類としては、ギ酸メチル、酢酸エ
チル、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、プ
ロピオン酸メチルなどの1価アルコールの脂肪酸
エステル、またエチレングリコールジ酢酸エステ
ル、グリセリントリ酢酸エステル、エチレングリ
コールジプロピオン酸エステルなどの多価アルコ
ールの脂肪酸エステル、またγ−ブチロラクト
ン、ε−カプロラクトンなどの分子内エステル、
またエチレングリコールモノギ酸エステル、エチ
レングリコールモノ酢酸エステル、エチレングリ
コールモノプロピオン酸エステル、グリセリンモ
ノギ酸エステル、グリセリンモノ酢酸エステル、
グリセリンモノプロピオン酸エステル、グリセリ
ンジギ酸エステル、グリセリンジ酢酸エステル、
ソルビトールモノギ酸エステル、ソルビトールモ
ノ酢酸エステル、およびグリコース酸モノ酢酸エ
ステルなどの多価アルコール部分エステル、また
コハク酸ジメチル、マレイン酸ジメチルなどの多
塩基酸の1価アルコールエステル、またエチレン
カーボネート、プロピレンカーボネート、グリセ
リンカーボネートなどの環状カーボネートなどを
使用する。 またアミド類としては、ホルムアミド、ジメチ
ルホルムアミド、アセトアミド、ジメチルアセト
アミド、プロピオンアミド、ブチルアミド、アク
リルアミド、マロンジアミド、ピロリドンおよび
カプロラタムなどを使用する。 上記低分子有機化合物(B)のうちでは、均一な処
理を行なうために水溶性の化合物を使用するのが
好ましく、とくにアルデヒド類およびエステル類
を使用するのが好ましい。さらに親水性の高い皮
膜が形成される点でグリオキザールを使用するの
が望ましい。 上記親水性無機材料(A)と、カルボニル基を含む
低分子有機化合物(B)との配合比は、つぎのとおり
である。 すなわち、親水性無機材料(A)1重量部に対し
て、カルボニル基を有する低分子有機化合物(B)を
0.1〜5重量部の割合で配合する。 上記において、親水性無機材料(A)の配合量が少
ない場合には、アルミニウムの表面に充分な親水
性皮膜が形成されない。またあまり多すぎると皮
膜が硬くなりすぎ、成形性および耐金型摩耗性が
悪くなる。 またカルボニル基を有する低分子有機化合物(B)
が親水性無機材料(A)1重量部に対して0.1重量部
未満では、低分子有機化合物(B)を添加した効果が
表われず、また5重量部をこえると、相対的に親
水性無機材料(A)が少なくなるので、親水性が充分
発揮されない。 ここで、親水性無機材料(A)と、カルボニル基を
有する低分子有機化合物(B)とは、水に希釈して使
用する。希釈割合は、皮膜の親水性、膜厚および
作業性を考慮して定める必要がある。 アルミニウム板の表面に前記耐食性樹脂皮膜を
形成したのち、上記混合物の水溶液で処理するに
は、スプレーやはけ塗りによつて塗布するか、ま
たは片面に保護被膜を施した耐食性樹脂皮膜付き
アルミニウム板を水溶液中に浸漬すればよい。 水溶液で処理した後のフイン材は、50〜200℃、
好ましくは150〜180℃の温度で、30秒〜30分の時
間加熱乾燥して、耐食性樹脂皮膜の表面に相対的
に硬質でかつ強い親水性を有する第1親水性皮膜
を形成する。 ここで、加熱乾燥温度が50℃未満であれば、組
成物の皮膜化が十分なされず、200℃を越えると、
それ以上加熱しても効果がない。また加熱乾燥時
間が30秒未満であれば、組成物の皮膜化が十分な
されず、30分を越えると、生産性が低下する。そ
して加熱乾燥温度が160〜200℃と高い場合には、
乾燥時間は30秒〜1分と短くてもよいが、温度が
低い場合には、乾燥時間を長くする必要がある。
加熱乾燥が不充分であると、組成物の皮膜化が十
分なされない。 また上記第1親水性皮膜は、耐食性樹脂皮膜の
表面に0.1〜10g/m2、好ましくは0.5〜3g/m2
の割合で形成する。ここで、第1親水性皮膜が
0.1g/m2以上であれば初期の親水性は良好であ
るが、さらに良好な親水性を維持するためには、
0.5g/m2以上の第1親水性皮膜を形成するのが
好ましい。また第1親水性皮膜が10g/m2を越え
ると、乾燥に長時間を要するとともに、プレス成
形性に悪影響を与えるので好ましくない。 上記耐食性樹脂皮膜と第1親水性皮膜の密着性
の向上と両皮膜の親水性の向上を図るために、必
要に応じて、耐食性樹脂皮膜を形成するための水
溶液にシランカツプリング剤やチタンカツプリン
グ剤を添加したり、あるいは第1親水性皮膜を形
成するための水溶液に界面活性剤を添加してもよ
い。ここで、界面活性剤としては、非イオン系界
面活性剤が好適に使用し得る。 また上記第1親水性皮膜を形成するための水溶
液中には、従来より公知の添加剤、たとえば亜硝
酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタホウ
酸ナトリウムなどの無機系防錆剤、安息香酸およ
びその塩、パラニトロ安息香酸およびその塩、シ
クロヘキシルアミン炭酸塩、ベンゾトリアゾール
などの有機系防錆剤を配合してもよい。 なお、フイン材に親水性を有する耐食性樹脂皮
膜および相対的に硬質の第1親水性皮膜を形成し
たのち、最終段階としてフイン材表面の汚れを除
去するために、第1親水性皮膜を侵さない程度に
界面活性剤を含む水溶液や溶剤等で洗浄し、ある
いは湯洗などを行なつてもよい。 また上記アルミニウム板の他方の耐食性樹脂皮
膜の表面に形成された第2親水性皮膜は、相対的
に軟質でかつ弱い親水性を有するとともにチユー
ブ挿通孔の穿孔時に穿孔用ポンチが当てられるべ
きものである。 この第2親水性皮膜を構成する水溶性有機高分
子化合物(C)としては、具体的には、多糖類系天然
高分子、水溶性蛋白系天然高分子、アニオン、非
イオンあるいはカチオン性付加重合系水溶性合成
高分子、および重縮合系水溶性高分子などがあげ
られる。 ここで、多糖類天然高分子としては、可溶性デ
ンプン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキ
シエチルセルロース、グアーガム、トラガカント
ゴム、キサンタンガムアルギン酸ソーダなどを使
用する。水溶性蛋白系天然高分子としては、ゼラ
チンなどを使用する。 アニオンあるいは非イオン性付加重合系水溶性
高分子としては、ポリアクリル酸、ポリアクリル
酸ソーダ、ポリアクリルアミド、これの部分加水
分解物、ポリビニルアルコール、ポリヒドロキシ
エチルアクリレート、ポリビニルピロリドン、ア
クリル酸共重合体、マレイン酸共重合体およびこ
れらのアルカリ金属、有機アミンおよびアンモニ
ウムの塩などを使用する。 また、上記の付加重合系水溶性合成高分子のカ
ルボキシメチル化あるいはスルホン化などによる
変性水溶性合成高分子も使用できる。 カチオン性付加重合系水溶性合成高分子として
は、ポリエチレンイミン、ポリアクリルアミドの
マンニッヒ変性化合物、ジアクリルジメチルアル
ミニウムクロライド、ポリビニルイミダゾリン、
ジメチルアミノエチルアクリレート重合体などの
ポリアルキルアミノ(メタ)アクリレートなどを
使用する。 重縮合系水溶性合成高分子としては、ポリオキ
シエチレングリコール、ポリオキシエチレンオキ
シプロピレングリコールなどのポアルキレンポリ
オール、エチレンジアミンまたはヘキサメチルジ
アミンなどのポリアミンとエピクロルヒドリンと
の重縮合物、水溶性ポリエーテルとポリイソシア
ネートの重縮合された水溶性ポリウレタン樹脂、
ポリヒドロキシメチル尿素樹脂、ポリヒドロキシ
メチルメラミン樹脂などを使用する。 上記水溶性有機高分子化合物(C)のうちでは、カ
ルボン酸あるいはカルボン酸塩基を有するアニオ
ン性付加重合系水溶性高分子を使用するのが好ま
しく、とくにポリアクリル酸、アクリル酸共重合
体、マレイン酸共重合体およびこれらのアルカリ
金属塩を使用するのがよい。ここで、アクリル酸
共重合体とマレイン酸共重合体としては、アクリ
ル酸とマレイン酸同志の共重合体、並びにアクリ
ル酸またはマレイン酸と、メタアクリル酸、メチ
ルメタアクリエート、エチルメタアクリエート、
ヒドロキシエチルメタアクリレート、イタコン
酸、ビニルスルホン酸、アクリルアミドとの共重
合体を使用するのが好ましい。 上記水溶性有機高分子(C)はこれを単独で使用し
て軟質でかつ弱い親水性を有する第2親水性皮膜
を形成するが、この水溶性有機高分子化合物(C)と
前記カルボニル基を有する低分子有機化合物(B)
(架橋剤)とを一緒に使用して軟質でかつ弱い親
水性を有する第2親水性皮膜を形成する場合もあ
る。 水溶性有機高分子化合物(C)、またはこれとカル
ボニル基を有する低分子有機化合物(B)とは、水に
溶解して使用する。これらの化合物の濃度は、皮
膜の親水性、膜厚および作業性を考慮して定める
必要である。 アルミニウム板の他方の耐食性樹脂皮膜の表面
を上記化合物の水溶液で処理するには、スプレー
やはけ塗りによつて塗布するか、まあは水溶液中
に上記硬質でかつ強い親水性を有する第1親水性
皮膜側表面に保護被覆を施したフイン材を浸漬す
ればよい。 水溶性有機高分子化合物(C)とカルボニル基を有
する低分子有機化合物(B)とを一緒に配合して用い
る場合には、前者に対して後者を1:0.5〜2(重
量比)の割合で使用するのが好ましい。ここで、
カルボニル基を有する低分子有機化合物(B)が0.5
未満であれば、架橋反応による効果が不十分であ
り、また2を越えれば、化合物(B)の使用量が多す
ぎて、反応に寄与せず、無駄である。 また上記化合物(C)と(B)を踏む水溶液で処理した
後のフイン材は、100〜200℃、好ましくは150〜
180℃の温度で、30秒〜30分の時間加熱して、他
方の耐食性樹脂皮膜の表面に相対的に軟質でかつ
弱い親水性を有する第2親水性皮膜を形成する。 ここで、加熱温度が100℃未満であれば、化合
物(C)と(B)の反応および皮膜化が十分なされず、
200℃を越えると、それ以上加熱しても効果がな
いばかりか、アルミニウム板の材質に悪影響を及
ぼす。また加熱時間が30秒未満であれば、上記反
応および皮膜化が十分なされず、30分を越える
と、生産性が低下する。そして加熱温度が160〜
200℃と高い場合には、加熱時間は30秒〜1分と
短くてもよいが、温度が低い場合には、加熱時間
を長くする必要がある。 水溶性有機高分子化合物(C)を単独で使用する場
合、およびこれとカルボニル基を有する低分子有
機化合物(B)とを一緒に使用する場合のいずれにお
いても、相対的に軟質でかつ弱い親水性を有する
第2親水性皮膜は、アルミニウム板の他方と耐食
性樹脂皮膜の表面に0.1〜10g/m2、好ましくは
0.5〜3g/m2の割合で形成する。ここで、軟質
の第2親水性皮膜が0.1g/m2以上であれば初期
の親水性は良好であるが、さらに良好な親水性を
維持するためには、0.5g/m2以上の皮膜を形成
するのが好ましい。また第2親水性皮膜が10g/
m2を越えると、加熱に長時間を要するとともに、
プレス成形性に悪影響を与えるので好ましくな
い。 なお、上記第2親水性皮膜を形成するための水
溶液中には、従来より公知の添加剤、たとえば亜
硝酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタホ
ウ酸ナトリウムなどの無機系防錆剤、安息香酸お
よびその塩、パラニトロ安息香酸およびその塩、
シクロヘキシルアミン炭酸塩、ベンゾトリアゾー
ルなどの有機系防錆剤を配合しても勿論よい。 上記のようにして得られたアルミニウム板の両
面に耐食性樹脂皮膜を有し、かつ一方の耐食性樹
脂皮膜の表面に相対的に硬質でかつ強い親水性を
有する第1親水性皮膜が、他方の耐食性樹脂皮膜
の表面に相対的に軟質でかつ弱い親水性を有する
第2親水性皮膜がそれぞれ形成された熱交換器用
フイン材を、最後に相対的に軟質の第2親水性皮
膜側をポンチ当て面としてプレス加工することに
より、熱交換器用フインを造る。 ここでプレス加工とは、上記皮膜付きフイン材
よりチユーブ挿通孔を有する板状フインを形成す
るための加工であつて、これにはたとえば張出し
加工、絞り加工、打抜き加工、カーリング加工、
およびチユーブ挿通孔周縁の筒形立上り壁をしご
いて高くするしごき加工等が含まれる。またフイ
ン材がコイル材である場合には、これらの加工の
後に続いて行なうフイン材を所定の長さに切断す
るせん断加工も含まれる。 作 用 上記熱交換器用フイン材において、アルミニウ
ム板両面の耐食性樹脂皮膜の表面に形成された2
つの親水性皮膜のうち、一方の第1親水性皮膜
は、親水性無機材料(A)を主成分としているため、
非常に親水性にすぐれているが、これは硬質であ
る。これに対して第2親水性皮膜は、水溶性有機
高分子化合物(C)を主成分としているため、第1親
水性皮膜に比べて親水性は若干劣るものゝ、相対
的に軟質である。 従つて、上記プレス加工のうち、例えばしごき
加工(ドローレス成形)のさい、比較的成形率の
少ないしごき金型(アイオニング金型)のダイス
側に熱交換器用フイン材の相対的に硬質の第1親
水性皮膜側面を向け、逆にポンチ側に同フイン材
の相対的に軟質の第2親水性皮膜側面を向けて成
形を行なう。これによつてポンチの表面に摩耗傷
が生じ難く、きわめて円滑にしごき加工を行なう
ことができ、金型のポンチの摩耗が少なくて、熱
交換器用フイン能率よくつくることができる。 そして上記のように、熱交換器用フイン材の片
面に耐食性樹脂皮膜を介して強い親水性を有する
硬質の第1親水性皮膜が形成され、他面に耐食性
樹脂皮膜を介して比較的弱い親水性を有する軟質
の第2親水性皮膜が形成されているため、所要枚
数の熱交換器用フインを、隣接フイン同志の強い
親水性を有する第1親水性皮膜と弱い親水性を有
する第2親水性皮膜とが互いに対向するように配
列して、熱交換器に取り付ければよく、このよう
にしてつくられた熱交換器においては、フインの
両面に付着した水滴は、たちまちその形を崩して
フインの表面に膜状となつて広がり、これより流
下してほとんど除去せられる。表面張力によりフ
インに残存した水も薄い膜状となるため、これは
通風の妨げにならない。したがつて、水滴付着に
よつて通風抵抗が増大するようなことがなく、熱
交換効率のよい熱交換器が得られる。 実施例 つぎに、この発明の実施例を比較例とともに説
明する。 アルミニウム板として、厚さ1mm、幅50mmおよ
び長さ100mmのJISA−1100H24を用いた。 このアルミニウム板の両面に、下記水溶性合成
樹脂よりなる耐食性樹脂皮膜をそれぞ形成したの
ち、下記のような第1親水性皮膜および第2親水
性皮膜の各種成分を含む水溶液を別々に塗布し、
160℃で10分間加熱し、乾燥して、一方の耐食性
樹脂皮膜の表面に相対的に硬質でかつ強い親水性
を有する第1親水性皮膜を、他方の耐食性樹脂皮
膜の表面に相対的に軟質でかつ弱い親水性を有す
る第2親水性皮膜をそれぞれ形成し、熱交換器用
フイン材を製造した。なお、第1親水性皮膜の成
分においてアルカリケイ酸塩としては、SiO2
Na2O比が3のものを用いた。 評価試験 上記のようにして得られたフイン材の性能を評
価するために、皮膜の密着性、耐食性、耐アルカ
リ性、親水性、成形性および耐金型摩耗性を測定
し、得られた結果を下表に示した。 ここで、密着性は、耐食性樹脂皮膜と第1親水
性皮膜または第2親水性皮膜との密着性を測定し
た。 耐食性は、塩水噴霧試験20日後におけるフイン
材の表面状態を測定した。 耐アルカリ性は、フイン材を約PH13の飽和石灰
水に30℃で100時間浸漬した後におけるフイン材
表面のピツチチングの状態を測定した。 親水性は、初期の段階、およびオレイン酸汚染
テスト(14時間)と流水浸漬テスト(8時間)を
交互に3回ずつ繰り返したサイクルテスト後の段
階において、それぞれフイン材の水の接触角を図
ることにより測定した。 なお、親水性の評価は、◎:接触角15°以下、
○:16°〜30°、△:31°〜50°、×:51°以上と、そ

ぞれ表示した。 成形性と耐金型摩耗性は、この発明によるフイ
ン材のに軟質の第2親水性皮膜側からしごき加工
を施すとともに、バーリング加工を施し、限界し
ごき率の向上およびバーリング加工のさい屈曲部
にクラツクを生じるか否かを測定し、また金型の
摩耗状態を測定した。なお、金型の摩耗の少ない
ものを良好とした。 なお、密着性、耐食性、耐アルカリ性、成形性
と耐金型摩耗性の試験の評価は、つぎのとおりと
した。 ◎:非常に良好、○:良好、△:やや不良、
×:不良。 また比較のために、上記アルミニウム板の表面
に下記の3種の皮膜を有するフイン材を製造し、
これらのフイン材について、上記の場合と同様に
評価試験を行ない、得られた結果を下表にまとめ
て示した。
【表】
【表】 上記表から明らかなように、この発明によるフ
イン材は、比較例のフイン材に比べて、すぐれた
親水性を有しており、しかも耐アルカリ性、成形
性および耐金型摩耗性もすぐれているものであ
る。 発明の効果 この発明による熱交換器用フイン材は、上述の
ように、両面に水溶性合成樹脂よりなる耐食性樹
脂皮膜がそれぞれ形成されたアルミニウム板の一
方の耐食性樹脂皮膜の表面に、親水性無機材料と
カルボニル基を有する低分子有機化合物とよりな
る相対的に硬質でかつ強い親水性を有する第1親
水性皮膜が形成され、同他方の耐食性樹脂皮膜の
表面に、水溶性有機高分子化合物、または水溶性
有機高分子化合とカルボニル基を有する低分子有
機化合物とよりなる相対的に軟質でかつ弱い親水
性を有するとともにチユーブ挿通孔の穿孔時に穿
孔用ポンチが当てられるべき第2親水性皮膜が形
成されているもので、アルミニウム板両面の耐食
性樹脂皮膜はそれぞれ水溶性合成樹脂よりなるも
のであるから、親水性を有しており、従つてこれ
らの耐食性樹脂皮膜と第1親水性皮膜あるいは第
2親水性皮膜とは相互に親和性を有していて、密
着性が良好である。しかも、一方の第1親水性皮
膜は相対的に強い親水性とすぐれた親水性持続性
を有している反面、硬質であり、他方の第2親水
性皮膜は親水性とその持続性は若干劣るものゝ、
比較的軟質であるから、しごき加工やバーリング
加工のさい、フイン材の軟質の第2親水性皮膜側
の面に金型の穿孔用ポンチを当てゝ成形すること
により、ポンチの摩耗を防止することができ、し
かもポンチに摩耗による傷がつき難いため、成形
性がきわめて良好で、フイン表面に逆に傷が付い
たり、フイン成形部分にクラツクが生じたりせ
ず、品質の良い熱交換器用フインを非常に能率よ
く製造し得るという効果を奏する。 また、この発明による熱交換器用フイン材から
つくられた所要枚数の熱交換器用フインを、隣接
フイン同志の相対的に硬質でかつ強い親水性を有
する第1親水性皮膜と相対的に軟質でかつ弱い親
水性を有する第2親水性皮膜が互いに対向するよ
うに配列することにより、すぐれた親水性とその
持続性を長時間保持することができるので、フイ
ン表面の結露水がフイン同志の間にブリツジ状に
付着するようなことがなく、熱交換器の湿潤環境
下における通風抵抗の増大を最小限に抑えること
ができ、熱交換器用フインとての使用にも、全く
問題がないという効果を奏する。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 両面に水溶性合成樹脂よりなる耐食性樹脂皮
    膜がそれぞれ形成されたアルミニウム板の一方の
    耐食性樹脂皮膜の表面に、親水性無機材料とカル
    ボニル基を有する低分子有機化合物とよりなる相
    対的に硬質でかつ強い親水性を有する第1親水性
    皮膜が形成され、同他方の耐食性樹脂皮膜の表面
    に、水溶性有機高分子化合物、または水溶性有機
    高分子化合物とカルボニル基を有する低分子有機
    化合物とよりなる相対的に軟質でかつ弱い親水性
    を有するとともにチユーブ挿通孔の穿孔時に穿孔
    用ポンチが当てられるべき第2親水性皮膜が形成
    されている、熱交換器用フイン材。
JP62084295A 1987-04-06 1987-04-06 熱交換器用フイン材 Granted JPS63249643A (ja)

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JPS59202398A (ja) * 1983-05-04 1984-11-16 Showa Alum Corp 熱交換器用アルミニウム製フイン

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