JPS6226826B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は皮革、化学皮革、布、紙、その他の
シート状物に糊付けする皮革等の糊付機に関する
ものである。

従来の皮革等の糊付機は第６図に示す様に、上
の糊付ローラー１の直下に、下の押えローラーＢ
を取付けて、糊タンク４から糊の流下路４１に取
付けたスライド板４２を開いて、ブラケツト６と
ダンパー５と、糊付ローラー１の上面との間に溜
めた糊を浅い交叉した切込線多数を設けた糊付ロ
ーラーの表面に付着させて一定厚さの糊層とな
し、上の糊付ローラー１と下の押えローラーＢと
の間に皮革等の糊付目的物を挾んで、上の糊付ロ
ーラー１を電動機等で回転させて、皮革等の送り
と、皮革等の上面への糊付とを行なう様になつて
いるので、従来の糊付機に於ては、上の糊付ロー
ラー１と下の押えローラーＢとの間の間隙が糊付
けする目的物、即ち、皮革等の厚さより広い時は
皮革７等の送りが出来なくなるので、上の糊付ロ
ーラー１と下の押えローラーＢとの間の間隙は少
なくとも糊付けする目的物の厚さと同じであるか
それより狭くないと皮革７等の送りが出来なくな
り、糊付け作業が出来なくなるのである。

従つて、糊付けする目的物、即ち、皮革７等が
極薄である場合には、皮革７等が糊付ローラー１
の表面に付着する一定厚さの糊層に、沈没した状
態になつて、皮革等の両端部から糊が圧出され、
下の押えローラーＢの表面に付着し、回転する押
えローラーＢで皮革等の表面に筋状に糊を付着し
て皮革等の原材料を不良品にしてしまう欠点があ
つたのである。

この発明は従来の皮革等の糊付機に於ける上述
の欠点を除去することを目的として、従来の糊付
機に於ける下の押えローラーＢに代えて、発明者
が開発した自在押え板３を使用することに依つて
極薄の糊付け目的物に自由に糊付けすることが出
来、而も裏面に糊が付着しない皮革等の糊付機を
得たものである。

この発明の構成を図面に付いて説明すると、上
部の糊タンク４からの糊流下路４１に取付けたス
ライド板４２を開いて、ブラケツト６とダンパー
５と糊付ローラー１の上面との間に流下した糊を
浅い切込線多数を交叉させて設けた糊付ローラー
１の表面に付着させて、一定肉厚の糊層を構成さ
せ、糊層の厚みを調整捻子８を調整して、調整す
る様にすることは略現在使用されている糊付ロー
ラー１の下面に押えローラーＢを取付けた従来の
皮革等の糊付機と略同様にするのであるが、この
発明に於ては、糊付ローラー１の下部に取付ける
押えローラーＢに代えて、第３図に示すテーブル
板２上面に一定間隔を保つて平行に下側端３１を
固定して取付けた２枚の長方形弾性板の各上側端
部一定長さを山形に円弧状に折曲げ、折曲部一定
長さの間に端面に平行な多数の切込線３２を等間
隔を保つて、設けて、切込線３２間の弾性板片３
３が皮革等を糊付ローラー１に圧着するのに必要
な適当な弾力を有する様に調整した、自在押え板
３を、糊付ローラー１下面の垂直な中心線Ａ，
A′の前後、略対称の位置に、前後の弾性板片３
３が近接する様にして取付けたものである。

この様にして、自在押え板３を糊付ローラー１
の下面に近接して取付けると、第２図で明らかな
様に、弾性板片３３の最も糊付ローラー１に近接
する位置が糊付ローラー１下端の水平な接線Ｃ，
C′より糊付ローラー１に近接した位置に在り、
且、弾性板片３３が適当な弾力を有するので、テ
ーブル２を固定して、任意肉厚の皮革等の糊付作
業が出来るのであるが、第１図に示す様にテーブ
ル板２の下面に調整支柱２１を取付けて、高さの
調整、即ち、糊付ローラー１と弾性板片３３との
間隔の調整が出来る様にして取付ける場合もある
のである。

この発明の皮革等の糊付機は上述の様に、糊付
ローラー１の下面の、垂直な中心線Ａ，A′の両
側、略対称な位置に、弾性板片３３を最も近接さ
せて適当な弾力に調整した多数の弾性板片３３の
先端一定長さを山形に円弧状に折曲げた自在押え
板３を取付け、下の押えローラーＢを使用しない
ものであるから、自在押え板３の弾性板片３３を
糊付ローラー１に圧着させなくとも、前後２枚の
自在押え板３の弾性板片３３が糊付ローラー１に
最も近接した前後の２点間の皮革７等が糊付ロー
ラー１の下面に巻き付いた状態になつて、皮革７
と糊付ローラー１との接着面積が広くなつて、皮
革７の送り作業が円滑に出来、糊付作業がむらな
く行なうことが出来、下の押えローラーＢを使用
しないので一定厚さに付着する糊付ローラー１表
面の糊層に皮革等の糊付目的物を圧入沈没させる
ことが無くなつて、糊が側端面から圧出されて、
下の押えローラーＢに付着し、糸を引いた様に皮
革７等の表面に付着することが無くなつて、極薄
物、例えば、新聞紙、布等にも糊付けすることが
出来又、第４図、第５図に示す様に裏面又は表面
に凹凸のある皮革等にも、弾性板片３３で凹部、
又は低い部分を適当に押し上げてむらなく第付け
することが出来る効果があるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明を実施した糊付機の正面を示
す斜視図。第２図はこの考案の正面図で糊付ロー
ラー正面の前蓋を外して、内部構造を示す。第３
図は自在押え板の正面を示す斜視図。第４図、第
５図は裏面及び表面に凹凸のある皮革等の横断面
図。第６図は従来の糊付機の構造を示す正面図で
ある。 図中、１…糊付ローラー、２…テーブル板、３
…自在押え板、３１…長方形板の下側板、３２…
切込線、３３…切込線間の弾性板片、Ａ，A′…
糊付ローラーの垂直な中心線。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 表面に付着する糊層の厚さを調整出来る様に
   した糊付ローラーの下面に、下側端をテーブル板
   上に一定間隔を保つて平行に固定した２枚の長方
   形弾性板の各上側端部一定長さを山形に円弧状に
   折曲げ、折曲げ部一定長さの間に端面に平行な多
   数の切込線を等間隔を保つて設けて、各切込線間
   の弾性板片を適当な弾力に調整した自在押え板
   を、糊付ローラーの垂直な中心線の前後、略対称
   な位置に於て、自在押え板の弾性板片が糊付ロー
   ラーに最も近接する様にして取付けたことを特徴
   とする、皮革等の糊付機。