JPS622491Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は主流路のオリフイスをバイパスして配
した分流路に蒸気の一部を導いてタービンロータ
を回転させ蒸気流量を計測しうる蒸気用流量計に
関する。

一般に、大流量の蒸気の流量を計測するには、
蒸気全流量を直接計測するのでなく、蒸気が流れ
る主流路にオリフイスを設けてその前後に差圧を
生ぜしめ、該差圧により決定された分流比に基付
き蒸気の一部を該オリフイスをバイパスして配し
た分流路に導きタービンロータを回転させる。す
るとこの回転数は蒸気の分流量に比例し更に分流
量は全流量に比例しているためこの関係により上
記回転数から蒸気全流量を知ることができる。以
下その従来例を示す。

従来の蒸気用流量計としては、第１図Ａ，Ｂに
示すものがある。同図中、蒸気用流量計１は、水
平方向に延在する流量計本体２の主流路２ａにそ
の中央に円形連通路３ａを有するオリフイス３を
設け、本体２の側方フランジ部２ｂにタービンロ
ータケーシング４を固着してなる。ケーシング４
内にはタービンロータ５が鉛直方向を向いて軸受
６，７に回転自在に支承される。タービンロータ
５の上端翼車５ａはケーシング４の上室４ａ内で
ノズル８（ノズル孔８ａを有する）上方に対向し
て配設され、軸５ｂは中間ケーシング部４ｂを介
して下方に延在され、下端制動翼５ｃがケーシン
グ４の下室４ｃ内の液体９に浸漬され固定翼１０
に対向している。尚中間ケーシング４ｂの外周に
は放熱用フイン４ｄが設けられている。更に主流
路２ａ及び上部ケーシング４ａ間は１対の分流路
１１，１２によりバイパス的に連通され、又制動
翼５ｃに固着したマグネツト１３がセンサ１４に
対向している。

従つて、流量計本体２が蒸気配管中に介装され
たとき蒸気が主流路２ａに矢印の方向に流入する
がオリフイス３の前後に差圧を生じる。すると該
差圧により決定された分流比に基付き蒸気の一部
が矢印の如く分流路１１を通つて室４ａに流入し
ノズル８のノズル孔８ａを通つて翼車５ａに噴出
され、分流路１２を通つて再び主流路２ａに流入
する。かくしてロータ５が回転しマグネツト１３
及びセンサ１４により回転数が検出され上記の如
く蒸気流量が算出される。尚ロータ５は制動翼５
ｃが液体９をかきわけるために生ずる制動力によ
り過回転を防止され、軸受け６，７の過熱損傷を
防止される。

しかるに上記従来例では蒸気が過飽和状態であ
ると水滴成分が分流路１１より室４ａ内に流入し
て翼車５ａに衝突し翼車５ａを破損させてしまう
という欠点があつた。

本考案は上記蒸気中の水滴成分が分流路に導入
されないよう工夫して上記翼車が破損される欠点
を除去した蒸気用流量計を提供することを目的と
したものであり、その構成は、主流路中の分流路
入口より上流側に固定旋回翼を設け且つ該分流路
入口より連続的に延出する流入管の開口部を該主
流路の中心近傍に臨ませたものである。

次に、その各実施例につき説明する。

第２図Ａ，Ｂは夫々本考案になる蒸気用流量計
の１実施例の横断面図及び同図Ａ中Ｂ−Ｂ線
に沿う断面図であり、各図中第１図Ａと同一部分
には同一符号を附してその説明を省略する。図
中、蒸気用流量計２１は上記蒸気用流量計１に固
定旋回翼２２及び流入管２３を更に設けてなる。

固定旋回翼２２はボス２２ａに固定翼２２ｂを
固設してなり、主流路２ａ中の分流路１１より上
流側位置にボス２２ａ又は固定翼２２ｂが流量計
本体２内径に固定されて配設される。

流入管２３はオリフイス３上流側の分流路１１
に嵌合固定されて主流路２ａに突出する側の一端
開口部２３ａは該主流路２ａの中心近傍に至つて
いる。

上記構成において、主流路２ａに流入する蒸気
は固定旋回翼２２を通過するが、このとき翼２２
ｂにより旋回流となされ旋回速度成分が付加され
遠心力が作用する。すると蒸気中の比重の大なる
水滴成分は主流路２ａの最外周即ち本体２内径付
近にとばされ且つ比重の小なる純粋な蒸気は相対
的に主流路２ａ中心に集められる。

従つて蒸気が流入管２３位置に至つたとき主流
路２ａ外周近傍の水滴成分は流入管２３内に進入
しえずそのままオリフイス３を介して下流へ通過
する。しかるに主流路２ａ中心の蒸気はその一部
が上記分流比に基付き主流路２ａ中心近傍の流入
管２３の開口部２３ａより分流路１１内に導か
れ、タービンロータ５を回転させる。

かくして蒸気流量が計測されるが、これによれ
ば比重の大なる水滴成分は分流路１１内に流入し
えず翼車５ａに衝突してこれを破損させる等の不
都合を生じない。

尚運転停止時にはオリフイス３上流側に水が溜
まり再度運転時にこの水が翼車５ａを破損するお
それがあるが、これを解消するには第３図のオリ
フイス２４の如く、連通孔２４ａをその下端が主
流路２ａ下部に一致するまで偏心させておけばよ
い。これによればオリフイス２４上流側に形成さ
れる水は速やかに下流側に流出し溜まることなく
上記不都合を防止しうる。又オリフイスの連通路
を偏心させるに限らず、第２図Ｂのオリフイス３
の下端に所定形状の連通路を設けてもよい。

第４図は上記蒸気用流量計の他の実施例を示
す。図中蒸気用流量計２５は上記流量計２１の流
入管２３の代わりに流入管２６を設けたものであ
る。流入管２６は中心方突出端が閉塞され外周下
流側の一部に開口部２６ａが設けられている。

これによれば、主流路２ａの外周に未だ至り切
らない水滴成分が仮に主流路２ａの中心近傍を通
過したとしても、開口部２６ａが単に中心方向で
なく下流方向へ開口しているため該開口部２６ａ
内へは極めて流入し難く、より一層水滴成分の分
流路１１への流入を阻止しうる。

上述の如く、本考案になる蒸気用流量計によれ
ば、主流路中の分流路入口より上流側に固定旋回
翼を設け且つ該分流路入口により連続的に延出す
る流入管の開口部を該主流路の中心近傍に臨ませ
た構成としてなるため、蒸気は上記固定旋回翼に
より旋回流となされて遠心力を附与され比重の大
なる水滴成分を主流路外周にとばされ且つ比重の
小なる純粋な蒸気を主流路内周に集められるた
め、該流入管の開口部には蒸気のみが進入して分
流路に導かれ水滴成分は分流路に導かれないの
で、翼車が水滴の衝突により破損されるおそれが
なくなり耐久性及び計測信頼性を向上しうる等の
特長を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図Ａ，Ｂは夫々蒸気用流量計の従来例の横
断面図及び同図Ａ中Ｂ−Ｂ線に沿う断面図、
第２図Ａ，Ｂは夫々本考案になる蒸気用流量計の
１実施例の横断面図及び同図Ａ中Ｂ−Ｂ線に
沿う断面図、第３図は上記蒸気用流量計の変形例
の断面図、第４図は上記蒸気用流量計の他の実施
例の横断面図である。 １，２１，２５……蒸気用流量計、２……流量
計本体、２ａ……主流路、３，２４……オリフイ
ス、４……ロータケーシング、５……タービンロ
ータ、５ａ……翼車、８……ノズル、９……液
体、１０……固定翼、１１，１２……分流路、２
２……固定旋回翼、２３，２６……流入管。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 主流路途中に設けたオリフイスをバイパスする
   分流路に蒸気を分流させて該分流路内のタービン
   ロータを回転せしめ蒸気流量を計測する蒸気用流
   量計において、該主流路中の該分流路入口より上
   流側に固定旋回翼を設け且つ該分流路入口より連
   続的に延出する流入管の開口部を該主流路の中心
   近傍に臨ませた構成としてなる蒸気用流量計。