JPS62237137A

JPS62237137A - Ｖベルト

Info

Publication number: JPS62237137A
Application number: JP7859386A
Authority: JP
Inventors: Kenji Nishida; 健次西田; Keizo Nonaka; 敬三野中; Hiroshi Matsuoka; 宏松岡
Original assignee: Bando Chemical Industries Ltd
Current assignee: Bando Chemical Industries Ltd
Priority date: 1986-04-05
Filing date: 1986-04-05
Publication date: 1987-10-17

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）本発明は乾式の変速装置に用いられるＶベルトに関する
。

（従来の技術）現在、自動車の走行用変速装置として、ベルト式無段変
速装置の開発が進められている。このベルト式無段変速
装置は、駆動軸と従動軸に溝間隔が可変の変速プーリを
それぞれ取付け、２個の変速プーリ間にＶベルトを巻掛
けて構成し、溝間隔を調整して回転ピッチ怪を変化させ
、無段階に変速させるものである。

また、このベルト式無段変速装置には２＆、類があり、
１つは金属Ｖベルトを使用する湿式の変速装置（例えば
特公昭５５−６７８３号公報参照）であり、他方はゴム
Ｖベルトを使用する乾式の変速装置（例えば実公昭３２
−１０４０８号公報参照）である。一般に、変速プーリ
は鋳鉄、鋼、アルミニウム合金等の金属材料で構成され
るため、金属Ｖベルトは摩擦面の焼付きや摩耗対策とし
て潤滑油の中で使用しなければならないが、ゴムＶベル
トはその必要がなくコストやメンテナンス面で有利であ
る。

ところで、自動車の走行用変速装置は極めて高トルクの
伝動能力が要求される。例えば１０００ＣＣエンジンの
最大トルクをゴムＶベルトで伝達する場合、Ｖベルトは
２０ｋｇ／Ｃ１１前後の側圧力に耐えなければならない
。

しかしながら、ＩＭ在、実用化されている標準的なゴム
Ｖベルトは通常４〜５　ｋｇ　／　ｃ！以下で使用され
、高負荷用のゴムＶベルトにおいても１０ｋｇ／ｄ程度
が限界である。この原因は、ゴムＶベルトが高側圧にお
いて座屈変形し、Ｖベルトの発熱を伴ない破壊されるた
めである。

（Ｊｉ明が解決しようとする問題点）そこで、出願人はエンドレスの張力帯に複数のブロック
（以下Ｖブロックという）を係止して構成されるＶベル
ト（特開昭６０−４９１５１号公報参照）を先に出願し
たが、そのようなＶベルトでは、■Ｖベルトの高速回転
時、ブロックと張力帯の噛合い部において摩擦力が大と
なり、高温に達してブロックの溶融或は熱変形が生じ、
ベルト寿命が短くなるし、■プーリと接触するブロック
側面の摩耗が大きく、変速比が変動するし、■高い伝達
能力を得るため、ブロックは硬質材料で構成する必要が
あり、そのためガラス繊維を強化剤として用いることが
考えられるが、プーリと接触するブロック側面が摩耗す
るとガラス繊維が露出しプーリを傷つけるおそれがあり
、■ベルトの騒音が大きくなるという問題点がある。

以上の４つの問題点は何れもブロックの摺動特性に関す
るものである。即ち、■はブロックと張力帯、■、■、
■はブロックとプーリとの摺動の間層に関する。

また、ブロックの要求特性として耐荷重性、耐熱性、耐
衝撃性、耐クリープ性、比重が小さいことなどが挙げら
れる。

本発明はかかる点に鑑みてなされたもので、上記問題点
を全て解決し、しかもブロックの要求特性を満足する高
負荷伝動用のＶベルトを提供することを目的とするもの
である。

（問題点を解決するための手段）本発明は、上述した目的を達成するために、ブロックの
少なくともプーリ接触面を硬質樹脂材料で形成し、該硬
質樹脂材料として有機補強繊維が混入され摩擦調節剤を
含有するものを用いている。

（実施例）以下、本発明の実施例を図面に沿って説明する。

第１図、第２図に示すように、本発明に係るＶベルト１
は１対のエンドレスの張力帯２，３と、この張力帯２，
３にそれらの長手方向に一定ピッチで係止された複数の
Ｖブロック４とにより構成されている。

また、各Ｖブロック４は、側部には側面４ａ。

４ｂに開口する係合溝がそれぞれ形成され、各係合溝の
上面および下面には断面山形状の凸部６および湾曲凸面
７がそれぞれ形成されている。

張力帯２，３は、ポリエステル、アラミド等の有機繊維
又はスチール、ガラス、カーボン等の無機繊維を撚糸接
着処理してなる心棒９，９と、この心棒９，９を保持す
るゴム部材１０．１１と、上面および下面付近に埋設さ
れ耐摩耗性に優れる６、６ナイロン、アラミド等の有機
繊維からなる織布１２，１２および１３．１３により構
成される。また、張力帯２，３の上面および下面には、
各Ｖブロックの係合溝に設けられた凸部６および湾曲凸
面７に係合する四部（張力帯３についての凹部３ａ、３
ｂのみ図示）が設けられている。

続いて、■ブロック４の材料構成について詳述する。

Ｖベルトの高速回転時、ブロックと張力帯の噛合い部に
おいて摩擦が大きくなり、局部的に高温に達するが、こ
のとき、ブロックを熱可塑性樹脂で構成していると、溶
融或は熱変形し、ベルトの寿命が短い。よって、耐熱性
に優れ、たとえ高温になって一部炭化してもブロックの
変形にまで至らないように熱硬化性樹脂をブロックの材
料ペースとして選ぶことが望ましい。もちろんＶベルト
にかかる負荷が小さい場合の使用条件においては材料ベ
ースとして熱可塑性樹脂も使用できるのは言うまでもな
い。

ところで、熱硬化性樹脂は、耐衝撃性に劣るため、配合
による改質が必要であり、配合の面で自由度が大きいフ
ェノール樹脂が望ましい。公知の如くフェノール樹脂に
ＮＢＲをブレンドすることで耐ＷＩ撃性が改良されるの
で、本発明においてはフェノール樹脂９５〜６０重量部
に対しＮＢＲ５〜４０重量部混合するのがよい。

高い伝動能力を得るために、ブロックは硬質樹脂で構成
される必要がある。一般に、アスベスト、ガラス繊維等
の無機繊維で補強することで高剛性のものが得られるが
、プーリの損傷、ブロックの重量の点から適さない。

そこで、本発明においては、これらの無機繊維の代わり
にナイロン、ポリエステル、アラミド。

ビニロン等の有機繊維を用いて剛性の高い材料を得るこ
ととした。

特に耐荷重性、耐クリープ性の改良において、アラミド
繊維が優れる。さらにブロックの耐摩耗性、等方収縮性
、成形性の改良のため、炭酸カルシウム、シリカ、タル
ク、クレー、ウオラストナイト、チタン酸カリウム、カ
ーボンウィスカー等が必要に応じ一部使用される。なお
、すべての補強繊維が有機繊維である必要はなく、プー
リ損傷が問題にならない程度に、無機繊維を併用しても
良い。

有機繊維としては、プーリとブロックの摩擦による熱に
よって溶融せず、耐冷性に優れ、補強性に優れる繊維が
良い。このような有機繊維としては前述の如く、アラミ
ド繊維が最も良いが、アラミド繊維と他の有機繊維を併
用しても良い。繊維は通常接着処理をほどこし、マトリ
ックスに添加される。繊維は一般に数１〜数Ｌｏｗにカ
ットした短繊維で構成されるが、クロス状、束状、コー
ド状等の長繊維で構成しても良い。

また、ベルト騒音を低減するために、テフロン、グラフ
ァイト、二硫化モリブデン、カーボンファイバー、カー
ボンウィスカー等の摩擦調整剤はマトリックス（フェノ
ールレジン／ＮＢＲ）１００重量部に対し、１〜１５重
量部配合される。なお、１　１部は最小限の効果を付与
するための必要量であり、１５部以上の添加は強度を低
下させたり、摩擦係数を低下させてベルトの伝達能力を
低下させたり、又材料がコスト高となる。

摩擦調節剤としては、プーリ材質（一般に金属）と、ブ
ロック間の静摩擦係数を下げ、！ｌ！ＩＪ摩擦係数をあ
まり下げないものがベルトの伝達能力を損わず、騒音を
低下させるのに理想的である。種々の摩擦調節剤を検討
した結果、このような効果を有する摩擦調節剤としては
テフロン粉末が最も有効であった。

次に、本発明例Ｂ−Ｆ及び摩擦調節剤を含まない比較例
Ａの配合を表１に、それらの特性を表２に示す。

上記表１，２により、摩擦係数の低減効果は、テフロン
が最も大きく、静摩擦係数の方が動摩擦係数よりも低下
度が大きいことがわかる。

このことは伝達能力をあまり減少させずにブロックとプ
ーリとの摺動により生ずる音を低減することを示唆する
。

テフロンの添加により強度、弾性率が低減し、感温性も
大きくなる傾向にある。

従って、テフロンの摩擦係数低減効果は、１０重量部以
上でほとんど飽和していることから、１０重量部以下が
適する。

静摩擦係数が小さいと、ブロックがプーリ上で動き始め
る時の抵抗が小さくなり、ブロックはプーリ上でスフ１
−ズな動きをする。これによりブロックとプーリ間のｌ
テ擦摺動音が小さくなる。一方、動摩擦係数はブロック
とプーリ間の相対的動きが生じた時のすベリ抵抗性を支
配し、摩擦伝動では、ある程度の大きさが必要である。

摩擦調整剤はこのような静摩擦係数と動摩擦係数の制御
の目的で配合されている。

続いて、前記表１で示される樹脂材料で形成したブロッ
クよりなるＶベルトについて、騒音試験及び伝動能力試
験を行った。なお、ブロックはアルミニウム合金からな
る補強部材（図示せず）をインサー１〜成形したもので
ある。

試験方法第３図（ａ）（ｂ）に示すように、駆動プーリ２１（ピ
ッチ怪７２．２ｎｍ、回転数２５０Ｏｒｐｍ）と従動プ
ーリ２２（ピッチ径１５２．５ｍｍ）との間に試料ベル
ト２３を巻回し、従動プーリ２２を駆シｊプーリ２１と
は反対方向に荷重Ｐ＝２００ｋｇを加えた状態で走行さ
せ、所定位置（Ｌ＋＝５０冊、１．、２　＝　１００　
ａｍ）　テ５ｉ音計２４により騒音レベルを測定した。

試験結果表３に示す通りである。

なお、ベルト伝動能力を評価するＳＴ値は次式で計算さ
れる。

５Ｔ＝Ｔ／ｒ−ｒθ Ｔ二人力トルク（ｋｇｍ）０：ベルト巻付角（ｒａｄｉａｎ）「：有効半径（ｍ）騒音データが示すように、各摩擦調剤中テフロンが最も
ベルト騒音低減に効果が大きい。

テフロンの添加効果はマトリックス（フェノールレジン
／ＮＢＲ）１００部に対し約５部で十分発現する。しか
し、ベルト伝達能力はテフロンの増加と共に徐々に減少
する。従ってテフロン添加量はマトリックス１００部に
対し、２〜１０部が望ましい。第４図に、ベルトの騒音
及び伝達能力に及ぼすテフロンの添加効果を示す。ブロ
ックの摩耗データより、テフロンの添加はブロックの耐
摩耗性を向上させることがわかる。

二硫化モリブデン、グラファイトは静摩擦係数を下げる
に若干の効果を有し騒音レベルを若干低下せしめている
。一方、テフロン粉末は！ｌ！ｌＩ摩擦係数は若干低下
させるのみで、静摩擦係数を大幅に低下せしめている。

この結果、他の摩擦調節剤に比較して、同一伝達能力下
での騒音低減効果が著しく大きい。

第５図乃至第７図にベルト走行音の原波形及び周波数分
析の結果を示す。第５図（ａ）（ｂ）は表１の比較例Ａ
においてＨＭ−５０をビニロンに置換したもの（フェノ
ールレジン／ＮＢＲ／ビニロン）、第６図（ａ）（ｂ）
は表１の本発明例ＣにおいてＨＭ−５０をビニロンにｉ
ｆｆ換したもの（フェノールレジン／Ｎ　Ｂ　Ｒ／ビニ
ロン／テフロン）、第７図（ａ）（ｂ）は表１の本発明
例Ｃについて示している。

テフロン添加により原波形がシンプル化し摩擦音が支配
的と考えられる高周波数域の音圧レベルが低減する。又
ベルト温度が高くなるとビニロン系にテフロンを添加し
ても、原波形がみだれ高周波数の音圧レベルが大きくな
るのに対し、Ｉ（Ｍ　−５０系はほとんど変化がみられ
ない。これはｌ（Ｍ−５０系が感温性の小さい材料で温
度により摩擦特性その他物理特性があまり変化しないた
めである。さらにＨＭ−５０系は高剛性、高強度の材料
で高い伝達能力を与える上で、ガラス繊維のようにプー
リ及び張力帯を損傷せず、比重も小さいので、軽量なベ
ルトが得られる。

上記実施例では、■ブロック４の凸部と張力帯２．３の
凹部との係合により、■ブロック４と張力帯２，３とを
ベルト長手方向に係止しているが、逆にＶブロック側に
凹部を、張力帯側に凸部をそれぞれ形成し、両部を係合
させて係止するようにしてもよく、■ブロックと張力帯
との係止方法は特に制限されない。例えば、接着剤を使
用した化学的な固定手段を用いるようにしてもよい。

また、上記実施例では、■ブロックの側面および張力帯
の側面において変速プーリとの摩擦伝達力を得るＶベル
トに適用したものであるが、そのほか、■ブロックの側
面（一部又は全部）のみで上記摩擦伝達力を得るＶベル
トに対しても適用可能であるし、また、張力帯が１本の
タイプにも適用できる。

なお、本発明のＶベルトは、自動車用無段変速機に用い
られるほか、農業機械および土木建設機械等のエンジン
を搭載した車両の無段又は有段変速機用のＶベルトとし
て適用することができる。

また、電動機で駆動する一般産業機械の高負荷用Ｖベル
トにも適する。

（発明の効果）本発明はＬ記のように構成したから、長寿命で、低騒音
でもって高負荷伝動をすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係るＶベルトの側面図、第２図は第１
図の■−■線における断面図、第３図←→＝←→は試験
方法の説明図、第４図乃至第６図は試験結果の説明図で
ある。１・・・・・・Ｖベルト、２，３・・・・・・張力帯、
４・・・・・・Ｖブロック。特許出願人　バンド−化学株式会社（ａ）亮（ａ）６図（ｂ）７図（ｂ）手続補正書（方式）％式％２、発明の名称 ■ベル］・３、補正をする者事件との関係　　特許用ｌ願人住所　兵Ｉイ〔県神戸市兵ｆｌｌｒ区明和通３丁１ゴ２
番１５号名称　（５０６）　　バンド−化学株式会社代
表者櫟本茂男朝日生命王宮ビル６、補正の対象明細書の図面の簡単な説明の欄７、補正の内容（１）明細Ｊ第１８頁第１４行〜第１５行の「第６図」
を「第７図」に訂正する。以　　　　上

Claims

【特許請求の範囲】

（１）エンドレスの張力帯と、該張力帯にベルト長手方
向において略一定ピッチで係止されている複数のブロッ
クとにより構成され、該ブロックは、少なくともプーリ
接触面が硬質樹脂材料で形成され、該硬質樹脂材料は有
機補強繊維が混入され摩擦調節剤を含有していることを
特徴とするＶベルト。
（２）硬質樹脂材料は、基本となる樹脂ベースがフェノ
ール樹脂であるところの特許請求の範囲第１項記載のＶ
ベルト。
（３）硬質樹脂材料は、基本となる樹脂ベースがフェノ
ール樹脂とＮＢＲとの混合物であるところの特許請求の
範囲第１項記載のＶベルト。
（４）有機補強繊維は、少なくともアラミド繊維を有す
るところの特許請求の範囲第１項、第２項又は第３項記
載のＶベルト。
（５）摩擦調節剤は、テフロン粉末であるところの第１
項、第２項、第３項又は第４項記載のＶベルト。
（６）摩擦調節剤は、樹脂ベース１００重量部に対し１
〜１０重量部の割合で混入されているところの特許請求
の範囲第５項記載のＶベルト。