JPS6222177B2

JPS6222177B2 -

Info

Publication number: JPS6222177B2
Application number: JP57137336A
Authority: JP
Inventors: Kazuhiko Matsumura
Original assignee: Victor Company of Japan Ltd
Current assignee: Victor Company of Japan Ltd
Priority date: 1982-08-09
Filing date: 1982-08-09
Publication date: 1987-05-16
Also published as: JPS5928233A

Description

【発明の詳細な説明】

本発明は磁気記録媒体に係り、磁性層中に、例
えば平均粒径が0.01〜５μｍの一酸化チタンと滑
剤とを含ませておくことにより、耐摩耗性に優
れ、走行安定性が良好なものとなり、さらには電
磁変換特性の向上を図れる磁気記録媒体を提供す
ることを目的とする。例えばオーデイオ用、ビデオ用あるいはコンピ
ユータ用磁気テープ等の磁気記録媒体は、記録あ
るいは再生時に磁気ヘツド等と大きな相対速度で
摺接して磁性層塗膜が摩耗しやすく、その為磁性
層塗膜は耐摩耗性に優れたものであることが要求
されている。そこで、磁性層中には、磁性粉、結
合剤の他に、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、
パラフイン系炭化水素、シリコーンオイル、その
他変性シリコーン等の滑剤が各種の添加物と共に
含有せしめられている。しかし、従来における磁気記録媒体は、耐摩耗
性においてある程度の効果を有するようにはなつ
ているが、未だ充分なものでもなく、又滑剤効果
を大きくする為に滑剤を多量磁性層中に加えてい
ると、ブルーミング現象が起き、粉落ちが多くな
つてくる欠点がある。又、光センサー等によるテープ端検出機能を有
する記録再生機等で磁気テープを用いる場合にあ
つては、テープ端検出機構が誤作動しないよう
に、テープ端以外の磁性層の設けられている部分
では、8000〜9000Åの波長の光に対して、その光
透過率が小さいことが要求されるに至つている。この為、従来の磁気テープでは、磁性層中に多
量のカーボンブラツクを添加しておき、光透過率
の低下を図つているが、カーボンブラツクの含有
量が多くなるとＳ／Ｎ等の電磁変換特性が低下す
るものとなり、あまり望ましいものではない。本発明者は、磁性層中に含ませる成分として、
磁性粉、結合剤の他に、少なくとも一酸化チタン
（特に平均粒径が0.01〜５μｍ）と滑剤とを用い
ることにより、ブルーミング現象も起きず、テー
プの走行安定性に優れ、かつ耐摩耗性も著しく向
上したものとなり、さらには光透過率も一段と小
さくなり、カーボンブラツクを添加しないか、あ
るいは添加するにしても少量ですむようになり、
電磁変換特性の低下もないものとなることを見い
出したのである。以下、本発明に係る磁気記録媒体の実施例につ
いて説明する。実施例１〜４ Co含有γ−Fe₂O₃の磁性粉末100重量部、塩化
ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体
10重量部、ポリウレタン樹脂10重量部、ポリイソ
シアネート５重量部、平均粒径0.01〜５μｍの範
囲内のTiO5重量部、カーボンブラツク１重量
部、炭化水素系滑剤（例えば流動パラフイン、天
然パラフイン、マイクロワツクス、ポリエチレン
ワツクス）１重量部よりなる磁性塗料を、例えば
ポリエステルフイルムのベース上に塗布して、ビ
デオテープレコーダ用の磁気テープを得る。実施例５〜８実施例１の磁性塗料中の流動パラフインを脂肪
酸系滑剤（ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリ
ン酸、オレフイン酸）に代えて、実施例１と同様
にして磁気テープを得る。実施例９〜12 実施例１の磁性塗料中の流動パラフインを脂肪
酸アミド系滑剤（ステアリン酸アミド、パルミチ
ン酸アミド、メチレンビスステアロアミド、エチ
レンビスステアロアミド）に代えて、実施例１と
同様にして磁気テープを得る。実施例 13〜17 実施例１の磁性塗料中の流動パラフインをエス
テル系滑剤（ミリスチン酸イソプロピル、ステア
リン酸イソアミル、ステアリン酸ブチル、ラウリ
ン酸ヘキシル、オレイン酸オレイル）に代えて、
実施例１と同様にして磁気テープを得る。実施例 18〜24 実施例１の磁性塗料中の流動パラフインをシリ
コーン系滑剤（下記の一般式（）〜（）で表
わされるもの）に代えて、実施例１と同様にして
磁気テープを得る。（但し、R₁及びR₂は、水素原子又は炭素数１〜18
の１価の炭化水素基、R₃及びR₄は、炭素数２〜
17の２価の炭化水素基）（但し、Ｒ及びR′は炭素数７〜26の炭化水素基、
ｎは１〜20の整数）（但し、Ｒ及びR′は炭素数８〜18の炭化水素基、
R″は水素原子又はメチル基、ｎ、ｍ及びｌは、
１≦ｍ≦15、２≦ｎ＋ｌ≦16の条件を満たす整
数）（但し、Ｒは炭化水素、ｎは１〜50の整数）（但し、R₁は炭素数１〜６の１価炭化水素基、R₂
は炭素数７〜21の１価炭化水素基、Ｘは水素又は
フツ素原子、ｎは１〜４の整数、ｍは１〜３の整
数）（但し、R₁は炭素数７〜21の飽和又は不飽和の１
価炭化水素基、R₂はメチル基又はフエニル基、
R₃は−OCOR₁で表わされる基、Ｙは〔−CF₂〕−_kＷ
（但し、ｋは１〜８の整数、Ｗは水素又はフツ素
原子）、ｌ、ｍ及びｎは、０≦ｌ＜200、１≦ｍ＜
100、１≦ｎ＜100、ｌ＋ｍ＋ｎ≦300の条件を満
たす整数）（但し、Ｒは炭素数７〜21の飽和又は不飽和の１
価炭化水素基、R₁、R₂及びR₃はRCOO基、R₄は
炭素数６〜20の１価の飽和炭化水素基、ｋ、ｌ、
ｍ及びｎは、１≦ｋ、１≦ｌ＜200、１≦ｍ＜
200、０≦ｎ＜300、ｌ＋ｍ＋ｎ≦500の条件を満
たす整数）比較例１実施例１の磁性塗料中に流動パラフインを加え
ずに、実施例１と同様にして磁気テープを得る。比較例２〜５実施例１〜４の磁性塗料中のTiOをCaCO₃に代
えて、かつカーボンブラツクを５重量部にし、実
施例１〜４と同様にして磁気テープを得る。比較例６実施例18の磁性塗料中のTiOをCaCO₃に代え
て、かつカーボンブラツクを５重量部にし、実施
例18と同様にして磁気テープを得る。上記のようにして得られた磁気テープについ
て、ビデオＳ／Ｎ、カラーＳ／Ｎ、スチル時間、
シンチング及び光透過率を測定すると表に示す通
りである。

【表】

【表】上記の結果からわかるように、磁性層中にTiO
と滑剤とを含む磁気テープは、ビデオＳ／Ｎ、カ
ラーＳ／Ｎ共に優れており、すなわち本実施例の
ものは比較例のものに比べてビデオＳ／Ｎが0.4
〜0.8dBも向上しており、又カラーＳ／Ｎが1.4〜
1.7dBも向上にしたものとなつており、TiOと滑
剤との相乗効果によつて電磁変換特性は一段と向
上したものとなつている。又、静止画像保持可能時間であるスチル再生時
間について、実施例のものと比較例のものとを比
較すると、比較例のものは実用上用いられない程
度のものであるのに対し、実施例のものは100分
以上のものであつて、スチル再生時間は、TiOと
滑剤との併用による著しい相乗効果によつて、極
めて優れたものとなつている。さらに、シンチングについても、本実施例のも
のは、TiOと滑剤との相乗効果によつて優秀なも
のであるのに対し、比較例のものは劣つたもので
ある。尚、上記実施例５以下に対する直接の比較例は
示していないが、TiOと滑剤とを共には磁性層中
に含んでいない実施例５以下のものに対する比較
例は比較例１〜５と同様なものであり、TiOと滑
剤とを共に磁性層中に含んでいる磁気記録媒体は
TiOと滑剤との相乗効果によつて電磁変換特性、
スチル再生時間、シンチング等の特性が向上した
ものである。又、TiOは磁性粉に対して約0.5〜15重量％、
滑剤は磁性粉に対して約0.2〜30重量％含まれて
いるものであれば、磁気記録媒体としての特性は
優れたものである。上述の如く、本発明に係る磁気記録媒体は、磁
性層中に、少なくとも一酸化チタンと滑剤とを含
むものであるので、耐摩耗性に優れ、走行安定性
が良好なものであり、特にスチル再生時間は一酸
化チタンと滑剤との相乗効果によつて著しく長い
ものとなり、さらには電磁変換特性も良好なもの
となり、又ブルーミング現象も起きないものであ
り、又、光センサー等のテープ端検出機構の記録
再生機で用いても磁性層部分の光透過率が小さい
のでテープ端検出機構が誤作動しないものである
等の特長を有する。

Claims

【特許請求の範囲】

１磁性層中に、少なくとも一酸化チタンと滑剤
とを含むことを特徴とする磁気記録媒体。