JPS6221632B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はインクジエツトプリンタにおいて、ノ
ズルより噴出されるインクの供給を行うインク供
給装置に関する。

例えば帯電量制御方式のインクジエツトプリン
タにおいて、インクの物性的性質の変化は、装置
の安定性を左右するのみでなく、印字を不可能に
まで至らせる。また、帯電量制御方式のインクジ
エツトプリンタは、一般に印字に使用しなかつた
インクは回収用ガターからインク供給系に回収さ
れ再利用するようなインク循環システムをとつて
いる。そのため、大気中のじんあい、異物、記録
紙の紙粉等が回収インクに含まれるため、インク
供給系内に堆積したり、フイルターの寿命を短か
くする。又、それらの異物内の水溶性金属イオン
等も次第に増加して、ノズル内で結晶とることも
考えられ、ノズルの詰まりの原因ともなる。更に
インク中の揮発成分の蒸発により、インク粘度も
上昇しインク粒子化状態が悪化し印字不能な状態
になることがある。

第１図は従来のインク供給装置を用いたインク
ジエツトプリンタを示す概略断面図である。図中
点線で囲つた部分は、記録機構部を示す。インク
はポンプ１の作用により圧送され、ノズル２より
噴出される。この時噴出されるインクは、ノズル
２に取付けられた振動子３の作用により、振動子
３の振動周波数に同期して分離され、インク粒子
４…として記録紙５へ向つて飛行する。インク粒
子４は粒子化する寸前において必要に応じて帯電
電極６にて帯電され、偏向電極７間を通過するこ
とで帯電量に応じて偏向され記録紙５に達する。
一方、帯電電極６にて帯電されなかつたインク粒
子４′は、偏向電極７間を偏向されることなくそ
のまま通過し、ガター８にて回収される。ガター
８に回収されるインク粒子４′は、ポンプ９にて
インク供給系に戻され再利用される。尚、ノズル
２、帯電電極６、偏向電極７、ガター８等は、キ
ヤリツジ上搭載され、記録紙５の幅方向に平行に
設けられた２本のスライド軸１０に沿つて水平走
行される。従つて、インク粒子の偏向（縦方向）
及びキヤリツジの水平走行により所望のドツトパ
ターンを形成する。

ガター８にて回収されたインク粒子４′は、ポ
ンプ９にてインク供給装置を構成するインク貯蔵
庫であるインクタンク１１に戻される。インクタ
ンク１１は、内部がフイルタ１２にて２分されて
いる。ガター８より戻されるインクは、インクタ
ンク１１のフイルタ１２で囲まれた部分に導びか
れる。ノズル２へのインクの供給は、タンク内の
フイルタ１２を通つたインクをポンプ１の作用に
より圧送している。又、イクの消費等によりイン
クタンク１１へ新しいインクがカートリツジタン
ク１３から補給されている。従つて、インクタン
ク１１内には常に一定量のインクが貯蔵される構
成となつている。

カートリツジタンク１３は、インクカートリツ
ジ１４が着脱可能に設けている。インクカートリ
ツジ１４は、容器１５の開口部に蓋１６がスプリ
ング１７にて対接し、内部のインクがこぼれない
構成である。従つて、カートリツジ１４の開口部
を下に向け、カートリツジタンク１３に挿入すれ
ば、カートリツジタンク１３の突出ピン１８にて
蓋１６が押し上げられ、インクカートリツジ１４
内のインクが開口部よりカートリツジタンク１３
内に流れ出る。この場合、インクカートリツジ１
４内より流れ出るインクは、インクカートリツジ
１４内の圧力と外気圧とのバランスでカートリツ
ジタンク１３の液面が規制される位置、つまり図
に示す様にインクカートリツジ１４の開口面とほ
ぼ同じ位置までである。又、インクタンク１１と
カートリツジタンク１３との液面は一致する。

そこで、ポンプ１にてノズル１へインクタンク
１１よりインクを供給すると、インクはノズル１
より噴出され、インク粒子４として分離される。
このインク粒子４は、帯電電極６、偏向電極７を
通過し記録に寄与するもののみ、記録紙５に達し
ドツトパターンを形成する。一方、記録に寄与し
ないインク粒子４′は、ガター８にて回収され、
ポンプ９にてインクタンク１１へ戻される。この
ようにして、記録に寄与したインク分の減小によ
り、インクタンク１１の液面が低下する。この低
下によりカートリツジタンク１３内のインクがイ
ンクタンク１１へ補給される。この時、カートリ
ツジタンク１３の液面の低下によりインクカート
リツジ１４の開口部より空気が入り、同時にイン
クカートリツジ１４内のインクが流れ出、カート
リツジタンク１３の液面を常に一定に保つてい
る。

上述の如きインクの循環系ではガター８で回収
されたインクは、外気中のじんあい、異物あるい
は紙粉等が混じり、インクタンク１１内に堆積
し、メインフイルター１２の寿命を短かくする。
さらにそれらの異物内の水溶性金属イオン等も増
加し、ノズルの目詰りの原因ともなる。また、イ
ンク粘度の上昇を防止することもできず、インク
粒子化状態も悪くなる。

本発明は上述の欠点に鑑み、ガターからの回収
インク即ち古いインクの一部、又は回収系のゴミ
等の異物をインク供給系より除去することによ
り、上述の欠点を解消したものである。

即ち、本発明は、インク補給用のインクカート
リツジを回収系の一部に配置し、インクカートリ
ツジ内に回収インクを溜める構成としており、イ
ンクカートリツジ交換時に、古いインクやゴミ等
も同時に供給系外部に廃棄するもので、メインフ
イルターの寿命は向上し、インク粘度の上昇ある
いは異物内の水溶性金属イオン等の増加を抑止す
ることができる。

以下図面に従つて本発明のインク供給装置を説
明する。第２図は本発明の一実施例を示すインク
ジエツトプリンタの記録部を含めたインク供給装
置の概略断面図である。点線で囲つた記録機構部
は第１図のものと同一であり、同一符号で示して
おりその説明は省略する。

図中２０は、ガター８にて回収されたインクを
ポンプ９を介して一旦蓄えるサブタンク、２１は
インクカートリツジ２２を着脱可能としたカート
リツジタンクである。インクカートリツジ２２は
２重構造となつている。このインクカートリツジ
２２は、インクの流れ口である開口部の栓（弁）
の役目をするサブカートリツジ２３がスプリング
２４の付勢力により開口部に圧接されている。又
サブカートリツジ２３は、上部にフイルター２５
を設けて回収インクの収容部を構成しており、そ
れに対向して開口部が形成され、この開口部の栓
（弁）をする蓋２６がスプリング２７にて開口部
に圧接されている。

上記カートリツジタンク２１の中央部には、カ
ートリツジ２２の挿入時にサブカートリツジ２３
及び蓋２６を押し上げるための円筒状の突出ピン
２８が設けられている。突出ピン２８は２段構造
に成つており、下段の部分に漏れ防止用のゴム弾
性体から成る０リング２９が装着されている。カ
ートリツジタンク２１は、インクカートリツジ２
２からのインクをメインフイルター３０を介して
ポンプ１にて、ノズル２にインクを導びく構成で
ある。インクカートリツジ２２をカートリツジタ
ンク２１に挿入すると、各開口部が突出ピン２８
の作用により開放されカートリツジ内のインクが
インクカートリツジ２２の開口面までインクタン
ク２１内に流れ出る。

一方、サブタンク２０とインクカートリツジ２
２内のサブカートリツジ２３とは、突出ピン２８
の円筒を介して連通する構成である。つまり、サ
ブタンクからのインクは、サブカートリツジ２３
のフイルタ２５を介してインクカートリツジ２１
内に混入する。

以上の様な構成のものにおいて、インクの循環
経路について述べる。まず、カートリツジタンク
２１内のインクは、メインフイルター３０を介し
てポンプ１の作用より最適圧力でノズル２に供給
され、噴出される。噴出されたインクは、インク
粒子４…とし分離される。そして、記録に寄与す
るもののみ、記録紙５に導びかれそれ以外のイン
ク粒子４′はガター８で回収され、ポンプ９に作
用によりサブタンク２０へ導びかれる。サブタン
ク２０は主に、回収時にインク中に含まれた大き
な気泡抜きとして作用する。サブタンク２０によ
り気泡除去されたインクは、インクカートリツジ
２２のサブカートリツジ２３へと導びかれる。そ
して、サブカートリツジ２３に導びかれたインク
は、フイルター２５を通りインクカートリツジ２
２内に混入し、カートリツジタンク２１にその都
度流出される。上述の様にしてインクは循環され
る。

従つて、サブカートリツジ２３に導びかれたイ
ンクは、カートリツジフイルター２５でゴミ等が
除去され、インクカートリツジ２２、カートリツ
ジタンク２１に入り、そこでメインフイルター３
０で細かい気泡、ゴミ等が除去され、ポンプ１へ
と導びかれる。そこで、インクカートリツジ２２
内のインクがなくなれば、新しいものと交換すれ
ばカートリツジの交換と共にサブカートリツジ２
３内に蓄えられた古いインク（粘度の高いイン
ク）ゴミ等の異物が同時にインク供給系より除去
される。つまり、インク状態を常に一定に保つて
ノズル２へ供給でき、ノズルの目詰まり、等もな
くなる。

ここで、インクカートリツジ２２内にインクが
ある時の液面は、第１図で説明したようにインク
カートリツジ２２の開口部の位置に規制される。
次第に、インクが消費されインクカートリツジ２
２内にインクがなくなつた場合は、第３図に示す
ようにサブカートリツジ２３内でのインク表面張
力カートリツジフイルター２５での圧力損失等に
よりサブタンク２０の液面は、それらに相当する
水頭差Ｈでバランスすることになる。これはサブ
タンク２０とサブカートリツジ２３は、静圧的に
通じているためである。

このように回収インクを一度サブタンク２０に
回収し、静圧的にインクカートリツジ２２、サブ
カートリツジ２３を介して導びいている。そのた
め、サブカートリツジ２３のカートリツジフイル
ター２５において、ゴミを捕捉し、且つサブカー
トリツジ２３には回収された古いインクが、常に
サブカートリツジの容量だけ残る。そして、イン
クカートリツジ２２の交換時には、インクカート
リツジ２２とともに古い不浄インクは供給系外部
に取り除かれるため供給系内の異物のたい積、あ
るいはインクの汚れが抑止される。また、最も粘
度の高いインクが取り除かれるためインクの粘度
上昇についても抑止されることになる。

第４図は本発明によるインクカートリツジの他
の例を示す断面図である。これは、サブタンクを
なくし直接回収インクをインクカートリツジ２２
Ａのサブカートリツジ２３Ａに導びくものであ
る。ここで、サブカートリツジ２３Ａは、弁の作
用としてゴム等の弾性体３１にて封止されてい
る。そして、突出ピン２８Ａの先端は注射器の針
状に形成して細管３２を設ける。つまり、インク
カートリツジ２２Ａをカートリツジタンク２１に
挿入すればサブカートリツジ２３Ａが押し上げら
れ、細管３２が弾性体３１を通してサブカートリ
ツジ２３Ａ内に突出する。又、インクカートリツ
ジ２２Ａを抜き去ると、ゴム弾性体３１のため細
管３２にて開けられた穴は閉じ、サブカートリツ
ジ２３Ａ内のインクは流出しない。この場合、カ
ートリツジタンク２１のインク液面がインクカー
トリツジ２２Ａの開口部より下位になるように設
定することが望ましい。

第５図は第４図と同様サブタンクを設けないイ
ンクカートリツジの他の例を示す断面図である。
これも、インクカートリツジ２２Ｂ内のインクの
弁作用を各々ゴム弾性体にて構成したものであ
る。そのため、カートリツジタンク２１に各カー
トリツジ２２Ｂ，２３Ｂのゴム弾性体３３，３４
に対応して細管３５，３６を設けている。尚、３
８はサブカートリツジ２３Ｂのフイルターであ
る。この場合もインクカートリツジ２２Ｂの開口
部はカートリツジタンク２１の液面より上位に位
置する方が好ましい。

尚、第２図等において、インク供給用ポンプ１
及びインク回収用ポンプ９は、別個に設けたもの
を図示しているが、両者を一体化した連動するポ
ンプを用いるものであつてもよい。

以上説明した様に本発明のインク供給装置によ
れば、インク交換用のインクカートリツジ内にサ
ブカートリツジを設け、このサブカートリツジに
ガターからの回収インクを導びき、ゴミ等の除去
手段であるフイルターを介してインクカートリツ
ジに導くようにしたものであるから、インクカー
トリツジの交換時、回収インク内より除去した粘
度の高い古いインク、ゴミ等の異物を収容してい
るサブカートリツジをインク供給系より同時に除
外でき、上記異物を除去するためのフイルター
を、必要に応じてあるいは定期的に別個に交換す
るといつた面倒な作業が不要となり、非常に簡単
な操作でインクの補充及び異物の除外を行なうこ
とができる。

また、インクカートリツジの交換と同時に回収
インク内の異物を除去するためのフイルターも同
時に交換できるため、フイルターの目詰まりによ
る異物の除去不良等の心配もなくなり、インク供
給系内の異物の堆積等もなく、常に正常なインク
をノズルへ供給できる。又、粘度の高いインク等
がインク循環路を循環しないため、ノズの目詰ま
りもなくインク粒子化が正常に行われる。更にカ
ートリツジの交換により同時に異物等が除外でき
るので、その操作が簡単であるだけでなくメイン
フイルターの寿命が長くなり、供給系の保守期間
をより長くできる。

【図面の簡単な説明】

第１図はインクジエツトプリンタの従来のイン
ク供給装置を示す断面図、第２図はインクジエツ
トプリンタの本発明におけるインク供給装置を示
す断面図、第３図は第２図の一部の動作状態を示
すインク供給装置の断面図、第４図及び第５図は
本発明にかかるインクカートリツジの他の実施例
を示す断面図である。 １：供給用ポンプ、９：回収用ポンプ、２１：
カートリツジタンク、２２（２２Ａ，２２Ｂ）：
インクカートリツジ、２３（２３Ａ，２３Ｂ）：
サブカートリツジ、２５：カートリツジフイルタ
ー、３０：メインフイルター。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ インク貯蔵部内のインクを噴出用ノズルに供
   給すると共に、上記ノズルより噴出された不要イ
   ンクを上記インク貯蔵部に回収し、インクの再利
   用を行うインク循環経路を有したインクジエツト
   プリンタにおけるインク供給装置において、上記
   インク貯蔵部を構成するインク交換用のインクカ
   ートリツジ、該インクカートリツジ内のインクを
   上記ノズルに供給するためのインク供給路、上記
   インクカートリツジ内に設けられインクカートリ
   ツジ内のインクと区別するためのサブカートリツ
   ジ、該サブカートリツジへ上記ノズルより噴出さ
   れる不要インクを導く回収路、上記サブカートリ
   ツジに設けられ該サブカートリツジに回収される
   インク内の異物を除去するフイルターを備え、該
   フイルターを介して前記サブカートリツジに回収
   されたインクを上記インクカートリツジ内のイン
   クに混入させるようにしたことを特徴とするイン
   クジエツトプリンタにおけるインク供給装置。