JPS6221517Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は船舶の糧食庫に関する。

現在、第１図に示すように、一般に採用されて
いる船舶の糧食庫１は、全体が冷蔵庫となるよう
にされ、またその内部は区画壁２により複数個の
冷蔵室３及びロビー４が形成されている。これら
の冷蔵室３はその冷蔵品によつて冷蔵温度が異な
るので、各冷蔵室３及びロビー４には冷却コイル
又はユニツトクーラーがそれぞれ設置され、従つ
て糧食庫１とは別に設けられた水冷式冷凍機ユニ
ツト５からの冷媒管６が上記冷却コイル又はユニ
ツトクーラーにそれぞれ接続されている。なお、
７は冷却水ポンプである。このものによると、各
冷蔵室３内には冷蔵品の搬出入に必要な人及び冷
蔵品の移動スペースが必要となり、実際の冷蔵品
貯蔵スペースは30％〜50％であつた。従つて、貯
蔵スペースのみならず冷凍機ユニツトに対しても
過剰な能力が必要となり不経済であつた。また、
各冷蔵室３の保持温度が異なるため、冷凍機ユニ
ツト５は常に最低温度に合わせて運転制御される
ので、エネルギー的に無駄が生じていた。そし
て、その保持温度が高い冷蔵室に対しては背圧調
整弁などの制御弁８を設けなければならず、その
制御は複雑となると共に保守点検が面倒であつ
た。更に、冷凍機ユニツト５のコンデンサー冷却
は海水によつて行なわれており、冷却水管やコン
デンサーの腐食などの補修も問題となつていた。

本考案は上記問題を解消し得る船舶の糧食庫を
提供するもので、以下その一実施例を第２図に基
づき説明する。

１１は船舶内に設けられた一区画室で、その内
部には小容量（３〜５m³程度）の冷蔵庫１２が複
数個（本実施例では４個）並置されている。上記
冷蔵庫１２は空冷コンデンサーを有する冷凍機ユ
ニツト１３が一体化され、従つて、各冷蔵庫１２
ごとの保持温度は自由に設定し得る。また、上記
冷蔵庫１２は扉１２ａの位置で冷蔵品の出し入れ
が可能なもので、従つて余分な冷却スペースがな
く極めて経済的である。そして、上記区画室１１
の壁体１４の冷蔵庫１２後部の部分にはフアン１
５，１５′を有する左右一対の通風筒１６，１
６′が開口せしめられている。即ち、一方の通風
筒１６からは外気が供給され、他方の通風筒１
６′からは室内の空気が放出されて換気が行なわ
れる。１７は上記区画室１１の壁体１４の適当箇
所に設けられた簡易型空冷式クーラーで、区画室
１１内の温度を15〜20℃に保ち、穀物、乾物など
を保存可能にしている。また、上記簡易型空冷式
クーラー１７は、冷凍機ユニツト１３からの放熱
も合わせて吸収する。なお、区画室１１の周囲壁
体１４はグラスウール等で断熱されている。１８
は区画室１１の壁体１４の適当箇所に設けられた
冷蔵庫１２の搬出入用のドアー、１９は壁体１４
に設けられた人の出入用扉である。

以上のように、本考案の船舶の糧食庫によれ
ば、従来のものに比べて下記のような利点を有す
る。

一つの区画室内に冷蔵品専用の冷蔵庫を設け
たので、従来のような人及び冷蔵品移動のため
のスペースまでも冷却しなくてもよく、従つて
冷凍機ユニツトも小型化することができ、エネ
ルギーの節約を図ることができる。

冷蔵庫はそれぞれ冷蔵品ごとに設けられ且つ
空冷式にされているので、その温度制御が簡単
となり、また冷却水系統が不要となるので、冷
却水即ち海水による配管及びコンデンサー等の
腐食の問題が解消され、保守点検が容易とな
る。

区画室の壁体には通風筒が開口せしめられる
と共に簡易型空冷式クーラーが設けられている
ので、区画室を例えば穀物、乾物などの保存庫
として利用できる。

一つの区画室内に複数個の冷蔵庫を設けてい
るので、これらが相互に予備の形となり、従つ
て従来の予備冷凍機が不要となる。

冷蔵庫、冷凍機ユニツト、クーラー等が一つ
の区画に設けられているので、冷蔵品の出し入
れと共に運転、保守、点検、調整が一箇所で行
なうことができ、省力化を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例の概略平面図、第２図は本考案
の一実施例の概略平面図である。 １……一区画室、１２……冷蔵庫、１３……冷
凍機ユニツト、１４……壁体、１６，１６′……
通風筒、１７……簡易型空冷式クーラー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 船舶の一区画室内に複数個の冷凍機ユニツト一
   体型空冷式冷蔵庫を設け、且つ上記一区画室の壁
   体に通風筒を開口させると共に簡易型空冷式クー
   ラーを設けたことを特徴とする船舶の糧食庫。