JPS6221226Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、口紅容器等の棒状体を収納する容器
に関するものであつて、携帯時におけるこれら棒
状体の保護が達成できるようにすることを目的と
する。

化粧用具として、口紅容器、マスカラ容器、ペ
ンシル型化粧材料、アイシヤドウ容器等多々の種
類が存するが、これらの用具は使用時に使い易く
する観点から、或いは携帯に便利なように細身の
棒状体であることが殆どであり、製品として華奢
であることが多く、携帯時或いは鏡台内での保存
時に傷付いたり損傷したりすることが多々見られ
た。

また、携帯保存時に埃等によつて汚れてしまう
こともある。

本考案は上述した従来の不満点を解消するべく
考案された棒状体収納容器であつて、棒状体挿入
用の挿入口を前端に設けたケース体と、該ケース
体内に固定され、棒状体の一部に周設された係止
突条が乗り越えて係止する係止突片を内周面に設
けた略円筒形状の保持弾体と、棒状体の前端に設
けられた外鍔の後面が当接する突当り片に押圧片
を略Ｌ字状に一体設し、ケース体の前端部に、棒
状体の挿入方向に直交した揺動軸によつて組み付
けられる突出キイとから構成される。

以下本考案の一実施例を図面に従つて説明す
る。

先ず本考案の収納容器に収納される口紅容器等
の棒状体２８は、図示実施例では円筒形状であつ
て、前端に外鍔２９が設けられ、また周面の一部
には係止突条３０が周設されている。

ケース体１は、上ケース２と下ケース３とを一
体に組み付けた薄箱形状であつて、前端が開口し
ている。

下ケース３の前端部には、前後方向に所定長さ
の区画壁片７が図示実施例では等間隔に四つ立設
されてあり、従つて下ケース３前端部はこの区画
壁片７によつて五つの溝が形成されるが、この溝
は前記棒状体２８周面の曲率とほぼ等しい円弧溝
部８である。

また上ケース２の上面であつて、前端よりやや
後部寄りの位置には所定高さの保護壁１１が前端
縁に平行に突条状に設けられ、かつこの保護壁１
１から前端にかけての両側にはそれぞれ側壁片１
０が設けられており、上ケース２前端部には、こ
の保護壁１１と側壁片１０とによつて機能凹部９
が形成されることになる。

この機能凹部９には保護壁１１近傍から前端に
かけて切り込まれた切り欠きによつて、五つの支
持片１２が等間隔に形成され、この支持片１２は
前記円弧溝部８に対応し、さらにこの支持片１２
の両側前端には軸片１３が突設されている。

そして下ケース３の内面であつて、前記区画壁
片７の後端には、浅溝状となつた組付け凹部４が
前端縁に平行に刻設されていて、前端側に第一の
係止段部５が、後端側に第二の係止段部６が形成
されることになり、上ケース３内面にもこの組付
け凹部４に対向して同様の組付け凹部４′が設け
られている。

次いで第３図は、略円筒形状の保持弾体２０を
示すものにして、図示実施例では等間隔に並列さ
れた五つの保持弾体２０を後端で連結板２６を介
して一体に成形されているが、この各保持弾体２
０の間隔ピツチは前記各円弧溝部８なり各支持片
１２に対応している。

保持弾体２０は前端が開口し、後端が連結板２
６に挿通孔２５を穿設することによつて開口した
略円筒形状であつて、内径が前記棒状体２８の直
径とほぼ等しいが、図示実施例では、その周壁に
は長さ方向に沿つて複数のスリツト２３が等間隔
に切り込まれて、複数の細長な保持板２１が形成
されており、この保持板２１の内面所定位置には
係止突片２２が付設され、さらに保持弾体２０の
前端外周には鍔状に係止リング２４が一体周設さ
れている。

この保持弾体２０は、前記ケース体１内の各組
付け凹部４，４′内に嵌め込まれて組み付けられ
ることになるが、図示実施例では、係止リング２
４前端が第一の係止段部５と係止し、連結板２６
後端が第二の係止段部６と係止し、保持板２１と
組付け凹部４底面との間にわずかの間隙が形成さ
れる。

次にケース体１前端部に組み付けられる突出キ
イ１４は、押圧片１５の前端に図示実施例では約
100度の角度で突当り片１６を一体に垂下連設し
た略Ｌ字形状であつて、前記上ケース２の支持片
１２の幅とほぼ同一の幅を有し、両側には三角板
状の側板片１８が一体設されている。

この側板片１８における前記押圧片１５と突当
り片１６との連続部には、それぞれ軸孔１９が穿
設されてあつて、前記支持片１２にこの突出キイ
１４を嵌め込んだ際に軸孔１９内に軸片１３が嵌
まり込み、突出キイ１４の突当り片１６は前後方
向に揺動する形態となる。

また突当り片１６の下部には、前記棒状体２８
の周面とほぼ等しい曲率の半円弧状の欠部１７が
設けられており、支持片１２に突出キイ１４を組
み付けた状態で、ケース体１の前端には、この欠
部１７と円弧溝部８とによつて棒状体２８の直径
とほぼ等しい直径の挿入口２７が形成されること
になる。

さて上述した構成にあつて、棒状体２８を前記
挿入口２７から挿入すると、棒状体２８は円弧溝
部８にガイドされてケース体１内に侵入し、円弧
溝部８に対応して開口位置する保持弾体２０内を
貫通して、ケース体１内に収納される。

そして棒状体１の外鍔２９後面が下ケース３前
端および突出キイ１４の突当り片１６に当接した
位置が、棒状体１の挿入限となるわけであるが、
この挿入限直前で棒状体１の係止突条３０が保持
弾体２０の係止突片２２を乗り越えて、該係止突
片２２と係止することになる。

従つて、保持弾体２０の係止突片２２と、棒状
体１の係止突条３０とは、上記作用が達成できる
位置に設定されることになり、また係止突片２２
は保持板２１内面に設けられているが、この保持
板２１は、細板状であつて前述したように組付け
凹部４との間に間隙が形成されているので、弾性
変形が自在であり、それゆえ係止突条３０による
係止突片２２の乗り越えは極めて容易であり、か
つ保持板２１の弾性復帰によつて相互の係止は極
めて確固たるものとなる。

また棒状体２８の挿入限で、外鍔２９の後面
は、突出キイ１４の突当り片１６前面に当接して
おり、従つて突当り片１６とわずかの鈍角で連続
する押圧片１５は後端が支持片１２後端から浮き
上つた状態であるが、この状態で押圧片１５を押
し下げると、突当り片１６は前方に揺動する（第
４図、第５図で仮想線にて示す）。この突当り片
１６の揺動によつて、突当り片１６に当接してい
る外鍔２９と一体となつた棒状体２８に前方への
引出力が加えられ、係止突条３０と係止突片２２
による係止は解かれ、棒状体２８は挿入口３１よ
り抜き出し得る状態となるのである。

以上の説明から明らかなように、本考案の収納
容器は、ケース体１の挿入口２７より棒状体２８
を挿入限まで挿入するだけで係止突条３０と係止
突片２２とが係止し、棒状体２８の収納状態を確
個と保持する。

そしてこの状態で突出キイ１４の押圧片１５を
押し下げるだけで、突出キイ１４は揺動し、その
突当り片１６が棒状体２８の外鍔２９を押し出し
て上記係止を解き、棒状体８を出し得る状態とす
る。

棒状体２８の収納時において、突出キイ１４の
押圧片１５は浮き上つた状態ではあるが、保護壁
１１および側壁片１０に囲まれているので、誤操
作されるおそれは少ない。ただしこの不都合を完
全に防ぐべく、保護壁１１、側壁片１０の高さ、
すなわち機能凹部９の深さは、浮き上がつた状態
の押圧片１５後部の位置と、少なくとも同一でな
ければならない。

また図示実施例では、挿入口２７を五ケ所設け
て、それぞれ保持弾体２０、突出キイ１４等を対
応して設けている。これは、口紅、アイシヤドウ
等の化粧には色彩、品質等に多種類あり、使い分
けが必要となるために複数携帯しなければならな
いような場合に対応したものであり、従つて並列
配置される突出キイ１４は、棒状体２８の挿入方
向に直交する軸心を有する軸に同軸に装着する構
成であつてもよい。

よつて本考案の棒状体収納容器によれば、口紅
容器等の細身の棒状体を確固と収納保持すること
ができるので、携帯時に棒状体を確実に保護でき
て、棒状品が損傷したり汚れたりすることはな
く、棒状体の収納、引出し操作も極めて簡便であ
り、構成が簡単であつて成形が容易である等、本
考案は多くの優れた作用効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す外観斜視図で
ある。第２図は上ケースの要部および突出キイを
示す斜視図である。第３図は保持弾体の斜視図で
ある。第４図は、各部材を組み付けた状態を示す
要部拡大断面図である。第５図は、さらに棒状体
を挿入した状態を示す要部拡大断面図である。 符号の説明、１：ケース体、４：組付け凹部、
７：区画壁片、８：円弧溝部、９：機能凹部、１
２：支持片、１３：軸片、１４：突出キイ、１
５：押圧片、１６：突当り片、１７：欠部、１
９：軸孔、２０：保持弾体、２１：保持板、２
２：係止突片、２４：係止リング、２６：連結
板、２７：挿入口、２８：棒状体、２９：外鍔、
３０：係止突条。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 口紅容器等の棒状体挿入用の挿入口を前端に設
   けたケース体と、該ケース体内に固定され、前記
   棒状体の外径とほぼ等しい内径を有する略円筒状
   で、挿入された棒状体の周面の一部に周設された
   係止突条が乗り越えて係止する係止突片を内周面
   に設けた保持弾体と、挿入された棒状体の前端に
   設けられた外鍔の後面が当接する突当り片に押圧
   片を略し字状に一体設し、該突当り片と押圧片と
   の連続部で、前記ケース体前端部に、前記棒状体
   の挿入方向に直交した揺動軸によつて組み付けら
   れる突出キイとから成る棒状体収納容器。