JPS6220246Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、例えば家屋や家具等の木製構造物を
構築する際、木材相互を長さ方向、又は交差させ
て接合する為に大入れや大入れアリ掛け、又はア
リ溝等を加工する木材加工機の送り装置に関す
る。

上述木材加工機にあつては、加工精度の点で加
工機本体をバイス装置によつて被加工材に固定
し、大入れ等の加工を行なうが、木材相互の接合
態様によつては大入れ等の加工位置が相違し、又
その大入れ等は一工程にて加工し得るものではな
く、ルータービツトを上下、左右方向等へ移動し
ながら複数工程を経て加工するものであるから、
前後、上下、左右各方向の送り装置を備えてなる
のが一般的である。

又、木材加工機にあつて、バイス装置に前後移
動調整可能に取り付けた摺動ベースに加工機本体
を、そのルータービツトを備えたブレードアーバ
ーから適当寸法離れた位置を回動中心となるよう
支承し、該加工機本体を左右方向へ夫々回動する
ことによつてルータービツトを左右方向へ移動調
整可能に構成したものは本願人によつて提供され
ている。

かゝる木材加工機によると、加工機本体の回動
中心を中心とする仮想円周上にあつて、摺動ベー
スと加工機本体の一側面に円弧状凹面と円弧状凸
面を夫々設けて相互に突き合せし、その円弧面に
沿つて加工機本体を回動することで、その回動中
心から隔てた位置にあるルータービツトを左右方
向へ移動調整するよう形成したものがある。即ち
被加工材Ｗへ大入れ、アリ溝等を加工する際に、
ルータービツトをその所定（墨線）位置へ正確に
持ちきたさねばならない。そこで被加工材Ｗをバ
イス機構でクランプした際、墨線位置とルーター
ビツトの位置が若干のズレを生ずるものである。
従つて左右送りネジの螺進退操作等で微調整して
合致させる必要が生じるのである。

そこで本考案は、上述機構とした木材加工機で
あつて、被加工材Ｗの墨線位置へ正確にルーター
ビツトを合致させるために、左右送りネジに対し
て加工機本体に連結した略Ｌ字形状をした弾性変
形可能な取付板を取付けたことで、左右送り移動
をガタつきなく円滑に行ない得て墨線合せを正確
にできる送り装置を提供することを目的とするも
のである。

以下本考案を図示の実施例に基づいて詳述すれ
ば、先ず木材加工機は第１図ないし第３図に示し
たように、加工機本体Ａと、バイス機構Ｂと摺動
ベースＣとから構成されている。

上記加工機本体Ａはモーターケース１に図示し
ないモーターと、そのモーター軸と動力伝達機構
を介して連動連結されて駆動回転するブレードア
ーバー２が内装させてあつて、該ブレードアーバ
ー２のモーターケース１からの突出端に図示しな
いコレツトナツトによりルータービツト３が脱着
自在に装着してあると共に、該ブレードアーバー
２の中心Ｏから適当寸法ｌ隔てた位置を中心Ｐと
する仮想円周上にあつて、モーターケース１の一
側部に適当な曲率を有する円弧状凸面４が形成し
てあり、該円弧状凸面４の中央部からはボス５が
外側へ一体に突設して形成されている。

又、上記バイス機構Ｂは、バイスブロツク６と
サポータ７と、その間にあつて一本の前後ガイド
バー８と左右のサイドプレート９，９とで枠組み
形成してあつて、上記前後ガイドバー８にはバイ
ス装置１０が、前後ガイドバー８の長さ方向へ適
宜間隔毎に設けた複数個の穴１１…の内から被加
工材Ｗの大きさに合わせて適当な穴を選択しピン
１２止めすることによつて移動調整可能に配置し
てあると共に、前後方向には前後送りネジ１３が
軸方向に拘束されて回転自在に架設して形成され
ている。

又、上記摺動ベースＣは、上記バイス機構Ｂの
一方のサイドプレート９と前後ガイドバー８に前
後方向へ摺動自在に貫通されていると共に、その
図示しないネジ孔に上記前後送りネジ１３を螺合
貫通し、該前後送りネジ１３を任意に回転するこ
とで前後方向へ移動調整されるように設けられて
いる。

そして摺動ベースＣは一側部に適当な肉厚を有
する円弧状の支持部１４が一体に設けてあつて、
その内面は上記加工機本体Ａの円弧状凸面４と同
一曲率を有する円弧状凹面１５に形成してあると
共に、支持部１４の中央部には窓孔１６が上記加
工機本体のボス５を貫通した時二軸方向へ適当量
移動可能な隙間を有する内径をもつて貫通形成し
てある。

かくして、上記加工機本体Ａは、その円弧状凸
面４を摺動ベースＣの円弧状凹面１５に突き合わ
せてボス５を窓孔１６に挿通させた後、該ボス５
の端部に板バネ１７を押え板１８によつて押えて
ボルト１９にて固定することにより摺動ベースＣ
に支持されている。

こゝで上記板バネ１７と押え板１８は第３図に
示した如く略山形に形成してあつて、その中央部
に穿設した孔をもつて上記ボルト１９に貫通し、
該ボルト１９を締付けることで、板バネ１７の両
側端部が支持部１４の円弧面を形成する表面に圧
着されることによつて摺動ベースＣに加工機本体
Ａは固定される。

又、上記ボルト１９を緩めて固定を解けばボス
５と窓孔１６は上述関係を有する為、摺動ベース
Ｃに対して加工機本体Ａはその円弧状凸面４が円
弧状凹面１５に摺動案内されることによつてＰを
回転中心として左右方向へ窓孔１６の有効内径の
範囲内で回動できるので、上記中心Ｐと適当寸法
ｌだけ隔てた位置にあるルータービツト３は上記
中心Ｐの仮想円周上に沿つて左右に移動される。

又、加工機本体Ａのモーターケース１に固定し
た取付板２０には上下送りネジ２１が軸方向に拘
束されて回転自在に支持されていて、摺動ベース
Ｃのネジ孔２２に螺合し、これを回動することに
より摺動ベースＣに対して加工機本体Ａは第２図
において上下方向へ移動調整されるようになつて
いる。

そして本案の送り装置は、加工機本体Ａを上述
のように回動してルータービツト３を左右方向へ
移動調整して、ルータービツトを所定位置へ正確
にセツトするものであるから、第１図に示したよ
うに加工機本体Ａの一側部に弾性変形及び復元可
能な金属板で形成した略Ｌ字形の取付板２３をボ
ルト２４にて固設し、該取付板２３に左右送りネ
ジ２５を軸方向に拘束して回転自在に、かつ前後
向きに支持し、該左右送りネジ２５のネジ部２５
ａを、上記摺動ベースＣに前後方向へ貫通して設
けたネジ孔２６に螺合貫通し、これを左回転又は
右回転するので、取付板２３を介して加工機本体
Ａを前述したように回動できるよう構成したもの
である。

こゝで、上記取付板２３に対する左右送りネジ
２５の支持手段としては、例えば第４図に示した
如く、取付板２３に穿設した孔２３ａに左右送り
ネジ２５を挿通した後、当該左右送りネジ２５に
周設した２個の溝２５ｂ，２５ｃに止めリング２
７，２８を掛止して取付板２３を挾持するように
してもよく、その構成は任意である。

以上説明したように本考案に係る木材加工機の
送り装置によれば、摺動ベースＣに対して回動す
ることによりルータービツト３を左右に移動調整
可能に支承した加工機本体Ａの一側部に弾性変形
可能な取付板２３を固定し、該取付板２３に左右
送りネジ２５を軸方向に拘束して回転自在に取付
けると共に、該左右送りネジ２５を摺動ベースＣ
のネジ孔２６に螺合して構成したものであるか
ら、被加工材Ｗの加工部分（墨線位置）へのセツ
トを正確かつ容易に為すことができる。即ちルー
タービツト３の左右移動調整を行なうべく加工機
本体Ａを回転運動させる際、左右送りネジ２５の
回転によつて取付板２３の向きが変化しても、そ
の変化量は、取付板２３自体が弾性変形すること
によつて吸収されるので、左右送りネジ２５及び
加工機本体Ａの回動が重くなることはなく、もつ
てルータービツト３の左右移動を円滑にして容易
に行ない得、又その為上記移動調整により墨線合
せが正確にできるため加工が高精度になし得る効
果がある。

又、構造的には、取付板２３と左右送りネジ２
５のみで極めて簡単化できるので安価に製作する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る送り装置を備えた木材加
工機の平面図、第２図は同木材加工機の一部側面
図、第３図は第２図における−線矢視より見
た一部断面を含む底面図、第４図は第１図におけ
る−線矢視の縦断側面図、第５図は第４図に
おける−線矢視の断面図である。 Ａ……加工機本体、Ｃ……摺動ベース、２……
ブレードアーバー、３……ルータービツト、２３
……取付板、２５……左右送りネジ、２６……摺
動ベースのネジ孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ルータービツト３を備えたブレードアーバー２
   と適当寸法だけ離れた回動中心を有して、上記ル
   ータービツトを左右方向へ移動調整可能なるよう
   摺動ベースＣに支承された加工機本体Ａの一側部
   に弾性変形可能な略Ｌ字形状の取付板２３を固設
   し、該取付板の他端は左右送りネジ２５を挿通支
   持した孔を備え、該左右送りネジを止めリング等
   で軸方向に拘束して回転自在に取り付けると共
   に、その左右送りネジの回動操作によつて加工機
   本体を左右方向に夫々回動可能なるよう上記左右
   送りネジを上記摺動ベースのネジ孔２６に螺合し
   てなることを特徴とする本体加工機の送り装置。