JPS6219815Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、閉じ状態において外観が美麗な面一
状態に戸を位置させることができ、しかも、下部
の戸のガイド溝が無いようにして掃除を容易に行
なわせることができるようにした引戸装置に関
し、詳しくは、引戸の両横端部に連設してある吊
下部材を支持板に形成してある挿通間隙に係入さ
せて支持板上面上に載置支持し、前記吊下部材を
挿通間隙に沿つて支持板の上面上を移動させて、
引戸を、その閉じ状態においてそれに隣る引戸に
面一あるいはそれに近い状態で連ねるために、全
閉位置と全閉直前位置にわたつて戸面に垂直な分
方向を有する方向に移動すべく構成してある引戸
装置に関する。

かかる装置において、左右一対の吊下部材を引
戸の両横端部に取付けるに、左右吊下部材の引戸
に対する上下位置が適正位置となるように取付け
ないと、閉じ状態において、両引戸の間に、上方
ほど大なる巾となるあるいは下方ほど大なる巾と
なる隙間ができるものとなる。そして、このよう
な隙間ができると、従来では、引戸を吊下部材に
対する支持板から取外し、引戸に対する吊下部材
の上下位置を変更調節させるようにしているが、
この場合、引戸を支持板から取外す煩しい作業を
行なわなければならない不都合があり、しかも、
支持板から取外した状態で吊下部材の上下位置を
所望量だけ適切に調節することが難しいため、調
節後引戸を組付けて適正な調節を行なえたか否か
を確認し、必要に応じて再度調節を行なわなけれ
ばならないものであつた。

本考案は、上記実状に鑑みて為されたものであ
つて、その目的は、閉じ状態において両引戸の間
に隙間ができるようなことがあつても、簡単な作
業で迅速に隙間を無くすことができるようにする
点にある。

本考案は、冒記引戸装置において、引戸全閉位
置において吊下部材を載置している位置の支持板
部分を部分的に支持板部分に対して片持状に形成
して上下方向に撓み変形可能に構成するととも
に、前記撓み変形可能な支持板撓み部分の上方へ
の撓み変形量並びに引戸重量による下方への撓み
変形範囲を調整する調整ネジを設けて、全閉位置
において前記両吊下部材夫々の高さを各別に変更
調整できるように構成してあることを特徴とす
る。

次に、本案特徴構成による作用効果を述べる。

すなわち、引戸重量により下方に撓み変形する
支持板部分の引戸重量による下方撓み変更範囲、
並びに、支持板部分の上方への撓み変形量を調整
ネジによつて変更させることにより、引戸全閉位
置において両吊下部材夫々の高さを各別に変更調
節させて、閉じ状態において両引戸の間に上方ほ
ど大なる巾となるあるいは下方ほど大なる巾とな
る隙間ができても、それを無くすことができるよ
うにせんとするものであつて、調整ネジが引戸に
よつて覆われていない場合には、そのままの状態
で、又、調整ネジが引戸によつて覆われている場
合には、引戸の開閉に伴つて調整ネジを露呈させ
た状態で調節ネジを操作することができるから、
引戸を取外さずに前記隙間を無くすための調節を
行なうことができ、しかも、調節後の状態を確認
することを単に引戸を閉じ操作するだけで行なう
ことができるのであり、もつて、前記隙間を無く
すことを簡単な作業で迅速に行なうことができる
のであり、一層便利に使用することが可能な引戸
装置を得るに至つた。

つまり、支持板全体の取付姿勢を変更して、吊
下部材の高さ位置を変更調節することも考えられ
るが、この場合、調節作業が迅速に行えないばか
りでなく、支持板と、この支持板を固定する固定
枠との間にすき間が出来て外観が悪くなつたり、
支持板全体の取付け姿勢を一律に変更することか
ら、一方の引戸に対しては適正に調節できても、
その結果、他方の引戸に対しては適正な姿勢に調
節できず、全閉位置において両引戸を適正姿勢に
保持することが困難になり、更には、全閉位置と
全開位置とで引戸の上下高さが大きく変わり、引
戸下端が固定部材に対して接当するおそれもあ
る。

これに対して、本願考案によれば、部分的に形
成した撓み変形可能な支持板撓み部分のみを調整
するから外観に与える影響は極めて少ない。そし
て、吊下部材夫々の高さ位置を各別に変更調節で
きるので、全閉位置において、両引戸を共に適正
姿勢に保持することができ、しかも、支持板撓み
部分の撓み変形量だけ引戸が上下するにすぎない
ので、引戸下端が固定部材に接当するおそれが少
ない。

次に、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図に示すように、下駄箱等の収納箱１の開
閉口を左右一対の横移動自在な引戸２で閉じるよ
うに構成すると共に、閉じ状態において両引戸２
が面一あるいはそれに近い状態になるように構成
してある。

前記引戸２を取付けるに、第２図乃至第５図に
示すように、収納箱１に開閉口の上部に位置させ
て溝形成部材３を埋設し、引戸２の上端に連設し
た左右一対の吊下部材４を溝形成部材３内に挿入
した状態で受止める支持板５を収納箱１に取付
け、引戸２を吊下げ支持するように構成してあ
る。前記支持板５は、中央部の第１支持板部分５
ａ、両端部の第２支持板部分５ｂ、第２支持板部
分５ｂにわたる第３支持板部分５ｃ及び、第１及
び第２支持板部分５ａ，５ｂにわたる第４支持板
部分５ｄから成り、第１及び第２支持板部分５
ａ，５ｂの夫々に、屈曲した吊下部材挿通用切欠
６を備えさせると共に、第３支持板部分５ｃと第
１及び第４支持板部分５ａ，５ｄとの間に、切欠
６に連なる吊下部材挿通用間隙７を形成してあ
る。前記溝形成部材３は、第１支持板部分５ａの
切欠６に対応する形状の溝を備えた第１部分３
ａ、第２支持板部分５ｂの切欠６に対応する形状
の溝を備えた第２部分３ｂ、及び、吊下部材挿通
用間隙７に対応する溝を備えた第３部分３ｃから
成る。

すなわち、溝形成部材３及び支時板５の作用に
よつて、第２図に示すように、引戸２が全閉位置
において平面的に並列され、その全閉位置から全
閉直前位置への移動に伴つて、開き操作された引
戸２が他方の前方側に移動し、第３図に示すよう
に、全開位置において引戸２が前後に並列される
ように構成してある。

前記第１部材３ａに、一対の経路切換部材８を
支軸９周りで揺動自在に設けて、吊下部材４が確
実に所定の方向に移動するように構成し、また、
第２部材３ｂに、中央部分が溝内に突入するよう
に屈曲した線状あるいは板状のスプリング１０を
両端係止状態で設けて、引戸２を、全閉位置で安
定保持すると共に、全閉位置及び全閉直前位置に
押圧するように構成し、さらには開閉操作に伴つ
て第２部材３ｂとスプリング１０の衝突音が発生
するように構成してある。

前記径路切換部材８に、それが間隙７から引退
する揺動位置に揺動した状態において間隙７側に
突出する突部８ａを弾性後退揺動変位自在に設け
て、開き操作時に、引戸２の閉じ側に位置する吊
下部材４が径路切換部材８を間隙７から引退する
揺動位置に押圧しても、閉じ操作時に、引戸２の
閉じ側に位置する吊下部材４と突部８ａとの接当
により径路切換部材８を間隙７内に突出する揺動
位置に操作できるように構成してある。要する
に、引戸２の開き側への移動範囲を大きくするこ
とができるようにしてある。

前記第１及び第２支持板部分５ａ，５ｂの切欠
６端部夫々に、前記吊下部材４を挿脱するための
大径切欠部分６ａを設けると共に、吊下部材４の
大径切欠部分６ａへの移動を阻止する板状ストツ
パー１１を、前記支持板５の下面側に位置させる
と共に、支持板５に螺合するピス１２に作用位置
と非作用位置とに縦軸心周りで切換揺動自在に枢
支させて、引戸２の着脱を容易に行なえるように
構成してある。そして、ストツパー１１に、その
作用位置において前記支持板５に形成した凹部に
嵌入させる突部１１ａ、及び、支持板５の端面に
接当させる突片１１ｂを備えさせて、突片１１ｂ
によつて作用位置がわへの揺動範囲を規制できる
ようにすると共に、突部１１ａの嵌入によつて作
用位置に安定保持できるように構成し、しかも、
ストツパー１１に、肉厚小な操作用部１１ｃを備
えさせて、切換揺動操作を容易に行なうことがで
きるように構成し、さらに、ストツパー１１に、
その作用位置において支持板５と引戸２との間に
位置する部分１１ｄを備えさせて、引戸２がその
開閉に伴い上下動すること及び外部振動により振
動することを抑制できるように構成してある。

前記支持板５の周縁部を、複数個のビス１８に
よつて固定枠１９に固定させるとともに、支持板
５における片持状に支承される３つの支持板撓み
部分Ａ，Ａ，Ｂと固定枠３ａ，３ｂとの間に隙間
を設けて上方に、そして、引戸重量によつて下方
に、夫々、撓み変形可能に構成すると共に、前記
３つの支持板撓み部分Ａ，Ａ，Ｂの引戸重量によ
る下方撓み変更範囲並びに上方への撓み量を各別
に変更する３個の調整ネジ２０ａ，２０ａ，２０
ｂを設けて、引戸全閉位置において前記両吊下部
材４，４夫々の高さを各別に変更調節できるよう
に構成してある。

要するに、閉じ状態において、両引戸２，２の
間に上方ほど大なる巾となる隙間ができた場合に
は、中央のネジ２０ｂを緩めるか、又は、両横端
部のネジ２０ａ，２０ａを締めることにより、隙
間を無くすことができ、又、両引戸２，２の間に
下方ほど大なる巾の隙間ができた場合には、中央
のネジ２０ｂを締めるか、又は、両横端部のネジ
２０ａ，２０ａを緩めることにより、隙間を無く
すことができるようにしてある。

又、前記支持板撓み部分Ａ，Ａ，Ｂの夫々と前
記調整ネジ２０ａ，２０ａ，２０ｂが貫通する前
記溝形成用の第１、第２部分３ａ，３ｂ，３ｂと
の間に、板バネあるいはスプリングワツシヤ等の
バネ座金２１を介装させて、撓み部分Ａ，Ａ，Ｂ
が不必要に上下振動することを抑制させるように
してある。

前記収納箱１の下部に、開閉口の左右中央に位
置させて、第２図、第３図及び第６図に示すよう
に、案内機構１３を設けて、引戸２の前後方向へ
の揺動を阻止すると共に、引戸２の全閉位置と全
閉直前位置にわたる移動を円滑に行わせるように
構成してある。

つまり、収納箱１の内底面に設けた枠体１４
に、その下面に突設した支軸１５周りで揺動自在
に、左右一対のガイド１６を取付け、引戸２の下
端面に形成した案内溝１７に係合する部分１６ａ
を枠体１４の切欠から上方に突出させ、引戸２の
全閉位置から全閉直前位置にわたる移動に伴つて
ガイド１６が揺動されるように構成すると共に、
ガイド１６を案内溝１７に常時係合するように構
成してある。又、ガイド１６の係合部分１６ａを
上面視において長方形や橢円形等の細長い形状に
形成し、案内溝１７の大部分を係合部分１６ａの
横巾l₁に近い巾L₁に形成すると共に、案内溝１７
の端部のうち全閉位置でガイド１６が係合する側
１７ａを、係合部分１６ａの長手方向寸法l₂に近
い直径L₂のほぼ円形状に形成し、引戸２が全閉
位置にある時には係合部分１６ａの長手方向が案
内溝１７の長手方向に交差し、かつ、引戸２が全
閉直前位置にある時には係合部分１６ａの長手方
向が案内溝１７の長手方向に向かうように、ガイ
ド１６の揺動に伴つて係合部１６ａの方向転換が
行われるべく構成し、もつて、引戸２を開き操作
する時にガイド１６にその揺動のための外力が効
率良く作用するようにしてある。さらに、一端側
を枠体１４に支持させた線状あるいは板状のスプ
リング１８を、ガイドに連設したスプリング受部
分１６ｂに作用させて、ガイド１６を揺動両端位
置夫々において安定保持させるように構成し、も
つて、引戸２の全閉位置での固定を確実に行える
と共に、引戸２の閉じ操作に伴う不測なガイド１
６の揺動を防止できるようにしてある。

本考案による引戸装置は、建物のドアや間仕切
等の各種用途に適用できる。

又、本考案を実施するに、引戸２の全閉位置と
全閉直前位置とにわたる移動方向は自由に設計変
更でき、要するに、戸面に垂直な分方向を有する
方向に移動させるように構成してあればよい。

又、調整ネジ２０ａ，２０ｂを設ける数は、各
種変更でき、さらに、支持板５を部分的に引戸重
量によつて下方に撓み変更させる具体構造も各種
変更できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は下駄箱の斜視図、第２図は引戸装置の
分解斜視図、第３図は同装置の縦断側面図、第４
図は調整ネジの装着部を示す縦断側面図、第５図
は引戸吊下構造の切欠き平面図、第６図は下部案
内構造の切欠き平面図である。 ２……引戸、３ａ，３ｂ……固定枠、４……吊
下部材、５……支持板、５ａ，５ｂ，５ｃ，５ｄ
……支持板部分、７……挿通間隙、２０ａ，２０
ａ，２０ｂ……調整ネジ、２１……バネ座金、
Ａ，Ａ，Ｂ……支持板撓み部分。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 引戸２の両横端部に連設してある吊下部材４
   を支持板５に形成してある挿通間隙７に係入さ
   せて支持板５上面上に載置支持し、前記吊下部
   材４を挿通間隙７に沿つて支持板５の上面上を
   移動させて、引戸２を、その閉じ状態において
   それに隣る引戸２に面一あるいはそれに近い状
   態で連ねるために、全閉位置と全閉直前位置に
   わたつて戸面に垂直な分方向を有する方向に移
   動すべく構成してある引戸装置において、引戸
   全閉位置において吊下部材４を載置している位
   置の支持板部分Ａ，Ａ，Ｂを部分的に支持板部
   分５ａ，５ｂ，５ｂ，５ｃ，５ｄ，５ｄに対し
   て片持状に形成して上下方向に撓み変形可能に
   構成するとともに、前記撓み変形可能な支持板
   撓み部分Ａ，Ａ，Ｂの上方への撓み変形量並び
   に引戸重量による下方への撓み変形範囲を調整
   する調整ネジ２０ａ，２０ａ，２０ｂを設け
   て、全閉位置において前記両吊下部材４，４
   夫々の高さを各別に変更調整できるように構成
   してあることを特徴とする引戸装置。 前記支持板撓み部分Ａ，Ａ，Ｂとそれの上方
   に位置する固定枠３ａ，３ｂとの間にバネ座金
   ２１を介装させてある実用新案登録請求の範囲
   第項に記載の引戸装置。