JPS6219644B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ボイラと給水ポンプの間の給水ラインにドレン
溜室を配し、給水停止時に蒸気使用機器に発生し
た復水をこのドレン溜室に導入し、次の給水時に
給水ポンプで補給水をドレン溜室に圧入しこの導
入復水をボイラに圧送するようにした復水回収ポ
ンプ装置が公知である。

従来のポンプ装置では、ドレン溜室は円筒形の
管部材の両端開口に円形平板を溶接して作つた。
ドレン溜室は縦長に配し、下端平板の中央に給水
ポンプからの補給水圧入管を開口させた。給水時
に発生する復水を一時溜めて置くためのドレン溜
控室を上方に配したので、そこから復水をドレン
溜室に導入する管およびドレン溜室の水をボイラ
へ導出する管はドレン溜室の上部側壁に開口させ
た。これらの開口位置は、円筒管部材の上端に円
形平板を溶接してドレン溜室を作つたので、ドレ
ン溜室の天井から少し下方にあつた。

この種のポンプ装置は、高温水程上方に位置す
る水の性質を利用して、高温の復水を低温の補給
水より優先してボイラに送るものであり、復水と
補給水の混合を避ける必要がある。しかし、上記
の従来のものでは、ドレン溜室の径を大きくする
と次のような不都合が生じた。すなわち、給水ポ
ンプからの補給水はドレン溜室の中央を突きぬけ
てしまう。導入復水は補給水と混合し、一部は残
留する。ボイラへの導出管はドレン溜室の天井よ
り下方の側壁に開口しているので、天井付近の復
水は圧送されずに残留する。また、給水停止時に
導入される復水もドレン溜室の横断面一杯に広が
らず、残留低温水と混合する。

本発明はこの様な問題を解決せんとするもので
ある。すなわち、ドレン溜室が大径であつても、
導入補給水や復水を横断面一杯に広げてピストン
流にし、高温水と低温水の混合を防ぐことを目的
とする。また、復水を残留させずに補給水に優先
して圧送することを目的とする。

本発明は上記目的を次のようにして達成する。
すなわち、ドレン溜室の両端を内面が球面の板で
作り、その中央部分に対向して導入導出管を開口
させる。従つて、導入管から噴出した水は凹状の
球面に当つて広がりピストン流となる。導入管の
開口端面と端板の球面との間の距離、すなわち隙
間の大きさは、その大小により広がり度合が変化
するから、導入水の速度、端板の曲率、ドレン溜
室の管径に応じて所望のピストン流が得られるよ
うに設計する。上の端板の中央部分は最も高所に
位置するので、圧送時には復水が残留しない。球
殻状の端板はタンクの耐圧強度を高める上でも有
利である。

次に図示の実施例に基づき詳細に説明する。ド
レン溜室１は円筒状管部材の本体２の両端に端板
３・４を接合して縦長に作る。端板３・４は内面
を凹球面状に形成する。ドレン溜室１の下部に給
水ポンプ（図示せず）で昇圧された補給水を圧入
する圧入通路５を開口する。圧入通路５の開口部
は第２・３図に示す如く作る。第２・３図に於い
て、６は外周の一部に螺子を設けた管部材で、そ
の先端には袋状部材７を支持部材８で接合する。
支持部材８は第３図に示す如く、管部材６の外周
から径方向に伸びる様に接合する。また、部材
６・７の間の開口１２を塞がない様に幅の小さい
ものを用いる。管部材６を接合する端材３の中央
は、フランジ９で作り、管部材６を螺子接合す
る。開口１２の端部から端板３の球面までの距離
Ｈは、圧入水の速度、端板３の曲率、本体２の管
径等に応じて所望のピストン流ができる様に、管
部材６を螺進退して調節し、この調節後に管部材
６はフランジ９に溶接する。１０はガスケツト
で、端板３とフランジ９の間を密封する。ドレン
溜室１の下部には排出通路１３を開口し、この通
路１３はドレン溜室１の上部に設けた混合室１４
を通して外部の給水タンク（図示せず）に連通す
る。ドレン溜室１と混合室１４の間の排出通路１
３には、給水ポンプの運転時に閉弁し、停止時に
開弁する電動弁１５を配す。混合室１４から給水
タンクへ向う排出通路１３には、混合室１４、ド
レン溜室１およびドレン溜控室１６が所定圧力以
上になつた時に開く圧力調節弁１７を配す。ドレ
ン溜控室１６は蒸気使用機器に取り付けたスチー
ムトラツプ１８から排出された復水を導く復水通
路１９が開口する。ドレン溜控室１６と混合室１
４は均圧通路２０を通して連通し、控室１６内で
発生した再蒸発蒸気はこの通路２０を通して混合
室１４内の残留水と混合して凝縮される。ドレン
溜控室１６の天井には冷水を噴霧してこの室１６
内の復水の冷却、再蒸発蒸気の凝縮を行う冷水噴
霧手段２１が取り付けられ、この手段２１は検出
部２２からの信号に応じて控室１６内を所定圧力
以下に維持する様に冷水噴霧量を調節する。ドレ
ン溜控室１６はドレン溜室１の上部に開口する導
入通路２３を通してこの溜室１に連通する。ま
た、ドレン溜室１の上部にはこの室１内の復水等
をボイラ（図示せず）へ圧送する圧送通路２４が
開口し、両通路２３・２４は同一の管部分２５に
合流する。管部分２５は端板４の球面の中央に対
向して開口し、この開口端から球面までの距離は
所望のピストン流ができる様に設計する。通路
５，２３，２４には各々矢印方向にのみ流体を流
す逆止弁２６，２７，２８を配す。

上記実施例の動作を説明する。給水ポンプの停
止時、電動弁１５は開弁、逆止弁２６はドレン溜
室１内の圧力で閉弁、逆止弁２７はドレン溜室と
ドレン溜控室１６の圧力差で開弁、逆止弁２８は
ボイラ側圧力で閉弁する。復水通路１９を通して
ドレン溜控室１６に溜つた復水は、導入通路２３
を通してドレン溜１へ流下する。この時、復水は
端板４向きに噴出し、この端板４に衝突してドレ
ン溜室１の横断面一杯に広がるピストン流にな
る。この為に、ドレン溜室１内の残留水は復水と
混合せず、下部の排出通路１３を通して混合室１
４および給水タンク側へ押し出される。

給水ポンプの運転時、電動弁１５は閉弁、逆止
弁２６は補給水圧力で開弁、逆止弁２７はドレン
溜室１とドレン溜控室１６の圧力差で閉弁、逆止
弁２８はドレン溜室１内圧力で開弁する。補給水
は圧入通路５の開口部に設けた管部材６、袋状部
材７を通つて端板３向きに噴出し、ドレン溜室１
の横断面一杯に広がるピストン流になる。この為
に、ドレン溜室１内に溜つた復水は補給水と混合
せず、上部の圧送通路２４を通してボイラ側へ圧
送される。圧送通路２５は図示の如く端板４の中
央の最も高い部分に対向して開口するので、復水
は残留せず圧送される。復水の圧送量が不足であ
れば、ボイラ側が必要とするまで後続の給水が圧
送され続ける。この圧送の間、スチームトラツプ
１８から排出された復水はドレン溜控室１６内に
一時貯留される。以後、給水ポンプの運転に応じ
て復水の圧送作用を繰り返し行う。ドレン溜室１
の両端の端板３・４は、凹球面状で耐圧性が高ま
る。

本発明はドレン溜室の両端を内面が凹球面の板
で作り、その中央部分に対向して圧入通路および
導入通路を開口したので、この通路から噴出した
流体は端の球面に当つてドレン溜室の横断面一杯
に広がるピストン流になる。従つて、ドレン溜室
が大径であつても、導入復水と残留水、復水と導
入補給水は混合せず、復水のみを優先的に導入圧
送できる。また、圧送通路はドレン溜室の上端の
球面の中央で最も高い部分に位置して開口するの
で、圧送時にドレン溜室内に復水を残留させずに
圧送できる。更に、ドレン溜室の両端を球面状に
することにより、この容器の耐圧強度を高めるこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の復水回収ポンプ装
置の概略断面図、第２図は第１図の圧入通路の開
口部の部分拡大断面図、第３図は第２図のＡ−Ａ
線断面図。 １……ドレン溜室、２……本体、３，４……内
面が凹球面の端板、５……圧入通路、６……管部
材、７……袋状部材、１２……開口、１３……排
出通路、１５……電動弁、１６……ドレン溜控
室、１７……圧力調節弁、１９……復水通路、２
０……均圧管、２１……冷水噴霧手段、２３……
導入通路、２４……圧送通路、２６，２７，２８
……逆止弁。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 円筒状管部材の本体の両端に端板を接合して
   作り縦長に配したドレン溜室手段、ドレン溜室の
   下部に開口した、給水ポンプからの補給水の圧入
   通路手段、ドレン溜室の下部に開口した、ドレン
   溜室内の残留水の排出通路手段、ドレン溜室の上
   部に開口した、復水の導入通路手段、ドレン溜室
   の上部に開口した、ドレン溜室の導入復水などを
   ボイラに導びく圧送通路手段、並びに、給水ポン
   プの運転時には圧入通路と圧送通路を開き排出通
   路と導入通路を閉じ、停止時には圧入通路と圧送
   通路を閉じ排出通路と導入通路を開く手段を有す
   るものにおいて、少くとも、下端板の内面は凹球
   面で中央部に圧入通路が対向して開口している、
   又は上端板の内面は凹球面で中央部に導入通路、
   圧送通路若くはその両通路が対向して開口してい
   ることを特徴とする復水回収ポンプ装置。