JPS621894Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はラツト、マウス等の実験用小動物を収
容する飼育ケージをセツトする組立式ケージ架台
に関し、実験終了ごとに行なうオート・クレイブ
による滅菌作業に際し多数台を収容しえる如くし
たことを目的とするものである。

従来、一般に用いられているこの種のケージ架
台は、単に四方へ配す支柱材と梁材並びに適宜枚
数の棚板とを溶接をもつて固定した一体構造を採
つてなる。即ち、今までのケージ架台はケージの
収容個数に応じた巾を有する固定タイプの大型枠
体構成である。このため、ケージ架台自体の滅菌
作業となる高圧蒸気噴出のオート・クレイブへの
収容に当つて、収容面積には限度があり、せいぜ
い２，３台しか一挙に入れられず、面倒な作業を
しいられる結果となつている。勿論、不使用時に
あつても、折畳みが出来ないために格納、運搬に
支障を招いている。

本考案は上記実情に鑑み、必要時（オート・ク
レーブ搬入時等）にコンパクトとなるよう畳み得
る組立式ケージ架台を提出するものである。

即ち、本考案は棚桟を配した２枚の梯子状架台
側枠と架台棚数より１枚多い複数枚の棚と、該架
台側枠と棚を差渡し組立てた架台本体の背面の棚
間にあつて差渡し装置する給水パイプ付補強材と
を形成し、対向の架台側枠間に複数枚の棚を差渡
しすると共に、該各棚間背部に給水パイプ付補強
材を介在し使用状態のケージ架台とするか、片方
の架台側枠に突設の短尺枠杆を他の架台側枠へ直
接連結し細幅の畳み架台とし、該畳み架台杆間に
外した棚群を垂直重ね収容し、オート・クレイブ
中へ多数台搬入し得る如くしたものである。

以下、本考案を実施例の図面に基づいて説明す
れば、次の通りである。

１，１は前後にＵ状棚受溝２を切込みしてなる
棚桟３を複数本配した梯子状架台側枠で、該架台
側枠１の前後の支柱部１ａの下端にはキヤスター
４を備えてなり、且つ片方の架台側枠１の上下に
は横突出の短尺枠杆５を配してなる。６はケージ
７の収容個数巾をもつ矩形状棚で、該棚６の両端
面６ａの前後に前記棚受溝２へ落し嵌合する支持
ピン８を突設し、又該棚６の下面には鉤折れとな
るケージ受桟部９を突設してなる。１０は中央部
を角柱の給水パイプ部１０ａとし両端に支持片部
１０ｂを配す梁部１１とこの中央下部に下段の棚
６へ係止する止め座１２を有するＶ状の筋かい部
１３を配した給水パイプ付補強材である。１８は
蝶ネジとなる止具である。

いまケージ架台の形成に際し、先ず一対となる
架台側枠１，１を一定間隔をもつて対向させ、こ
の状態において棚６の両端面６ａに有する支持ピ
ン８を、該各架台側枠１の棚桟３の上縁に開口し
たＵ状棚受溝２へ単に落し嵌合するだけで係合
し、該棚桟３面と棚６の端面６ａが面接触しこじ
れを招かない架台組みとなる。この場合、複数本
の棚６は各棚桟３に対応するよう差渡し全体とし
て架台本体１５を形成する。又、このときの棚６
の枚数は棚数より１枚多く、最下位にセツトした
棚６は底棚使用となる。次に、この架台本体１５
の背面位置にあつて、各棚６間の間隙部１５ａに
給水パイプ付補強材１０を差渡し筋かい使用とす
る。即ち、給水パイプ付補強材１０の両端に配し
た支持片部１０ｂに切欠の係合溝１６を、支柱部
１ａに穿つたネジ孔１７に予め螺合した止具とな
る蝶ネジ１８の軸部１８ａへ係合し、該蝶ネジ１
８を螺挿して締付けるものである。勿論、係合溝
１６とネジ孔１７を合致した状態で蝶ネジ１８を
螺挿してもよい。この後、下部にＶ状となる筋か
い部１３の中央に下向き突設の止め座１２の係合
溝１６を、棚６の背面端面６ｂに穿つたネジ孔１
７に螺合の蝶ネジ１８の軸部１８ａへ係合し、該
蝶ネジ１８を螺挿して締付ければ、架台本体１５
は変形を招かない堅固なケージ架台１５′とな
る。

この様に構成したケージ架台１５′にケージ７
を吊架設する場合、ケージ７の上縁両側に突設の
吊顎部７ａを正面位置にあつて、棚６の下面両側
部に突設したケージ受桟部９へ掛けて差込めば、
該ケージ７は棚６の下部に吊架されるものとな
る。このケージ７の構成は、図示にあつては３室
連続の構造であり、該ケージ７を２個併設するタ
イプを採つてなる。勿論、ケージ７は単独のケー
ジでもよく、このときは棚６の下面に突設するケ
ージ受桟部９の数を、ケージ個数に対応する数と
する。又、この様に吊架されたケージ７の各下部
位置には、汚物受け皿１９を下段の棚６の上面に
載置するものである。

然る後、ケージ架台１５′の背面に装着の各段
の給水パイプ付補強材１０にある給水パイプ部１
０ａの端に設けた直交の案内パイプ２０に、給水
槽（図示せず）より導いた配管ホース２１を連続
的に接続すると共に、該給水パイプ部１０ａの側
面のケージ間隔をもつて穿つた流水孔２２に差込
んだ給水ホース２３を、夫々のケージ７中へ案内
するものである。

次に、飼育実験が終りケージ架台１５′をオー
ト・クレイブ（図示せず）へ搬入し滅菌を行なう
場合は、先ず前記と逆にケージ７へ臨む給水ホー
ス２３、配管ホース２１を外し（勿論、ケージ７
群はケージ架台１５′より抜き取つておく）、給水
パイプ付補強材１０の両端及び中央下部を止めて
なる蝶ネジ１８を緩め又は抜き取り、該給水パイ
プ付補強材１０を外し、この後対向の架台側枠１
間に差渡された棚６群を、単に持上げるだけで支
持ピン８が棚受溝２より離反し取出せる。即ち、
蝶ネジ１８の緩めだけで架台側枠１、棚６、給水
パイプ付補強材１０が簡単に分離しえるものとな
る。

この後、一対の架台側枠１，１を直接連結し細
幅の畳み架台１５″とする。即ち、一方の架台側
枠１に横突設した短尺枠杆５の先端に切欠して配
した係合溝１６を他の架台側枠１の支柱部１ａに
螺合した蝶ネジ１８部に係合し締付ければ、細幅
の枠組みされた畳み架台１５″となる。この場
合、短尺枠杆５の長さは少なくとも棚６の枚数の
厚さ分をもち、又下部に配す短尺枠杆５の形状
は、山形鋼状を呈しその水平鉤折部５ａを棚受け
面としている。

ここにおいて、分離した複数枚の棚６を垂直状
（起立状）とし畳み架台１５″の枠間中へ順次重ね
るよう挿入し、下面を下部の短尺枠杆５の水平鉤
折部５ａに載せてセツトする。

従つて、全体としてコンパクトな形態となるの
でオート・クレイブへ多数台を収容し得るものと
なる。この場合、給水パイプ付補強材１０群はそ
れだけを束ねて収容する。又、不使用時の格納に
当つても、畳み架台１５″としておけば収容面積
を取らないものである。

上述のように本考案に組立式ケージ架台は、架
台本体を一対の架台側の複数枚の棚を差渡しピン
係合すると共に、給水パイプ付補強材にて筋かい
補強とする構成としてなるため、簡単に変形
（歪）を招かない堅固なケージ架台となる。又オ
ート・クレイブへの収容に際しては、棚組みを外
し一対の架台側枠を短尺枠杆をもつて直接連結し
簡単に細幅の畳み架台とし、外した棚群を垂直収
容するため、多数台のケージ架台を一挙に収容し
える（ちなみに、固定ケージ架台を２台程度しか
収容しえないオート・クレイブにあつて、細幅の
畳み架台とすれば10台を収容しえる）。しかも、
この架台側枠と棚の係合は、該棚に突設の支持ピ
ンを棚桟のＵ状棚受溝へ落し込むだけでよく、且
つ給水パイプ付補強材及び短尺枠杆の係止は、蝶
ネジ等の止具をもつて行なうため工具なしに簡単
に締付けられる（勿論、蝶ネジの外に差込みピ
ン、フツク、クリツプ等の各種簡易止具を用いて
もよい）。又、架台側枠の下端にはキヤスターを
備えてなるため、棚組み架台時、畳み架台時にあ
つて従来の固定ケージ架台と同様に移動に支障を
来たさない等の実用的効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
斜面図、第２図は背面よりみた斜面図、第３図は
架台側枠部の斜面図、第４図Ａ，Ｂは棚部の斜面
図、第５図は給水パイプ付補強材部の斜面図、第
６図は畳み架台へ棚を収容する説明図、第７図は
給水パイプ部の説明図、第８図は止具の斜面図で
ある。 １……梯子状架台側枠、２……棚受溝、３……
棚桟、５……短尺枠杆、６……矩形状棚、８……
支持ピン、９……ケージ受桟部、１０……給水パ
イプ付補強材、１０ａ……給水パイプ部、１３…
…筋かい部、１８……蝶ネジ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 棚受溝を有する複数本の棚桟を配した梯子状架
   台側枠を２枚と、両端に前記棚受溝へ嵌合する支
   持ピンを突設し下面にケージ受桟部を設けた矩形
   状棚を複数枚と、両端を架台側枠に係止し中央を
   下段の棚部に係止する給水パイプ付補強材を複数
   本と、適宜個数の蝶ネジ、支持ピン等よりなる止
   具とを形成し、対向せる架台側枠間に複数枚の棚
   を差渡し形成した架台本体の各棚間の背面に、給
   水パイプ付補強材を夫々介在しケージ架台とする
   か、片方の架台側枠の上下位置に突設した少なく
   とも複数枚の棚厚の長さをもつ短尺枠杆端を他の
   架台側枠へ直接連結し細幅の畳み架台とし、該畳
   み架台の下部枠杆上に棚群を垂直収容する組立式
   ケージ架台。