JPS62183757A - 人工血管及びその製造方法 - Google Patents

人工血管及びその製造方法

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JPS62183757A
JPS62183757A JP61025540A JP2554086A JPS62183757A JP S62183757 A JPS62183757 A JP S62183757A JP 61025540 A JP61025540 A JP 61025540A JP 2554086 A JP2554086 A JP 2554086A JP S62183757 A JPS62183757 A JP S62183757A
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JP
Japan
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plasma
treated
artificial blood
blood vessel
nonwoven fabric
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JP61025540A
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English (en)
Inventor
吉川 悦雄
義和 近藤
康弘 小川
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Kanebo Ltd
Original Assignee
Kanebo Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は人工血管に関する。さらに詳しくは内面が特に
すぐれた抗血栓性を有し、直径の小さい部位にも使用可
能な人工血管及びその製造方法に関する。
(従来の技術) 人工血管に関する研究は今は紀の初頭より数多くなされ
てき′ており、その成果としてポリエステル繊維の管状
織編物及び延伸ポリテトラフルオロエチレンの多孔性チ
ューブが実用化されている。
しかしこれらの実用段階にある人工血管はその適用部位
が内径6mm以上の比較的太い動脈に限られでおり、こ
れ以下の小動脈や静脈用についてはまだ充分な臨床成績
をあげるに至っていない。その理由としては小動脈の場
合、小直径であるがゆえに凝血が生じた場合閉塞しやす
いこと、さらに小動脈や静脈では血流速度が遅いため凝
血の成長が速く、閉塞しやすいことがあげられる。また
、現在実用化されている人工血管はすべてのものが最終
的には生体による偽内膜形成により抗血栓性を獲得し、
安定化されるものであるが、この場合内皮の過形成によ
る血管内腔の狭さくが発生し、これが原因となって閉塞
することがある。これには人工血管の構造、例えば新生
内皮の保持能力が低い場合に起こるとも考えられている
上記の様な問題点を克服し、性能のすぐれた人工血管を
開発しようとする試みが近年数多くなされている。なか
でも、人工血管の材料をエラストマーに求めたもの、特
にエラストマーのうちでもポリウレタンを用いたものが
数多く提案されている。それらは大別すればエラストマ
ーを繊維形態として用いるものと多孔体として使用する
ものとになる。
このうち繊維形態として用いるものとしては、ポリウレ
タンよりなる繊維形成重合体を含有する液体組成物を静
電気的に紡糸して繊維とし、かかる繊維を形付き成形真
上に捕集して得た導管補綴材及びその製法(特開昭52
−110977号公報)、上記成形具を改良した製法(
特開昭54−151675号公報)、該人工血管の力学
的特性を生体血管と同一としたもの及びその製法(特開
昭59−11864号公報)及び静電気紡糸により得ら
れる繊維構造物の一方の側と反対側で繊維形成重合体組
成物を変化させたもの及びその製造方法(特開昭60−
190947号公報)がある。
さらに別の方法としては、心棒上に繊維材料を押し出し
ながら該心棒を回転させて巻きとり、多孔性チューブと
する方法(特開昭58−157465号公報)、?リマ
ー溶液をノズルを通してスプレーすることにより単繊維
とし、これを心棒に巻きつけて管状人工血管とする方法
(特開昭59−181149号公報)がある。
ポリマーを多孔化するものについでも付言すれば(特開
昭57−150954号公報、特開昭59−22505
3号公報、特開昭60−2254号公報等)があるが、
これら゛はいずれもポリマー溶液を出発とするものであ
り、多孔化方法は無機塩や他の水溶性物質等の造孔剤を
ポリマー溶液に混合し、相形後この無機塩を溶解除去す
ることにより多孔化したり、ポリマーの良溶媒と貧溶媒
の置換により微孔を生じさせ、多孔化するものである。
(発明が解決しようとする問題点) 上記提案の主たる目的は抗血栓性にすぐれた材料を用い
、かつ力学的特性を生体血管に近似させることにより血
栓形成を防止し、さらには多孔性とすることにより新生
組織の侵入、保持を良くしようとするものである。
しかしながら、と記提案はほとんどがポリマーを有機溶
液として用いるため、人工血管とする場合、溶媒の完全
除去が不可欠であること、そしてこの溶媒除去が困難で
あり、工程が複雑になることが問題である。静電気紡糸
においては高電圧を必要とするので危険であり、又装置
が複雑となるという欠点を有する。さらに多孔化法につ
いて言えば、独立気泡を多く有するスポンジ状多孔体と
する方法は、血管としての力学的強度が低下子るばかり
でなく、管全体の力学的特性の均一化が困難であるとい
う問題点を有している。また、全体を抗血栓性材料とし
た場合抗血栓性がすぐれていれば、管壁に連通孔が存在
する場合該連通孔からの漏血が問題になる。
本発明の目的は上記の間」点を屏決し、内面がすぐれた
抗血栓性を有し、かつ外面よりの組織侵入が容易で治ゆ
安定化にすぐれるとともに、力学的性質にもすぐれた小
口径人工血管に応用町浦な人工血管を提供することにあ
る。
また、他の目的はかかる人工血管を一切溶媒を使用しな
い完全なドライプロセスにより、安価で効率的に製造す
る方法を提供することにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明は、ポリウレタン弾性繊維が相互に接合された多
孔性の管状体よりなり、かつ該管状体の少なくとも内面
がオルガノシロキサンの低温ガスプラズマ処理されてな
る人工血管である。
また本発明の方法は、熱可塑性ポリウレタン弾性体を熔
融紡糸後、高速高温気体に随伴し細化して得られた実質
的に連続したフィラメントをシート状に積層して得られ
たポリウレタン弾性繊維不織布にオルガノシロキサンの
低温ガスプラズマ処理を施し、次いでプラズマ処理を施
した不織布を芯棒に巻き付け、加熱成型し多孔性管状体
とすることを特徴とする。
本発明の人工血管およびその製造方法に適用するポリウ
レタン弾性繊維は公知の熱可塑性ポリウレタン弾性体よ
りなる繊維であり、分子量500〜6000のポリオー
ル、例えばジヒドロキシシリコーンル、ジヒドロキシポ
リエステル、ジヒドロキシシリコーン、およびこれらの
ブロック共重合体等と、分子1500以下の有機ジイソ
シアネート、例えばp、p′−ジフェニルメタンジイソ
シアネート、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレ
ンジイソシアネート等と、鎖伸長剤、例えば水、ヒドラ
ジン、ジアミン、グリコール等との反応【ζより得られ
るポリマーからなる繊維である。
これらのポリマーのうち特に良好なものは、ポリオール
としてポリテトラメチレングリコールまたはポリテトラ
メチレングリコールとシリコーンのブロック共重合体を
用いたポリマーである。また有機ジイソシアネートとし
てはp、p’−ジフェニルメタンジイソシアネートが好
適である。また、鎖伸長剤としてはグリコールが好適で
、1,4−ブタンジオールが特に好適である。
本発明の方法に用いるポリウレタン不織布は、例えば次
の方法で製造することができる。前記の熱可塑性ポリウ
レタン弾性体を熔融し、例えば特公昭41−7883号
公報に記載された紡糸装置を用い、紡糸口金から吐出し
ノズルの両端から噴出する高温気体流によりフィラメン
トを細化せしめる。細化されたフィラメントは実質的に
集束されることなく、例えば移動するコンベアネット等
の捕集装置上で気体流と分離され、該ネット上に積層さ
れる。積層されたフィラメントは自己の有する熱により
互いに接合される。捕集装置上に積層後冷却固化する前
または後にローラー等を」い加熱加圧して接合せしめて
もよい。
ポリウレタン弾性繊維の平均直径は30ミクロン以下が
好ましく、特に20主クロン以下が好適である。Pt?
4%ffiの直径が大きいと人工血管内壁の粗度が大き
くなり血栓が生成しやすくなる。
このようにして掃られたポリウレタン弾性!a維不織布
としては、目付10 g/m2〜50り7m2のものが
好適である。目付が小さいと取扱いが回想となり、大き
いと芯棒に捲きつけた端が段になりやすい。
#赤 本発明の管状体は少なくとも内面がオルガノシロキサン
の低温ガスプラズマにて処理されている事が必要である
不織布のプラズマ処理において、処理の程度は、不織布
の形状、多孔性及びプラズマ処理における位置、プラズ
マ条件等により各々異なる。不繊布の多孔性が大きく(
繊維密度が小さく)、厚さが薄い場合は、不織布の表裏
、内外ともほぼ均一に処理されるが、不織布の多孔性が
小さく(繊維密度が大きく)、厚さが厚い場合は、市外
の処理の程度が変わり、又、不織布のおかれる位置、プ
ラズマ条件により表裏での処理の程度が異なる。プラズ
マ重合膜は、不織布表面或いはポリウレタン繊維表面に
通常501〜1001以上形成されている。これは、表
面の電子顕微鏡観察、接触角測定、1凡やESC八等の
分光学的測定より確認される。
プラズマ重合・処理法の大きな特徴は、50λ〜100
λといった超極薄膜でも均一に付与できる事である。
本発明に用いるオルガノシロキサンはプラズマよく特に
限定はしないが、重合の安定性、条件の容易さ、反応効
率の高さ等から、下記一般式■。
■、■で示すオルガノシロキサンが好ましい。
一般式 %式% 特に、プラズマ重合膜の均一性、力学物性取扱いやすさ
の点で好ましいのは前記一般式■に示すものであり、中
でもmが2〜6のものがよい。例えばヘキサメチルシク
ロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサ
ン、1.3.5)リメチル−1,3,5)リフェニルシ
クロトリシロキサン、トリフェニルシクロトリシロキサ
ン、1,3゜5.7−チトラメチルー1.3.5.7テ
トラビニルシクロテトラシロキサン、1,3,5.7−
チトラメチルシクロテトラシロキサン、ヘキサフェニル
シクロトリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキ
サン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサンなどである
オルガノシロキサンのプラズマ重合により得られた重合
膜の構造は、必ずしも定かでない。これはプラズマ重合
により得られるエネルギーの巾が極めて広く例えばθ〜
数十eyにまで亘るエネルギーを有する。即ち、この巾
広いエネルギーの分布により、オルガノシロキサンの重
合部位にあまり選択性がなく切断及び再結合を生じる為
に、重合膜の一次構造は、あぢ特定の化学式では表示で
きない。例えばヘキサメチルシクロトリシロキサン(H
MT8)のプラズマ重合膜のIRスペクトル樹脂と殆ん
ど同じスペクトル分布及び各スペクトルの吸収強度及び
比であり、この事はモノマーの構造をかなりの程度維持
し、ある程度の架橋構造を有したプラズマ重合膜が生成
している事を示す。
又、プラズマ重合膜は、プラズマ重合時間と共にプラズ
マ重合膜の形態、化学組成の変化があり、次第に無機質
化、架橋密度の増大があるが、本発明の目的の為にはあ
まり無機質化、架橋密度の増大はない方がよい。プラズ
マ重合膜の無機質化、架橋密度の増大に伴い、オルガノ
シロキサンプラズマ重合膜の有する表面物性(接触角、
表面エネルギー、平滑性等)や弾性の変化があるからで
あるO オルガノシロキサンのプラズマ重合膜の組成・4造ば必
ずしも定かではないが、重合膜の溶剤溶解性がない事、
水に対する接触角が100°以上、好ましくは1956
以上である事(接触角が小さいと血栓が生成しやすく好
ましくない)、及びシロキサン構造の導入により特徴づ
けられる8i−0,8i−0−8iの吸収がI’R或い
はEaCム等で認められる事が特徴としてあげられる。
プラズマ重合膜の厚さは、好ましくは50λ以上、更に
好ましくはxooiであればよい。電子顕微鏡観察によ
ると、高々10μmの厚さの均一な膜を形成しており、
本発明の不織布ではこれらの構成繊維の表面を薄い膜で
被っている事がわかる。
本発明の人工血管の構造としては、直径方向の断面がプ
ラズマ処理層を内層としプラズマ処理されていない層を
外層とする同心円状の二層構造よりなる人工血管(第1
図)、あるいは直径方向の断面がプラズマ処理層とプラ
ズマ処理層されていない層が交互に配置された同心円状
の多層構造よりなり、かつプラズマ処理層が内側に位置
する人工血管(第2図)、あるいは直径方向の断面がプ
ラズマ処理層とプラズマ処理されていない層が交互に配
置され、かつ該二層が全体として螺旋状の配置をとる多
層構造よりなり、かつプラズマ処理層が内側姿こ位置す
る人工血管(第3図)が好適である。また、片面のみに
フッ素化合物の低温プラズマ処理を施した不織布をプラ
ズマ処理面を内側として芯棒に巻き付け、加熱成型した
多孔性管状体(第4図°)も好適である。いずれの場合
にもプラズマ処理層が最内層に位置することが肝要であ
る。プラズマ処理層が内側に位置しない場合には折角の
プラズマ処理の効果が発揮されない。
管状体の多孔性は一般には孔径分布と気孔率で表わせる
が、人工血管の場合透水率で表現するのが一般的であり
、かつ実際的でもある。特に、本発明の多孔性管状体の
ように繊維の構造体よりなる場合には透水率で表わすの
が好ましい。透水率とはl 2 Q mmH9の圧力下
で人工血管の管壁ICm2当り1分間に通過する水t(
ml)をいう。本発明においては、この透水率が300
0 ml1分以下、好ましくは1500 ml1分以下
、さらに好ましくは500 ml/l/下である。
本発明の低温ガスプラズマは常法により発生させる事が
できる。例えば通常10−4〜10 Torr。
好ましくは10−8〜10’  Torr、更に好まし
くは5 X 10 ”〜5X I Q ITorrの真
空度において高電圧を印加する事によって発生させる。
高電r:r、!+百弾¥で え ズ冥4¥1 l ヨT
台仲1 本 1 に   −二 ザ呻Σ露生の容易さ、
プラズマの安定性、処理効果の均一性から18.56 
ME[zの高周波の使用が好ましい。
高周波電圧印加用の電極は、プラズマ反応器の内部にあ
る内部電極方式及び外部に設けた外部電極方式があるが
、工業的には平行平板電極を有する内部電極方式が好ま
しい。
不織布のプラズマ処理は平行平板電極の間に不織布を挿
入し、オルガノシロキサンの低温ガスプラズマを発生さ
せる事により行なう。オルガノシロキサン低温ガスプラ
ズマは、高周波電圧が印加されている低圧空間にオルガ
ノシロキサンのガスを導入し、活性化する事により発生
させる。活性化されたオルガノシロキサンは気体中或い
は基板表面で重合し、基板表面に極めて薄い均一なプラ
ズマ重合皮膜を形成する。
プラズマ重合皮膜の組成、構造はプラズマの出力、真空
度、モノマー流量、基板温度、等プラズマパラメーター
と呼ばれる重合条件により変化する。
オルガノシロキサンはガス状でプラズマ反応器中へ導入
する。高沸点の化合物については適当な加熱装匝により
加熱・気化し導入する。導入するモノマーの量はプラズ
マの発生状態、及び生成物の性状に大きく影響するもの
であり、通常10−4〜10 TOrr、  好ましく
は10−8〜100  Torr。
更に好ましくは5X 10 ”〜5X I Q ’To
rrである。オルガノシロキサンの圧力が1(14To
rrより小さい場合は、プラズマの発生が十分でなく、
不繊布表面のプラズマ重合膜の形成或いは表面改質は十
分でない。又、10 Torrを越えるとプラズマ発生
が不安定であったり、又は重合物の性状が゛十分でない
か、又は処理が不均一になり好ましくない。モノマーの
導入と同時にモノマーを活性化するガス、例えば窒素、
アルゴン、ヘリウム等のガスの併用も可能である。但し
、モノマー及びこれらのガスの圧力が10−4〜10 
Torrの範囲となる事が好ましい。
プラズマの出力は電極の単位面積当り、通常高々3 W
 / cm2、好ましくは高々2 W / an2 、
更に好ましくは0.05〜I W / cm2である。
3 W 70m”以上では、プラズマ重合膜の架橋度が
大きくなり、皮膜強度の低下や着色或いは基材である不
織布の損傷がある。プラズマ重合時間は長い程十分な重
合膜の形成や表面フツ素化処理が出来るが、反面重合膜
の架橋密度の増大やエツチング等による変性、劣化が生
じる為、通常1〜3600秒、好ましくは30〜180
0秒である。
オルガノシロキサンの低温ガスプラズマ処理に・より、
不織布の表面或いは不織布を構成するポリウレタン繊維
°表面にオルガノシロキサンのプラズマ重合膜の形成が
なされる。続いて、例えば第1図〜第4図になるよう、
プラズマ処理を施した不織布と未処理の不織布を心棒に
巻きつけ成型し、管状体をつ(る。管状体を成型する際
に使用する心棒としては、加熱成型後管状体を引き抜く
ために、ポリウレタン繊維との膠着を生じ難い材質が望
ましく、フッ素樹脂をコーティングした鉄棒、フッ素樹
脂丸棒などが好適に用いられる。尚、加熱成型後芯枠を
引き抜くことが可能なのはポリウレタン弾性繊維よりな
る本願多孔性管状体が伸縮性を有するためであり、伸縮
性のない素材チューブでは殆ど不可能である。
成型に用いる加熱温度および時間はポリウレタン不織布
が、互に接合して一体化させるために70〜200°C
が好ましく、特に100〜180°Cが好適である。こ
のようにして得られる多孔性管状体は、ポリウレタン弾
性繊維の不織布が互に熱により強固に接合され一体化し
たものであり、管状体の内腔の直径及び肉厚は心棒と型
枠の寸法により変えることが出来る。
人工血管という観点からすれば管状体の内腔の直径は2
〜49mmであるが、本発明の特徴を発揮するには2〜
20mIn、さらには3〜15mmであることが好まし
い。管状体の肉厚は0.1〜5皿、好ましくは0.2〜
3皿である。また本発明の人工血管の多孔性は一定の肉
厚の管状体に用いる不繊布の量によって任意に調整する
事が出来る。
本発明のプラズマ処理物が何故良好な抗血栓性を有する
のか不明であるが、シロキサン構造表面の表面エネルギ
ーが小さく、血小板の粘着性が少ない事及びプラズマ重
合表面の為、極めて均質が平滑な表面である事等が考え
られる。
本発明における抗血栓性の評価は1つは以下に述べる今
井−能勢の方法(人工臓器、2.95(ゝ73))に準
じて行なった。
時計皿に試料を密着させて乗せ、37℃の恒温槽につけ
る。この上に0.25 mlの犬の8.1396クエン
酸ナトリウム添加血(犬は雑種成犬を使用)をとり、さ
らに0.1Mの塩化カルシウム0.025ml を加え
、手で少しゆすって血液と混ぜ合わせた後、水分の蒸発
を補うため試料の周辺に少量の水を入れガラス板で時計
皿を覆う。適当な時間間隔で水を加えて凝血反応を停止
させる。スパチュラで凝血物をとり、水中に5分間放置
した後、約3 ml の37%ホルマリンの入った試験
管に移して5分間放置する。その後、秤量までは蒸留水
中に貯える。固定した凝血物はP紙にはさんで余分の水
分を吸い取った後秤量する。血栓生成率はガラス面での
最終生成凝血物の重量を100%として算出する。発明
者らは、特に15分後の血栓生成率に着目して評価を行
った。
抗血栓性の評価の第2として血小板の粘着及び形態の観
察を行った。
生理食塩水でリンスした試料上に雑種成犬の新鮮面より
調製したPRPを滴下する。1公役PRPを除去し、生
理食塩水で洗浄した後、グルタルアルデヒドにて室温固
定、さらにアルコール脱水、臨界点乾燥を行った後、走
査型電子顕微鏡により付着血小板数を観測すると同時に
付着血小板の形態変化を観察゛した。形態変化は次の3
つに分類した。
I型:正常の円盤形から球状化して3〜4本の偽足を出
したもの、材料表面への粘着が比較的弱いもの。
I型:数本以上の偽足を伸ばして偽足の長さの半分まで
薄い泡体を広げたもので強く粘着したもの。
■型:偽足の長さの半分以上に薄い泡体を広げたものか
ら、はぼ完全に泡体を拡張して類円形を呈し、完全に粘
着したもの。
(実施例) 以下、実施例を示し、本発明を更に詳細に説明する。
実施例1 脱水した水酸基価102のポリテトラメチレングリコー
ル5325部(以下、部はすべて重量部を意味する。)
と1,4−ブタンジオール220部とをジャケット付の
ニーダ−に仕込み、攪拌しながら充分に溶解した後、8
5℃の温度に保ち、これにP、P’−ジフェニルメタン
ジイソシアネート1985部を加えて反応させた。
攪拌を続けると約30分で粉末状のポリウレタンが得ら
れ、これを押出機によりペレット状に成形しジメチルホ
ルムアミド中25°Cで測定した濃度1g/1007!
1(7)相対粘度が2.25 (7)ポリウレタン弾性
体を得た。
このようにして得たポリウレタン弾性体のペレットを原
料とし、1列に配列した直径0.8mmのノズルの両側
番こ加熱気体の噴射用スリットを有する溶融ブロー紡糸
装置を用い溶融温度233°C1ノズル当り毎分0.1
59の割合でポリマーを吐出し、200℃に加熱した空
気を8.5 kg/cm2 (7)圧力でスリットから
噴射して細化した。細化したフィラメントをノズル下方
25cm に設置した3゜メツシュの金網からなるコン
ベア上で捕集し、ローラーではさんで引取り不織布を得
た。この不織布はポリウレタン弾性繊維のモノフィラメ
ントが開繊されてmiしており、フィラメント間の交絡
点は互に融着により接合されていた。この不織布の物性
値は次のごとくであった。
日    付             1 5 97
m2引張強力      0.12 kg/Cm破断伸
度      520% 剛軟度    10mm フィラメント直径  5ミクロン 次いで、この不織布を第5図に示す装置にてジメチルシ
クロトリシロキサンを用いてプラズマ処理を行った。プ
ラズマ処理の条件はプラズマ反応器内の真空度が0.6
 mbarとなるようジメチルシクロトリシロキサンを
導入し、18.56 MHzの高周波を50Wの出力で
、5分間低温ガスプラズマを発生させ不織布を処理した
。不熾布表面のフッ素化は良好に達成でき、水に対する
接触角は102.1:0であった。
次いで、プラズマ処理を施した不織布(ム)をプラズマ
処理面が内側になるように、直径4冊のフッ素街脂をコ
ーティングした芯棒に捲付け、その上からプラズマ処理
を施していない不織布(B)を捲きつけ、更に離型紙を
捲きつけた後、内径6mmの円筒状の型枠に入れ、15
0″Cで30分間加熱した。・冷却後、型枠からとり出
し、離型紙をはがし、芯棒を引き抜いてポリウレタンの
多孔性の管状体を得た。この管状体は不織布が互に強固
に接合され、一体化した溝道であった。
この管状体の透水率を測定したところ2−2−5O/分
 であった。さらに、本明細書中に述べた方法で抗血栓
性の評価を行った結果を第1表に示す。第1表より内面
の抗血栓性が非常にすぐれており、人工血管として最適
であることがわかった。
また、材料の力学的特性もプラズマ処理前後で変化しな
かった。
第   1   表 血栓生成率はガラス面を100とした場合の15分後の
血栓生成率である。
実施例2 実施例1で得られたプラズマ処理を施した不織布(A)
とプラズマ処理を施していない不織布(B)を用い、直
径8皿のフッ素樹脂をコーティングした芯棒にムを最内
側として、ムとBを交互に3層ずつ捲きつけた。これを
実施例1と同様な方法で加熱、成型し多孔性の管状体を
得た。
この管状体は透水率が500m1/分であった。
内面の抗血栓性は実施例1と同様の好結果を示した。
実施例3 実施例1と同様な方法で、ソフトセグメントとしてポリ
テトラメチレングリコールとポリジメチルシロキサンの
混合物(重量比4:1)を用いてポリウレタンを合成し
、日付2 s 9 / m2、フィラメント平均直径2
0ミクロンの不織布とした。
この不織布ti実施例1と同様にプラズマ処理を施しC
C)、プラズマ処理を施していない不繊布と重ね合わせ
、フッ素樹脂をコーティングした直径6rnmの芯棒に
捲きつけ、加熱成型して多孔性の管状体を得た。尚、プ
ラズマ処理は実施例1と同様に行ない、接触角102.
3°のオルガノシロキサンのプラズマ処理面が得られた
この管状体は透水率が5ooml/分であり、抗血栓性
の評価では内面がガラス100に対し23と低い血栓生
成率を示し、また血小板の粘着も少なく、かつ粘着血小
板の形態変化もすべて■型であり良好な抗血栓性を有し
ており、人工血管として適していることがわかった。
実施例4 実施例3で得られたプラズマ処理を施した不織布(C)
をプラズマ処理面が内側となるようにフッ素樹脂丸棒よ
りなる直径3mmの芯棒に捲きつけ、150°Cで30
分間加熱、成型して多孔性の管状体を得た。
この管状体は透水度が300 ml1分 であり、又内
面の抗血栓性は実施例3と同様の良好な結果を示した。
(発明の効果) 本発明の人工血管は、ポリウレタン弾性#aIXが相互
に接合された多孔性の管状体・であるためポリウレタン
の弾性を始めとする生医学材料としての良好゛な特性を
利用できるとともに、生体組織の侵入に有利でありかつ
生体組織を保持し易いという利点を有する。さらに、少
な(とも血液接触面がオルガノシロキサンの低温プラズ
マ処理により高い抗血栓を与えられているtこめ、内面
の高い抗血栓性を併せもち、小口径の人工血管としても
使用できるという特長を有する。
又、本発明は力学的に良好なポリウレタン弾性am上ヘ
オルガノシロキサンのプラズマ重合膜を形成させる為に
、材料の力学的メリットを生かし、かつ材料の表面物性
のみを抗血栓性に変化させたものであり、従来の材料に
みられた成形性の悪さ、力学的強度の低さ、耐久性の低
さ、又抗血栓性の変化等の欠点を大きく改良したもので
ある。
又、本発明方法は溶剤を一切用いない完全なドライプロ
セスであるため、溶剤の残存による人体への障害を考慮
する必要がなく、全く安全であり、さらに特殊な材料、
プロセス、条件をとらない為に極めて安価に製造できる
蔓、大きなメリットがある。更に直線状の人工血管以外
にテーパ一つきのもの、枝分れのあるものなどもそれぞ
れに合った成形具を使用すれば容易に製造できる。
【図面の簡単な説明】
第1図から第4・図は本発明の人工血管の断面形状を模
式的に示したものである。 −第1図は、プラズマ処理層を内層としプラズマ処理さ
れていないj」を外層とする同心円状の二層溝道よりな
る人工血管を示す。第2図は、プラズマ処理層とプラズ
マ処理層されていない層が交互に配置された同心円状の
多層構造よりなり、かつプラズマ処理層が内側に位置す
る人工血管を示す。 第3図は、プラズマ処理層とプラズマ処理されていない
贋が交互に配置され、かつ該二層が全体として螺旋状の
配置をとる多層構造よりなり、かつプラズマ処理層が内
側に位置する人工血管を示す。 第4図は、片面のみプラズマ処理した不織布をプラズマ
処理面が内面になるよう成形した人工血管を示す。 第5図はプラズマ重合装置の一例を示し、高周波発振器
(1)、電極(a、 9 )、モノマー供給系(7゜8
.10.11)、処理用不織布(4)及び排気系(5)
よりなる。 第1図     第2図

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)ポリウレタン弾性繊維が相互に接合された多孔性
    の管状体よりなり、かつ該管状体の少なくとも内面がオ
    ルガノシロキサンの低温ガスプラズマ処理されてなる人
    工血管。
  2. (2)直径方向の断面がプラズマ処理層を内層とし、プ
    ラズマ処理されていない層を外層とする同心円状の二層
    構造よりなる特許請求の範囲第1項記載の人工血管。
  3. (3)直径方向の断面がプラズマ処理層とプラズマ処理
    されていない層が交互に配置された同心円状の多層構造
    よりなり、かつプラズマ処理層が内側に位置する特許請
    求の範囲第1項記載の人工血管。
  4. (4)直径方向の断面がプラズマ処理層とプラズマ処理
    されていない層が交互に配置され、かつ該二層が全体と
    して螺旋状の配置をとる多層構造よりなり、かつプラズ
    マ処理層が内側に位置する特許請求の範囲第1項記載の
    人工血管。
  5. (5)ポリウレタン弾性繊維の平均直径が30ミクロン
    以下である特許請求の範囲第1項記載の人工血管。
  6. (6)ポリウレタンが熱可塑性である特許請求の範囲第
    1項記載の人工血管。
  7. (7)内面の水に対する接触角が100°以上である特
    許請求の範囲第1項記載の人工血管。
  8. (8)熱可塑性ポリウレタン弾性体を熔融紡糸後、高速
    高温気体に随伴し細化して得られた実質的に連続したフ
    ィラメントをシート状に積層して得られたポリウレタン
    弾性繊維不織布にオルガノシロキサンの低温ガスプラズ
    マ処理を施し、次いでプラズマ処理を施した不織布を芯
    棒に巻き付け、加熱成型し多孔性管状体とすることを特
    徴とする人工血管の製造方法。
  9. (9)プラズマ処理を施した不織布を最内層とし、プラ
    ズマ処理した不織布とプラズマ処理していない不織布を
    交互に芯棒に巻き付け、加熱成型し多孔性管状体とする
    特許請求の範囲第8項記載の製造方法。
  10. (10)プラズマ処理を施した不織布とプラズマ処理を
    施していない不織布を積層し、プラズマ処理を施した不
    織布を内側として芯棒に巻き付けた後、加熱成型し多孔
    性管状体とする特許請求の範囲第8項記載の製造方法。
  11. (11)片面のみにオルガノシロキサンの低温プラズマ
    処理を施した不織布をプラズマ処理面を内側として芯棒
    に巻き付けた後、加熱成型し多孔性管状体とする特許請
    求の範囲第8項記載の製造方法。
  12. (12)ポリウレタン弾性繊維の平均直径が30ミクロ
    ン以下である特許請求の範囲第8項記載の製造方法。
  13. (13)加熱成型の温度が70〜200℃である特許請
    求の範囲第8項記載の製造方法。
  14. (14)プラズマ処理した不織布の水に対する接触角が
    100°以上ある特許請求の範囲第8項記載の製造方法
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0552474A2 (en) 1991-12-18 1993-07-28 Terumo Kabushiki Kaisha Artificial blood vessel

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