JPS6218125B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この発明は、均一な機械的播種に適し、かつ播
種後も発芽が良好に行える被覆整形種子を得るた
めの種子被覆装置におけるコーテイング用の回転
噴射造粒装置に関するものである。

（従来の技術） 従来、野菜等の種子を機械的、または手播きす
ることにより間引き作業を省略する意図から、流
動層内で種子をボツビング（浮動）させながら種
子を核としてその周りに粉体材料を結合させる種
子被覆装置が考えられているが、この装置で被覆
整形した種子は被覆層が柔軟であつたので、搬送
中、あるいは播種作業中にこの被覆層が破壊し機
械播種に耐えられないものがあつた。

従来の装置では透明な中部造粒筒１ｂの内壁に
被覆作業中にバインダー液の霧で被覆用の粉末が
固定し、流動状態が可視できなくなり操作が困難
なばかりでなく、この固着した粉末の除去清掃に
多大の労力を要するため作業能率が低下してい
た。

（発明が解決しようとする問題点） そこでこの発明は、上記の欠点を除去し手播き
はもちろん機械的播種に適し、播種後の発芽が良
好で高能率なしかも操作・保守・整備が容易にで
きる被覆装置における種子のコーテイング用の回
転噴射造粒装置を提供するものである。

（問題点を解決するための手段） 以下、この発明の一実施例を図面に従つて説明
すると、上部造粒筒１ａと中部造粒筒１ｂの間に
ロータリー・ジヨイント２を設け、多孔を有する
整流板８と造粒筒１ｂの接合部下の下部造粒筒１
ｃにロータリー・ジヨイント３を設置し、整流板
８と取出管９をロータリー・ジヨイント４で接合
させる。プーリ５を配した造粒筒１ｂは整流板８
とともにベルト７でプーリ６の軸３４により低速
で回転する。

回転する造粒筒内を被覆室３２とし整流板８と
仕切板３５の間を整流室１１とする。尚、３３
は、種子を被覆室３２へ投入するハツチである。

該板中央部には下方にのびる取出管９が開口し
ており、該管の下端部には、被覆を終えた種子の
取り出し量を調節する仕切板１０を設け、整流室
の下方は取出室１２となる。

ホツパ１３内に入れられた粉体は空気輸送によ
り、粉体供給管１５から被覆室３２に供給され、
また整流室１１、取出室１２へは送風管１４と１
６で通風され、送風量は調節バルブ１７，１８，
１９で調節され、送風機２０から出た空気は脈動
をなくすため調圧室２１内に送られたあと整流室
１１、取出室１２、被覆室３２に送られる。

被覆を終えた種子は整粒完了後に取出室１２の
下部より取り出し、製品受箱２２に受けるもので
ある。

造粒筒上部にはサイクロン２３を設け捕塵室２
４に捕集するが、その先端に吸出しブローワ２５
を配置して捕塵を補助し、ブローワ２５より散逸
する細粉はバツクフイルター２６で捕集する。

取出管９の上部に噴霧用ノズル２７を配置し、
液槽２８から液管２９を通してポンプ３０で液送
するが噴霧量はバルブ３１で調節する。

すなわち、被覆室３２に所要量の粉体をホツパ
１３より投入し、弁１７，１８，１９により送風
量を調節し、仕切板１０を開けばハツチ３３より
投入された種子は矢印ａのごとく螺旋流動しなが
ら降下し、送風により上方に舞い上がりこの動作
を繰り返す。ここへ、粉体供給管１５より被覆室
３２へ粉体を供給するとともにノズル２７から所
要量のバインダー液を噴霧させると種子の表皮が
濡れ、そこへ、供給された粉体が付着し、種子と
粉体との間に凝集力が誘起され、種子が核となつ
て被覆層が形成されてゆく。

この場合、種子は相互研磨しながら被覆室３２
中央部を直線的に真上および斜上に流動上昇する
が、下降循環時には低速で回転する下部造粒筒１
ｂや整流板８に接触、あるいは隣接部分の種子は
該造粒筒および該板の接触摩擦抵抗により矢印ａ
のように螺旋回転しながら下降する特徴がある。

（発明の効果） この発明によると、以上の機械操作によつて、
被覆を完了した種子は風量調節バルブ１７，１
８，１９と送液バルブ３１を締め、取出管９より
取り出して適宜の方法で乾燥する。この装置にお
いて、一体となつて回転する中部造粒筒１ｂおよ
び整流板８を設ければ、実験的規模において、種
子500c.c.を10分位で１粒づつ正確に強い被覆層を
形成せしめることができ、被覆種子の被覆層の圧
砕強度は従来の固定した該造粒筒および整流板だ
けのものより数倍硬く、この被覆層は機械播種に
十分耐えられるほど硬かつた。

これは従来の装置では未コーテングおよび半コ
ーテイング種子の相互研磨が十分でなかつたが、
この発明によると、中部造粒筒１ｂおよび整流板
８の回転により、被覆室３２内の種子群が螺旋流
動するから十分な相互研磨が行われ、被覆層に圧
力がよくかかり、被覆層の強度が高くなる効果が
ある。

また、従来の装置では合成樹脂製の透明な中部
造粒筒１ｂの内壁に被覆用の粉体が固着し、流動
状態が可視できなくなり、最適流動状態の保持が
困難で、この困着粉体の除去に多大の労力を要す
るため能率が低下したが、この発明によると前記
の障害を完全に除去し、被覆整形操作および保守
が容易となる等極めて有益なる効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この発明の一実施例を示す断面図で
ある。 １ａ……上部造粒筒、１ｂ……中部造粒筒、１
ｃ……下部造粒筒、２，３，４……ロータリー・
ジヨイント、５……プーリー、７……ハツチ、８
……整流板、９……取出管、１１……整流室、１
４……粉体供給管、２７……ノズル、３２……被
覆室。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 上部に種子を投入するハツチ３３を有する上
   部造粒筒１ａを、中部には中部造粒筒１ｂを、そ
   して下部には被覆を終えた種子を取り出す取出管
   ９を備えた下部造粒筒１ｃを設け、中部造粒筒１
   ｂは多孔板からなる整流板８で被覆室３２と下部
   の整流室１１に仕切り、該整流室１１には上部送
   風管１４を、取出室１２には下部送風管１６をそ
   れぞれ連通して設け、被覆室３２の中央部にはバ
   インダー水溶液を噴霧するためのノズル２７と粉
   体を吐出するための粉体供給管１５とを設け、上
   部造粒筒１ａと中部造粒筒１ｂ、そして中部造粒
   筒１ｂと下部造粒筒１ｃとの間にはそれぞれロー
   タリー・ジヨイント２，３を設けることにより中
   部造粒筒１ｂを回転可能に取り付け、また、中部
   造粒筒１ｂに取付けられた整流板８の下口縁と、
   下部造粒筒１ｃに設けられた取出管９の上口縁と
   をロータリー・ジヨイント４を設けて回転可能に
   取り付け、中部造粒筒１ｂを透明部材で構成し、
   中部造粒筒１ｂの外周に設けたプーリー５で各ロ
   ータリー・ジヨイント２，３，４を支点に一体と
   なつた中部造粒筒１ｂと整流板８とを回転可能に
   取付けたことを特徴とする種子コーテイング用の
   回転噴射造粒装置。