JPS62176938A - 光フアイバ線引炉の気密装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は光ファイバ線引炉において、光ファイバ母材と
炉体間の気密を保つことにより炉内雰囲気を清浄に維持
すると共に炉内の高温により発生する上昇気流を抑える
ことにより炉内気流を一定に保って線径変動の少ない線
引を行なえる光ファイバ線引炉の気密装置に関する。

〈従来の技術〉 光ファイバは石英等の材料で製造した母材を線引炉の上
部より送入して先端を加熱溶融し、母材の先端から引き
出して細径化して光ファイバとし、線引炉の下方より引
き出して製造されている。この場合、線引炉内部は溶融
した母材に対する空気中の異物、酸素、水蒸気、金属イ
オン等の接触による光ファイバの機械的強度や性能の低
下及び酸化によるヒータ寿命の低下を防止するため常に
不活性ガスで充満されている必要がある。また光ファイ
バ母材の溶融温度のゆらぎによる光ファイバの線形変動
を低減させるため、線引炉内の気流の安定化に多くの努
力が注がれている。

このために、例えば特公昭５９−３０６６０号公報に示
されるような提案がなされている。

このものは、線引炉内にガスを流し込んだり、或いは線
引炉内からガスを抜き出したりして線引炉内での気流を
制御し、所定径の光ファイバを得たり、更には線引炉の
上下の開口部に外部からの大気の流入を防ぐためにガス
を流す等したものである。

〈発明が解決しようとする問題点〉 上述した従来技術には以下のような問題点があった。そ
の１つは、線引炉に外部から大気が混入するのを防止す
るシール効果が低い点である０例えば、従来では第５図
に示すように線引炉３上部の母材挿入口にガスディフュ
ーザ１を設置してこのガスディフューザ１からガスを噴
出させることでシール効果を得ようとしている。しかし
、一般的に炉内は、母材を溶融させるため２０００℃近
い高温に保たれるので、強い上昇気流が発生しており、
このため十分なシール効果を得ようとすれば大量のシー
ルガスを必要とし、コスト高となる。一方、ガスディフ
ューザ１と母材２との隙間ｄを小さくすることによって
、シール部でのガス圧を高くとり、シール効果を高める
方法が種々考案されているが、炉内への母材２の送り込
みに関しては、母材２の真直性が完全でない事や機械の
動作精度が完全でない事により、シール部でガスディフ
ューザ１と母材２とが接触して母材２が傷つけられ、フ
ァイバ強度低下を招くおそれがある。そこで、ガスディ
フューザ１と母材との隙間ｄとしては、接触を避けるた
め十分な大きさとせざるを得なかった。

しかも、ガスディフューザ１から噴出したガス流には、
第５図中に矢印ア、イで示すように炉内に向う流畝があ
るため、炉内の気流が乱れてしまうことにより、母材２
の溶融が影響を受けて線径変動の原因となったり、炉壁
（通常、カーボン、ジルコニア等の耐熱性のある部品か
ら成る）を消耗させると共に発生ダストにより母材表面
を傷っけその強度を低下させていた。これは、ガス流量
Ｑが多量であるほど、顕著である。

本発明は、上記問題点を解決することのできる光ファイ
バ線引炉の気密装置を提供することを目的とする。

〈問題点を解決するための手段〉 斯かる目的を達成する本発明の構成は、不活性ガスの充
満された線引炉内に光ファイバ母材を送り込みながら該
光ファイバ母材先端部を加熱溶融して光ファイバとする
光ファイバ線引装置において、前記光ファイバ母材に遊
嵌するリング状の絞り板を、前記光ファイバ母材の挿入
される前記線引炉上面に滑動自在に設置すると共に該リ
ング状の絞り板内周に吹出口を形成して前記光ファイバ
母材に向けて高圧ガスを噴出させることにより、前記絞
り板と前記光ファイバ母材とを非接触に保つことを特徴
とする。更に、前記絞り板ないし前記線引炉上面からガ
スを噴出させて該絞り板を浮遊させることが望ましい。

く作　　　用〉 第６図に示すように、例えばガスディフューザ１上に、
母材との隙間がｄ′の絞り板４を付加するとシール効果
を増強することができる。この絞り仮４の効果は、炉外
部の大気雰囲気と炉内部の高温ガス雰囲気の境界となる
上で重要な意味をもつ、この効果について実験したとこ
ろ、ディフューザ１より噴出するガス流量Ｑよりも絞り
板４と母材２との隙間ｄ′の方がシール効果を高める効
果が大であることが判った。しかしながら、絞り板４が
母材２に接触してしまったのでは、光ファイバ強度低下
を招いてしまう、そこで本発明では、絞り板を滑動自在
に設置して、この絞り板から母材に向けて高圧ガスを噴
出させることにより、母材に対して絞り仮を調心させ、
シール効果を保ったまま絞り板と母材との接触を避ける
こととしたのである。

〈実　施　例〉 以下、本発明の実施例について図面を参照して詳細に説
明する。

第１図に本発明の一実施例を示す。同図に示されるよう
に、線引炉３上部に設置されたガスディフューザ１には
、母材２を挿入するための挿入口が形成されており、こ
のガスディフューザ１から母材２に向けて不活性ガスＦ
１が噴出されている。このガスディフューザ１上にはリ
ング状の絞り板４′が滑動自在に設置されると共にこの
リング状の絞り板４′は母材２に遊嵌している。この絞
り板４′の内周には全面にわたり吹出口が開成されてお
り、この吹出口から母材２に向けて高圧ガスが噴出して
いる。従って、母材２と絞り板４′との隙間には第３図
に示すようにＰ１〜Ｐ−の圧力分布が存在する。このた
め、第４図に示すように絞り板４′に対し母材２が心ず
れを起こすと、同図中に圧力Ｐ、′〜Ｐ、′で示すよう
に、間隔のせばまった側の圧力が高くなり、これらの圧
力の合力ｆが絞り板４′に作用して絞り板４′が滑動す
るため、第３図に示す状態へと心ずれが矯正される。こ
のような調心作用は、いわゆる静圧軸受のそれと同様の
原理に基づくものである。但し、本発明では、絞り板４
′と母材２との接触を回避できれば十分であるから、厳
密な意味で調心する必要はなく、従って装置としての簡
略化が可能である。

絞り板４′は、図中において理解を助けるため誇張して
描かれているが、現実には気流をせめるに充分な形状で
あれば任意の形状とすることができ、例えば絞り板４′
の厚さ、大きさ等を小さくして充分な軽量化を図ること
ができる。また、母材２との隙間についても、母材２の
形状に合せて充分に小さくすることができる。絞り板４
′から噴出するガスについても、母材２との調心に充分
な効果があれば特に限定はなく、大気やその他の不活性
ガス等を用いる事ができる。

上記構成を有する本実施例では、絞り板４′により充分
なシール効果が得られるので、ガスディフューザ１から
噴出するガスＦ、の流量を小さくすることができ、この
ためコストダウンを図れると共に炉内の気流の安定化が
図れ、高品質の光ファイバを得られる。尚、上記実施例
では線引炉上部にガスディフューザｌをもつ構造のもの
について説明したが、特にこの構造に限定されるもので
なく、本発明の装置によれば炉の構造にかかわりなく、
任意の炉において特有の効果を得られる。

次に第２図を参照して他の実施例について説明する。同
図に示す実施例は、絞り板４′の滑動性を高めるため、
炉上面のガスディフューザ１からガスＦ、を吹き上げて
ガスの静圧により絞り板４′を浮遊させたもので、その
他の構成については前述した実施例と同様である０本実
施例によれば常に安定した滑動性が得られるため、更に
絞り板４′による信頼性が高まる。尚、第２図において
は絞り板４′が大きく浮き上ったように誇張して描かれ
ているが、実際には、炉上面と滑動できる範囲で炉上面
と部分的に接触していても良い。

また、この絞り板の材質としてアルミナセラミックスを
用いる事は有効である。即ちこの材質は、鉄系合金やア
ルミニウムに比べ■剛性が高いので加工精度を高く仕上
げやすいと共に高精度を荷重に対して保持しゃすい■比
重が小さいので軽量化が図れる■硬度、耐摩耗性が大き
いので傷がつかず経年変化もない為長期間の信頼性が得
られる■耐蝕性が良い為炉体上部のような高温下におい
ても耐久性がある■熱膨張率が小さいので前記のような
高温下においても変形が少なく安定した滑動性が得られ
る等の特徴があり優れた絞り板を得る事が出来る。

〈発明の効果〉 以上、実施例に基づいて具体的に説明したように本発明
によれば滑動自在に設置した絞り板から光ファイバ母材
に向けて高圧ガスを噴出させているので、母材に対して
絞り板が調心することとなり、絞り板と母材とのシール
効果を維持したまま、それらの接触を回避することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す概略構造図、第２図は
本発明の他の実施例を示す概略構造図、第３図、第４図
はいずれも絞り板の横断面図であり、第３図は調心した
状態、第４図は心ずれを起した状態を各々示し、第５図
は従来の気密構造の概略構造図、第６図は絞り板の効果
を説明するための概略構造図である。 図面中、 １はガスディフェーザ、 ２は母材、 ３は線引炉、 ４．４′は絞り仮である。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. （１）線引炉内に光ファイバ母材を送り込みながら該光
   ファイバ母材先端部を加熱溶融して光ファイバとする光
   ファイバ線引装置において、前記光ファイバ母材に遊嵌
   するリング状の絞り板を、前記光ファイバ母材の挿入さ
   れる前記線引炉上面に滑動自在に設置すると共に該リン
   グ状の絞り板内周に吹出口を形成して前記光ファイバ母
   材に向けて高圧ガスを噴出させることにより、前記絞り
   板と前記光ファイバ母材とを非接触に保つことを特徴と
   する光ファイバ線引炉の気密装置。
2. （２）特許請求の範囲第１項において、前記絞り板ない
   し前記線引炉上面からガスを噴出させて該絞り板を浮遊
   させることを特徴とする光ファイバ線引炉の気密装置。
3. （３）上記絞り板の材質をアルミナセラミックスとする
   ことを特徴とする特許請求の範囲第１項または第２項の
   光ファイバ線引炉の気密装置。