JPS6216725Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、常用回線と予備回線とを備えた２
回線受電方式に適用される配電盤に関し、負荷開
閉器および電力ヒユーズを収納する筐体を小形化
するとともに、安価にし、かつ、外部での電路の
引込みおよび引出しを容易に行なうようにしたも
のである。

従来、常用回線と予備回線とを備えた２回線受
電方式の配電盤は、第１図に示すように、常用回
線１を引込む一方の筐体２内に常用側負荷開閉器
３および電力ヒユーズ４を収納し、予備電線１′
を引込む他方の筐体２′内に予備側負荷開閉器
３′および電力ヒユーズ４′を収納し、負荷開閉器
３、電力ヒユーズ４間と負荷開閉器３′、電力ヒ
ユーズ４′間とを貫通ブツシング５を介して連絡
している。なお、６，６′はトランスである。し
かし、この種配電盤では、常用側と予備側との接
続において、連絡線の引込みおよび引出し用に貫
通ブツシング５を設ける必要があるとともに、貫
通ブツシング５と必要箇所との接続をそれぞれの
筐体２，２′内で行なう必要があるため、両筐体
２，２′が大形化し、高価になる欠点がある。

また、従来の配電盤には、第２図に示すよう
に、常用側負荷開閉器３、予備側負荷開閉器３′
および電力ヒユーズ４，４′をそれぞれ別個の筐
体２，２′，２″に収め、筐体２内の負荷開閉器３
および筐体２′内の負荷開閉器３′と筐体２″内の
電力ヒユーズ４，４′とをそれぞれ貫通ブツシン
グ７および７′を介して連絡するものがあるが、
全体として大形化し、高価になる欠点がある。

この考案は、前記の点に留意してなされたもの
であり、つぎにこの考案を、その１実施例を示し
た第３図以下の図面とともに詳細に説明する。

これらの図面において、８は配電盤の筐体、９
は筐体８の後壁を構成する取付板、１０は取付板
９の上部の前面に取付けられた第１ブツシングで
あり、該ブツシング１０の内部導体１１の後端が
取付板９を貫通して後方に導出されている。１２
は取付板９に第１ブツシング１０を介して支持さ
れ内部導体１１の前端に一体の固定接触子、１３
は第１ブツシング１０の前端に支持された消弧装
置であり、後述の可動接触子と固定接触子１２と
の開極時に発生するアークを、消弧装置１３の消
弧室内で伸張、冷却し、消弧する。１４は取付板
９の中央部の前面に取付けられた第２ブツシング
であり、該ブツシング１４の内部導体１５の後端
が取付板９を貫通して後方に導出されている。１
６は取付板９に第２ブツシング１４を介して支持
され内部導体１５の前端に設けたヒンジ接触子、
１７は取付板９の後方に左右方向に設けられ筐体
８の両側壁に回動自在に軸支された操作軸、１８
は基部が操作軸１７に固着され先端側が取付板９
の透孔１９を通つて筐体８内に導入された操作棒
であり、絶縁材料により構成されている。２０は
操作棒１８の先端にピン２１を介して回動自在に
支持された上下方向に動く１対の可動接触子であ
り、ヒンジ接触子１６を挾持しながら摺動し、操
作軸１７の回動による可動接触子２０の上下動に
より、可動接触子２０の上端が固定接触子１２に
接離され、閉極、開極動作が行なわれる。なお、
これら接触子１２，１６，２０，消弧装置１３，
操作棒１８，操作軸１７等により気中負荷開閉器
２２が構成される。２３は取付板９の下部の前面
に取付けられた第３ブツシンングであり、該ブツ
シング２３の内部導体２４の後端が取付板９を貫
通して後方に導出されている。２５および２６は
ヒンジ接触子１６および第３ブツシング２３の内
部導体２４の前端にそれぞれ一体に設けられたヒ
ユーズ取付金具、２７は両ヒユーズ取付金具２
５，２６間に挾持されヒンジ接触子１６と内部導
体２４との間に接続された電力ヒユーズ、２８，
２９，３０は各ブツシング１０，１４，２３の内
部導体１１，１５，２４のそれぞれの後端に設け
られた断路接触子であり、ケーブルコネクタが接
続される。

そして、筐体８の外部の接作装置により操作軸
１７を回動操作し、第３図に１点鎖線に示すよう
に、可動接触子２０の上端部を固定接触子１２に
接し、負荷開閉器２２を閉極すると、その電路
は、断路接触子２８・内部導体１１・固定接触子
１２・可動接触子２０・ヒンジ接触子１６・ヒユ
ーズ取付金具２５・電力ヒユーズ２７・ヒユーズ
取付金具２６・内部導体２４・断路接触子３０と
なる。一方、電路はヒンジ接触子１６から分岐
し、内部導体１５を経由して断路接触子２９にも
至る。

そして、前述の構成を２基用い、２回線受電方
式に使用する場合、第４図に示すように、一方の
筐体８の断路接触子２８に常用回線３１を接続す
るとともひ、他方の筐体８′の断路接触子２８′に
予備回線３１′を接続し、かつ、両筐体８，８′の
断路接触子２９，２９′間を接続する。なお、３
２，３２′は１次側が断路接触子３０，３０′にそ
れぞれ接続されたトランスであり、トランス３
２，３２′のそれぞれの２次側に負荷が接続され
る。

したがつて、前記実施例によると、負荷開閉器
２２および電力ヒユーズ２７を支持する第１、第
２、第３ブツシング１０，１４，２３の内部導体
１１，１５，２４を取付板９の後方にそれぞれ導
出したことにより、電路の引込みおよび引出しが
容易となり、とりわけ、ヒンジ接触子１６および
ヒユーズ取付金具２５を支持した第２ブツシング
１４の内部導体１５を取付板９の後方に導出した
ことにより、２回線受電方式に適用でき、従来の
貫通ブツシングを不要にできるとともに、外部に
て直線引込み、引出しが行なえるため、内部配線
を不要にでき、配電盤全体の小形化が可能なな
り、安価にできる。また、各内部導体１１，１
５，２４の後端部に断路接触子２８，２９，３０
を設けて断路構造としたことにより、電路の接続
および切離しが簡単かつ確実となり、保守点検お
よび電力ヒユーズ２７の取替えを安全にできる。
さらに、第４図に示すような２回線受電に適用し
た際、片肺運転で電力を負荷に連続供給できるた
め、電力ヒユーズ２７の取替えが、電力供給を全
面的に停止することなく行なえる。

以上のように、この考案は、常用回路と予備回
路とを備えた２回線受電方式に適用される配電盤
において、筐体の後壁を構成する取付板と、前記
取付板の前面の上部に取付けられた第１ブツシン
グと、前記第１ブツシングの内部導体の前端に一
体の負荷開閉器の固定接触子と、前記取付板の前
面の中央部に取付けられた第２ブツシングと、前
記第２ブツシングの内部導体の前端に支持された
前記負荷開閉器のヒンジ接触子と、前記ヒンジ接
触子に接触しながら上上下動し上端が前記固定接
触子に接離自在の可動接触子と、前記取付板の前
面の下部に取付けられた第３ブツシングと、前記
第３ブツシングの内部導体の前端と前記ヒンジ接
触子との間に接続された電力ヒユーズと、前記取
付板の後面に導出された前記各内部導体の後端に
それぞれ設けられたケーブルコネクタが接続され
る断路接触子とを備え、かつ、前記第２ブツシン
グの内部導体を前記２回線受電方式の連絡用導体
としたことを特徴とする配電盤である。

したがつて、この考案によると、常用回線と、
予備回線とを備えた２回線受電方式に適用される
配電盤において、内部配線を要することなく、外
部での電路の引込みおよび引出しを容易に行なう
ことができ、筐体を小形化できるとともに、安価
にでき、さらに、取付板の後面に導出された３個
の各ブツシングのそれぞれの内部導体の端部に断
路接触子が設けられているため、ケーブルコネク
タを取り外すのみで母線を無停電にすることな
く、電源および負荷の切換え、切離し等の着脱が
きわめて容易であり、保守点検時および電力ヒユ
ーズの取替え時の電路の引離しも簡単かつ確実に
でき、安全性の向上を計ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図はそれぞれ従来の配電盤を
２回線受電方式に用いた単線系統図、第３図以下
の図面はこの考案の配電盤の１実施例を示し、第
３図は側面図、第４図は２回線受電方式に用いた
単線系統図である。 ８…筐体、９…取付板、１０…第１ブツシン
グ、１１…第１ブツシングの内部導体、１２…固
定接触子、１４…第２ブツシング、１５…第２ブ
ツシングの内部導体、１６…ヒンジ接触子、２０
…可動接触子、２２…気中負荷開閉器、２３…第
３ブツシング、２４…第３ブツシングの内部導
体、２８，２９，３０…断路接触子。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 常用回線と予備回線とを備えた２回線受電方式
   に適用される配電盤において、筐体の後壁を構成
   する取付板と、前記取付板の前面の上部に取付け
   られた第１ブツシングと、前記第１ブツシングの
   内部導体の前端に一体の負荷開閉器の固定接触子
   と、前記取付板の前面の中央部に取付けられた第
   ２ブツシングと、前記第２ブツシングの内部導体
   の前端に支持された前記負荷開閉器のヒンジ接触
   子と、前記ヒンジ接触子に接触しながら上下動し
   上端が前記固定接触子に接離自在の可動接触子
   と、前記取付板の前面の下部に取付けられた第３
   ブツシングと、前記第３ブツシングの内部導体の
   前端と前記ヒンジ接触子との間に接続された電力
   ヒユーズと、前記取付板の後面に導出された前記
   各内部導体の後端にそれぞれ設けられケーブルコ
   ネクタが接続される断路接触子とを備え、かつ、
   前記第２ブツシングの内部導体を前記２回線受電
   方式の連絡用導体としたことを特徴とする配電
   盤。