JPS6216503Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は安全装置に関し、特にトルクリミツ
タやトルクカツプリングに設けられて過負荷状態
になつた際それを検知して信号を発することので
きる安全装置に関するものである。

従来、トルクリミツタやトルクカツプリングに
おいては過負荷状態になつた際には従動側がスリ
ツプして駆動側からの駆動力を伝達しないように
構成されているが、過負荷状態が生じた際には何
ら検知手段を有していないので作業者が気が付か
ない場合には過負荷状態を持続し続けることにな
つており、このような過負荷状態をすぐに知るよ
うにするためには常時作業者が監視していなけれ
ばならず非常に煩雑な作業になるという欠点を有
していた。

この考案は前記のような従来のもののもつ欠点
を排除して、非常に簡単な構成でトルクリミツタ
やトルクカツプリングが過負荷状態になつたのを
検知することのできる安全装置を提供することを
目的とする。

以下図面に示す実施例に基づいてこの考案を説
明する。

第１，２図にはこの考案の第１実施例であるト
ルクリミツタに取付けた状態が示されており、本
体１はデイスク部１ａとハブ部１ｂとによつて構
成され、前記ハブ部１ｂの外周面には前記デイス
ク部１ａに接してニードルベアリング２が嵌合す
ると共に、このニードルベアリング２の外周面で
あつて前記デイスク部１ａの周面に接触して一方
のライニング３ａが設けられ、また同様のニード
ルベアリング２の外周面に設けられた他方のライ
ニング３ｂが設けられると共に、両ライニング３
ａ，３ｂの間には駆動源とチエンを介して連結さ
れるセンタ部材４が設けられる。

そして前記他方のライニング３ｂの外側にはリ
ング５が位置し、このリング５を、前記ハブ１ｂ
の外周面に螺設された外ねじと螺合する内ねじを
有するナツト６の前面に設けたさらばね７がナツ
ト６とハブ部１ｂとの螺合位置に応じて押圧し、
これによつて前記両ライニング３ａ，３ｂ間でセ
ンタ部材４を押圧挾持するようになつている。

このナツト６の外側には同様の他のナツト８が
螺合すると共に両ナツト６，８間には図面で示す
実線位置の作動位置と鎖線位置の下作動位置との
間を切換え可能であると共に、所定の力が作用し
たときに一方の位置から他方の位置に切換わる円
形板状のばね部材（検出板）９が挾持されてい
る。このばね部材９の前記センタ部材４側の板面
上には所定の間隔をおく突起１０が複数個（図面
では３つ）設けられ、また前記センタ部材４の周
面には前記突起１０に対応する位置に複数（図面
では３つ）の突出部材であるねじ軸１１が突設さ
れていて、このねじ軸１１はその頭部が前記突起
１０に当接し得ると共に、実線位置にあるばね部
材９を鎖線位置に切換えるのに十分な力を作用し
得るようになつている。

またリミツトスイツチ１２は他の機枠等に設け
られ、前記ばね部材９が実線位置のときは不作動
であると共に、鎖線位置のときは作動するように
なつている。

なお前記両ナツト６，８は止ねじによつて前記
ハブ部１ｂとの螺合位置に固定されているもので
ある。

次に前記のものの作用について説明する。

まず駆動源を作動するとチエンを介してセンタ
部材４が従動してトルクリミツタ全体は本体の軸
心を中心に従動回転を始め、トルクリミツタの出
力側に連結されたものが作動を開始する。なおこ
の場合ばね部材９は実線位置となつている。

そしてトルクリミツタの出力側に連結されたも
のにトラブルが生じて過負荷状態が生じると、ラ
イニング３ａ，３ｂとセンタ部材４との間が滑動
し、センタ部材４が本体１に対して回転すること
になる。このセンタ部材４の回転に伴なつてそれ
に突設されたねじ軸１１も一体に回転するのでそ
の頭部がばね部材９の突起１０に当接し、これり
よつてばね部材９は鎖線位置に切換わつてリミツ
トスイツチ１２を作動することになる。従つてリ
ミツトスイツチ１２の信号でたとえば駆動源を停
止するものである。

またトラブルが解消したのちにトルクリミツタ
を作動させる場合には手動でばね部材９を鎖線位
置から実線位置に切換えたのちに作動させるもの
である。

第３，４図にはこの考案の第２実施例であるト
ルクカツプリングに取付けた状態が示されてお
り、このトルクカツプリングは前記トルクリミツ
タの本体１のデイスク部１ａに対してハブ部１ｂ
と反対側にカツプリング本体１３を配設してあ
り、カツプリング本体１３の側面に前記デイスク
部１ａの一部が位置し得る孔１４が穿設されて、
一体になつていると共に、前記センタ部材４と対
向する部分１３ａはセンタ部材４と同一径であ
り、かつ同一厚さとなつている。そして前記セン
タ部材４とカツプリング本体１３の部分１３ａと
には駆動源との間に張設された２列形ローラチエ
ン１５が設けられている。

次に前記のものの作用について説明する。

トルクカツプリングの従動側に連結されたもの
が過負荷状態になると、ライニング３ａ，３ｂと
センタ部材４との間で滑動が生じ、カツプリング
本体１３およびセンタ部材４が一体となつて本体
１に対して回転することになる。このときセンタ
部材４の回転に伴なつてそれに突設されたねじ軸
１１も一体に回転するのでその頭部がばね部材９
の突起１０に当接し、これによつてばね部材９は
鎖線位置に切換わつてリミツトスイツチ１２を作
動することになる。従つてリミツトスイツチ１２
の信号でたとえば駆動源を停止するものである。

またトラブルが解消したのちにトルクカツプリ
ングを作動させる場合には前記トルクリミツタの
場合と同様に手動でばね部材９を鎖線位置から実
線位置に切換えたのちに作動させるものである。

この考案は前記のように構成したことにより、
過負荷状態を確実に知らせることができるので作
業上非常に安全であると共に、簡単な構成なので
安価に製造することができるというすぐれた効果
を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は第１実施例の縦断面図、第２図は側面
図、第３図は第２実施例の縦断面図、第４図は側
面図である。 １……本体、１ａ……デイスク部、１ｂ……ハ
ブ部、２……ニードルベアリング、３ａ，３ｂ…
…ライニング、４……センタ部材、５……リン
グ、６，８……ナツト、７……ばね、９……ばね
部材、１０……突起、１１……ねじ軸、１２……
リミツトスイツチ、１３……カツプリング本体、
１４……孔、１５……２列形ローラチエン。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 駆動源とチエン等の連結部材を介して一体に回
   転する駆動部材と、 前記駆動部材に従動すると共に所定の力が作用
   したときに滑動する従動部材と、 前記従動部材に設けられて一体に回転し、バネ
   の反転作用により作動位置と不作動位置との間を
   切換え可能であるように曲げ加工されて、常態で
   はいずれか一方の位置をとるとともに、板面上に
   所定の間隔をおいて複数の突起を有した円形板状
   ばね部材と、 前記突起と対応する位置に配設されて、前記従
   動部材が滑動したとき、頭部が作動位置にある前
   記円形板状ばね部材の前記突起と当接して、作動
   位置にある前記円形板状ばね部材を不作動位置に
   切換える、前記駆動部材に設けられた複数の突出
   部材と、 前記突出部材によつて前記円形板状ばね部材が
   不作動位置に切換わつたとき、不作動位置への切
   換わりを検知して信号を発する検知部材とを有す
   ることを特徴とする安全装置。