JPS6215977Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は密封形の電気機器において、ベース
とこのベースを貫通して外方へ突出している端子
との間を密封する端子の密封装置に関するもので
ある。

〔従来の技術〕

従来、電気継電器やマイクロスイツチなどの密
封形電気機器にあつては、第４図に示すように、
ベース２１と端子２２との間は、ベース２１に形
成された小さな凹所２３に合成樹脂などのシール
材２４を充填して密封している。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところで、シール材２４の注入作業は注射器の
ような注入器具を用いて行われるが、上記凹所２
３が小さいところから、その作業がきわめて困難
であり、かつ注入作業時ややもすると端子２２の
上部つまり半田付部分にシール材２４が付着して
半田付の作業性を悪くし、加熱時間が長くなつて
端子２２を必要以上に加熱することになる。この
ことは、半田付時のヒートシヨツクによつてシー
ル材２４を熱劣化させ、密封性を低下する要因に
なつている。

この考案は上記の点に鑑み、シール材を充填す
るための注入作業を容易とし、かつ端子の半田付
部分など余分な個所へシール材が付着せず、密封
性にすぐれた端子の密封装置を提供することを目
的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案は、上記のような目的を達成するため
に、ベース外面に形成された複数の凹所と、前記
ベースに挿通され前記凹所内にそれぞれ位置する
複数の端子とを備え、前記凹所は、端子の外周面
を取り囲む壁部を有し端子の外形よりやや幅広の
幅狭部と、この幅狭部よりも幅広のシール材注入
用幅広部と、前記幅狭部と幅広部とを連通させる
隘路とからなり、前記幅広部に注入したシール材
を前記隘路を介して前記幅狭部へ導いた構成をと
る。

〔作用〕

この考案においては、幅広部と幅狭部とが隘路
によつて互いに連通しているから、幅広部にシー
ル材を注入すれば、この注入されたシール材は幅
狭部へも流入し、幅狭部において生じる毛細管現
象によつて幅狭部を上昇して端子を密封する。そ
して、幅狭部は端子の外周面を取り囲んでいるの
で、前記毛細管現象が端子の全周にわたつて生
じ、端子の周囲にシール材がくまなく充填され
る。

〔実施例〕

以下図面にもとづいてこの考案の実施例を説明
する。

第１図，第２図および第３図において、１１は
電気機器（図示せず）を収納しているケース，１
２はケース１１の開放部に嵌着されたベースであ
り、ベース１２には複数の凹所１３が形成されて
いる。

上記凹所１３には、その偏心位置に端子孔１４
が形成され、この端子孔１４を挿通して端子１５
がケース１１の内部からベース１２の外方へ突出
している。

凹所１３は、第３図に示すように、端子１５の
外周面を取り囲む壁部を有し該端子１５の外形よ
りやや幅広の幅狭部１７と、この幅狭部１７より
も幅広のシール材注入用の幅広部１６と、これら
の幅狭部１７と幅広部１６とを連通させる隘路２
０とを有している。

また、上記凹所１３の幅広部１６の底部には、
隘路２０および幅狭部１７側に下り傾斜のテーパ
面１８が形成されている。

１９は凹所１３に充填された熱可塑性もしくは
熱硬化性の合成樹脂からなるシール材である。

上記構成において、端子１５を密封するには、
凹所１３の幅広部１６へシール材１９を注入す
る。注入されたシール材１９は、隘路２０を通つ
て幅狭部１７へ流入し、幅狭部１７の内壁と端子
１５の外周面との間の細〓部分における毛細管現
象によつて、シール材１９は前記細〓を上昇し、
端子１５の周囲に充填される。これによつて、端
子１５と端子孔１４との間はシール材１９により
完全に密封される。

上記の場合、幅狭部１７が端子１５の外周面を
取り囲んでいるので、幅広部１６から隘路２０を
通つて幅狭部１７に流れ込んだシール材１９は、
端子１５の全周に生ずる毛細管現象によつて端子
１５の周囲にくまなく充填され、適確なシールを
可能にする。

また、幅広部１６の底部には、テーパ面１８が
形成されているから、幅広部１６に注入されたシ
ール材１９はこのテーパ面１８を流下して円滑に
隘路２０および幅狭部１７へ流入する。

〔考案の効果〕

以上のように、この考案によれば、ベースの凹
所を幅広部と幅狭部とこれらを連通させる隘路と
から構成したので、シール材は幅広部へ注入する
だけでよく、注入作業がきわめて容易となり、ま
た注入作業時に端子に余分なシール材が付着する
こともない。しかも、幅狭部が端子の外周面を取
り囲んでいるので、端子の全周にわたつて毛細管
現象が発生し、端子周囲の細〓にシール材がくま
なく充填されるから、良好な密封性が得られると
いう効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係る電気機器の斜視図、第
２図は第１図２−２線に沿う拡大断面図、第３図
は第１図凹所の拡大図、第４図は従来例の断面図
である。 １２……ベース、１３……凹所、１４……端子
孔、１５……端子、１６……幅広部、１７……幅
狭部、１９……シール剤、２０……隘路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ベース外面に形成された複数の凹所と、前記ベ
   ースに挿通され前記凹所内にそれぞれ位置する複
   数の端子とを備え、前記凹所は、端子の外周面を
   取り囲む壁部を有し端子の外形よりやや幅広の幅
   狭部と、この幅狭部よりも幅広のシール材注入用
   幅広部と、前記幅狭部と幅広部とを連通させる隘
   路とからなり、前記幅広部に注入したシール材を
   前記隘路を介して前記幅狭部へ導いてなる端子の
   密封装置。