JPS6214704Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は漏水が結露による水滴により他のモジ
ユールが絶縁破壊等の重大事故を引き起こすこと
がないようにした水冷却電気装置に関するもので
ある。

例えば整流素子、抵抗、コンデンサ等の電気回
路を組込んだモジユールを数段積み重ね、モジユ
ールを直列に接続して成る水冷式高電圧整流器に
於いて、各々のモジユール内の冷却系統の不具合
による漏水或いは周囲の湿度、温度変化により、
冷却系統用品の結露による水滴が下段のモジユー
ルに落ち、電気回路用品の絶縁劣化や絶縁破壊の
原因となつていた。

本考案は上記事情に鑑みて成されたもので、電
気回路素子を組込んだ水冷式のモジユールを複数
段積み重ねて構成した水冷式電気装置において、
前記モジユール内の漏水や結露した水滴を受ける
受皿を各モジユールの下部に設けると共にこれら
各受皿には排水用突出口を設けて上部側の受皿の
水をこの排水用突出口により下部側の受皿に流す
ことにより、前記モジユールに水がかゝることを
防止し且つ、最下段の受皿の排水用突出口の排水
を検知する検出装置を設けて１つの検出装置によ
り全モジユールの漏水を監視できるようにして漏
水による電気回路の重大な事故発生を未然に防ぐ
ことのできるようにした水冷却電気装置を提供す
ることを目的とする。

以下、本考案の一実施例を図面を参照して説明
する。第１図はモジユール内の電気回路の一例を
示す図であり、整流素子SR、コンデンサＣ、抵
抗Ｒの各素子を複数個直並列接続したものであ
る。第２図に示す如くこのような電気回路１を組
込んだ水冷式のモジユール２は基台３上に植立し
た碍子４に取付けて対地絶縁を施こし第１段目を
固定する。そして、他のモジユール２上にそれぞ
れ碍子５を介して他のモジユール２を積み重ね固
定して整流器の直列回路を構成する。このように
して積み重ねられたモジユール２にはその下面側
に適宜間隙をおいて漏水や結露による水滴を受け
るための受皿６をそれぞれ取付ける。そして、各
受皿６にはそれぞれ受皿６内の水を排水すると共
に水の受皿裏面でのつたわりを防ぐよう受皿６の
底面より突出させて排水用突出口７を設け、上段
の受皿の水を下段の受皿に導く構成としてある。
そして、最下段の受皿６の排水用突出口７直下に
あたる基台３上に水槽８を設けると共にこの水槽
８に水が溜るとこれを検知する例えばフローリレ
ー等による漏水検出器９が設けてある。

このような構成によればモジユール２内の冷却
系統の不具合により漏水したり、或いは冷却水と
周囲温度や湿度変化により生じた結露はすべて受
皿６に受けられ、排水用突出口７を介して下段の
受皿に導びかれ、最後に最下段の受皿６の排水用
突出口７を介して基台３上の水槽８に溜められ
る。このとき、各受皿６はモジユール２内の電気
回路１より適宜離間されており、しかも上段側の
排水は電気回路１を避けるようにして排水用突出
口７により下段側の受皿６に導びかれるので、各
電気回路１は排水を浴びるようなことが全くな
い。また、水槽８に水が溜ると漏水検出器９が作
動するので、早期に異常事態を通報でき、電気回
路が重大な損傷を受ける前に運転停止等の処置を
とることができる。尚、受皿６は絶縁体で構成す
れば下段側のモジユール２との絶縁バリヤーを兼
ねることもでき、この場合、モジユール間の絶縁
距離を縮少することも可能となる。

絶縁の容易な低圧の電気装置では第３図に示す
ようにモジユール２の底面を傾斜のある受皿３１
とし、モジユール２内の電気回路１を避けた位置
に受皿３１内の水を下段側の受皿部分まで導く排
水用突出口３２を設けた構造とすることもでき
る。

このように、電気回路素子を組込んだ水冷式の
モジユールを複数段積層させて構成した装置にお
いて、前記各モジユール毎にモジユール内の漏洩
冷却水及び結露による水滴を受ける受皿を各モジ
ユールの下部側に設けると共にこれら各受皿には
排水用突出口を設けて下段側の受皿に排水を導く
ようにし、且つ最終段の排水用突出口からの水を
検知する検出装置を設けたので、水滴は電気回路
にかかることなく下段に排水でき、また、排水用
突出口から水が排水された際にはこれを検知して
運転を停止させることができるので、漏水や結露
による水滴が流れ出しても他のモジユールにかゝ
ることがなく、従つて該他のモジユールの電気回
路に絶縁不良や絶縁劣化を来たすおそれはなくな
り、しかも水が流れゝば運転を状況に応じ停止さ
せることができるので漏水に起因する重大な事故
の発生を未然に防ぐことができる他、排水は下段
の受皿へと導く構成にあるので、検出装置は受皿
の排水系統の最下段に設ければ、モジユール全体
の冷却水漏洩等が監視ができ、個々のモジユール
単位で該検出装置を各々設ける必要がない等、優
れた特徴を有する水冷電気装置を提供することが
できる。

尚、本考案は上記且つ図面に示す実施例に限定
することなくその要旨を変更しない範囲内で適宜
変形して実施し得るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はモジユール内の電気回路の一例を示す
図、第２図は本考案の一実施例を示す正面図、第
３図は他の実施例を示す正面図である。 １……電気回路、２……モジユール、６，３１
……受皿、７，３２……排水用突出口、８……水
槽、９……漏水検出器。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 電気回路素子を組込んで電気回路を形成した
   水冷式のモジユールを複数段積み重ねて構成し
   た電気装置において、前記各モジユール毎にモ
   ジユール内の漏洩冷却水及び結露による水滴を
   受ける傾斜する底面を有する受皿を各モジユー
   ルの下面側に設けると共にこれら各受皿にはそ
   の傾斜底面に沿つて流れる水滴を下段側の受皿
   に導く排水用突出口を設ける構成とし、且つ最
   下段の受皿の排水を検知する検出装置を設けて
   前記モジユールの漏水を監視する構成としたこ
   とを特徴とする水冷却電気装置。 (2) 各モジユールの下面側に適宜の間隔をおいて
   受皿を設けるようにした実用新案登録請求の範
   囲第１項記載の水冷却電気装置。 (3) 各モジユールの底板を受皿として用いるよう
   にした実用新案登録請求の範囲第１項記載の水
   冷却電気装置。