JPS62146903A - 部分ヒドラジド化共重合体の製造方法 - Google Patents

部分ヒドラジド化共重合体の製造方法

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JPS62146903A
JPS62146903A JP28753885A JP28753885A JPS62146903A JP S62146903 A JPS62146903 A JP S62146903A JP 28753885 A JP28753885 A JP 28753885A JP 28753885 A JP28753885 A JP 28753885A JP S62146903 A JPS62146903 A JP S62146903A
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JP
Japan
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copolymer
reaction
hydrazidation
vinyl monomer
monomer
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JP28753885A
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Hiroshi Doi
浩 土井
Takeshi Kimura
剛 木村
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NOF Corp
Original Assignee
Nippon Oil and Fats Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は分子内にエステル基または酸アミド基を有する
共重合体にヒドラジド化試剤を反応させて上記の基を部
分的にヒドラジド化する部分ヒドラジド化共重合体の製
造方法に関する。
〔従来の技術〕
重合体鎖内のエステル基または酸アミド基は、ヒドラジ
ン、ヒドラジンヒドラートなどのヒドラジド化試剤によ
ってヒドラジド化され、酸ヒドラジド基となる。このよ
うにヒドラジド化された重合体は、上記酸ヒドラジド基
によって水溶性ないし高親水性を有するものとなり、ま
たこの基によって水溶性中でカチオン性高分子としての
挙動を示し、さらにこの基の反応性によって反応性高分
子としても作用することから、各種産業分野において非
常に有用な高分子として広く使用されている。
このようなヒドラジド化重合体の中でも、重合体鎖内の
エステル基または酸アミド基のすべてをヒドラジド化す
るのではなく、その一部のみをヒドラジド化した部分ヒ
ドラジド化重合体は、ヒドラジド化の度合つまりヒドラ
ジド化率に応じて前述の如き諸性能が定量的に付与され
たものとなることから、個々の用途に応用するにあたっ
て、特にこのような重合体の使用が望まれることが多い
従来、このようなヒドラジド化重合体を得る方法として
は、ヒドラジド化試剤として通常ヒドラジンヒドラート
を使用し、これの水溶液かあるいは水を含まない液に分
子内にエステル基または酸アミド基を有する重合体粉末
を加えて加熱反応させる方法が知られている(たとえば
、特公昭43−4.524号公報、特開昭56−230
6号公報、特開昭58−1.50491号公報、特公昭
60−51392号公報など)。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかるに、上記公知の方法は、重合体粉末とヒドラジン
ヒドラートとの反応性に劣り、ヒドラジンヒドラートを
理論量に比し大過剰に用いる必要があるとともに、これ
に適用できる重合体粉末もポリアクリルアミドなどの水
溶性の重合体やポリメチルアクリレートなどの疎水性の
比較的低い重合体に限られていた。しかも、ポリメチル
アクリレートなどは水不溶性で固体粉末状態の反応とな
るため、反応性に特に劣るばかりか、均質な反応を行い
にくかった。また、水溶性のポリアクリルアミドは上記
ポリメチルアクリレートなどに比し反応性は良いが、ヒ
ドラジンヒドラートを大過剰に用いる場合でも、所望の
ヒドラジド化率とするのにやはり長時間が必要であった
また、上記のように大過剰のヒドラジンヒドラートを用
いるものであるため、ヒドラジド化反応後、反応液を大
量のメタノール中に投入して反応生成物を沈殿させ、こ
れにより過廁のヒドラジンヒドラートを除去する必要が
あった。かかる大量のメタノールの使用は製造コストが
かかるばかりか、反応生成物がメタノール中に一部溶解
することにより、反応収率が低下する問題があり、しか
もこのような沈殿処理を行っても未反応のヒドラジンヒ
ドラートを完全に分離除去できるものとはい夫なかった
さらに、上記公知の方法は、部分ヒドラジド化重合体を
得る方法としても決して満足できるものではなかった。
すなわち、前記ポリアクリルアミドやポリメチルアクリ
レートなどの限られた重合体粉末より部分ヒドラジド共
重合体を得る場合、反応温度9反応時間、ヒドラジンヒ
ドラートの濃度9重合体粉末の濃度などの反応条件の選
択によってヒドラジド化の程度を調節する必要があるが
、前記の如く大過剰のヒドラジンヒドラートを用いて長
時間の反応を行わせなければヒドラジド化反応をうまく
進行させにくいものであることから、上記のような反応
条件の選択によっては一定の値のヒドラジド化率を持っ
た部分的にヒドラジド化された重合体を得ることは極め
て困難であった。
このため、生成物の品質のばらつきを管理することが難
しく、その用途面で大幅な制限を受けざるを得なかった
したがって、本発明は、分子内にエステル基または酸ア
ミド基を有する各種の重合体を出発原料として用いてこ
れを理論量に近い僅かなヒドラジド化試剤により反応性
良好にヒドラジド化することができ、またヒドラジド化
試剤が少量であることにより反応後大量のメタノール中
に投入するなどの分離精製手段を必要とせず、それ故に
反応収率などの面でも好結果を得ることができ、しかも
各種用途に応用するにあたって望まれる一定のヒドラジ
ド化率を持った部分ヒドラジド化共重合体を製造容易に
得ることができる工業的に極めて有用なヒドラジド化重
合体の製造方法を提供することを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは、上記の目的を達成するために鋭意検討し
た結果、まず分子内にエステル基または酸アミド基を有
する重合体とヒドラジド化試剤との反応を有機溶媒中で
強力な攪拌下で行わせるようにしたときには、前記従来
の水溶媒中あるいは固体粉末の状態で反応させる方法に
比し、ヒドラジド化反応が非常にスムースに進行し、こ
の場合ヒドラジド化試剤を理論量に近い少量としても上
記反応性を充分に確保でき、その結果ヒドラジド化反応
後大量のメタノール中に投入するなどの分離精製操作が
不要となって、反応収率などの面でも大幅な改善を図れ
ることを知った。
また、このような有機溶媒中での反応においては、ヒド
ラジド化試剤と分子内にエステル基または酸アミド基を
有する重合体との反応性が高いために、上記重合体とし
て前記公知の方法に比し各種の重合体を適用でき、その
際特に分子内にエステル基または酸アミド基を有するビ
ニル型単量体であってその疎水性の度合の異なる二種以
上の単量体を必須成分とした特定の共重合体を用いるよ
うにしたときには、この共重合体の疎水性の低いビニル
型単量体部分のエステル基または酸アミド基のみを選択
的にヒドラジド化することができ、したがって上記ビニ
ル型単量体の組成、量を変えることによって一定のヒド
ラジド化率を持った設計どおりの部分ヒドラジド化共重
合体を製造容易に得ることができるという知見を得た。
本発明は、以上の知見をもとにしてさらに検討を加えた
結果、見い出されたものであり、その要旨とするところ
は、分子内にエステル基または酸アミド基を有するビニ
ル型単量体Aと上記同様の基を有してかつ上記単量体A
よりもLeo等により提唱されるLogP値が0.4以
上大きいビニル型単量体Bとからなる共重合体、あるい
は上記単量体A、Bとさらにこれらと共重合可能な分子
内にエステル基または酸アミド基を有しないビニル型単
量体Cとからなる共重合体を、有機溶媒中でヒドラジド
化試剤と反応させることにより、上記の共重合体構成成
分中ビニル型単量体Aの部分のエステル基または酸アミ
ド基を選択的にヒドラジド化することを特徴とする部分
ヒドラジド化共重合体の製造方法にある。
なお、本明細書にいうLeo等による提唱されるLo 
gP値とは、J、 Med、 Chem、 Vol 1
8. P 865(1975年)に示されているように
、分子の構成因子ごとに疎水性フラグメント定数fを帰
属し、その総和Σfとして算出されるものである。上記
フラグメントのf定数は下記の第1表に示されるとお゛
りである。
第1表 +           10 本発明における上記のLogP値は、ビニル型単量体A
、Bの疎水性の度合を示すものであって、この値が小さ
いほど疎水性が低いつまり親水性が高いことを意味する
。以下、本明細書では、上記のLogP値を、単にLo
gP値と略称することにする。
〔発明の構成・作用〕
本発明においては、ヒドラジド化試剤と反応させるべき
重合体として、分子内にエステル基または酸アミド基を
有するビニル型単量体Aと上記同様の基を有してかつ上
記単量体AよりもLogP値が0.4以上大きいビニル
型単量体Bとからなる共重合体を使用できるほか、上記
単量体A、Bとさらにこれらと共重合可能な分子内にエ
ステル基または酸アミド基を有しないビニル型単量体C
とからなる共重合体を使用することができる。
上記雨具重合体を構成する分子内にエステル基または酸
アミド基を有するビニル型単量体A、  Bのうち、ま
ず分子内にエステル基を有する単量体としては、例えば
メチルアクリレート、エチルアクリレート、ノルマルブ
チルアクリレート、イソブチルアクリレート、ターシャ
リブチルアクリレート、2−エチルへキシルアクリレー
ト、フェニルアクリレート、シクロへキシルアクリレー
ト、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ノ
ルマルブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレー
ト、ターシャリブチルメタクリレート、2−エチルへキ
シルメタクリレート、フェニルメタクリレート、シクロ
ヘキシルメタクリレートなどが挙げられる。
また、つぎの一般式(1); %式% (式中、R1は水素原子またはメチル基、Xは水素原子
または炭素数1〜4のアルキル基、nlは1〜30まで
の定数、R2,R3はそのいずれか一方が水素原子で他
方が水素原子またはメチル基) で表されるラジカル重合性の単量体で、例えば2−ヒド
ロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルア
クリレート、2−メトキシエチルアクリレート、2−メ
トキシプロピルアクリレート、2−エトキシエチルアク
リレート、2−エトキシプロピルアクリレート、2−ブ
トキシエチルアクリレート、2−ブトキシプロピルアク
リレート、メトキシジエチレングリコールアクリレート
、メトキシエチレングリコール・プロピレングリコール
アクリレート、2−メトキシプロピレングリコールアク
リレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレー
ト、2−メトキシトリプロピレングリコールアクリレー
ト、メトキシジエチレングリコール・プロピレングリコ
ールアクリレート、エトキシノナエチレングリコールア
クリレート、エトキシエイコサエチレングリコールアク
リレート、2−ブトキシトリアコンタプロピレングリコ
ールアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピルメタクリレ−ト、2−メト
キシエチルメタクリレート、2−メトキシプロピルメタ
クリレート、2−エトキシエチルメタクリレート、2−
エトキシプロピルメタクリレート、2−ブトキシエチル
メタクリレート、2−ブトキシプロピルメタクリレート
、メトキシジエチレングリコールメタクリレート、メト
キシエチレングリコール・プロピレングリコールメタク
リレート、2−メトキシジプロピレングリコールメタク
リレート、メトキシトリエチレングリコールメタクリレ
ート、2−メトキシトリプロピレングリコールメタクリ
レート、メトキシジエチレングリコール・プロピレング
リコールメタクリレート、エトキシノナエチレングリコ
ールメタクリレート、エトキシエイコサエチレングリコ
ールメタクリレート、2−ブトキシトリアコンタプロピ
レングリコールメタクリレートなどが挙げられる。
さらにまた、つぎの一般式(2); aRs −C o=c   c=o               ・
・・(2)Z−00−(CH−CH−0)Y II” R&   R。
〔式中、R4,R5はそのいずれか一方が水素原子で他
方が水素原子またはメチル基、Yは水素原子または炭素
数1〜4のアルキル基、n2は1〜30の実数、R6,
R7はそのいずれか一方が水素原子で他方が水素原子ま
たはメチル基、Zは炭素数1〜4のアルキル基または次
の式; %式%) (Re、Rqはそのいずれか一方が水素原子で他方が水
素原子またはメチル基、Aは炭素数1〜4のアルキル基
またはアシル基、n3は1〜30の実数)で示される基
〕 で表されるラジカル重合性の単量体で、例えばジ(2−
メトキシエチル)マレート、ジ(メトキシジエチレング
リコール)マレート、ジ(メトキシトリエチレングリコ
ール)マレート、ジ(ブトキシノナエチレングリコール
)マレート、ジ(エトキシトリコサエチレングリコール
)マレート、ジ(2−メトキシプロピレングリコール)
マレート、ジ(2−エトキシジプロピレングリコール)
マレート、ジ(1−ブトキシトリプロピレングリコール
)マレート、2−メトキシエチルメチルマレート、メト
キシジエチレングリコールエチルマレート、メトキシト
リプロピレングリコールドデシルマレート、ジ(2−メ
トキシエチル)フマレート、ジ(メトキシジエチレング
リコール)フマレート、ジ(メトキシノナエチレングリ
コール)フマレート、ジ(エトキシトリコサエチレング
リコール)フマレート、メトキシジエチレングリコール
エチルフマレート、ジ(2−メトキシエチル)シトラコ
ネート、ジ(メトキシエチル)メサコネートなどが挙げ
られる。
つぎに、分子内に酸アミド基を有する単量体としては、
例えばアクリルアミド、メタクリルアミド、N−ヒドロ
キシメチルアクリルアミド、N−ヒドロキシメチルメタ
クリルアミド、2−アクリルアミドグリコ−リックアシ
ド、2−メタクリルアミドグリコ−リックアシド、2−
アクリルアミド2−メチルプロパンスルフオン酸ナトリ
ウム、2−メタクリルアミド2−メチルプロパンスルフ
オン酸ナトリウムなどが挙げられる。
本発明では、これら分子内にエステル基または酸アミド
基を有する単量体を少なくとも2種組み合わせて使用し
、そのうち疎水性度合の小さい方をヒドラジド化反応に
関与させるべきビニル型単量体Aとし、これより疎水性
度合の大きい方をヒドラジド化反応に関与させないビニ
ル型単量体Bとする。ここで、両車量体A、 Hの疎水
性度合の差はLogP値で0.4以上、特に好適には0
.5以上の差が必要で、この差が0.4未満となるとビ
ニル型単量体Aの部分のエステル基または酸アミド基の
みを選択的にヒドラジド化することが困難となるため、
不適当である。
この点につき、以下に2.3の実例を挙げて詳しく説明
する。まず、つぎの第2表は、前記分子内にエステル基
または酸アミド基を有するビニル型単量体のうちの代表
的なものにつき、そのり。
gP値を示したものである。
第2表 上記第2表のLogP値から、たとえばLogP値が−
1,zOの2−ヒドロキシエチル了クリレートをビニル
型単量体Aとすると、ビニル型単量体Bとしては、その
L Og P値が−0,80以上である単量体、たとえ
ばメチルアクリレート、メチルメタクリレート、n−ブ
チルアクリレートなどの各種単量体が任意に選ばれる。
また、LogP値が0.78のメチルメタクリレートを
ビニル型単量体Aとすれば、ビニル型単量体Bとしては
、そのLogP値が1.18以上である単量体、たとえ
ばn−ブチルアクリレート、2−エチルへキシルメタク
リレートなどが任意に選ばれる。
一方、たとえばLogP値が0.78のメチルメタクリ
レートをビニル型単量体Aとしたときに、ビニル型i量
体BとしてそのLOgP値が0.79のエチルアクリレ
ートを選択すると、両車量体のLOgP値の差は0.0
1、つまり0.4未満となるため、本発明においてはこ
のような単量体A、 Bの組み合わせは排除されること
になる。
このように、本発明においては、分子内にニスチル基ま
たは酸アミド基を有するビニル型単量体を2種以上組み
合わせて使用するにあたり、各単量体の疎水性度合その
ものよりも各単量体の疎水性度合の相対的関係が重要な
のであり、その相対的関係としてLogP値の差が0.
4以上となる2種以上の組み合わせにおいて、LogP
値の小さい方をビニル型単量体Aとし、大きい方をビニ
ル型単量体Bとして選択すればよいのである。
したがって、ある単量体が他の単量体との組み合わせに
おいて、たとえば前例のメチルメタクリレートの如く、
ビニル型単量体Aとなる場合もあるし、逆にビニル型単
量体Bとなることもある。
また、両車量体A、Bは、いずれも1種に限られること
なく、LOgP値の差が0.4以上となる限り、上記の
一方または両方が2種以上の単量体から構成されていて
もなんら差し支えないのである。
しかしながら、ビニル型単量体Aはヒドラジド化反応に
関与させるべき成分であり、このヒドラジド化反応は上
記成分の疎水性度合が小さいほど反応速度が速くなる。
このため、その反応性の面から勘案すれば、上記ビニル
型単量体Aとしては、そのLOgP値が小さいほど望ま
しく、一般にはLogP値が0.5以下となる単量体を
ビニル型単量体Aとして選択するのが好ましい。このよ
うな単量体においてはヒドラジド化の反応条件をより穏
やかな条件とすることができるから、本発明の選択的ヒ
ドラジド化に一段と望ましい結果が得られる。また、分
子内にエステル基または酸アミド基を有する単量体を3
種以上用いる場合において、選択的ヒドラジド化をより
容易にする観点から、LOgP値が一番小さくなる単量
体のみをビニル型単量体Aとし、他の2以上の単量体を
ビニル型単量体Bとして、選択的ヒドラジド化反応に供
するようにするのが望ましい。
なお、ビニル型単量体Bとしては、前記した各種の単量
体のほか、酢酸ビニルなどのビニルエステルを選ぶこと
もできる。すなわち、このビニルエステルも分子内にエ
ステル基を有する単量体のため、ヒドラジド化試剤と木
質的に反応するが、この反応によって共重合体積に導入
できる基は水酸基であり、酸ヒドラジド基が導入される
わけではない。本発明の目的は、酸ヒドラジド基の選択
的導入にあるから、上記の如きビニルエステルは、これ
よりLogP値が0.4以上小さくなるビニル型単量体
Aとの組み合わせにおいてのみ、ビニル型単量体Bとし
て使用することができるのである。
つぎに、上記の如きビニル型単量体A、  Bと併用す
ることが可能なビニル型単量体Cとしては、上記単量体
A、 Bと共重合可能で分子内にエステル基または酸ア
ミド基を有しない各種の単量体が包含される。この単量
体Cはヒドラジド化試剤との反応に本質的に関与せず、
専らヒドラジド化共重合体に望ましい性質を付与するた
めの可変部分として利用されるものである。このような
単量体Cの具体例としては、スチレン、アクリル酸、メ
ククリル酸、マレイン酸、フマール酸、酢酸ビニル、ア
クリロニトリル、ブタジェン、ビニルブチルエーテルな
どが挙げられる。この単量体Cは一種であっても二種以
上であってもよい。
本発明において使用する共重合体は、以上のビニル型単
量体A、Bまたはこれらとビニル型単量体Cとからなる
共重合体であるが、各単量体の組成比は用途目的に応じ
て適宜選ぶことができる。
しかし、一般的にはビニル型単量体Aが1〜99重量%
、特に好適には5〜90重量%、ビニル型単量体Bが9
9〜1重量%、特に好適には90〜5重量%の範囲で、
ビニル型単量体Cが0〜80重景%重量囲となるように
するのがよい。
ビニル型単量体Aはヒドラジド化反応に関与する成分で
あり、したがってこの割合が少なすぎては共重合体に所
要の酸ヒドラジド基を導入できず、酸ヒドラジド基に起
因した諸性能の付与が充分になされなくなる。一方、ビ
ニル型単量体Aの割合が多くなりすぎると、それに伴っ
てビニル型単量体Bまたはこれとビニル型単量体Cとの
割合が少なくなりすぎるため、部分ヒドラジド化共重合
体を得る目的、つまり共重合体鎖中にヒドラジド化反応
に関与しない部分を残すことによって共重合体中に種々
の特性を付与せんとする本発明の目的を充分に達成する
ことができなくなる。特にビニル型単量体Bはこれがヒ
ドラジド化反応に関与しないことによって共重合体鎖中
にエステル基または酸アミド基が残り、これら基が共重
合体に用途目的に応じた好ましい性質を付与する成分と
して作用するものである。
また、上記単量体から構成される共重合体の分子量につ
いては特に制限されない。しかし、重合体としての物性
上およびヒドラジド化反応を有機溶媒を用いた溶液中で
行う関係上、適当な範囲に設定されていることが望まし
い。この範囲は単量体の種類によって一種には決められ
ないが、一般的には重量平均分子量が1,500〜20
0,000の範囲にあるのがよい。
本発明のヒドラジド化反応は、通常このような共重合体
を有機溶媒に溶解させてなる溶液に、ヒドラジド化試剤
を加えることによって行われる。
ここで使用する有機溶媒としては、ドルオール、キジロ
ールなどの芳香族炭化水素またはヘキサン、ミネラルス
ピリットなどの脂肪族炭化水素が好ましく、またこれら
とエタノール、イソプロパノ−ル、n−ブタノールなど
のアルコール系溶媒との併用系が特に好ましい。アルコ
ール系溶媒はこれ単独で使用することも可能である。こ
の溶媒溶液中の重合体の濃度としては、溶液粘度が25
℃で0.2〜30ポイズの範囲となるように、一般に5
〜70重量%の範囲とするのが、ヒドラジド化反応をス
ムースに進行させる点で望ましい。
上記の溶液に加えるヒドラジド化試剤としては、ヒドラ
ジンヒドラートやヒドラジンなどがあり、これらは水溶
液の状態で加えてもよいし、水を含まない100%試剤
として加えてもよい。ヒドラジド化試剤として特に好適
なものはヒドラジンヒドラートである。このようなヒド
ラジド化試剤の使用量は、共重合体を構成するビニル型
単量体Aの部分のエステル基または酸アミド基をヒドラ
ジド化するに必要な量である。この量はその理論量どお
りとすることも可能であるが、上記の基を完全にヒドラ
ジド化させる点から、理論量に対し約1.2〜5倍量、
特に好適には1.5〜2倍量とするのが望ましい。この
使用量は従来公知の方法に必要とされていたヒドラジド
化試料の使用量に比しはるかに少ない量である。
有機溶媒が芳香族炭化水素または脂肪族炭化水素を含む
場合、またアルコール系溶媒を単独で使用するときでも
その使用量や温度条件などにより、上述のヒドラジド化
試剤を加えたとき、反応系が重合体溶液とヒドラジド化
試剤との二液箱に分離することがある。したがって、こ
のような場合ヒドラジド化試剤を加えながらあるいは加
えたのち強力に攪拌して反応を行うのが望ましい。ヒド
ラジド化反応の進行に伴って共重合体は親水性となり、
反応は促進される。反応途中でアルコール系溶媒を追加
して反応内容物の粘度を調整するなどの手段を付加する
ことは任意に可能である。
反応温度は、主に共重合体を構成するビニル型単量体A
の種類、特にそのLogP値により相違し、またビニル
型単量体B、Cの種類などによっても影響されるが、一
般には30〜120℃の範囲で上記共重合体の組成に応
じて適宜設定することができる。この際、ビニル型車量
体A部分のエステル基または酸アミド基がビニル型車量
体B部分の上記同様の基に比し反応性が高いから、反応
温度としては上記後者の基が反応に関与しないような温
度を選択すればよく、これによって選択的ヒドラジド化
という目的が容易に達成されることになる。
このようなヒドラジド化反応においては、前記従来公知
の方法に比し反応時間を著しく短縮でき、一般に0.5
〜4時間の範囲で反応を完結させることができる。もち
ろん、この反応時間は、共重合体を構成する各ビニル型
単量体の種類特にビニル型単量体Aの種類により、また
使用する有機溶媒の種類などにより大きく相違するから
、これらのことを勘案して適宜設定すればよい。
このようにして得られるヒドラジド化共重合体は、ビニ
ル型単量体Aの部分のエステル基または酸アミド基のみ
がヒドラジド化された設計どおりのヒドラジド化率を有
する部分ヒドラジド化共重合体となる。このことは、分
離精製後の上記共重合体中に含まれる窒素量を測定する
ことにより、また反応液中の溶媒に含まれるヒドラジド
化反応の副成物(たとえばビニル型単量体Aがメチルア
クリレートである場合の副生物はメタノール、2−ヒド
ロキシエチルアクリレートである場合の副生物はエチレ
ングリコール)を検量することにより、容易に確認され
る。
本発明においては、上記の部分ヒドラジド化共重合体を
含む反応溶液を必要に応じて溶媒によって希釈したのち
、あるいは反応溶液が親水性の溶媒を用いたものである
ときは水によって希釈したのち、これをそのまま部分ヒ
ドラジド化共重合体の溶液として使用に供することがで
きる。これは、前述のとおり、ヒドラジド化試剤を理論
量に近い少量の使用量としているため、従来のような大
量のメタノール中に投入して分離精製する必要がないた
めである。
しかしながら、用途目的によっては、上記反応溶液中に
残存する未反応のヒドラジド化試剤を除去することが当
然型まれることがある。本発明者らは、このような用途
目的に供する部分ヒドラジド化共重合体溶液を得る方法
として、前記ヒドラジド化反応後の反応溶液(反応後溶
媒ないし水で希釈したものであってよい)に、過酸化物
を加えて、溶液中に残存するヒドラジド化試剤を分解。
除去する方法が有効であることを見い出した。
すなわち、この方法は、上記の反応溶液を充分に攪拌し
ながら過酸化物の溶液を滴下することにより、ヒドラジ
ド化試剤と過酸化物との酸化還元反応を生起させてヒド
ラジド化試剤を分解させ、その後必要に応じて加熱沸と
うあるいは減圧蒸留により上記分解で生成した窒素ガス
やアンモニアなどを除去することによって行われる。こ
の除去に際して、水を除く必要があるときにはこれを一
緒に分離除去するようにしてもよい。
このようなヒドラジド化試剤の分離除去は、反応溶液中
に含まれるヒドラジド化試剤が従来に比し少量であるこ
とから、可能となったものであり、ヒドラジド化試剤が
大量に残存する場合は過酸化物との反応が爆発的に進行
するため、かかる方法を採用することは非常に困難であ
る。
上記の分離、除去に用いられる過酸化物としては、過酸
化水素が好ましいが、その他過酸化ナトリウム、過酸化
硝酸カリウム、過酸化ホウ酸アンモニ、ウム、過酸化リ
ン酸カリウム、ベンゾイルパーオキサイド、アセチルア
セトンパーオキサイド、ターシャリブチルヒドロパーオ
キサイド、ジクミルパーオキサイド、アセチルパーオキ
サイド、オクタノイルパーオキサイド、ターシャリブチ
ルパーオキシイソプロビルカーポネートなどが挙げられ
る。
なお、ヒドラジド化試剤と過酸化水素との反応は、反応
液中で激しく反応するため、上記ヒドラジド化試剤が少
量であるといっても、多量のガス発生のために反応容器
の破損という危険は皆無とはいえない。したがって、既
述したとおり、過酸化水素を適当な溶媒に溶解して希釈
し、しかも反応液を充分に攪拌しながら少量づつ滴下し
て上記危険を防止することが望まれる。有機過酸化物を
用いる場合、反応はゆるやかであり上述の如き危険性は
軽減されるが、充分な危険防止のためには、やはりその
希薄溶液を少量づつ滴下するのがよい。
一方、本発明の方法にて得られる部分ヒドラジド化共重
合体を、有機溶媒や水を含まない固形物として使用に供
する場合、凍結真空乾燥法を採用することができる。す
なわち、この方法は、まず前記の反応液を零下数10度
、望ましくは零下30℃以下に冷却する。この冷却によ
り、反応液中のヒドラジド化試剤や水などは凍結される
。つぎに、Q、1. in Hg以下に減圧したのち、
しだいに昇温させると、溶媒と共にヒドラジド化試剤や
水その他の揮発性不純物が連敗除去され、不純物を含ま
ない固形物としての部分ヒドラジド化共重合体が得られ
る。
なお、上記凍結真空乾燥法により、上述のとおり、ヒド
ラジド化試剤も分離除去されるから、この方法で得た上
記共重合体を再度有機溶媒や水に溶解して高純度溶液と
して使用に供してもよい。
また、逆に前記過酸化物による分解法で精製された共重
合体溶液を、上記凍結真空乾燥法に供して、より高純度
の固形物とすることも可能である。
〔発明の効果〕
以上のように、本発明においては、分子内にエステル基
または酸アミド基を有する重合体とヒドラジド化試剤と
の反応を有機溶媒中で行わせるようにしたことにより、
上記ヒドラジド化試剤を理論量に近い少量の使用量とし
てもヒドラジド化反応を短期間に行わせることができ、
前記従来の方法に比し反応時間を大幅に短縮させること
ができる。また、上記ヒドラジド化試剤を少量とするこ
とができる結果、反応後の溶液をそのまま使用に供して
もよく、またたとえば過酸化物によって残留ヒドラジド
化試剤を分解除去する方法などによって容易に精製する
ことが可能であり、それ故にヒドラジド化重合体の反応
収率の向上をも図ることができる。
さらに、本発明の方法による特筆すべき効果は、上記の
如く反応性を高めうる結果として、ヒドラジド化反応に
供するべき重合体の範囲が著しく拡大され、この適用範
囲の拡大によって本発明では上記重合体として特に分子
内にエステル基または酸アミド基を有するビニル型単量
体であってその疎水性度合の差が特定範囲以上となる二
屑以上の組み合わせからなるものを必須成分とした共重
合体を用いることにより、その疎水性の低い上記単量体
部分のエステル基または酸アミド基のみを選択的にヒド
ラジド化することが可能となったことである。
すなわち、本発明の方法により、一定のヒドラジド化率
を持った設計どおりの部分ヒドラジド化共重合体を、前
記した効果を失うことなく製造容易に得ることが可能と
なったのである。しかも、この部分ヒドラジド化共重合
体は、ヒドラジド化反応に関与しない単量体成分、つま
り前記したビニル型単量体Bまたはこれとビニル型単量
体Cの種類1組成を任意に変えることにより、用途目的
に応じた種々の性能を付与することができる。
したがって、本発明の方法により得られる部分ヒドラジ
ド化共重合体は、その製造上の前記利点だけでなく、所
望のヒドラジド化率を有し、所望の物性を有するものと
して、さらには高純度製品として、たとえば塗料、接着
剤、繊維助剤、医療材料、化粧品などの新しい産業分野
に利用できるほか、従来公知の用途目的に対しても有利
に応用できるという、その利用価値の非常に高められた
ものとなる。
〔実施例〕
つぎに、この発明の実施例を記載してより具体的に説明
する。
実施例1 2βの四つロフラスコにキジロール280gとn−ブタ
ノール120gを入れ、攪拌しながら1).7℃に加熱
した。つぎに、2−ヒドロキシエチルアクリレ−) 5
0 g、メチルメタクリレート350gおよびブチルメ
タクリレート100gからなる単量体混合物に、ter
t−ブチルパーオキサイド〔日本油脂■製の商品名パー
ブチル0〕2゜5gとn−ブタノール50gとからなる
溶液を加え、この混合溶液を前記の加熱フラスコ中に2
時゛間かかつて滴下した。攪拌しながら1時間上記の温
度に保ち、さらにパーブチル00.75g、l!:n−
ブタノール50gとからなる溶液を30分ががって滴下
した。1時間熟成後、n−ブタノール250gを加えて
希釈した。
このようにして得られた共重合体溶液は、その収量が1
,245g、固形分が40重量%、粘度が6ポイズ/2
5℃、共重合体の重量平均分子量が18.500で、無
色透明であった。なお、この共重合体を構成する各単量
体のLogP値は、2−ヒドロキシエチルアクリレート
で−1,20、メチルメタクリレートで0.78、ブチ
ルメタクリレートで2.40であり、この実施例では、
上記の2=ヒドロキシエチルアクリレートをヒドラジド
化反応に関与させるべきビニル型単量体A、他の三者を
ビニル型単量体Bとして、以下のヒドラジド化反応に供
した。
すなわち、上記の共重合体溶液に、100%ヒドラジン
ヒドラ−トロ4.7g(上記ビニル型単量体Aの部分の
エステル基をヒドラジド化するに要する理論当量の3倍
N)を入れ、攪拌しなから90°Cで4時間反応させた
。反応液は40 ’C以上では無色透明の粘稠液である
が、室温では白色高粘稠の流動体となった。
しかるのち、上記の反応液を50℃に加温し、充分攪拌
しながら、過酸化水素水(H20231重量%)208
g  (過剰ヒドラジンヒドラートを分解するに要する
理論量の1.1倍量)とイソプロパツール104gとか
らなる溶液を1時間かかつて滴下し、さらに1時間熟成
した。その後、反応液を攪拌しながら83℃に昇温し、
溶媒を還流させてトラップで水を分離し、窒素ガス、ア
ンモニアを反応液から除去した。
このようにして得られた部分ヒドラジド化共重合体(3
6重量%溶液)は、その収率が理論の98重量%、重量
平均分子量が18,200であった。
また、ガスクロマトグラフィーによる元素分析で共重合
体中の窒素量を測定したところ、3.26重量%であっ
た。これは、もとの共重合体の前記ビニル型単量体Aの
部分のエステル基が100%ヒドラジド化された場合の
量と同じである。また、ヒドラジド化反応が終了した時
点での反応液中の溶媒のガスクロマトグラフィーより、
ヒドラジド化反応の副生物であるエチレングリコールを
3.24重量%検量した。これは、もとの共重合体の前
記ビニル型単量体Aの部分のエステル基が100%ヒド
ラジド化された場合の量と同じである。
上記の分析結果から、上述の方法にて得られた部分ヒド
ラジド化共重合体は、もとの共重合体の前記ビニル型単
量体Aの部分のエステル基だけが100%ヒドラジド化
され、前記ビニル型単量体Bの部分のエステル基は全く
ヒドラジド化されていない、設計通りの部分ヒドラジド
化物であることが確認された。
実施例2 溶媒としてイソプロパツール30gとキジロール70g
との混合溶媒を、単量体混合物としてジエチレングリコ
ールアクリレート10g、メチルメタクリレ−)64g
、n−ブチルアクリレート25gおよびアクリル酸1g
を、重合開始剤として2・4−ジクロルベンゾイルパー
オキサイド0゜4gを、それぞれ使用し、かつ重合条件
を80℃で合計7時間とした以外は、実施例1と同様に
して共重合体溶液を得た。
このようにして得られた共重合体溶液は、その収量が2
00g、固形分が50.0重量%、粘度が8.8ポイズ
/25°C2共重合体の重量平均分子量が85,000
であった。なお、この共重合体を構成するアクリル酸以
外のエステル基含有単量体のLogP値は、ジエチレン
グリコールアクリレートで−2,05、メチルメタクリ
レートで0.78、n−ブチルアクリレートで1.87
であり、この実施例では、上記のジエチレングリコール
アクリレートをヒドラジド化反応に関与させるべきビニ
ル型単量体A、他の王者のエステル基含有単量体をビニ
ル型単量体Bとして、引き続くヒドラジド化反応に供し
た。
このヒドラジド化反応は、ヒドラジド化試剤として上記
の共重合体溶液に対し80重重量ヒドラジンヒドラート
水溶液5.9g(上記ビニル型単量体Aの部分のエステ
ル基をヒドラジド化するに要する理論当量の1.5倍量
)を使用し、かつ反応条件を82゛Cで2時間とした以
外は、実施例1の場合と同様にして行った。
しかるのち、上記の反応液に含まれる過剰のヒドラジン
ヒドラートを分解させるための過酸化物として、ter
t−ブチルパーオキシビバレート13.0g(過剰ヒド
ラジンヒドラートを分解するに要する理論量の1.2倍
量)を使用し、その滴下条件を80℃、2時間とした以
外は実施例1の場合と同様にして分解反応を行い、その
後、反応液を攪拌しながら82℃に昇温し、溶媒を還流
させてトラップで水を分離し、窒素ガス、アンモニアを
反応液から除去した。
このようにして得られた部分ヒドラジド化共重合体(4
7重量%溶液)は、その収率が理論の98重量%、重量
平均分子量が81,000であった。
またガスクロマトグラフィーによる元素分析で測定され
た共重合体中の窒素量は1.83重量%、さらにヒドラ
ジド化反応が終了した時点での反応液中の溶媒のガスク
ロマトグラフィーによって測定されたヒドラジド化反応
の副生物であるジェチレングリコールは6.06重量%
であった。これらの量は、もとの共重合体の前記ビニル
型単量体Aの部分のエステル基が100%ヒドラジド化
された場合の量といずれも同じであった。
上記の分析結果から、上述の方法にて得られた部分ヒド
ラジド化共重合体は、もとの共重合体の前記ビニル型単
量体Aの部分のエステル基だけが100%ヒドラジド化
され、前記ビニル型単量体Bの部分のエステル基は全く
ヒドラジド化されていない、設計通りの部分ヒドラジド
化物であることが確認された。
実施例3 溶媒としてn−ブタノール20gとキジロール80gと
の混合溶媒を、単量体混合物としてアクリルアミド5g
1メチルアクリレート20g、メチルメタクリレート6
0gおよびn−ブチルアクリレート15gを、重合開始
剤としてプロピオニルパーオキサイド2.0gを、それ
ぞれ使用し、かつ重合条件を1)7℃で合計3時間とし
た以外は、実施例1と同様にして共重合体溶液を得た。
このようにして得られた共重合体溶液は、その収量が2
00g、固形分が49.9重量%、粘度が1.2ボイズ
/25℃、共重合体の重量平均分子量が14,000で
あった。なお、この共重合体を構成する各単量体のLO
gP値は、アクリルアミドで−1,21、メチルアクリ
レートで0.25、メチルメタクリレートで0.78、
n−ブチルアクリレートで1.87であり、この実施例
では、上記のアクリルアミドをヒドラジド化反応に関与
させるべきビニル型単量体A、他の王者のエステル基含
有単量体をビニル型単量体Bとして、引き続くヒドラジ
ド化反応に供した。
このヒドラジド化反応は、ヒドラジド化試剤として上記
の共重合体溶液に対し100%ヒドラジン4.5g(上
記ビニル型単量体Aの部分の酸アミド基をヒドラジド化
するに要する理論当量の2倍量)を使用し、かつその反
応条件を95℃で2時間とした以外は、実施例1の場合
と同様にして行った。
しかるのち、上記の反応液に含まれる過剰のヒドラジン
を分解させるための過酸化物として、過酸化水素水(H
20□31重量%)15.4g(過剰ヒドラジンを分解
するに要する理論量の1.1倍量)を使用し、これとn
−ブタノール50gとの溶液を、上記の反応液に50“
c、1.5時間の条件で滴下するようにした以外は、実
施例1の場合と同様にして分解反応を行い、その後、反
応液を攪拌しながら82℃に昇温し、溶媒を還流させて
トーラツプで水を分離し、窒素ガス、アンモニアを反応
液から除去した。
このようにして得られた部分ヒドラジド化共重合体(4
0重量%溶液)は、その収率が理論の100重量%、重
量平均分子量が14,200であった。またガスクロマ
トグラフィーによる元素分析で測定された共重合体中の
窒素量は1.95重重量で、この量は、もとの共重合体
の前記ビニル型単量体Aの酸アミド基が100%ヒドラ
ジド化された場合の量と同じであった。
上記の分析結果から、上述の方法にて得られた部分ヒド
ラジド化共重合体は、もとの共重合体の前記ビニル型単
量体Aの部分の酸アミド基だけが100%ヒドラジド化
され、前記ビニル型単量体Bの部分のエステル基は全く
ヒドラジド化されていない、設計通りの部分ヒドラジド
化物であることが確認された。
実施例4 溶媒としてイソブタノール60gとドルオール4、0 
gとの混合溶媒を、単量体混合物としてジ(2−メトキ
シエチル)マレエート15gおよび酢酸ビニル85gを
、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド8.0g
を、それぞれ使用し、かつ重合条件を98℃で合計3時
間とした以外は、実施例1と同様にして共重合体溶液を
得た。
このようにして得られた共重合体溶液は、その収量が2
00g、固形分が50.0重量%、粘度が0.2ポイズ
/25℃、共重合体の重量平均分子量が5,000であ
った。なお、この共重合体を構成する各単量体のLog
P値は、ジ(2−メトキシエチル)マレエートで−2,
52、酢酸ビニルで0゜25であり、この実施例では、
いうまでもなく上記のジ(2−メトキシエチル)マレエ
ートをヒドラジド化反応に関与させるべきビニル型単量
体Aとし、酢酸ビニルをビニル型単量体Bとして、引き
続くヒドラジド化反応に供した。
このヒドラジド化反応は、ヒドラジド化試剤として上記
の共重合体溶液に対し100%ヒドラジンヒドラ−1−
7,8g(上記ビニル型単量体Aの部分のエステル基を
ヒドラジド化するに要する理論当量の1.2倍量)を使
用し、かつその反応条件を90℃で1.5時間とした以
外は、実施例1の場合と同様にして行った。
しかるのち、上記の反応液に含まれる過剰のヒドラジン
ヒドラートを分解させるための過酸化物として、過酸化
水素水(H20□31重量%)5゜7g(過剰ヒドラジ
ンヒドラートを分解するに要する理論量の2倍量)を使
用し、これとイソプロパツール50gとの溶液を、上記
の反応液に60℃、1時間の条件で滴下するようにした
以外は、実施例1の場合と同様にして分解反応を行い、
その後、反応液を攪拌しながら82℃に昇温し、溶媒を
還流させてトラップで水を分離し、窒素ガス、アンモニ
アを反応液から除去した。
このようにして得られた部分ヒドラジド化共重合体(3
7重量%溶液)は、その収率が理論の97重量%、重量
平均分子量が4,700であった。
またガスクロマトグラフィーによる元素分析で測定され
た共重合体中の窒素量は2.00重量%、さらにヒドラ
ジド化反応が終了した時点での反応液中の溶媒のガスク
ロマトグラフィーによって測定されたヒドラジド化反応
の副生物である2−メトキシエチルアルコールは8.8
4重量%であった。
これらの量は、もとの共重合体の前記ビニル型単量体A
の部分のエステル基が100%ヒドラジド化された場合
の量といずれも同じであった。
上記の分析結果から、上述の方法にて得られた部分ヒド
ラジド化共重合体は、もとの共重合体の前記ビニル型単
量体Aの部分のエステル基だけが100%ヒドラジド化
され、前記ビニル型単量体Bの部分のエステル基は全(
ヒドラジド化されていない、設計通りの部分ヒドラジド
化物であることが確認された。
実施例5 溶媒としてシクロヘキサノールLogとキジロール90
gとの混合溶媒を、単量体混合物としてメチルアクリレ
ート5g1メチルメタクリレート60g、2−エチルへ
キシルアクリレート20gおよびスチレン15gを、重
合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.2 g
を、それぞれ使用し、かつ重合条件を105℃で合計3
時間とした以外は、実施例1と同様にして共重合体溶液
を得た。
このようにして得られた共重合体溶液は、その収量が2
00g、固形分が49.9重量%、粘度が1.0ポイズ
/25℃、共重合体の重量平均分子量が12,000で
あった。なお、この共重合体を構成するスチレン以外の
エステル基含有単量体のLogPイ直は、メチルアクリ
レートで0.25、メチルメタクリレートで0.78.
2−エチルへキシルアクリレートで5.51であり、こ
の実施例では、上記のメチルアクリレートをヒドラジド
化反応に関与させるべきビニル型単量体A、他の三者の
エステル基含有単量体をビニル型単量体Bとして、引き
続くヒドラジド化反応に供した。
このヒドラジド化反応は、ヒドラジド化試剤として上記
の共重合体溶液に対し100%ヒドラジンヒドラート8
.7g(上記ビニル型単量体Aの部分のエステル基をヒ
ドラジド化するに要する理論当量の3倍量)を使用し、
かつ反応条件を100°Cで2.5時間とした以外は、
実施例1の場合と同様にして行った。
つぎに、上記の反応液にベンゼン200gを加えてよく
混合したのち、凍結真空乾燥機〔大河原製作所■製の5
l−02型〕で一50℃に凍結し、Q、 l flHg
に減圧後、1時間で50℃昇温することにより、溶媒と
ともにヒドラジド化試剤、水およびその他の揮発性不純
物を除去した。
このようにして得られた部分ヒドラジド化共重合体は、
その収率が理論の98重量%、重量平均分子量が12.
000であった。またガスクロマトグラフィーによる元
素分析で測定された共重合体中の窒素量は1.63重量
%、さらにヒドラジド化反応が終了した時点での反応液
中の溶媒のガスクロマトグラフィーによって測定された
ヒドラジド化反応の副生物であるメチルアルコールは1
.73重量%であった。これらの量は、もとの共重合体
の前記ビニル型単量体Aの部分のエステル基が100%
ヒドラジド化された場合の量といずれも同じであった。
上記の分析結果から、上述の方法にて得られた部分ヒド
ラジド化共重合体は、もとの共重合体の前記ビニル型単
量体Aの部分のエステル基だけが100%ヒドラジド化
され、前記ビニル型単量体Bの部分のエステル基は全く
ヒドラジド化されていない、設計通りの部分ヒドラジド
化物であることが確認された。
実施例6 溶媒としてメタノール50gを、単量体混合物としてエ
イコサエチレングリコールアクリレート60g、2−ヒ
ドロキシエチルアクリレート30gおよびメタクリル酸
10gを、重合開始剤としてtert−ブチルパーオキ
シピバレート0.1gを、それぞれ使用し、かつ重合条
件を63℃で合計1)時間とした以外は、実施例1と同
様にして共重合体溶液を得た。
このようにして得られた共重合体溶液は、その収量が1
50g、固形分が66.6重量%、粘度が95ボイズ/
25℃、共重合体の重量平均分子量が150,000で
あった。なお、この共重合体を構成するメタクリル酸以
外の各単量体のLOgP値は、エイコサエチレングリコ
ールアクリレートで−17,47,2−ヒドロキシエチ
ルアクリレートで−1,20であり、したがってこの実
施例では、上記のエイコサエチレングリコールアクリレ
ートをヒドラジド化反応に関与させるべきビニル型単量
体Aとし、2−ヒドロキシエチルアクリレートをビニル
型単量体Bとして、引き続くヒドラジド化反応に供した
このヒドラジド化反応は、ヒドラジド化試剤として上記
の共重合体溶液に対し100%ヒドラジン2.4g(上
記ビニル型単量体Aの部分のエステル基をヒドラジド化
するに要する理論当量の1.2倍量)を使用し、かつそ
の反応条件を30℃で30分とした以外は、実施例1の
場合と同様にして行った。
しかるのち、上記の反応液に含まれる過剰のヒドラジン
を分解させるための過酸化物として、イソブチルパーオ
キサイド4.2g(過剰ヒドラジンを分解するに要する
理論量の1.5倍量)を使用し、これとメタノール54
gとの溶液を、上記の反応液に60℃、30分の条件で
滴下するようにした以外は、実施例1の場合と同様にし
て分解反応を行った。その後、溶媒を還流させながら反
応液中の窒素ガス、アンモニアを除去したのち、水51
gを加えて希釈した。
このようにして得られた部分ヒドラジド化共重合体(4
0重量%溶液)は、その収率が理論の96重量%、重量
平均分子量が82,000であった。
またガスクロマトグラフィーによる元素分析で測定され
た共重合体中の窒素量は3.87重量%、さらにヒドラ
ジド化反応が終了した時点での反応液中の溶媒のガスク
ロマトグラフィーによって測定されたヒドラジド化反応
の副生物であるエイコサエチレングリコールは52.0
1重量%であった。
これらの量は、もとの共重合体の前記ビニル型単量体A
の部分のエステル基が100%ヒドラジド化された場合
の量といずれも同じであった。
上記の分析結果から、上述の方法にて得られた部分ヒド
ラジド化共重合体は、もとの共重合体の前記ビニル型単
量体Aの部分のエステル基だけが100%ヒドラジド化
され、前記ビニル型単量体Bの部分のエステル基は全く
ヒドラジド化されていない、設計通りの部分ヒドラジド
化物であることが確認された。
比較例1 溶媒としてキジロール200gとn−ブタノール300
gとの混合溶媒を、単量体混合物として2−エトキシテ
トラプロピレングリコールメタクリレート100gおよ
びn−ブチルアクリレート400gを、重合開始剤とし
てtert−ブチルパーオキシベンゾエート6gおよび
tert−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート
1.5gを、それぞれ使用し、かつ重合条件を1)7“
Cで合計6.5時間とした以外は、実施例1と同様にし
て共重合体溶液を得た。
このようにして得られた共重合体溶液は、その収量がi
、oosg、固形分が50重量%、粘度が4ポイズ/2
5°C1共重合体の重量平均分子量が22.000であ
った。なお、この共重合体を構成する各単量体のLog
P値は、2−エトキシテトラプロピレングリコールメタ
クリレートで1.67、n−ブチルアクリレートで1.
87であり、両者のLogP値の差は0.4未満であっ
たが、そのうちの2−エトキシテトラプロピレングリコ
ールメタクリレート部分のエステル基のみをヒドラジド
化するべく、以下のヒドラジド化反応に供した。
このヒドラジド化反応は、ヒドラジド化試剤として上記
の共重合体溶液に対し100%ヒドラジンヒドラート3
1.3g(上記2−エトキシテトラプロピレングリコー
ルメタクリレート部分のエステル基をヒドラジド化する
に要する理論当量の1゜8倍量)を使用し、かつ反応条
件を108°Cで2゜5時間とした以外は、実施例1の
場合と同様にしてヒドラジド化反応を行った。
つぎに、上記の反応液に含まれる過剰のヒドラジンヒド
ラートを分解させるための過酸化物として、過酸化水素
水(H20231重量%)122g(過剰ヒドラジンヒ
ドラートを分解するに要する理論量の2倍量)を使用し
、これとn−ブタノール250gとの溶液を、上記の反
応液に70°C91時間の条件で滴下するようにした以
外は、実施例1の場合と同様にして分解反応を行い、そ
の後、反応液を攪拌しながら82℃に昇温し、溶媒を還
流させてトラップで水を分離し、窒素ガス、アンモニア
を反応液から除去した。
このようにして得られた部分ヒドラジド化共重合体(3
6,3重量%溶液)は、その収率が理論の99重量%、
重量平均分子量が19.000であった。なお、ガスク
ロマトグラフィーによる元素分析で測定された共重合体
中の窒素量は2.73重量%であった。これは、もとの
共重合体の2−エトキシテトラプロピレングリコールメ
タクリレート部分のエステル基のみが100%ヒドラジ
ド化されたときの理論量よりもさらに多かった。なおま
た、ヒドラジド化反応が終了した時点での反応液中の溶
媒のガスクロマトグラフィーによって測定されたヒドラ
ジド化反応の副生物は、2−エトキシテトラプロピレン
グリコールが9.1重量%、n−ブタノールが0.61
重量%であった。
上記の分析結果からも明らかなように1、上述の方法に
て得られた部分ヒドラジド化共重合体は、もとの共重合
体の2−エトキシテトラプロピレングリコールメタクリ
レート部分のエステル基だけでなく、n−ブチルアクリ
レート部分のエステル基までもがヒドラジド化された、
設計通りの部分ヒドラジド化物でないことが確認された
比較例2 溶媒としてn−ブタノール75gとドルオール75gと
の混合溶媒を、単量体としてメチルアクリレ−)100
gを、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド0.
2gを、それぞれ使用し、重合条件を75℃で合計5時
間とした以外は、実施例1と同様にして重合反応を行い
、この重合反応後、反応液を17!のメタノール中に注
いで沈澱物を生成し、さらにこの沈澱物を60 ℃で減
圧乾燥した。得られたポリメチルアクリレートは白色粉
末で、重量平均分子量は155,000であった。
つぎに、このポリメチルアクリレート粉末1゜gと、8
0重量%ヒドラジンヒドラート水溶液200g(ポリメ
チルアクリレートのエステル基をすべてヒドラジド化す
るに要する理論当量の27゜5倍量)とをフラスコに入
れ、攪拌しながら8゜°Cで8時間反応させた。反応後
、反応液を1βのメタノール中に注いで、沈澱物を生成
し、これを60℃で減圧乾燥した。
このようにして得られた部分ヒドラジド化ポリメチルア
クリレートは、その収率が理論の80重量%、重量平均
分子量が158,000であった。
また、ガスクロマトグラフィーによる元素分析で上記ポ
リメチルアクリレート中の窒素量を測定することによっ
て算出したヒドラジド化率、つまりもとのポリメチルア
クリレートの全エステル基に対するヒドラジド化された
ものの割合は、72%であった。
比較例3 溶媒としてキジロール100gを、単量体混合物として
メチルアクリレート80gおよびスチレン20を、重合
開始剤としてベンゾイルパーオキサイド0.5gを、そ
れぞれ使用し、重合条件を105℃で合計7時間とした
以外は、実施例1と同様にして重合反応を行い、この重
合反応後、反応液を1)のメタノール中に注いで沈澱物
を生成し、さらにこの沈澱物を60℃で減圧乾燥した。
得られた共重合体は白色粉末で、重量平均分子量は65
.000であった。
つぎに、この共重合体粉末50gと、100%ヒドラジ
ンヒドラート250g (共重合体のメチルアクリレー
ト部分のエステル基をヒドラジド化するに要する理論当
量の10.7倍量)とをフラスコに入れ、攪拌しながら
1)0℃で12時間反応させた。反応後、反応液を氷酢
酸4ccを含む21のメタノール中に注いで、沈澱物を
生成し、これを60℃で減圧乾燥した。
このようにして得られた部分ヒドラジド化共重合体は、
その収率が理論の76重量%、重量平均分子量が68,
500であった。また、ガスクロマトグラフィーによる
元素分析で上記共重合体中の窒素量を測定することによ
って算出したヒドラジド化率、つまりもとの共重合体の
メチルアクリレート部分の全エステル基に対するヒドラ
ジド化されたものの割合は、35%であった。
比較例4 過硫酸カリ0.19 gとイソプロパツール10gとを
含ませた水890gに、アクリルアミド1゜Ogを加え
、80℃で2時間重合反応を行ったのち、反応液を10
ρのメタノール中に注いで沈澱物を生成し、さらにこの
沈澱物を60°Cで減圧乾燥した。得られたポリアクリ
ルアミドは白色粉末で、重量平均分子量は105,00
0であった。
つぎに、このポリアクリルアミド粉末50gと、80重
量%ヒドラジンヒドラート水溶?&500g(ポリアク
リルアミドの酸アミド基をヒドラジド化するに要する理
論当量の1).4倍量)とをフラスコに入れ、攪拌しな
がら90℃で3時間反応させた。反応後、反応液を氷酢
酸10ccを含む51のメタノール中に注いで、沈澱物
を生成し、これを60℃で減圧乾燥した。
このようにして得られた部分ヒドラジド化ポリアクリル
アミドは、その収率が理論の88重量%、重量平均分子
量が1)8.000であった。また、ガスクロマトグラ
フィーによる元素分析で上記ポリアクリルアミド中の窒
素量を測定することによって算出したヒドラジド化率、
つまりもとのポリアクリルアミドの全酸アミド基に対す
るヒドラジド化されたものの割合は、45%であった。
以上の実施例1〜6および比較例1〜4の結果を整理す
ると、まず本発明の実施例1〜6より以下のことが明ら
がである。
■ヒドラジド化を目的としたビニル型単量体Aの部分の
みがいずれも100%ヒドラジド化されていることから
、本発明の共重合体を構成する各単量体の疎水性度合の
差を利用した選択的ヒドラジド化が確実に達成される。
■ヒドラジド化に要する反応時間は、ヒドラジド化しよ
うとするビニル型単量体Aの量、ビニル型単量体Bさら
にはビニル型単量体Cの疎水性度合、溶媒の種類などに
よって異なるが、最短で30分、最長で4時間であるよ
うに、本発明では有機溶媒による溶液中でのヒドラジド
化反応を採用しているために、いずれも短時間で反応が
終了する。
■ヒドラジド化試剤の使用量は理論当量の1.2〜3倍
量の範囲であり、このような少ない使用量でもって上記
■、■の特徴を発揮できる。
■部分ヒドラジド化共重合体の収率は理論量の96〜1
00%と非常に高い。
一方、従来の手法を採用した比較例2〜4、および本発
明の範囲外の共重合体を用いた以外は本発明と同様の手
法を採用した比較例1から、以下のことが明らかである
■まず、比較例2〜4の方法では、ヒドラジド化反応を
水溶媒系あるいは固体粉末の状態で行っているために、
ヒドラジンヒドラートの使用量が理論量の10.7〜2
7.5倍量という多量であるにもかかわらず、ヒドラジ
ド化率を勘案した場合の反応時間が著しく長く、しかも
このヒドラジド化反応後メタノール中に投入して目的物
を得る必要から、反応収率が理論量の76〜88%と低
いものとなる。
■また、この比較例2〜4の方法は、上記■のことから
も、ヒドラジド化率を所望する値に設定しにくく、しか
もこれに適用できるポリマーは親水性の高いポリアクリ
ルアミドや、ホリメチルメタクリレートまたはこれとス
チレンなどとの共重合体に限られ、他のポリマーではヒ
ドラジド化反応を非常に行わせにくく、またヒドラジド
化率の設定が一層難しくなることが予測される。
■さらに、比較例1では、共重合体を構成する2種の単
量体の疎水性度合の差が小さすぎるため゛に、ヒドラジ
ド化を目的とした単量体部分のエステル基のみを選択的
にヒドラジド化することができす、設計どおりの部分ヒ
ドラジド化共重合体を得ることが困難となる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)分子内にエステル基または酸アミド基を有するビ
    ニル型単量体Aと上記同様の基を有してかつ上記単量体
    AよりもLeo等により提唱されるLogP値が0.4
    以上大きいビニル型単量体Bとからなる共重合体、ある
    いは上記単量体A、Bとさらにこれらと共重合可能な分
    子内にエステル基または酸アミド基を有しないビニル型
    単量体Cとからなる共重合体を、有機溶媒中でヒドラジ
    ド化試剤と反応させることにより、上記の共重合体構成
    成分中ビニル型単量体Aの部分のエステル基または酸ア
    ミド基を選択的にヒドラジド化することを特徴とする部
    分ヒドラジド化共重合体の製造方法。
  2. (2)ヒドラジド化試剤がヒドラジンヒドラートである
    特許請求の範囲第(1)項記載の部分ヒドラジド化共重
    合体の製造方法。
  3. (3)有機溶媒が芳香族炭化水素または脂肪族炭化水素
    を含み、この溶媒中での共重合体とヒドラジド化試剤と
    の反応を強力な攪拌下に行う特許請求の範囲第(1)項
    または第(2)項記載の部分ヒドラジド化共重合体の製
    造方法。
  4. (4)反応後の部分ヒドラジド化共重合体を含む溶液中
    に過酸化物を加えて、上記溶液中に残存するヒドラジド
    化試剤を分解、除去する特許請求の範囲第(1)〜(3
    )項のいずれかに記載の部分ヒドラジド化共重合体の製
    造方法。
  5. (5)過酸化物が過酸化水素である特許請求の範囲第(
    4)項記載の部分ヒドラジド化共重合体の製造方法。
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