JPS62144807A - H型鋼圧延用複合スリ−ブおよびその製造法 - Google Patents

H型鋼圧延用複合スリ−ブおよびその製造法

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JPS62144807A
JPS62144807A JP28838385A JP28838385A JPS62144807A JP S62144807 A JPS62144807 A JP S62144807A JP 28838385 A JP28838385 A JP 28838385A JP 28838385 A JP28838385 A JP 28838385A JP S62144807 A JPS62144807 A JP S62144807A
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JP28838385A
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Yoshihiro Nakagawa
中川 義弘
Yoshito Seto
瀬戸 良登
Akitoshi Okabayashi
昭利 岡林
Tsunao Kawanaka
綱夫 川中
Hiroyuki Kimura
広之 木村
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Kubota Corp
Original Assignee
Kubota Corp
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21BROLLING OF METAL
    • B21B27/00Rolls, roll alloys or roll fabrication; Lubricating, cooling or heating rolls while in use
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21BROLLING OF METAL
    • B21B1/00Metal-rolling methods or mills for making semi-finished products of solid or profiled cross-section; Sequence of operations in milling trains; Layout of rolling-mill plant, e.g. grouping of stands; Succession of passes or of sectional pass alternations
    • B21B1/08Metal-rolling methods or mills for making semi-finished products of solid or profiled cross-section; Sequence of operations in milling trains; Layout of rolling-mill plant, e.g. grouping of stands; Succession of passes or of sectional pass alternations for rolling structural sections, i.e. work of special cross-section, e.g. angle steel
    • B21B1/088H- or I-sections

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Reduction Rolling/Reduction Stand/Operation Of Reduction Machine (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、主としてH形鋼の圧延分野に使用されている
複合スリーブについて、より高性能を有する新しい種類
のスリーブ及びその好適な製造法の提供に関する。
(従来の技術及びその問題点) H形鋼の圧延に際しては、生産性、品質確保の面からユ
ニバーサルミルの使用が一般的になっているが、このユ
ニバーサルミルで使用されるロール、スナわチ水平ロー
ル、竪ロール、エツジヤロールは、その殆どがスリーブ
方式となっている。
すなわち、円筒状の圧延用スリーブを軸に焼ばめ等によ
り組み立てて使用し、あるいはスリーブにヘアリングを
組み込んで遊動ロールとして使用している。そして、ス
リーブは、一般に圧延材と接しこれを圧延加工するため
の外層と、軸嵌等を考慮して靭性に優れた材質で形成さ
れた内層とが溶着一体化された複合構造とされている。
また、外層から内層への高合金成分の混入により内層の
靭性が劣化するのを防止するために外層と内層との間に
中間層を設ける場合もある。
複合スリーブは、通常遠心力鋳造によって製造されてい
る。まず、外側の層を遠心力鋳造した後、それが未凝固
時乃至凝固完了後に内側の層を遠心力鋳造し、外層、中
間層、内層を各々溶着一体化して、目的とする複合スリ
ーブが製造される。
スリーブ方式の場合、まず大きな問題点としてスリーブ
内面からの割損事故が挙げられる。すなわち、一般の中
実ロールに比較して、スリーブは中空であるため内面の
接線方向残留応力が大きく、それに焼ばめ組立時の焼ば
め、圧延使用時の熱応力、圧延荷重応力が加わり、割損
事故を発生し易く、これらは他の1般ロールには見られ
ない問題である。そのため、残留応力の低減とともにス
リーブ内層材質の強靭性に留意する必要がある。
外層材質は、圧延材と接し、耐摩耗性、耐クラツク性、
耐肌荒性等の圧延成績と直接に結びつくため、外層材質
の改良は最も重要である。特にユニバーサルミルの水平
ロールの場合、H形鋼のフランジ部での摺動摩耗が激し
く、また、フランジとウェブとのコーナ部の熱負荷が激
しく、耐摩耗性と耐クラツク性を兼ね備えた材質とする
必要がある。
従来、外層材質としては、tls 55〜65のアダマ
イト材質が用いられているが、耐摩耗性の面で問題があ
り、また硬度をIs 65以上とすることも、製造技術
上また使用時の事故の問題から難しい。
また、特願昭56−155877号等に提示されている
C 2.0〜3.2%、Cr1O〜25%を含有した高
Cr材質は、耐摩耗性面では優れているものの、前段側
で熱負荷を多く受ける場合には、ヒートクランクが発生
し、かえって改削量を増加させる傾向がある。
また、外層、内層の溶着についても、ロール使用時の事
故を防止するために健全なものとする必要があり、複合
化技術についても重要な問題とされている。
このような従来技術背景に基いて、本発明は従来のスリ
ーブよりも耐摩耗性、耐ヒートクラツク性に優れ、かつ
充分な耐事故性を備えたこの種複合スリーブ及びその製
造法を提供することを目的とするものである。
(問題点を解決するための手段) 上記目的を達成するだめの本発明の特徴とする手段は、
外層をC:0.8〜2.0%、Cr: 7〜22%、M
o :  0.5〜3.0%等を有し、かつ(Fe、 
Cr)7C3型を主体とする1次および2次カーバイド
とベーナイトを主体とする基地からなるIs 65以上
の高クロム材質で形成し、強靭な鋳鋼材質で形成された
内層と前記外層との間に中間層を設け、これらを溶着一
体化する点にあり、また、その製造法として、特定成分
の溶湯を用いて遠心力鋳造法を適用すると共に特定の熱
処理を施す点にある。
(実施例) 本発明のH形鋼圧延用複合スリーブをその外層、中間層
及び内層の各材質について以下に詳述する。
まず外層材質については硬度Hs 65以上を有する高
クロム材質からなり、その各成分範囲(単位重量%)及
び限定理由は次のように説明される。
C:0.8〜2.0% Cは本発明の場合、重要な元素の一つであり、基本的に
耐摩耗性と耐ヒートクラツク性を決定する。また、(F
e、 Cr)7C:+型炭化物を安定にする範囲内でC
rとバランスをとりつつ決定されるべきである。0.8
%未満では炭化物の量が少なく耐摩耗性が不足し、一方
、2.0%以上含有されると炭化物の量が多くなり過ぎ
て機械的強度特に靭性の点での劣化が著しくなり、耐ヒ
ートクラツク性が劣化する。依って、Cは0.8〜2.
0%と規定する。
Si:0.3〜1.5% Siは溶湯の脱酸のために必要であり、0.3%未満で
はその効果がなく、反面1.5%を越えて含有されると
機械的性質の劣化をきたし、またArl変態点を下げ硬
度が得られ難くなる。依って、St含有量は0.3〜1
.5%の範囲とする。
Mn :  0.4〜1.5% MnはSiの脱酸の補助として、またSの害を防止する
ためにその含有量は少なくとも0.4%以上必要であり
、0.4%未満では脱酸の効果がない。しかし1.5%
を越えて含有されると機械的性質特に靭性の点で劣化が
著しくなる。依ってMn含有量は0.4〜1.5%の範
囲とする。
P:Q、1%以下 Pは特にロール材質において少なければ少ない程望まし
い元素であり、材質を脆くする点からも0.1%以下と
する。
S:0.1%以下 SはPと同様にロール材質を脆くするため、少なければ
少ない程望ましく、その含有量は0.1%以下とする。
Ni:0.8〜2.5% Nrは焼入性を向上し積極的に硬度調整するために含有
するもので、0.8%未満ではその効果がなく、他方2
.5%を越えて含有されると残留オーステナイトが増加
して耐肌荒性劣化、残留応力増加の問題が発生する。依
って、含有量は0.8〜2.5%の範囲とする。
Cr:1〜22% Crは強靭性と耐摩耗性を向上させるためのものである
が、その含有量が7%未満ではM3C型の炭化物が多く
晶出し、強靭性及び炭化物の微細均一化が得られず、ま
た22%を越えて含有されると、M 23 CG型の炭
化物量が増加する。この炭化物はM7 c3型炭化物に
比べて硬度が低く、充分な耐摩耗性が得られない。本発
明ではM7C3型炭化物の生じる範囲として、前記C含
有量の規定範囲とバランスして、Cr含有量を7〜22
%の範囲に規定する。
Mo :  0.5〜3.0% Moは炭化物中に入り、炭化物硬度を高めると共に焼戻
し軟化抵抗を向上させるのに有効であり、その含有量が
0.5%未満ではこのような効果が少なく、また3、0
%を越えて含有されると基地中に残留オーステナイトが
安定化し、問題を発生する。
依って、Mo含有量は0.5〜3.0%の範囲とする。
外層材質は上記成分を各重量%含み、基本的には残部実
質的にFeより構成されるが、その他上記以外の成分で
、補助的に添加されて特に効果の認められるものとして
、次のNb、■が挙げられる。
Nb、■は下記の成分範囲で単独もしくは複合してもい
ずれでも効果を発揮する。
Nb : 1.0%以下 Nbは鋳造組織の微細化に効果があり、Nbが含有され
ることにより析出硬化が促進されて耐摩耗性が向上し、
特に目標硬度Hs 65以上の範囲ではNb含有量が1
.0%以下でこの効果があり、1.0%を越えるとこの
効果は飽和すると共にコスト高となる。
V : 1.0%以下 ■はNbと同様の目的で含有されるもので、特に目標硬
度Hs 65以上の範囲ではV含有量は1.0%以下で
良<、1.0%を越えて含有されるとV炭化物が多くな
り、靭性の点で劣化する。
上記成分範囲から構成される外層高クロム材の鋳造組織
は硬い(Fe、 Cr)7C3型カーバイドと、残留オ
ーステナイト及び一部マルテンサイトの基地より成り立
っている。しかし、このような組織状態では圧延中に高
温の圧延材と接することにより、基地中の残留オーステ
ナイトが一部変態を開始するため組織としては非常に不
安定であり、このためスリーブとしての耐肌荒性、耐摩
耗性に劣る。
従って、この種高クロム外層では鋳造組織を安定化する
ため、並びに変態点よりも高温に加熱昇温して更に後の
冷却速度を早めて鋳造後の冷却速度によっては得られな
い組織を得るためその製造工程で熱処理を施す。
すなわち、上記外層高クロム材と後に述べる中間層およ
び内層材とを溶着一体化せしめて鋳造した後、これ−を
900〜1100℃の温度範囲に加熱昇温しで保持し基
地中に2次カーバイドを析出させると共に、後の冷却過
程にあっては冷却速度を100’C/Hr以上に早めて
約620℃のパーライトノーズ以上の温度でのパーライ
ト変態を阻止し、より低温でベーナイト変態および一部
マルチンサイト変態を起生せしめ、これによって(Fe
、 Cr)7c3型を主体とする1次及び2次カーバイ
ドとベーナイトを主体とする基地からなり、かつ外層硬
度Hs 65以上を有する耐摩耗性、耐肌荒性に富むス
リーブを提供すものである。
上記熱処理条件中、加熱温度を900〜1100°Cに
保つ理由については、900°C未満の温度では2次カ
ーバイドの析出が得られるもののその形態が(Fe、 
Cr )23C6型となり、本発明の特徴とする耐摩耗
性に冨む(Fe、 Cr)7C3型カーバイドが得られ
ないためである。すなわち、カーバイド自身の硬度を比
較しても、(Fe、 Cr) 23C6型のものでは(
Fe、 Cr)7C3型のものに比し約Hv 400程
度軟か(なるためである。従って、本発明では2次カー
バイドとして(Fe、 Cr)7C3型のものを基地中
に析出させるためにその加熱保持温度を900°C以上
に限定しているのである。一方加熱保持温度の上限につ
いては、組織の阻大化を防止する見地並びに長時間加熱
保持するためのエネルギー節約の見地に基づいて110
0℃に限定している。
また加熱保持後における冷却速度の限定理由については
、上記900〜1100℃の温度範囲から冷却するさい
100℃/Hr以上に急冷しないと冷却途中で約620
°Cのパーライトノーズ以上の温度でのパーライト変態
を起し、所期目的とするHs 65以上の硬度が得られ
なくなるためである。この100℃/1(1以上の冷却
速度は大気中での強制空冷や噴霧水冷によって達せられ
る。
H形鋼圧延用スリーブロールは、既述のようにアーバー
にスリーブを焼ばめ組立てて使用に供されるが、その場
合アーパーとの焼ばめ部即ちスリーブ内面からクランク
を発生して割損する例が多い。しかして、内層材質につ
いては後に詳述する通りであるが、上記熱処理によれば
外層材質の改良のみならず、外層と一体化された中間層
および内層材質の改質にも大きな効果が得られる。なお
上記熱処理後においては、スリーブの割損に密接な関係
のある残留応力を低減するため、適切な温度で歪取り焼
鈍を行うことは勿論である。
以上外層材質の説明においては、各成分及びその熱処理
条件をその目標硬度t(s65以上と関連して説明して
いるが、これは次のような理由に基づく。一般にH形鋼
圧延用ロールのスリーブにおいては、側壁とH形鋼フラ
ンジ部との摩耗、肌荒れ、ヒートクラック等に対する抵
抗性が要求されるが、スリーブの耐摩耗性は硬度との相
関が強く、硬度IIs 65未満では耐肌荒性、耐摩耗
性が充分に確保できない。すなわち、優れた耐肌荒性、
耐摩耗性、耐事故性、耐クラツク性を確保するためには
、高クロム材質の場合、硬度Its 65以上が必要と
されるためである。
なお外層材質の硬度の上限については別設規定しないが
、上記成分範囲及び熱処理によっては、また耐事故性の
点について加味すると、一般に外層材質を硬度Its 
90以上のものにすることは困難である。
次に中間層について説明する。この中間層は先の外層と
後の内層との間に介在されるものであり、その目的は、
一つには外層と内層との凝固温度の差を少なくして鋳巣
発生を低減させるためであり、もう一つは、高クロム材
質の外層から内層にCrが混入拡散して内層材質が高C
r化することにより強靭性を劣化させるのを防止するた
めである。中間層材質の各成分範囲及び限定理由は下記
の如く説明される。
C:0.7〜1.8% まずC含有量については、その鋳込時における溶湯成分
で、0.6〜1,6%の範囲に規定され、鋳込み後にお
ける外Jmと一部混合した状態即ち製品時においては、
0.7〜1.8%の範囲とされる。すなわち、中間層溶
湯を既に鋳造された外層内面に鋳造すると、その内面一
部が溶解されて中間層材質のC含有量が変動し、上記外
層材質に対し0.6〜1.6%のC量の中間層溶湯を用
いると、外層溶解量が中間層に完全に均一混合した場合
では、そのC含有量が0.7〜1.8%になるのである
。この成分限定理由については、その溶湯成分において
C0.6%以下になると中間層の鋳込温度が高くなり、
外層が溶かされ易くなって中間層へのCr混入量が更に
増加して、Crの内層への拡散を防止するための中間層
の存在意義が無くなるためであり、またC1.6%を越
えると炭化物が多くなり、中間層自体の靭性が劣化し、
これもまた中間層の存在意義を喪失するものとなるため
である。
Si:0.2〜3.0% Siについては溶湯の脱酸効果があり、0.2%以上は
必要であるが、3.0%を越えると脆くなって中間層の
機械的性質に劣化を来たすため、0.2〜3.0%の範
囲とする。
Mn :  0.3〜2.0% MnについてもSiと同様の作用があり、かっMnSと
してSの悪影響を除去するため0.3%以上は必要であ
るが、2.0%を越えるはその効果も飽和し、かつ又機
械的性質に劣化を来たすため、0.3〜2゜0%の範囲
とする。
P:0,1%以下 Pは溶湯の流動性を高めるが、ロール材においては材質
の靭性を低下させるため、0.1%以下とする。
S:0.1%以下 SもPと同様にロール材を脆弱にするため、実害の無い
0.1%以下とする。
Ni:0.1〜2,5% Niについては別設添加しなくとも外層材質からの混入
により0.1%以上は含有されるが、Niの2゜5%ま
での含有は問題とはならない。2.5%を越えると焼入
性が良くなり、そのために基地が硬くなり過ぎて靭性の
点から好ましくなく、かつ又残留応力の増大を来たすた
め、2.5%以下に規制する必要がある。
Cr :  0.5〜9.0% Crについては中間層を鋳込む意義から低い方が望まし
く、その鋳込溶湯の含有量において工業的に制御し易い
3.0%以下に規制する。すなわち、3.0%を越えて
Crが含有されると、鋳造後に外層から混入するCr量
と合計して中間層の含有量が上昇し、ひいては内層に混
入されるCriの増加につながって問題となり、これを
防止するためにはその溶湯成分のCr含有量で3.0%
以下に制限する必要がある。因に、Cr含有量3.0%
以下の中間TR溶湯に鋳造した場合、その鋳造後におけ
るCr含有量は0.5〜9.0%の範囲となる。
Mo:  1.5%以下 MoについてはNiと同様の作用を営むが、1.5%以
上含有されると中間層が硬くなり過ぎるため、実害のな
い範囲として1.5%以下に制限する。
中間層材質は上記成分を各重量%含み、基本的には残部
実質的にFeより構成されるが、その他上記以外の成分
で、必要に応じては脱酸剤として次のTi、 AI、Z
rを単独又は複合して添加含有せしめることができる。
すなわち、上記中間層材質は比較的酸化され易い材質で
あるため、Ti、 AI、Zrの1種又は2種以上を合
計重量%で0.1%未満添加し脱酸することにより、材
質的により健全な中間層が得られるのである。なお上記
添加含有量の上限については、上記元素はいずれも強力
な脱酸剤であるため、これらが単独又は複合して0.1
%以上含まれると過酸化の状態となり好ましくなく、同
時に又種々の反応生成物としての酸化物を内在すること
にもなり、材質の機械的性質に劣化を招くためである。
次に又、本発明に係るロールの内層材質について説明す
ると、この内層は特定成分の鋳鋼材質からなり、その各
成分範囲(単位重量%)及び限定理由は次のように説明
される。なお内層材質についても鋳造時には先の中間層
内面一部が洗われて溶着するため、特に成分差の大きい
元素についてはこの洗われ量を考慮して内層鋳込み時に
おける溶湯成分を決定する必要がある。
C:0.3〜1.0% 0%が低すぎると溶融温度を高くする必要がありコスト
的に問題となる。また、外層と内層との0%差が大きく
なれば溶着部に欠陥を発生するおそれがある。以上の理
由から0.3%以上とする。
一方、セメンタイトを形成させずかつ強靭性を付゛与す
る範囲として1.0%以下とする。
Si:0.2〜180 % Siは脱酸のため添加されるが、2.0%未満ではその
効果が期待できず、一方、1.0%を越えるとフェライ
ト中に溶は込み材質を脆くする。
Mn:  0.2〜1.5% MnはSと結合してSの悪影響をなくすが、0.2%未
満ではこの効果はなく、一方1.5%を越えると材質の
強靭性劣化が著しくなる。
P:0.1%以下 Pは不純元素であり材質を脆くするため、問題を発生し
ない範囲として0.1%以下とする。
S:0.1%以下 SもPと同様に不純元素であり、材質を脆くするため、
その影響の少ない範囲として0.1%以下とする。
Ni:0.5〜3.0% Niは焼入性を増し強靭性に有効であるが、0.5%未
満ではその効果は殆どなく、一方経済性の面から3.0
%以下に抑える。
Cr:4.0%以下 Crは外層および中間層が高クロム材質であるので、そ
の溶着一体化に伴いある程度内層へのCrの混入は避け
られず、この点鋳込み内層溶湯のCr含有量は低(して
おく必要がある。そのため溶湯成分としての含有量は2
.0%以下とされる。すなわち、2.0%を越えて含有
されると、外層および中間層からの混入量と合計してC
r含有量が増大し、材質の焼入れ性が大きくなり強靭性
が劣化するためである。鋳込前のCr含有量が2.0%
以下であれば、製品時におけるCr含有量は最高4.0
%以下に制限できる。
Mo : 0.1〜0.8% MoはNi−、Crと同様に材質の焼入性を増し強靭化
に寄与する。0,1%未満ではその効果が少なく、一方
0.8%を越えると硬くなりすぎて脆くなる。
以上の成分の他に残部実質的にFeから内層材質は構成
されるが、必要に応じて残部のFeの一部を下記の成分
の内、1種又は2種に置換することができる。
Nb:0.1〜0.8% Nbは組織の微細化に寄与し、0.1%未満ではその効
果が少なく、一方0.8%を越えるとその効果は飽和す
るので経済的な面で不利となる。
Ti、八L Zr : 1種又は2種以上の合計が0.
2%以下 内層は外層よりも低C%であるため鋳造欠陥が発生し易
い。そのため合計量で0.2%以下を添加する。
本発明に係るH形鋼圧延用複合スリーブは以上に述べた
構成を有するものであるが、この複合スリーブの遠心力
鋳造法による製造法を第1図の例について説明する。
すなわち、遠心力鋳造機の回転ローラ6.6上に内面両
端部に砂型または耐熱レンガからなるスリーブ2.2を
固定した回転金型1を設置し、金型lの回転状態でその
中に溶湯取鍋7から鋳造機8等を介して、まず外層3を
形成すべき溶湯を鋳込み、その後外層3の内面が凝固後
又は未凝固の間に中間層4を形成すべき溶湯を鋳込み、
更にはそれが凝固後又は未凝固の間に、内層5を形成す
べき溶湯を鋳込むのである。しこうして、この3者すな
わち外層3、中間層4および内層5を冶金学的に完全に
結合させて一体の複合スリーブとするのである。
なお図例の鋳造方案は回転軸が水平である場合を例示し
ているが、これは勿論回転軸を垂直もしくは傾斜状態に
改変して鋳造することを妨げるものではない。また中間
層4を鋳込む際においては、その鋳込側を外層3の場合
と変えて反対側から鋳込むことができ、かくすれば外層
厚さを均一に確保する上で効果的である。このようにし
て鋳造された複合スリーブは更に所定の熱処理が施され
るのは前述の通りである。
ここで、外層、中間層、内層を遠心力鋳造する効果とし
て下記の事項が挙げられる。
1)外層のCrが中間層、内層へ混入拡散することを防
止できる。(内層置注の場合、内層中のCrを、本発明
材質の場合のように4.−0%以下に抑えることは難し
く、目標強度75kg/−以上を達成することは困難で
ある。) 2)内層置注鋳造に比較して鋳込量が大きく減少するた
め、また、内空部からの冷却効果により、内層の凝固組
織が微細化し、より強靭性向上が図られる。
3)中間層を設けることによって、凝固温度差が低減し
、鋳造欠陥の発生を防止できる。
水平ロールの場合、このように製作された複合スリーブ
は、第2図に示されるようにアーバー10に複合スリー
ブ9が焼ばめ組立てられた状態で圧延に供される。アー
バー10の材質としては、SCM−440,5F−60
、鋳鋼、球状黒鉛鋳鉄等が圧延条件に応じて選定され、
また、焼ばめ部11は、焼ばめ率表示で0.8 Xl0
−3程度が一般的である。なお、焼ばめ部に増摩材や接
着材を塗布し、焼ばめ効率を高めることも実施される場
合がある。
次に、本発明の具体的実施例、従来例を掲げて説明する
。従来例の外層は高炭素アダマイト材質、内層は黒鉛鋼
材質である。
■ 第1表は、本発明の実施例及び従来例の溶湯化学組
成を示す。これらの溶湯を用いて、下記に示す製造条件
で、第1図に示す遠心力鋳造法により、外層、中間層、
内層とが溶着一体化したスリーブ素材を鋳造し、凝固完
了後、下記に示す熱処理を施した後、所定の寸法の複合
スリーブを採取した。
製造条件(実施例、従来例共通) ・金型内径・・・φ1100+am ・鋳造肉厚(片側) 外層・・・200 mm 中間層・・・40關 内層・・・100龍 ・熱処理・・・940°CX 12Hr冷却速度200
〜250°C/fir ・成品寸法(mm)・・・外径1060X内径518×
幅230■ 得られた複合スリーブの製品化学組成を第
2表に示す。尚、外層組成は溶湯組成と殆ど同一につき
記載省略した。製品外表面からの試料採取位置は実施例
及び従来例共に下記の通りである。
中間層・・・170龍   内 層・・・250 能筆
1表 溶湯化学組成 注、 単(、を川沿%、残部Feおよび/r1頓勿第2
表 製品化学組成 ■ 実施例及び従来例のスリーブの側面における硬度分
布を測定した。その結果を第3図に示す。
第3図より、実施例の外層の全肉厚範囲に亘って、略H
s 67〜68の高硬度が得られていることが判る。
■ 得られた複合スリーブを用いて材質試験を行った。
(i)耐摩耗性 大枝式摩耗試験の試験結果により判断され、この試験結
果は実際の圧延成績と同一の傾向を示すことが知られて
いる。
スリーブ外層の表面から4Qmm位置で厚さ10■、幅
20×長さ50龍の試験片を軸方向に採取し、下記の試
験条件で無潤滑における比摩耗量を測定した。
すべり速度:  3.4m/秒 すべり距離:  200m 最終荷重 :  17.6〜18.5kg回転輪: S
UJ 2 (HRC60〜63)(ii)耐事故性(割
損事故に対する批゛抗性)スリーブの表面から250鰭
における接線方向の内層強度(引張強度)及び内層内面
における接線方向の残留応力を測定した。
(i)及び(ii )の測定結果を第3表に示す。
(iii )耐ヒートクラツク性 外層は圧延材と接し、繰り返し熱負荷を受けることによ
り、熱疲労クラック(いわゆるヒートクラック)を発生
する。
この熱疲労クラックは、靭性(引張試験における伸び)
によって判断され、靭性に優れる程、熱疲労クラックに
対しては抵抗性が高い。
スリーブ外表面から40鰭の位置での引張試験結果を第
4表に示す。
第3表 第4表 ■ 第3表より、本発明の複合スリーブの外層は高硬度
であり、耐摩耗性に極めて優れていることが判る。また
、第4表の外層の伸び値からも、耐ヒートクランク性に
優れている込とが把握される。しかも、スリーブ内層の
強度も優れ、残留応力も低い値となっており、耐事故性
についても良好であることが判る。
(発明の効果) 本発明は以上詳細に説明した通りであって、本発明に係
るH形鋼圧延用複合スリーブにおいては、その外層を特
定化学組成の高クロム材質で形成し、その内層を特定化
学組成の鋳鋼材質で形成し、かつ内層へのCr混入およ
び境界巣の発生を防止すべく外内層間に特定化学組成の
中間層を介在させ、これらを溶着一体化せしめていると
共に、これに前記特定条件による高温熱処理を施してい
るため、外層は主として(Fe、 Cr)7C3型の1
次及び2次炭化物が多量に存在するヘーナイトを主体と
する基地からなり、所期目標とする外層硬度IIs 6
5以上を確実に達成することができ、これによって耐摩
耗性及び耐ヒートクラツク性に優れ、実際圧延上、偏摩
耗の低減、ウェブとフランジとのコーナ部のヒートクラ
、り低減に著しく寄与するものとなり、他方内層を形成
する鋳鋼材質は材質的に強靭性に優れ、しかも中間層の
介在によって外層からのCr混入による材質脆化の間が
確実に解消でき、加えて前記熱処理による内層強靭性向
上の不随的効果が発揮されるため強靭性を損なうことな
く、折損事故に対する抵抗性に優れるものとなり、これ
ら外内層のもつ優れた特性の相乗作用によって、本発明
のスリーブは従来品に比較すると、その圧延成績並びに
スリーブ寿命において著しい改善効果をもたらし、特に
H形鋼圧延の分野では極めて有用なものとなり得る。
また遠心力鋳造による本発明の製造法に従えば外層に続
き中間層及び内層も遠心力鋳造によって形成するように
しているため、各層相瓦間の混合が少なく、しかも特に
内層溶湯のCr量については予め外層からの混入量を見
込んで低い含有量に規制しているため、中間層の介在と
相埃って内層材質が高Cr化して強靭性に劣化を来たす
ことなく、さらに内層を中空遠心力鋳造による内層凝固
組織微細化すなわち強靭性向上の効果、またその溶着性
の面でも良好な結果が得られ、更にその高温熱処理の実
施によれば外内層に対する上記顕著な改良効果が得られ
、所期目的とする複合スリーブを得るための技術手段と
して特に有用なものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の製造過程における遠心力鋳造用金型の
断面説明図、第2図は複合スリーブが焼ばめられたスリ
ーブロールの横断面図、第3図は本発明に係る複合スリ
ーブ−例についての硬度分布を表わす図である。 3・・・外層、4・・・中間層、5・・・内層。 特 許 出 願 人  久保田鉄工株式会社第7図 第2図 第3図

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)C:0.8〜2.0%、Ni:0.8〜2.5%
    Si:0.3〜1.5%、Cr:7〜22%Hn:0.
    4〜1.5%、Mo:0.5〜3.0%P:0.1%以
    下 S:0.1%以下 を各重量%含み、残部実質的にFeからなり、かつ(F
    e、Cr)_7C_3型を主体とする1次および2次カ
    ーバイドとベーナイトを主体とする基地からなる高クロ
    ム材質の外層と、 C:0.7〜1.8%、Ni:0.1〜2.5%Si:
    0.2〜3.0%、Cr:0.5〜9.0%Mn:0.
    3〜2.0%、Mo:1.5%以下P:0.1%以下 S:0.1%以下 を各重量%含み、残部実質的にFeからなる中間層と、 C:0.3〜1.0%、Ni:0.5〜3.0%Si:
    0.2〜1.0%、Cr:4.0%以下Mn:0.2〜
    1.5%、Mo:0.1〜0.8%P:0.1%以下 S:0.1%以下 を各重量%含み、残部実質的にFeからなる鋳鋼材質の
    内層とを溶着一体化せしめてなり、かつ前記外層硬度が
    Hs65以上を有することを特徴とするH型鋼圧延用複
    合スリーブ。
  2. (2)遠心力鋳造法により、 C:0.8〜2.0%、Ni:0.8〜2.5%Si:
    0.3〜1.5%、Cr:7〜22%Mn:0.4〜1
    .5%、Mo:0.5〜3.0%P:0.1%以下 S:0.1%以下 を各重量%含み、残部実質的にFeからなる高クロム材
    質の外層溶湯を鋳込んだ後、その内面が凝固後又は未凝
    固の間に、 C:0.6〜1.6%、Ni:2.5%以下Si:0.
    2〜3.0%、Cr:3.0%以下Mn:0.3〜2.
    0%、Mo:1.5%以下P:0.1%以下 S:0.1%以下 を各重量%含み、残部実質的にFeからなる中間層溶湯
    を鋳込み、更にその内面が凝固後又は未凝固の間に、 C:0.3〜1.0%、Ni:0.5〜3.0%Si:
    0.2〜1.0%、Cr:0.2%以下Mn:0.2〜
    1.5%、Mo:0.1〜0.8%P:0.1%以下 S:0.1%以下 を各重量%含み、残部実質的にFeからなる鋳鋼材質の
    内層溶湯を鋳込み、外層、中間層及び内層を溶着一体化
    せしめた後、900〜1100℃に保持し、100℃/
    Hr以上の冷却速度で冷却する熱処理を施すことを特徴
    とするH形鋼圧延用複合スリーブの製造法。
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