JPS621432B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPS621432B2
JPS621432B2 JP54033214A JP3321479A JPS621432B2 JP S621432 B2 JPS621432 B2 JP S621432B2 JP 54033214 A JP54033214 A JP 54033214A JP 3321479 A JP3321479 A JP 3321479A JP S621432 B2 JPS621432 B2 JP S621432B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coal
oil
solvent
weight
mixed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP54033214A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS55125189A (en
Inventor
Tokuo Fujimune
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Oil Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Oil Corp filed Critical Nippon Oil Corp
Priority to JP3321479A priority Critical patent/JPS55125189A/ja
Publication of JPS55125189A publication Critical patent/JPS55125189A/ja
Publication of JPS621432B2 publication Critical patent/JPS621432B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は石油類を接触的に分解した際の生成物
のうち、いわゆる循環油を部分的に核水素化した
留分を用いて石炭類を加圧下で加熱処理すること
を特徴とする石炭の液化法に関する。
昭和48年末のいわゆるオイルシヨツクは世界的
に大きな影響を与えたが、そのなかで石油に代わ
る次代のエネルギー開発推進について大きな契機
となつた。そのうちで石炭は世界的にみて資源的
に豊富で石油のような産地のかたよりが少ないこ
とから過渡的エネルギーとして見直されている。
石炭は周知のように炭素、水素および酸素を主体
とする有機固体であるが、若干の岩石などの無機
物を含有している。この石炭を現在の石油、ガス
を中心にした輪送や燃焼などの産業構造のシステ
ムのなかに組み込むには石炭を流体化することす
なわち液化あるいはガス化して液状や気体燃料と
して使用するのが望ましく、特に液化については
ガス化に比べて技術的に簡易であり、生成物が液
体で取り扱いやすいなどの点でガス化に比べてよ
り多くの提案がなされている。
また近年の鉄鋼業の発展にともない、製鉄、コ
ークス用原料炭の需要は著しく増大しておりその
価格も年々上昇している。この傾向は最近の一時
的な鉄鋼の需要後退により一時的に緩和されては
いるが長期的にみればますます重大な問題となり
数年後には必要とするコークス用原料炭を十分入
手することが不可能になることが予想され、原料
炭の産出と需要のギヤツプの著しい我が国におい
てはこの傾向はさらに増大するものと考えられ
る。
この事態に対処するために新炭鉱の開発やコー
クス比の低減の努力が行われているが、これらに
も限度があるため、さらに原料炭よりも量的に多
く価格も安い非粘結性の一般炭を利用しようとい
う努力が鉄鋼業界を中心に行われている。これら
のうちで注目されている技術には(1)加熱あるいは
加圧成型コークスの製造法(2)成型炭室炉装入法(3)
乾燥炭室炉装入法(4)不活性物質配合法(5)粘結材添
加法などがある。これらのうち粘結材添加法は非
粘結炭に適当量の粘結材を加えて加熱処理して良
質のコークスを得る方法である。粘結材としては
芳香族性が高く、高軟化点で粘結性に富む物質で
混合される石炭が可塑化状態となる400℃付近で
溶融し固化して石炭粒子を融着させる性質を有す
るものとして石油ピツチ、改質アスフアルト、タ
ールピツチ、膨潤炭などが検討されているがいず
れも技術的、経済的に未解決な点が数多く残され
ており完全な企業化までには至つていない。
このなかで有力な方法として混合する石炭とな
じみの良い石炭系の粘結材を使用する方法があ
る。たとえばコールタールピツチは粘結材として
の特性は優れているが生産量に制限があるため、
将来想定される需要を満たし得ず主力にはなり得
ない。また石炭粉末あるいは粒子を特定の溶剤で
加熱処理して液化し、粘結材を得ようとする方法
が数多く提案されている。
以上のように石炭を溶剤処理して液化する方法
は液体燃料を製造しようとするものとコークス用
粘結材を目的とするものとに分けられるが技術的
には共通するものが多く明確には区別されない。
石炭の液化に用いる溶剤は吸収油、クレオソート
油、アンスラセン油、ピツチ油、コールタールな
ど石炭系重質油がほとんどであり、石油系重質油
は石炭との相溶性が悪いためほとんど使用されて
いなかつた。
一方、特公昭52−30282号公報には石炭と石油
系重質油を混合して400〜450℃で熱処理して、つ
いでこの熱処理物中の集合体を分離することによ
り無灰燃料を製造する方法が示され、石油系重質
油としては原油の常圧蒸留残油、真空蒸留残油、
アスフアルト、ナフサ熱分解副生タールが用いら
れている。この方法においては脂肪族系の炭化水
素の多い残油類を芳香族化させるために必然的に
より高い温度が必要であり、また石炭系重質油と
比べて石炭に対する溶解性が低いなどという欠点
を有している。またナフサ熱分解副生タールはそ
のままで芳香族性が高いが、オレフイン分が多く
含まれており、そのまま用いるとそのオレフイン
分の重合が起こり高分子量のピツチを生成し石炭
の溶解を低下せしめるという欠点を有しているこ
とが明らかになつた。
また特開昭54−11903号公報では石炭と芳香族
油および加熱処理した石油系重質油ピツチを混合
し350ないし450℃、0〜10Kg/cm2・Gで処理する
方法が開示され、芳香族油としてはアンスラセン
油、クレオソート油、吸収油の石炭系のほかに石
油系の熱分解残油、およびFCCのデカント油な
どが使われるとされている。さらに特開昭53−
84005号公報には右油系のフルフラールエキスト
ラクトあるいはFCCのデカントオイルを単独で
あるいは両者混合して、これらを必要に応じて加
熱処理した油を石炭と混合し常圧下で350〜450℃
で1〜10時間処理して粘結材を得る方法が開示さ
れている。これらの発明に用いられている石油系
重質油はいずれも熱的な安定性が低く、そのまま
用いるとオレフイン分の重合や分子間の重縮合が
起こり、高分子量のピツチを生成し石炭の溶解力
が低下するという欠点を有していることが明らか
になつた。またフルフラールエキストラクトある
いはFCCデカント油を熱処理して使用する方法
は溶剤の安定性を増し、石炭に対する溶解性を向
上させるのには優れた方法であるが、石炭と混合
して加熱する場合、加熱により生成した石炭のフ
ラグメント(またはラジカル)を安定化する能力
が足りず種々の工程を経ることにより再結合して
重質化し、生成物の熱的安定性、流動性、および
粘結性が劣るという重大な欠点を有することが明
らかになつた。
さらに特開昭53−102908号公報には石炭に対し
石油系残油溶媒として沸点450〜1200〓(232〜
649℃)のFCC主要塔底油あるいはサーモフオア
ー接触分解塔底油を混合し350〜850〓(117〜454
℃)で処理する方法が開示され、実施に当つては
必要に応じて加圧下およびまたは水素存在下でま
た必要に応じて水素化触媒の存在下で行われるこ
とが示されている。水素を使用しないで処理した
場合には先に示したように生成物の熱的安定性、
流動性、および粘結性が低いという欠点を有して
おり、水素を使用した場合は水素の所要量が多く
なり、コスト的に高価になるという欠点を有す
る。
本発明はこれらの技術的問題点を解決するため
に種々検討を行つた結果、石炭に対して芳香族性
に富んだ特定の石油系重質油を予め部分的に核水
素化した油を用いることにより、これらの問題点
が解決しうることを見い出した。すなわち石炭を
加熱し分解させることにより生成するフラグメン
ト(またはラジカル)はそれ自身再結合し重質化
する前に部分的に核水素化された石油系重質油と
接触して石油系重質油から放出された活性な発生
期の水素と結合して安定化してしまい、再結合す
る能力を失い、したがつて石炭とともに石油系重
質油部分核水素化物を用いる場合には系内に必ず
しも水素の存在を必要としないが、水素が存在す
る場合でも水素が他の有用でない反応−たとえば
水素化分解による軽質成分の生成などに使われる
のを抑制し、水素消費量を低減させ、さらにはよ
り温和な反応条件が採用しうるなどの利点を有す
ることが明らかになつた。
このような考えに基づいて、本発明者らは先に
特開昭54−48810号公報(特願昭52−114649号明
細書)においてナフサの熱分解タールを加熱処理
して安定化させ、さらに部分的に核水素化した油
を用いて、石炭を加熱分解させ液化する方法につ
いて提案した。これらの方法で得られたSRCは
性能的に非常に優れてはいるが工程が複雑でコス
トがかかるとか、あるいはその生成量に制限があ
るなどの問題点を有していた。
このような事情から本発明者らは性能的に優れ
ており、コストが安く、なおかつ長期的に大量に
安定供給可能な特定の石油系重質油を用いた石炭
の液化法についてさらに鋭意研究を行つた結果本
発明に至つたものである。
本発明は石油類を400℃以上の温度でシリカ・
アルミナあるいはゼオライト類あるいは両者の混
合物を用いて接触分解して得られる生成物のうち
沸点範囲(常圧換算)が200〜450℃で、芳香族含
有量40%以上である留分を水素化触媒の存在下で
この留分中の芳香族核の核水素化率が10〜50%
(全芳香族性炭素(CA)の減少率で表わした核水
素化率)になるように部分的に核水素化し、この
部分核水素化油単独で、あるいはこれと石炭系重
質油と混合して、またあるいはこの方法で得られ
る液状物を循環混合して溶剤とし、石炭粉末1重
量部に対して該溶剤を1〜10重量部混合してスラ
リー状とし、このスラリーを300ないし500℃の温
度で、常圧から200Kg/cm2・Gの圧力で0.2〜5時
間加熱処理を行うことを特徴とする石炭の液化方
法に関する。
本発明でいう石油類の流動接触分解で生成する
沸点常圧換算200〜450℃留分とは一般に軽油ある
いはそれより重質の油を接触的に分解する際に得
られる重質の溜出油で通常循環油と呼ばれている
留分である。本発明においてはこれを水素化触媒
の存在下で水素とともに加圧、加熱下で部分的に
核水素化して用いる。
流動接触分解法(FCC法とする)においては
一般に粒径が10〜200ミクロンの触媒が使用さ
れ、現在商業的にはライザークラツキングおよび
流動床クラツキングが行われている。FCC法の
通常の温度は480〜550℃、圧力は1〜3Kg/cm2
G、触媒/油比は1〜30の範囲である。油の接触
時間はライザーでは10秒より少なく流動床におい
ては約10分である。
FCC法に使用される触媒は従来は活性白土、
合成シリカマグネシア、合成シリカ・アルミナな
どが主であつたが、15年ほど前から結晶性アルミ
ノシリケートとアルミナあるいはシリカ・アルミ
ナなどをマトリツクスとした合成ゼオライト系の
触媒が使用され始めた。このタイプの触媒はその
高い活性と選択性を有しているため急速に普及
し、現在では世界のほとんどの接触分解装置に使
用されているといわれる。
天然鉱物のフオーシヤサイトや合成のリンデ社
のXとYタイプのモレキユラーシーブが一般に使
われている結晶性ゼオライトである。交換可能な
アルカリ金属イオンの一部がアルカリ土類金属イ
オンや希土類イオンやアンモニウムイオンで交換
され脱水や脱アンモニウム処理されると高活性な
触媒となる。モレキユラーシーブの小さな結晶が
他の多孔性物のマトリツクスに混合されるがその
量は、通常8〜10wt%あるいはそれ以上であ
る。
なお、サーモフオアー接触分解法による場合に
は前記流動接触分解法と同一条件下で行なうが、
触媒は移動床にて用いる。
接触分解法による各製品の収率および性状は原
料油の組成、触媒の種類、反応条件の違いによつ
て変化するが、およその範囲で示せば主製品のガ
ソリンの収率は40−60vol%、分解ガスは15〜
25vol%、分解軽油20〜40vol%、コークス3〜
8wt%である。ここでいう分解軽油は本発明でい
う循環油と呼ばれている油で、一部はさらに分解
してガソリンを得るためにFCC装置に循環され
るが、また一部は軽油あるいは重油として燃料に
使われる。この循環油の一般的代表的性状は比重
(d15 )が0.80から1.10で、40℃における粘度が
1.5〜15センチストークスであり、さらに屈折率
(n20 )が1.500から1.550であり、また沸点範囲
(常圧換算)が200〜450℃のものであるが本発明
に好ましいのは沸点範囲が230〜400℃の留分であ
り、さらに好ましくは沸点範囲240〜350℃留分で
ある。この好ましい留分はいわゆる軽質循環油
(LCO)または重質循環油(HCO)と呼ばれ芳香
族性に富む炭化水素油である。
この循環油はそのままかあるいは混在する触媒
を除去されて、芳香族含有量の少ない循環油は必
要に応じて熱処理、熱分解あるいは適当な溶剤、
たとえば二酸化イオウやフルフラールなどを用い
て芳香族含有量を増した留分として用いても良
い。循環油の芳香族含有量は40%以上が良くさら
に好ましくは50%乃至95%のものが望ましい。
この循環油を核水素化処理するための水素化触
媒は通常の水素化反応に用いられる触媒でよく、
たとえば、ボーキサイト、活性炭素、珪藻土、ゼ
オライト、シリカ、チタニア、ジルコニア、アル
ミナまたはシリカアルミナ等の無機固体を担体と
して用い銅などの周期律表第B族、クロム、モ
リブデン、タングステンなどの第族、ニツケ
ル、コバルト、パラジウム、白金などの第族金
属を金属、酸化物又は硫化物の形で担持させたも
の等が用いられる。担持金属の具体的な例として
は活性化した金属ニツケルを珪藻土に担持した触
媒、あるいはPt,Pd、Ru,RhおよびIrなどの貴
金属をアルミナおよび炭素などに担持した触媒あ
るいは酸化コバルト、酸化ニツケル、酸化モリブ
デン、硫化タングステン、硫化ニツケル、硫化コ
バルトおよびこれら金属の複合酸化物、複合硫化
物、またはこれらの混合物などである。本発明に
おいては、酸化アルミニウム含有担体上に担持さ
れた酸化ニツケルおよび酸化モリブデンあるいは
酸化タングステンを予備硫化して得られる触媒が
好ましく用いられる。
本発明における水素化処理における反応温度は
通常230〜400℃好ましくは260〜360℃である。低
温では反応率が低く、高温では分解などの副反応
がおこる。圧力は通常20〜150Kg/cm2・G、好ま
しくは25〜80Kg/cm2・Gである。また水素は供給
する循環油1Klに対して100〜10000Nm3好ましく
は200〜1000Nm3である。水素化においては通常
核水素化率10〜50%、好ましくは20〜40%の範囲
内に入るように反応条件を選択する。本発明にい
う核水素化率は次のように算出される。まず13C
の高分解能の核磁気共鳴吸収装置を用いて原料中
の全芳香族性炭素(CA)の全炭素に対する割合
(%CA0)を求めて、次に同原料を用いた水素化
油も同様にして%CAを求め、核水素化率を次式
で計算する。
核水素化率(%)=%CA0−%C/%CA0×10
0 このようにして得られた水素化処理油はそのま
ま溶剤として用いられるが、これをさらに蒸留し
て得られた留分を用いてもよい。また本発明の石
炭液化用溶剤としてこの水素化処理油又は水素化
処理油をさらに蒸留して得られた留分を単独で溶
剤として用いることができるが石炭系重質油、た
とえば吸収油、クレオソート油、アンスラセン
油、コールタール、ピツチ油あるいは石炭液化油
から回収された溶剤相当留分等を混合したものも
溶剤として用いることができる。これらの混合物
を用いる場合には、水素化処理油またはこれを蒸
留して得られる留分の使用量は石炭系重質油に対
して0.1〜10重量倍、好ましくは0.5〜5重量倍用
いる。
これら石炭系溶剤を本発明の水素化処理油と混
合して使用すると石炭系溶剤の欠点である粘性の
高いことによる作業性の悪さが改善され、更に溶
剤処理した石炭の重縮合による重質化をこの水素
化処理油の水素供与性が石炭系溶剤より高いこと
を利用して防止するのに効果がある。
本発明で言う石炭は通常の石炭が用いられ、た
とえば各種褐炭、亜炭、亜歴青炭、歴青炭などが
用いられ、これを粉末に通常20メツシユ以下たと
えば100メツシユ以下に粉砕して用いられる。
本発明においては石炭に対する溶剤の量を1〜
10重量倍、好ましくは1.5〜5重量部使用する。
溶剤の使用量が1重量倍より少ないと、反応生成
物の分散が悪くなり、均一な分散が行われず、石
炭粉末と溶剤の混合物が反応器中への送入に機械
的困難をともなう欠点がある。また溶剤の量を10
重量倍より多くしても石炭の溶解性にそれほど効
果がないばかりか、また石炭の液化処理の能率を
下げるなどという不利がある。石炭の液化処理の
反応圧力は常圧ないし200Kg/cm2・Gを用いる
が、より高い圧力では石炭の溶解性にそれほど効
果がなく、また設備費、運転費が高くなつて実用
的ではない。また反応温度300〜500℃、好ましく
は350〜450℃を用いるが、300℃より低温では石
炭の液化反応は起らず石炭の物理的膨潤が起こ
り、また500℃より高温では石炭のコークス化、
分解反応などが起こり、目的とする液化反応はほ
とんど起こらない。反応時間は0.2〜5時間、好
ましくは0.5〜2時間である。0.2時間より短いと
石炭の液化反応がまだ十分に行なわれず、反応時
間5時間より長いと反応生成物の2次的な重合反
応、分解反応などが活発となり目的とする石炭の
液化反応を妨害する作用をする。
本発明においては、この反応において、水素を
用いても良いが、もちろん必ずしも水素が必要と
いう訳ではない。水素が系内に存在しない場合で
も水素化処理された循環油の水素供与性のために
熱分解された石炭成分の重縮合は抑制され好まし
い性状を有する石炭の溶剤処理物が得られる。
水素の採用は用いられる石炭の溶解性の難易や
生成する石炭の液状物の必要とする性状により選
択される。また本発明の石炭の液化反応には反応
を保進するために触媒を用いても良いが必ずしも
必要というものではない。この触媒は通常石炭の
液化反応に用いられる触媒が使用でき、例えば
Fe,Co,Niなどの鉄族元素に属する元素の酸化
物や硫化物の単独や混合物あるいはモリブデンや
タングステンの酸化物や硫化物の組み合せあるい
はこれを種々の担体に担持したもの、あるいはフ
リーデル・クラフト型触媒たとえば塩化アルミニ
ウム、塩化亜鉛、塩化スズ、塩化ニツケルなど、
および複合酸化物(シリカ・アルミナ、シリカ・
チタニア、シリカ・ジルコニア、亜鉛・アルミ
ナ、チタニア・アルミナ、ジルコニア・アルミナ
など)などが用いうる。
このようにして得られた反応混合物すなわち石
炭の液化物は反応条件により常温で液体にも固体
にもなりうるもので、そのまま燃料に使用するこ
ともできる。また無灰燃料として用いられる場合
にはさらに含まれる灰分を除去するために静置、
遠心分離やろ過が行われ、また必要に応じてさら
に水素化分解処理などが行われる。
さらに液化反応の混合物は必要に応じて蒸留工
程に送られて重質の溶剤精製炭(常温でピツチ状
物、通常軟化点85℃以上)と溶剤成分とに分ける
ことができる。溶剤としては通常沸点300ないし
350℃以下の留分が回収される。これは、燃料、
各種溶剤等に使用することができる。またこの回
収された溶剤は通常全量あるいはその一部が循環
されて石炭の液化溶剤として使用することができ
る。本発明の場合はこの溶剤を液化反応に循環使
用する場合は、本発明で言う部分核水添油に対し
て0.5〜20重量倍、好ましくは1〜10重量倍使用
することができる。
また、本発明で得られる石炭の液化物は強粘結
炭用粘結助剤として用いられるが、その場合には
灰分の除去は全く必要ないが、あるいは灰分の含
有率の高い石炭が処理された場合にはろ過あるい
は遠心分離により軽度に灰分の除去が行われる。
また本発明で得られた液状物を蒸留することに
よつて得られる溶剤精製炭は燃料としての規格
(JIS K 2205−1960)に十分合格するものであ
り重油を用いる燃焼装置の燃料として直接利用で
き、さらに石炭粒子と混合してコロイド燃料とし
ても利用できる。
また本発明で得られるこの溶剤精製炭はこれ自
身コークス化しても十分冶金用コークスとして使
用できるが、流動性が優れ、粘結力が大きい特徴
を利用して成型炭あるいは成型コークス用粘結材
として利用することにより最もその長所が発揮し
うる。
次に本発明の実施例を上げて説明する。これら
は本発明を具体的に説明するためのものであつて
本発明はこれらに制限されるものではない。
<実施例 1> アラビア系の原油より得られた常圧蒸留軽油を
原料とするFCC装置より得られた沸点範囲(常
圧換算)230より300℃の留分を予備硫化したニツ
ケル(NiOとして3wt%)−モリブデン(MoO3
して14.0wt%)のアルミナ担持触媒を充てんした
流通式反応管に導入し、反応圧力35Kg/cm2・G、
反応温度330℃、液空間速度2.5hr-1,H2/oil比
300/で水素化処理をした。この水素化処理
により全芳香族炭素が約30%減少した。この水素
化油1Kgを100メツシユ以下に粉砕した夕張炭に
加え、スラリー状としてオートクレーブ中で25
Kg/cm2・G,420℃,1.5hr処理したところ石炭の
液化率は約60%であつた。
この処理物を遠心分離にかけ残渣を除いた後減
圧蒸留により350℃以下の留分を留出させ溶剤処
理炭を得た。原料炭の元素分析ではC86.1,
H6.3,O5.4,N2.0,S0.3wt%であつたが溶剤精
製炭はC88.6,H6.0,O3.2,N1.8,S0.3wt%であ
り総発熱量は原料炭の8500Kcal/Kgに対し溶剤
精製炭は9100Kcal/Kgであつた。
<実施例 2> 実施例−1で得られたFCC循環油の水素化油
1重量部をアンスラセン油2重量部と混合し100
メツシユ以下にした三池炭に対して4重量倍加え
て圧力30Kg/cm2・G,400℃で0.5時間処理した。
処理後の石炭の液化率は80%であつた。
<実施例 3> イラン重質原油より得られた減圧蒸留軽油を原
料とするFCC装置より得られたいわゆる軽質循
環油は次のような性状を有していた。沸点範囲
204〜360℃、比重d20 0.915、屈折率1.531、粘度
(30℃)39cst、クロマト分析による芳香族分72
%、質量分析法による全芳香族のタイプ分析では
約37%がアルキルナフタレンで、約20%のビフエ
ニル、アセナフテン類を含んでおり、その他テト
ラリン、インデン類、アルキルベンゼン類、3員
環芳香族類、オレフイン分などが含まれていた。
この軽質循環油を原料として水素化処理を行つ
た。この軽質循環油をまず予備硫化処理をした市
販のニツケル−タングステン−アルミナ触媒を充
てんした流通式反応管に導入し反応圧力50Kg/
cm2・G、反応温度300℃、液空間速度1,H2
oil500/で水素化処理を行つた。この油の核
水素化率は38%であつた。(この水素化処理油を
A油とする。) 次に150メツシユに粉砕した赤平炭にこのA油
とクレオソート油および実施例−1により得られ
た回収溶剤を重量比で1:5:8の割合に混合し
た溶剤を5重量倍混ぜてスラリー状として反応圧
力30Kg/cm2・G、温度405℃で0.5時間加熱処理し
た。処理後の石炭の液化率は72%であつた。この
加熱処理物を遠心分離し残渣を除き、次いで減圧
下で沸点350℃までの留分を除去して溶剤精製炭
を得た。この溶剤精製炭の粘結材としての性能を
調べるため、溶剤抽出炭と基準炭含有物を配合し
成型炭強度と成型コークス強度を測定した。基準
炭としてソ連OS炭を選びこれを90重量部とコー
ルタール4重量部とともに得られた溶剤抽出炭6
重量部を混合して成型炭を作り、これの落下強度
試験(+15mm)を行つたところ87.3であつた。さ
らにこの成型炭を缶焼して得られたコークスのド
ラム強度はDI30 1593.3,DI150 1580.2であり、
石炭ピツ
チを溶剤精製炭の代わりに用いた基準処方の値と
比べて十分対応する結果が得られた。
<実施例 4> 実施例−3に示したA油1重量部をクレオソー
ト油5重量と混ぜこの混合物を200メツシユ以下
に粉砕した三池炭に対して5重量倍加えてスラリ
ー状にしたものに触媒として塩化スズを1重量%
添加し、オートクレーブ中で70Kg/cm2・G,400
℃で1時間処理した。処理後の石炭の液化率は92
%であつた。
<実施例 5> 実施例−3に示したA油1重量部をアンスラセ
ン油4重量と混ぜこの混合物を200メツシユ以下
に粉砕した三池炭と混ぜ、触媒として試製した
NiO−WO3−TiO2−SiO2(NiO5wt%,WO322wt
%,Ti:Si=1モル/モル)触媒を粉末として
2wt%加えて水素加圧下でオートクレーブ中で25
Kg/cm2・G,395℃で2時間処理した。処理後の
石炭の液化率は88%であつた。なお比較として水
素化処理をしていないA油の原料油を用いて同一
条件で処理した場合、処理後の液化率は82%であ
り、水素化したFCC循環油を用いる効果が確認
された。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 石油類を400℃以上の温度でシリカ・アルミ
    ナあるいはゼオライト類あるいは両者の混合物を
    用いて接触分解して得られる生成物のうち沸点範
    囲(常圧換算)が200〜450℃で、芳香族含有量40
    %以上である留分を水素化触媒の存在下でこの留
    分中の芳香族核の核水素化率が10〜50%(全芳香
    族性炭素(CA)の減少率で表わした核水素化
    率)になるように部分的に核水素化し、この部分
    核水素化油単独で、あるいはこれと石炭系重質油
    と混合して、またあるいはこの方法で得られる液
    状物を循環混合して溶剤とし、石炭粉末1重量部
    に対して該溶剤を1〜10重量部混合してスラリー
    状とし、このスラリーを300ないし500℃の温度で
    常圧から200Kg/cm2・Gの圧力で0.2〜5時間加熱
    処理を行うことを特徴とする石炭の液化方法。
JP3321479A 1979-03-23 1979-03-23 Liquefaction of coal Granted JPS55125189A (en)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3321479A JPS55125189A (en) 1979-03-23 1979-03-23 Liquefaction of coal

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3321479A JPS55125189A (en) 1979-03-23 1979-03-23 Liquefaction of coal

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS55125189A JPS55125189A (en) 1980-09-26
JPS621432B2 true JPS621432B2 (ja) 1987-01-13

Family

ID=12380187

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3321479A Granted JPS55125189A (en) 1979-03-23 1979-03-23 Liquefaction of coal

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS55125189A (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4334977A (en) * 1981-01-15 1982-06-15 Mobil Oil Corporation Method for the generation of recycle solvents in coal liquefaction

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5169501A (ja) * 1974-12-13 1976-06-16 Mitsui Cokes Kogyo Kk Yozaiseiseitannoseizohoho

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5169501A (ja) * 1974-12-13 1976-06-16 Mitsui Cokes Kogyo Kk Yozaiseiseitannoseizohoho

Also Published As

Publication number Publication date
JPS55125189A (en) 1980-09-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US3730876A (en) Production of naphthenic oils
US8344195B2 (en) Process for producing fuel from plastic waste material by using dolomite catalyst
US4188279A (en) Shaped carbon articles
US4067799A (en) Hydroconversion process
JP2022044810A (ja) 低品質油の改質方法および改質システム
GB2142930A (en) A process for cracking a heavy hydrocarbon
KR20140123530A (ko) 고온 콜타르의 수소화 반응에 의한 메조페이즈 피치의 제조과정
WO2006010330A1 (en) A process for direct liquefaction of coal
WO2014183429A1 (zh) 一种非均相煤基油品悬浮床加氢方法
US4427532A (en) Coking of coal with petroleum residua
JPS5981383A (ja) 石炭の溶剤精製方法
US9567654B2 (en) Binder for metallurgical coke and a process for making same
KR101547129B1 (ko) 탄화수소 유분으로부터 고부가 방향족 제품을 제조하는 방법
JP2001089772A (ja) 石油系重質油の水素化分解方法
US4151066A (en) Coal liquefaction process
US4188235A (en) Electrode binder composition
CA1191806A (en) Center ring hydrogenation and hydrocracking of polynuclear aromatic compounds
JPS63227692A (ja) プレミアムコーキング方法
US2118940A (en) Destructive hydrogenation of distillable carbonaceous material
JPS62246995A (ja) ガス油処理方法
CN110964562A (zh) 不同碳氢料的上流式加氢反应过程组合方法
JPS621432B2 (ja)
JPH025798B2 (ja)
CN108504378B (zh) 一种煤加氢热解供氢溶剂油的制备方法、由此制备的供氢溶剂油及其用途
CN115584280B (zh) 一种净化富芳烃油的制备方法