JPS6214293Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、伸縮式門扉における転倒防止装置に
係るものである。従来この種の門扉は、地面上を
車輪またはキヤスターで転動させるもの、山形鋼
のレール上を転動させるものなどがあるが、片開
き門扉の場合には、門扉を伸して門を閉めたとき
に門扉の移動端を門柱に係止することができるの
で門扉は安定しているが、両開き門扉の場合に
は、それぞれの門扉の移動端同志を係止するだけ
で地面への係止はなく、自重によつて自立させて
いるだけである。一方伸縮門扉は軽量につくられ
ており、また伸縮のために各リンク間には隙間が
あつて完全な剛体ではないので、強風によつて門
扉が捩れて変形を起こす欠陥があつた。本考案は
これに鑑みなされたもので、両開き式の伸縮門扉
において門扉を伸ばして門を閉めた状態において
門扉を地面にロツクしようとするものである。

以下図面に示した実施例について説明すると、
１は取付金２によつて両開きの伸縮式門扉の移動
端の門扉本体３に取付けた連結部材であつて、下
方両側にキヤスター４を取付けている。５は字
状に形成したピンホルダーであつて、その上板６
と下板７によつてピン８を回動並びに摺動自在に
保持し、該ピン８の下方には短かいノツクピン９
を、またその上方の反対方向には長いノツクピン
１０を植設し、ノツクピン１０の先端にはグリツ
プ１１を固着し、且つ下板７は、これを湾曲させ
て上下方向に段差ａを設けるとともに、ピン軸支
穴１２の一部にはノツクピン９の通過する切欠１
３を設けている。尚１４はピン８の下端が下板７
から外れないように、その動きを制限するノツク
ピン、１５はピン８が振動などによつて自然に回
動してノツクピン９が切欠１３を通過して落下す
るのを防止するようにした止めノツクである。１
６は連結部材１に固着した取付板１７とピンホル
ダー５との間に介装させた〓状金具であつて、該
〓状金具１６を貫通させたボルト１８を更に上板
６を貫通させ、下板７に刻設した雌ネジに螺入さ
せるとともに下板７の下面からナツト１９を螺合
させている。これらピンホルダー５および〓状金
具１６の取付板１７への取付けは、ピンホルダー
５の長穴２０、〓状金具および取付板１７の貫通
穴へ通した取付ネジ２１を取付板１７の裏に当接
したナツト板２２にネジ込んで取付けている。２
３は係止板であつて、ピンホルダー５の下板７に
穿孔したピン軸支穴１２および切欠１３と同形の
穴２４を穿孔しており、字状のアンカー板２５
を固着した平板２６に固着し、平板２６の上面を
キヤスター４の転動面と一致させたときに、ピン
８を下げてノツクピン１０を下板７に接触させた
ときのノツクピン９の上面が係止板２３の下面に
当接するような関係位置としている。

以上のように構成した本考案門扉を設置する場
合には、まず左右の門扉を伸して門を閉鎖した位
置においてピン８を下げて、係止板２３の穴２４
をピン８に係合して穴の位置決めをするとともに
平板２６の上面がコンクリートのキヤスター転動
面と一致するような高さにアンカー板２５を埋設
してコンクリート打ちを行い、次に取付ネジ２１
を緩めてボルト１８を回わして、ノツクピン１０
を下板７のａなる段差の上段に回わしたときに穴
２４を通過したノツクピン９の上面が係止板２３
の下面を強く押圧するような位置に微調整したの
ち取付ネジ２１を締め付けて固着すればよい。

次に使用法並びに作用を説明する。門扉を縮め
て門を開けているときや伸縮中のときには、第４
図に示すようにノツクピン９を下板７の上面に載
せておく。この場合、ノツクピン９は第６図の仮
線で示した位置にあつて止めノツク１５によつて
ピン８の回動は阻止されている。門を閉めて転倒
防止装置を働かす場合には、ノツクピン９が止め
ノツク１５の上を乗り越えるようにグリツプ１１
でピン８を持ち上げながら第６図の実線の位置ま
で回し、ノツクピン９を切欠１３を通して下ろす
と、ノツクピン９は更に切欠１３と同形の切欠を
有する穴２４を通り越してノツクピン１０が下板
７の上面に当たつて停止する。次にグリツプ１１
でピン８を第６図の仮線の位置の方向に回すと、
ノツクピン１０の下面は下板７上面に沿つて回動
するとともにノツクピン９も回動して切欠から外
れ、上下方向の段差ａによつてノツクピン９が上
昇して、ノツクピン１０の下面とノツクピン９の
上面との間で下板７と係止板２３を強く挾み込ん
で門扉本体３を地面に強固に固定するので門扉が
転倒することはない。

尚前記実施例では、キヤスター転動面と係止板
２３との高さ決めを容易にするために、また外観
上や強度上大きい平板２６に係止板２３を取付け
るようにしたが、係止板２３を直接コンクリート
に埋設することもでき、また、前記の実施例の伸
縮式門扉はキヤスターを使用した伸縮、開閉自在
な門扉としているが、勿論一方向のみ走行可能な
車輪を付けた伸縮のみの門扉やレール上を転動す
るようにした伸縮門扉にも適用できるものであ
る。

以上のように本考案によれば、門扉に設けたピ
ンホルダーと地面に固着した係止板とを上下のノ
ツクピンで段差によつて挾圧するようにしたので
門扉本体は確実に地面に固定され、強風によつて
も曲がり、変形を起こすことなく、また、微調整
可能としたので設置は極めて簡単に行うことがで
き、しかも構造、操作簡単で実用上の効果は大き
いものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案転倒防止装置を施こした伸縮式
門扉の正面図、第２図は第１図のＡ−Ａ矢視拡大
図、第３図は第２図のＢ−Ｂ断面図、第４図は第
３図の一部を示しロツクを解除した状態を示し、
第５図、第６図はそれぞれ第３図のＣ矢視及びＤ
−Ｄ矢視の一部を示す図、第７図はコンクリート
に埋設部分の斜視図である。 １……連結部材、３……門扉本体、５……ピン
ホルダー、６……上板、７……下板、８……ピ
ン、９，１０……ノツクピン、ａ……段差、１２
……ピン軸支穴、１３……切欠、１６……〓状金
具、１８……ボルト、２０……長穴、２１……取
付ネジ、２３……係止板、２４……穴。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 字状としたピンホルダー５の上板６と下板７
   によつてピン８を回動並びに摺動自在に保持し、
   該ピン８の下方には短かいノツクピン９を、また
   その上方には長いノツクピン１０をそれぞれ植設
   し、ピンホルダー５の下板７を湾曲させて上下方
   向に段差ａを設け、且つ下板７のピン軸支穴１２
   の一部にノツクピン９の通過する切欠１３を設
   け、以上のように構成したピンホルダー５を、両
   開きの伸縮式門扉の移動端の門扉本体３に取付け
   た連結部材１に、〓状金具１６を介してネジ２１
   止めし、且つピンホルダー５に刻設した雌ネジに
   螺合するボルト１８を〓状金具１６に係合させ、
   ピンホルダー５と〓状金具１６とを長穴２０によ
   つて上下微調整可能とするとともに、門扉を伸し
   て門を閉鎖した位置におけるピン８の直下に下板
   ７の切欠１３を有するピン軸支穴１２と同形の穴
   ２４を有する係止板２３を地面に固着し、ノツク
   ピン９を穴２４下面に係合させるようにした伸縮
   式門扉における転倒防止装置。