JPS6214207Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は腰掛けタイプ（洋風）の水洗トイレ装
置に関する。

屎尿をバキユームカーにより汲取りしている非
水洗地域向けに、少量の水でボール面の残存汚物
を洗い落す水洗便器が各種開発されているが、こ
れら従来の簡易水洗便器にあつては、洗浄水がそ
のまま汲取り便槽内に流れ込む機構々造のもので
あるため、汲取便槽内の水分が著しく増加して屎
尿処理上の問題となつている。

本考案は叙上屎尿処理上の問題点を解消して、
汲取便槽に収容されるべき屎尿および落し紙に対
してボール面を洗浄した洗浄水を、便座に腰掛
け、立ち離れる使用動作に応じて、汲取便槽に入
れることなく自動的に回収し得るようにすると共
に水周りと作動機構周りとを区画分離して故障を
なくし且つ構造簡単に改良したものである。

そのため本考案は水洗便器１における開口１ａ
直下の便落口１ｂ際の側壁内面に洗浄水が即時通
過可能な大口径状排水管口２ａを備えると共に便
落口１ｂが開口しているスカート部１ｃ内上端か
ら排便管３を垂設し、排便管３内の回転軸４部分
に便皿５を軸着して、便皿５が回転軸４を支点に
揺動して便落口１ｂを開閉可能に形成し且つ排便
管３で区画形成されたスカート部１ｃ内の動作空
間ａに貫通した回転軸４端部に揺動杆６を軸着す
る一方、便座７を起伏動自在に軸支した支持体８
を水洗便器１の上縁面１ｄ後端部に上下動自在に
取付け、支持体８を便座７後部側が上縁面１ｄ上
に浮いた状態の上位置にバネ９で付勢し、この支
持体８と揺動杆６とをコントロールケーブル１０
のインナーケーブル１０ａで一体連動状に連繋せ
しめて構成する。これにより、便座７に座圧が負
荷されるのにともないインナーケーブル１０ａを
通じて便皿５が揺動して便落口１ｂを開き、屎尿
は便落口１ｂから排便管３内の通過空間ｂを通つ
て直下の汲取り便槽（図示せず）内に落下し得、
そして座圧が除かれるのにともないインナーケー
ブル１０ａを通じて便皿５が揺動して便落口１ｂ
を閉じ、ボール面１ｅに吐出されて同面を洗浄し
た洗浄水は排水管口２ａから水洗便器１外へ分離
される。

したがつて本考案は次の利点を有する。

便皿が便座と連動して、座圧無負荷時に自動
的に閉じロツクする一方、座圧負荷時には自動
的に開放し、便座に腰掛けると便落口が開放し
て、便槽へ落下する屎尿および落し紙を妨げ
ず、そして用便後に便座から立上がるのにとも
ない便落口が閉じて、給水される洗浄水を便槽
に落流させることなく、排水管口から便器外に
分離回収せしめることができる。

不使用中は、便落口は閉じられていて、便槽
内が見えぬよう目穏しされており、また便槽か
ら立昇ぼる臭気が遮ぎられてトイレ室内に臭気
が漂わず、快適に利用できる。

洗浄水と屎尿および落し紙を分離できて、便
槽は容量的に在来の汲取り便槽ですむばかりか
屎尿処理場における処理能力の低下を招かずに
すみ、且つ分離回収した洗浄水の汚染度は極め
て低く、土壌浄化或いは殺菌処理等の簡単な浄
化処理装置により、建築基準法で定められてい
る水質規定よりも遥かに良質の値まで十分に浄
化し得、土壌還元或いは放流しても環境汚染の
心配がない。

便落口から排便管内を落下する屎尿の通過空
間域と、便皿を揺動させる便座との連動機構す
なわち作動機構の動作空間域とを、排便管の内
外に区画しているために、作動機構が屎尿で汚
れて作動不能に至ることがなく、恒久的に円滑
な開閉状態が得られ、洗浄水を確実に分離でき
る。

便座の支持体と便皿はコントロールケーブル
で直結されていて構造簡単であり、故障がなく
又製作容易で低廉安価である。

以下図面に示す実施例について説明する。

水洗便器１はボール面１ｅに給水タンク或いは
水道管と接続している吐水口１１を有し、開口１
ａ直下の便落口１ｂ下面を後側に向けて低く傾斜
させて斜面状に成形すると共にこの便落口１ｂの
低位側の側壁内面には洗浄水が即時通過可能な大
口径状排水管２の管口２ａを設け、便落口１ｂが
開口しているスカート部１ｃ内にはその上端から
排便管３を直下の汲取り便槽（図示せず）に向け
て垂設する。この排便管３内には便落口１ｂと通
じる屎尿の通過空間ｂを形成する一方、排便管３
外のスカート部１ｃ内に動作空間ａを区画形成
し、排便管３の便落口１ｂ後位置に架設した回転
軸４における通過空間ｂ内の軸部分には便皿５を
軸着して、便皿５が回転軸４を支点に揺動して便
落口１ｂを開閉し得るように形成し、また動作空
間ａ内の軸端部には揺動杆６を軸着し、この揺動
杆６と便座７の支持体８とをコントロールケーブ
ル１０で接続して、便皿５が座圧無負荷時に便落
口１ｂ下面に当接して同口を閉じ、座圧負荷時に
便落口１ｂ下面から揺動離れて同口を開くよう一
体連動状に形成する。

便座７を起伏動自在に軸支せる支持体８は支持
筒１２とこの支持筒１２の中心位置の連結軸１３
とを垂設し、支持筒１２を上縁面１ｄ後端に備え
られた台体１４の有底状ガイド孔１５内にバネ９
に抗して下動自在に取付け、且つ同ガイド孔１５
の底部１５ａ中央の孔１５ｂに貫通した連結軸１
３下端をコントロールケーブル１０のインナーケ
ーブル１０ａ端と連結具１６で一体的に接続す
る。この連結具１６は底部１５ａ底面に当接し得
るように孔１５ａ径よりも大径状として、座圧無
負荷状態でバネ９に押上げられている便座７をそ
の後部側が上縁面１ｄ後部に浮いた高位置に停止
可能に形成する。

ガイド孔１５内のバネ９はそのバネ力で便座７
を高位置に押上げ付勢すると共に連結軸１３およ
びインナーケーブル１０ａそして揺動杆６および
回転軸４を通じて便皿５を便落口１ｂ下面に圧接
した状態に付勢する。

コントロールケーブル１０はインナーケーブル
１０ａとこれのアウターケーシング１０ｂからな
り、アウターケーシング１０ｂの一端を底部１５
ａから垂設された筒部１７下端の蓋１８に接続す
ると共に他端を動作空間ａ内に露呈している排便
管３外面に固定具１９で沿着する。インナーケー
ブル１０ａはその一端を蓋１８の孔１８ａに通し
て遮蔽空間ｃ内で連結軸１３と接続する一方、他
端を揺動杆６上端に連結具２０で接続して、便座
７が座圧を受けて低位置に下動すると同時に揺動
杆６が揺動し且つ回転軸４を通じて便皿５が便落
口１ｂから離れるように揺動して便落口１ｂが開
くようにする。

したがつて、便座７に腰掛けると同時に便落口
１ｂが開いて、屎尿および落し紙はその開口した
便落口１ｂから通過空間ｂを落下して便槽内に落
ち、そして便座７から立上がると同時に便落口１
ｂが閉じて、吐水口１１から吐出した洗浄水はボ
ール面１ｅを洗浄したるのち便皿５に案内されて
低位の排水管口２ａに流れ込み、排便管２を通つ
て水洗便器１外に分離排水される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案水洗トイレ装置の一実施例を示
す縦断正面図。第２図はＸ−Ｘ線に沿える横断平
面図。第３図は部分拡大縦断面図である。 図中、１は水洗便器、１ａは開口、１ｂは便落
口、１ｃはスカート部、１ｄは上縁面、２は排水
管、２ａは排水管口、３は排便管、４は回転軸、
５は便皿、６は揺動杆、７は便座、８は支持体、
９はバネ、１０はコントロールケーブル、１０ａ
はインナーケーブル、ａは取付け空間。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 水洗便器における開口直下の便落口際の側壁内
   面に洗浄水が即時通過可能な大口径状排水管口を
   備えると共に便落口が開口しているスカート部内
   上端から排便管を垂設し、排便管内の回転軸部分
   に便皿を軸着して、便皿が回転軸を支点に揺動し
   て便落口を開閉可能に形成し且つ排便管で区画形
   成されたスカート部内の動作空間に貫通した回転
   軸端部に揺動杆を軸着する一方、便座を起伏動自
   在に軸支した支持体を水洗便器の上縁面後端部に
   上下動自在に取付け、支持体を便座後部側が上縁
   面上に浮いた状態の上位置にバネで付勢し、この
   支持体と揺動杆とをコントロールケーブルのイン
   ナーケーブルで一体連動状に連繋せしめて成る水
   洗トイレ装置。