JP3226248U - 水洗式大便器 - Google Patents
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Abstract
【課題】便鉢部外に尿をこぼすことなく立ったまま小便することができる水洗式大便器を提供することである。【解決手段】水洗式大便器10は、汚物を受けるために開口された天井部を有する便鉢部12と、便鉢部12の天井部12aに対して起立又は倒伏するように回動し、所定の厚みを有し、かつ、略O字状の貫通孔が形成された便座部14と、を備え、便座部14は、正面側に設けられ、陰茎を挿入するための挿入口部18aと、背面側に設けられ、陰茎から出た尿を排出するための排出管部18cと、挿入口部18aと排出管部18cとを連通するように内部に配設される流路部18bと、を有することを特徴とする。【選択図】図1
Description
本考案は、水洗式大便器に関する。
近年、一般家庭や公衆トイレなどにおいて水洗式大便器が普及している。本考案に関連する技術として、例えば、特許文献1には、排水トラップの内部の水流に基づく振動成分を検出する第1振動センサーと、便器本体において第1振動センサーの検出する水流に基づく振動成分よりも水流に基づく振動成分を検出しにくい位置に取付けられる第2振動センサーであって、第1振動センサーによって検出された振動成分から第2振動センサーによって検出された振動成分を差し引くことにより排水トラップの内部の水流に基づく振動成分を得る排水状態判断部において便器本体の排水状態の不良を判断させるために、第1振動センサーによって検出された振動成分A1から差し引く振動成分A2を検出する第2振動センサーを備える水洗大便器装置が開示されている。
また、特許文献2には、大便器と、大便器の上面に載置され、大便器に対して着脱可能な衛生洗浄装置と、大便器の後方に配置され、衛生洗浄装置に接続される電源ケーブルおよび給水ホースを収容するキャビネット部と、衛生洗浄装置に接続され、キャビネット部からの引き出し余裕量が電源ケーブルおよび給水ホースよりも少ない引き出し量抑制部と を備える、大便器ユニットが開示されている。
従来、水洗式大便器9で男性が小便をする際には、図2(c)に示されるように便座を起立させた状態で用を足していた。このような状態で小便をすると、便鉢部12外に尿がこぼれて、床等を汚してしまうという課題がある。
本考案の目的は、便鉢部外に尿をこぼすことなく立ったまま小便することができる水洗式大便器を提供することである。
本考案に係る水洗式大便器は、汚物を受けるために開口された天井部を有する便鉢部と、前記便鉢部の前記天井部に対して起立又は倒伏するように回動し、所定の厚みを有し、かつ、略O字状の貫通孔が形成された便座部と、を備え、前記便座部は、正面側に設けられ、陰茎を挿入するための挿入口部と、背面側に設けられ、前記陰茎から出た尿を前記便鉢部内に排出するための排出管部と、前記挿入口部と前記排出管部とを連通するように内部に配設される流路部と、を有することを特徴とする。
また、本考案に係る水洗式大便器において、前記挿入口部は、前記正面側の開口部から前記流路部との連結部に向けて径が細くなる先細り形状を有しており、前記便座部の厚みは、前記連結部と前記正面側の前記開口部との間の厚みが前記連結部の厚みよりも広げられていることが好ましい。
また、本考案に係る水洗式大便器において、前記排出管部は、前記便鉢部内に前記尿を導くために前記便座部の底面部から突出する案内管を有することが好ましい。
本考案によれば、便鉢部外に尿をこぼすことなく立ったまま小便することができる。
以下に、本考案に係る実施の形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。以下では、全ての図面において同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、本文中の説明においては、必要に応じそれ以前に述べた符号を用いるものとする。
図1は、本考案に係る実施の形態の水洗式大便器10を示す図である。図1(a)は、水洗式大便器10の正面図であり、図1(b)は、水洗式大便器10の側面図であり、図1(c)は、水洗式大便器10の平面図である。
図2は、水洗式大便器10を用いて小便をしている様子を示す図と、比較のための従来の水洗式大便器9を用いて小便をしている様子を示す図である。
図2(a)は、男の子3が水洗式大便器10で立小便をしている様子を示す図であり、図2(b)は、成人男性2が水洗式大便器10で立小便をしている様子を示す図であり、図2(c)は、成人男性2が従来の水洗式大便器9で立小便をしている様子を示す図である。
水洗式大便器10は、男の子3や成人男性2が便鉢部12外に尿をこぼすことなく立小便をすることができる便器である。水洗式大便器10は、便鉢部12と、挿入口部18a、流路部18b、及び排出管部18cを含む便座部14と、タンク部16と、を備えている。
便鉢部12は、汚物を受けるために開口された天井部12aを有するボウル形状の部材である。便鉢部12は、適度な強度を有する材質、例えば、樹脂や陶器などを用いて構成することが出来る。
便鉢部12は、水が溜められた水たまり部と、汚物を水ともに排出させるための排水路部とを備えている。水たまり部において、常に水をためておくことで便鉢部12の内側面への汚物付着を防ぐほか、下水管から上がってくる臭いを防ぐ効果がある。
排水路部は、断面形状が略S字形状を有している。便鉢部12内に水をためておくため、排水路部は、上方にせり上がっている。このせり上がった部分は、「せき」と呼ばれている。
便鉢部12内の汚物を流しきり、かつ、水たまりの水位を保つように、1回分の流れる水量が綿密に設定されている。
タンク部16は、レバーを回すと便鉢部12内に水を流して汚物を排水路部に流す機能を有している。タンク部16は、ボールタップと、オーバーフロー管と、フロートバルブと、止水栓とを含んで構成される。
ボールタップは、タンク部16内の真ん中に浮いている球体である浮き玉と、それを支える指示棒とを含んで構成される。ボールタップは、タンク部16内の給水を司る部位であり、指示棒の付け根はタンク部16外から水を取り入れる給水管と通じている。浮き玉の上下運動によってタンク内の水位が測られ、低い位置にあるときは給水し、上がってくると水が止まる仕組みになっている。
オーバーフロー管は、タンク部16の中央部に立っている管であり、何らかの理由でタンク部16内の給水が止まらなくなったとき、タンク部16から水が漏れ出すのを防ぐため、溢れた水がこの管の中を通って便鉢部12内へ逃げられるようになっている。
フロートバルブは、タンク部16の底にある黒いゴム製の弁である。フロートバルブは、タンク部16から便鉢部12への排水機能を担う部位で、鎖を通じてレバーと連結されている。フロートバルブは、通常、バルブ本体がタンク底部の排水弁を塞いでおり、レバーが回ると持ち上げられて排水弁が開くようになっている。
止水栓は、タンク部16の側面からは給水管が伸びており、その管が壁や床に接するところに設けられている。止水栓は、タンク部16に水を供給するための蛇口のようなもので、閉めれば給水が止まる仕組みとなっており、止水栓の開け具合で水の勢いが調節できるようになっている。
便座部14は、便鉢部12の天井部12aに対して起立又は倒伏するように回動し、所定の厚みを有し、かつ、略O字状の貫通孔14cが形成された部材である。便座部14は、適度な強度を有する材質、例えば、樹脂や陶器などを用いて構成することが出来る。
便座部14は、便座14aと、蓋部14bとを含んで構成される。便座14aと蓋部14bとは独立して起立又は倒伏するように回動可能なように設けられている。蓋部14bは、便座14aに形成される貫通孔14cから匂いが漏れないように塞ぐための蓋部材である。
便座14aは、男の子3や成人男性2が大便をする際に倒伏される略O字状の部材である。便座14aは、挿入口部18aと、流路部18bと、排出管部18cとを含んで構成される。便座14aは、寒い冬場に座った際に快適に用を足すことができるように内部にヒーターを設けてもよい。
挿入口部18aは、便座14a内において正面側に設けられ、男の子3や成人男性2の陰茎を挿入するための部材である。挿入口部18aは、適度な強度を有する材質、例えば、樹脂を用いて構成することが出来る。
挿入口部18aは、正面側の開口部19から流路部18bとの連結部21に向けて径が細くなる先細り形状を有している。図1(c)に示されるように、平面図では略三角形状となる漏斗のような形状を有している。
流路部18bは、挿入口部18aと排出管部18cとを連通するように内部に配設される円筒状の配管部材である。流路部18bは、適度な強度を有する材質、例えば、樹脂を用いて構成することが出来る。流路部18bは、O字状の便座14a内のうち、図1(c)に示されるように右回りとなるように設けられているが、もちろん、左回りであってもよい。
排出管部18cは、便座14a内において背面側に設けられ、男の子3や成人男性2の陰茎から出た尿を排出するための部材である。排出管部18cは、適度な強度を有する材質、例えば、樹脂を用いて構成することが出来る。排出管部18cは、図1(b)及び図1(c)に示されるように、便鉢部12内に尿を導くために便座14aの底面部から突出する案内管である。
挿入口部18a、流路部18b、及び排出管部18cが内部に設けられた便座14aの厚みは、図1(b)に示されるように、正面側の開口部19と挿入口部18aと流路部18bとの連結部21との間の厚みは、連結部21の厚みよりも広げられている。
すなわち、便座14aの背面側から流路部18bが配設された部分の厚みは一定であるが、挿入口部18aのテーパー形状に合わせて連結部21から正面側に向かって徐々に厚みが厚くなっている。
続いて、上記構成の水洗式大便器10の作用について説明する。従来、水洗式大便器9において、成人男性2が立小便をしょうとすると、図2(c)に示されるように、便座と蓋部とを起立させた状態で用を足す必要があった。このような状態で用を足すと排尿の方向を上手く制御できずに便鉢部12外に尿がこぼれてしまうという課題があった。
しかしながら、水洗式大便器10を用いて立小便をするには、以下の手順で行うことが出来る。最初に、便座部14のうち、蓋部14bを図2(b)、図2(c)に示されるように垂直に起立させる。
そして、男の子3の場合は、図2(b)に示されるように、陰茎の高さ位置まで便座14aを傾け、成人男性2の場合は、図2(c)に示されるように、便座14aを傾ける。
次いで、男の子3又は成人男性2は、陰茎を便座14aの挿入口部18a内に挿入し、この状態で排尿する。このとき、挿入口部18aは正面側に向けて広がるような略漏斗形状を有しているため、陰茎を挿入しやすいという利点がある。
このように排出された尿は、重力によって、挿入口部18aから流路部18b内を流れた後、排出管部18cから便鉢部12内に排出される。
この後、タンク部16のレバーを回すと、レバーと鎖で繋がっているフロートバルブが引っ張られ、タンク部16の底部の排水弁が開いて、便鉢部12内に水が流れて、尿が排水路から排出される。水が流れ終わると自動的にフロートバルブが閉まる。
タンク部16内の水が少なくなると浮き玉が下がり、それに合わせて給水が始まり、浮き玉が上昇する。そして、十分な水位まで給水されると水が止まり、次の使用時まで所定の水量が保たれる。
このように、水洗式大便器10によれば、男の子3又は成人男性2は立ったままの状態で、自分自身の陰茎の高さ位置に便座14aの正面側を近づけて、挿入口部18a内に挿入することにより、より確実に便鉢部12内に尿を導くことができる。このため、水洗式大便器10が設けられる床面などを汚すことなく綺麗な状態で使用することができるという顕著な効果を奏する。
図3は、本考案に係る実施の形態の水洗式大便器10の変形例である水洗式大便器11を示す図である。水洗式大便器10では、便座14aの背面側から流路部18bが配設された部分の厚みは一定であり挿入口部18aのテーパー形状に合わせて連結部21から正面側に向かって徐々に厚みが厚くなっているものとして説明したが、座り心地などを考慮した場合に、図3(b)に示されるように、厚みを開口部19に合せて一定にしてもよい。
また、便座部14のうち流路部18bの反対側に流路部18bに水を流して洗浄するための洗浄水配管17bを組み込んでもよい。洗浄水配管17bは、可撓性を有する材質で構成されており、タンク部16内の水を取り出して洗浄水配管17bに導入するための洗浄モーターBOX17aが設けられていても良い。これにより、より清潔に保つことができるという効果を奏する。
2 成人男性、3 男の子、9,10,11 水洗式大便器、12 便鉢部、12a 天井部、14 便座部、14a 便座、14b 蓋部、14c 貫通孔、16 タンク部、17a 洗浄モーターBOX、17b 洗浄水配管、18a 挿入口部、18b 流路部、18c 排出管部、19 開口部、21 連結部。
Claims (3)
- 汚物を受けるために開口された天井部を有する便鉢部と、
前記便鉢部の前記天井部に対して起立又は倒伏するように回動し、所定の厚みを有し、かつ、略O字状の貫通孔が形成された便座部と、
を備え、
前記便座部は、
正面側に設けられ、陰茎を挿入するための挿入口部と、
背面側に設けられ、前記陰茎から出た尿を前記便鉢部内に排出するための排出管部と、
前記挿入口部と前記排出管部とを連通するように内部に配設される流路部と、
を有することを特徴とする水洗式大便器。 - 請求項1に記載の水洗式大便器において、
前記挿入口部は、前記正面側の開口部から前記流路部との連結部に向けて径が細くなる先細り形状を有しており、
前記便座部の厚みは、前記連結部と前記正面側の前記開口部との間の厚みが前記連結部の厚みよりも広げられていることを特徴とする水洗式大便器。 - 請求項1または請求項2に記載の水洗式大便器において、
前記排出管部は、前記便鉢部内に前記尿を導くために前記便座部の底面部から突出する案内管を有することを特徴とする水洗式大便器。
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