JPS621402Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は主として車両用のエンジンに適用され
る気化器装置に関する。

従来この種装置として、エンジンの寒冷時の始
動に際してはこれに比較的濃厚な始動用の混合気
が導かれるようにした式のものは知られるがこの
場合その手段としてはフアストアイドル機構を使
用する式を一般としたもので、かゝるものではそ
の構成が比較的複雑となり勝ちである不都合を伴
う。

本考案はかゝる不都合のない装置を得ることを
その目的としたもので、気化器本体１内の気化器
通路２に、燃料ノズル４を開口するベンチユリ部
３を設け、該ベンチユリ部３より上流側に、該ベ
ンチユリ部３に吸入される空気量を制御するチヨ
ーク弁６を設けると共に、該ベンチユリ部３より
下流側にエンジンに供給される混合気を制御する
絞り弁５を設けた気化器装置において、前記気化
器通路２に、エンジン温度を検出する感温部材８
に応動して、該温度の低温時は開弁する制御弁９
を内設する側路７を設け、該側路７は、その一端
を前記絞り弁５下流側にその他端を前記ベンチユ
リ部３に開口して、前記チヨーク弁６閉弁時に前
記燃料ノズル４に作用するエンジン吸入負圧を該
側路７をもつてエンジン温度に対応して供給制御
させたことを特徴とする。

第１図乃至第４図はその１例を示すもので、該
絞り弁５は該ノズル４内にのびる針弁１０を有す
る上下に摺動自在のピストン型から成り、スロツ
トルワイヤ１２によればばね１３に抗して上動自
在とした。図面で１４は該気化器本体１の下側の
フロートチヤンバを示し、該燃料ノズル４はメイ
ンジエツト１５を介してこれに連るようにした。
更に該チヨーク弁６は弁軸１６上に偏心して固定
されて下流側の負圧の増大によればばね１７に抗
して開き側に作動されるものとし、更にその端部
にチヨークレバ１８を介してばね１９を作用され
て該ばね１９によれば常時は閉じ側となるように
した。更に該感温部材８はサーモワツクスその他
から成り、第１図に明示するようにエンジンのシ
リンダヘツド２０の上側に設けられると共にこれ
にカバ２１が施されるようにした。

以上は従来のものと特に異らないが、本考案に
よれば該気化器通路２に該側路７を備えると共に
これに該制御弁９を介入させるもので、該側路７
は該絞り弁５のアイドル位置の下側の空間２２内
から側方にのびると共に後方に屈曲して該弁５の
下流側に連り、全体として略Ｌ字状をなすものと
し、該制御弁９はその屈曲部に介入されるように
した。該制御弁９は円胴状の弁本体９ａ内に略Ｌ
字状に屈曲して側面に開口する弁孔９ｂを備えて
成り、該側面の開口において開度を加減されるも
のとする。該制御弁９は下方にのびるアーム９ｃ
においてリンク状の連杆１１を介して前記したチ
ヨークレバ１８に連り、かくて常時は該レバ１８
に作用するばね１９で該チヨーク弁６が閉じると
共に該連杆１１を介して該弁９は図面で時計方向
に廻動して開き位置に存するようにした。更に該
制御弁９は上方ののびるアーム９ｄにおいて前記
した感温部材８から前方にのびてばね２３に抗し
て前進自在のプツシユロツド２４に係合され、か
くてエンジン温度の上昇に伴い該感温部材８が膨
張したときは該プツシユロツド２４に押されて図
面で反時計方向に廻動して漸次閉じ側となるよう
にした。

第５図はその変形例を示すもので、該絞り弁５
をバタフライ型としたが、残余の点は前記のもの
と特に異らない。

その作動を説明するに、常時はチヨーク弁６が
ばね１９に押されて閉じると共に制御弁９は連杆
１１を介してこれに引かれて開き位置に存する。
この状態は、所謂寒冷時であり、側路７は該弁９
において開いて作動状態に用意されるが、次でこ
の状態からエンジンを始動させた場合を考える
に、下流側に生ずるクランキング負圧は該側路７
を介して燃料ノズル４に近傍に作用してこれに燃
料の流出を生じ、これは比較的濃厚な混合気とな
つて該側路７を介して該下流側からエンジンに導
かれてこれに良好な始動を生ずる。即ち該エンジ
ンは比較的濃厚な始動用の混合気を導かれてこれ
に良好な始動を生ずる。

次でエンジンが暖機運転となつてその温度が漸
次上昇すると、感温部材８はこれに応じて漸次膨
脹してプツシユロツド２４はこれに押されてばね
２３に抗して前進され、かくて制御弁９はこれに
押されて漸次閉じ側となると共に連機１１を介し
てチヨーク弁６は漸次開き側となり、前記した始
動用の混合気は漸次希薄となると共にその量を減
少される。

次で暖機が完了すれば制御弁９は閉じて側路７
は不作動となると共にチヨーク弁６は全開し、エ
ンジンは通常に作動となる。

尚暖機後一旦エンジンを停止とし、次で再始動
する場合を考えるに、制御弁９はエンジン温度に
応じて閉じ側と、チヨーク弁６はそれに応じて開
き側とに存し、かくて良好な始動が得られる。

このように本考案によるときは燃料ノズル４を
開口するベンチユリ部３を有する気化器通路２に
は、エンジン温度を検出する感温部材８に応動し
て該温度の低温時は開弁する制御弁９を内設する
側路７を設け該側路７はその一端を絞り弁５下流
側に、その他端をベンチユリ部３に開口して、チ
ヨーク弁６の閉弁時に燃料ノズル４に作用するエ
ンジン吸入負圧を該側路７をもつてエンジン温度
に対応して供給制御させたものであるからエンジ
ンの始動時に代表される不安定な運転状態をエン
ジンの温度を検温することによつて制御弁９を開
閉制御してエンジンを要求する混合気を容易に生
成してエンジンの始動を安定させることができる
効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案装置の１例の一部を截除した側面
図、第２図はその一部の拡大した截断側面図、第
３図はその−線截断面図、第４図は制御弁の
斜面図、第５図は他の１例の一部を截除した平面
図である。 １……気化器本体、２……気化器通路、３……
ベンチユリ部、４……燃料ノズル、５……絞り
弁、６……チヨーク弁、７……側路、８……感温
部材、９……制御弁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 気化器本体１内の気化器通路２に、燃料ノズル
   ４を開口するベンチユリ部３を設け、該ベンチユ
   リ部３より上流側に、該ベンチユリ部３に吸入さ
   れる空気量を制御するチヨーク弁６を設けると共
   に、該ベンチユリ部３より下流側にエンジンに供
   給される混合気を制御する絞り弁５を設けた気化
   器装置において、前記気化器通路２に、エンジン
   温度を検出する感温部材８に応動して、該温度の
   低温時は開弁する制御弁９を内設する側路７を設
   け、該側路７は、その一端を前記絞り弁５下流側
   にその他端を前記ベンチユリ部３に開口して、前
   記チヨーク弁６閉弁時に前記燃料ノズル４に作用
   するエンジン吸入負圧を該側路７をもつてエンジ
   ン温度に対応して供給制御させたことを特徴とす
   る気化器装置。