JPS62140049A - 光物性測定の安定化方法 - Google Patents

光物性測定の安定化方法

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JPS62140049A
JPS62140049A JP28110785A JP28110785A JPS62140049A JP S62140049 A JPS62140049 A JP S62140049A JP 28110785 A JP28110785 A JP 28110785A JP 28110785 A JP28110785 A JP 28110785A JP S62140049 A JPS62140049 A JP S62140049A
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probe
film
liquid
measurement
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JP28110785A
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Kenji Saito
謙治 斉藤
Kiyoshi Takimoto
瀧本 清
Yukio Nishimura
征生 西村
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野コ 本発明は、固体、液体及び気体の物性を光学的に測定す
る方法に関し、特に液面上に展開された薄lりの特性を
光学的に測定する方法に関するもので、更に詳しくは、
薄膜の種々の特性分析の基礎となる光吸収特性の測定、
例えば単分子累積膜の形成に際して累積すべく液面上に
展開された単分子膜の特性分析等に利用されるものであ
る。
[従来の技術] 従来、被測定物の光吸収特性を測定する装置としては、
透過率又は反射率から光吸収特性を求める装置がある。
しかし、被測定物に光が照射された場合、透過光、反射
光の他に散乱光があり、更に高精度を期すためには光の
吸収成分を直接測定することが光吸収特性評価上重要と
なる。
光の吸収成分を直接測定する装置としては、断続的に光
を照射すると、被測定物に吸収された光エネルギーが無
輻射緩和過程により、断続的に熱に変換されることを利
用した測定装置である光音!分光装置(Photoac
oustic 5pectroscopy:PAS )
や光熱偏向分光装置(PhotothermalRad
iometry:  PTR)がある。
また、やはり光の吸収成分を直接測定する装置として、
光熱偏向分光装置(phototermalDefle
ction 5pectroscopy:  PDS 
)と言われる装置がある。このPDS装置は、被測定物
の光吸収による発熱と共に被測定物内及びその近傍に温
度分布が生じて屈折率が変化し、これによってそこに入
射する光が偏向することを利用したものである。即ち、
被測定物の測定部位に、光吸収されたときに発熱による
温度分布を生じさせて屈折率を変化させる励起光と、こ
れによる偏向量を測定するためのプローブ光とを照射し
、励起光の波長とプローブ光の偏向量とから被測定物の
光吸収特性を測定するものである。この装置は、被測定
物と検出系が独立に設定でき、現場での計測や遠隔計測
に適しており、本発明の基本原理もこのPDS装置と同
様である。
上記PDS装置は、励起光とプローブ光の配置によって
、横方向(transverse)型と縦方向(col
linear )型の二通りがあり、いずれも上述のよ
うに被測定物の励起光吸収量に応じたプローブ光の偏向
量を測定するもので、検出器としては位置敏感検出器(
PSD )を用いることが多い。
第13図(a)は縦方向型の例で、励起光源6より出た
励起光5は、光強度変調器7で断続化又は強弱を付けら
れ、レンズ13bで集束されて被測定物1に照射される
。プローブ光源9より出たプローブ光8は、レンズ13
a及びミラー等の光路調整器25で励起光5が照射され
ている被測定物1の測定部位を透過して検出器10へと
至り、点線で示されるように偏向したときの偏向量が測
定される。第13図(b)は横方向型の例で、プローブ
光8が被測定物1の表面に平行に照射される点が縦方向
型と相違するだけで他は同様である。
このPDS装置における理論的取扱いは、被測定物内の
熱伝導方程式を解けばよく、偏向角φとして測定される
偏向量は、励起光強度、屈折率の温度係数(υn、j)
T)、プローブ光の通過する領域での温度勾配(υT/
δX)等に比例することになる。
被測定物の光吸収係数に比例する項は(δT/δX)に
含まれる。また(δn/δ丁)は、被測定物によっては
正負いずれかの値をとり得、このことは偏向角も正負両
方の場合があることを示している。
第14図は、1次元PSDの構造例を示す縦断面図であ
る。第14図において、1次元PSDは、平板状シリコ
ン3の表面にP層の均一な抵抗層4を構成し、両辺にそ
れぞれ電極x1およびx2が配設され、裏面のNi5に
は共通電極6が配設されている。
第15図は、その動作原理を示す模式図である。
光Qの入射位置に対応させた光生成電荷は、そのエネル
ギーに相当する光電流として前記抵抗層4に達し、その
位置Qと両端の取出し電極xl 。
x2までの距離に逆比例して分割され、各電極から出力
される。入射光による光電流をI[とすると、電極XI
、X2から出力される電流I XI 。
IX2は、 lX1= IL  °RX2/ (RXI+RX2)I
xz= IL  “RXI/ (RXI+RX2)とな
り、ざらにXl−X2間の抵抗は均一の分布を保ってい
るので、Xl−X2間の抵抗と長さLとの間に次の各式
が成立する。
RXI+RX2=L RX1=x RX2=L−x このため、各電極から取り出される信号はLとXで表わ
され、 IXI”IL  ・ (L−x)/L Ix2=工L x/L のようになる。即ち、光の入射位置と光強度の情報がx
l、x2の電極に得られることになる。
さらにIXIとIX2の和と差の比をとり、これを位置
信号Pとすれば。
が得られ、X=OからLに対応して、 x=o、  P層1 X=局、  p=。
x=L、P層−1 のように、光強度変化に無関係な位置信号が連続で得ら
れることになる。
以上は1次元の場合であるが、2次元の位置検出器につ
いても同様に考えられ、第16図に示される動作回路の
ブロック図により、位置信号が求められる。
ここで、PSDの動作原理から、2点以上の光入射があ
る場合は、各々の光強度に比例して重み付けされた位置
信号が得られる。また、光束が広がっている場合も、光
強度の重心的な位置信号が得られる。
一方、従来、発明者にちなんでラングミュア・プロジェ
ット法(以下LB法という)と呼ばれる単分子膜累積法
によって、単分子膜を1枚ずつ重ねて基板へ移し取る単
分子累積膜形成装置が知られている(新実験化学講座1
8巻498頁〜507頁、丸首)。
上記装置は、液体を゛収容した液槽と、液面を二分する
ようにして液槽内に浮かべられて、液槽内で二次元ピス
トン運動可能な成膜枠と、この成膜枠を移動させる駆動
装置と、液面上に展開された単分子膜の表面圧を測定す
る表面圧測定器と、保持した基板を液面に対して上下さ
せる基板ホルダーとから概略構成されている。この装置
による単分子膜の形成からその基板への移し取りは、次
のようにして行われている。
まず、成膜枠を液槽の一方に片寄せた状態で、’Aえば
z 5 X 10−:1moR/i’の濃度でベンゼン
やクロロホルム等の揮発性溶媒に溶かした膜構成物質の
溶液を、スポイト等で数滴液面上にたらす。この溶液が
液面上に広がり、溶媒が揮発すると、単分子膜が液面上
に残されることになる。
上記単分子膜は、液面上で二次元系の挙動を示す。分子
の面密度が低いときには二次元気体の気体膜と呼ばれ、
一分子当りの占有面積と表面圧との間に二次元理想気体
の状態方程式が成立する。
次いで、この気体膜の状態から、徐々に成膜枠を移動さ
せて、単分子膜が展開している液面の領域を縮めて分子
面密度を増やしてやると、分子間相互作用が強まり、二
次元液体の液体膜を経て二次元固体の固体膜へと変わる
。この固体膜となると、分子の配列配向はきれいに揃い
、高度の秩序性及び均一な超薄膜性を持つに至る。そし
て、このときに基板ホルダーを動かして基板を上下させ
ると、基板の表面に当該固体膜となった単分子膜を付着
させて移し取ることができる。また、同一の基板に複数
回単分子膜を移し取ることによって、単分子累積膜を得
ることができる。尚、基板としては、例えばガラス、合
成樹脂、セラミック、金属等が使用される。
上記基板へ移し取るのに好適な単分子膜の状態下におい
て当該移し取り操作を行うべく、単分子膜の表面圧を計
測することが行われる。一般に、移し取るのに好適な単
分子膜の表面圧は15〜30dyn/c(Bとされてい
る。qの範囲外では、分子の配列配向が乱れたり膜の剥
がれを生じやすくなる。もっとも、特別の場合、例えば
、膜構成物質の化学構造、温度条件等によっては、好適
な表面圧の値が上記範囲からはみ出ることもあるので、
上記範囲は一応の目安である。
上記単分子膜の表面圧は、表面圧測定器によって自動的
かつ継続的に計測されるものである。表面圧の測定器と
しては、単分子膜に覆われていない液面と、単分子膜に
覆われた液面との表面張力の差から求める方法を応用し
たものや、単分子膜に覆われていない液面と、単分子膜
に覆われた液面とを区切って浮ぶことになる成膜枠に加
わる二次元的圧力を直接測定するもの等があり、各々特
色がある。また、通常、表面圧と共に単分子膜の一分子
当りの占有面積及びその変化量も計測される。占有面積
及びその変化量は、成膜枠の左右の動きから求められる
前述した成膜枠の動きは、上記測定器によって計測され
る単分子膜の表面圧に基づいて制御されるものである。
即ち、移し取り操作に好適な範囲内で選ばれた一定の表
面圧を単分子膜が常に維持するよう、成膜枠を移動させ
る駆動装置が表面圧測定器により計測された単分子膜の
表面圧に基づいて制御される。この成膜枠の移動制御は
、膜構成物質の溶液滴下後、単分子膜の移し取り操作開
始迄だけでなく、移し取り操作中も継続して成されるも
のである。例えば、移し取り操作において、単分子膜が
基板に移し取られて行くに従って、液面上の単分子膜分
子の面密度は低下し、表面圧も低下することになる。従
って、成膜枠を移動させて単分子膜の展開面積を縮小し
、その表面圧低下分を補正して一定表面圧を維持してい
る。
[発明が解決しようとする問題点] しかしながら、液面上に展開された単分子膜等の薄膜と
いう、特異な環境下にあるごく薄い被測定物の測定に、
PAS装置、PTR装置又はpos装置をそのまま用い
ようとすると、被測定物が液面上にあることや、ごく薄
いものであることから、測定そのものが困難となったり
精度や感度が低下しやすい問題がある。
RAS装置は、検出器の種類により、マイクロホン方式
と圧電素子方式とに分けられるが、マイクロホン方式で
は試料を密閉した試料室にいれる必要があり、圧電素子
方式では検出器と試料の配置が制限されるので、いずれ
も液面上に展開された薄膜をそのままの状態で測定する
には不向きである。
縦方向型PDS装着の場合、励起光が照射されて最も大
きな屈折率変化を生ずる薄膜の測定部位をプローブ光が
通過するので、検出器上で、比較的大きなプローブ光の
位置変化が得やすい利点がある。しかし、この縦方向型
PDS装置では、プローブ光が被測定物たる薄膜を透過
してしまうので、薄膜の励起光吸収に基づいて屈折率が
変動する液相と気相の両者の影響を同時に受けてしまう
ことになる。従って、この液相と気相間圧折率の変動を
考慮しなければ正確な測定ができず、高精度の測定が極
めて難しくなる問題がある。
また、被1111定物が、本発明が対象としているよう
な薄膜の場合、励起光の吸収によって生じる周囲の屈折
率変化が小さい。従って、PDS装置の横方向型の場合
、できるだけ大きな屈折率変化を生じる領域を通過させ
ることができるよう、プローブ光を液面上の薄膜に接近
させる必要がある。特に、PDS装置の検出器は、受光
強度の重心的な位置を検出する性質を有するので、光強
度の強いプローブ光束中心部が薄膜に接近していること
が好ましい。しかし、プローブ光束の半径以上にその中
心部を薄膜に接近させることができず、光強度の強いプ
ローブ光束中心部が、屈折率変化の微弱な、薄膜から離
れた領域を通過しがちとなって、高精度及び高感度の°
測定が困難となる問題がある。
更に、単分子膜のような液面上に展開された被測定物の
測定については、液面の揺れによるノイズが測定精度の
低下をもたらす。
一方、前述のように、単分子累積膜を得るには種々の微
妙な調整が要求されるものである。しかし、これまでど
のような条件が最適条件となるかは種々の実験によらな
ければ分らず、また液面上の単分子膜が累積に適した状
態となっているか否かは、表面圧等で間接的に確認する
ことしかできず、正確さに欠けているのである。これは
、 PAS。
PTR又はPDS装置等によって液面上の単分子膜の物
性を直接把握できるようにすればかなり改善されるが、
前述のような問題点があって、要望があっても応じられ
ないのが現状である。
本発明は、液面に展開された薄膜という極めて薄く特異
な環境下にある被測定物について、その光吸収特性を精
度及び感度よく測定できるようにすることを目的とする
ものである。
[問題点を解決するための手段] 本発明において上記問題点を解決するために講じられた
手段は、試料の測定部位に断続的に励起光を照射すると
共に、前記測定部位又はその近傍にプローブ光を照射し
、励起光の断続に対応するプローブ光の偏向量から試料
の光物性を測定するに際し、その測定を試料の変動から
独立させる安定化方法において、プローブ光を2木もし
くは2本以上用い、試料の変動に起因する各プローブ光
の検出面基酔点からの変動量のベクトル総和が常にゼロ
となるように光学系を設定することを特徴とする光物性
測定の安定化方法によるものである。
その具体的方法としては、プローブ光の反射差を拡大す
るか、プローブ光に異なる偏光状態を与えて偏光素子に
より分離するか、何らかの方法で分離されたプローブ光
を検出面へ対称的に投射させるか、光源を制御して光量
の変動を抑制するかのいずれか一方もしくは双方をとる
ことになる。
[作 用] 励起光が試料たる薄膜に吸収されると、励起光の照射時
と非照射時とでは測定部位及びその近傍の屈折率が変化
するので、これをプローブ光の偏向量として検出するこ
とによって光吸収特性を測定することができる。このP
O5法の原理の特徴として、PDS出力は最終的に光強
度分布の重心的位置の信号を得るということがある。
第1図は本発明による安定化方法の基本原理を説明する
座標図である。第1図(a)は、試料面から反射される
光ビームの平均出射方向に垂直な平面上に、互いに直交
するX−Y座標軸を設定したもので、反射光の偏向量が
矢印112で示されている。仮に、所要の光学系により
、上記の座標系を反転させたとすると、その投影図は第
1図(b)のようにX’−Y’となり、反射光の偏向量
も矢印113で示される如くになる。これらの互いに反
転した光ビームが目標照射面に照射されると、その座標
は第1図(C)に示されるように原点Oに対して点対称
(112a、 113a)となり、両方の光ビーム強度
が等しいとすれば、光ビーム・エネルギーの重心位置は
原点Oと常に一致する。従って、上記の条件を満足する
光学系を使用すれば、外的要因による試料面変動が生じ
ても、照射ビームの強度中心は影響されずに補償される
ことになる。
第2図は、上記の原理に基づく効果を一次元的に検証す
る基本的装置の概略構成図で、2つのレーザー光源9a
、 9bからの光ビームを試料面1上の互いにごく近い
領域に照射し、分離された2対の光ビームをミラー2B
、 27.28などによりそれぞれ光位置検出器10へ
照射させ、試料面1の変動を記録するものである。第3
図は、上記構成による光ビームの位置ずれ量の測定結果
を示すグラフであり、縦軸は光ビームの検出位置Pを示
し、横軸は時間tを示す。第3′rf!Jにおいて、−
木の光ビームを直接光位置検出器10へ照射した場合は
第3図(a)に示す如く試料面lの変動が記録され1本
発明により補償された場合は第3図(b)の如く試料面
の変動が除去され、安定しているのがわかる。
このように、本発明はプローブ光源から複数本の光ビー
ムを試料へ照射することにより、試料の変動に起因する
影響をベクトル和に吸収してしまうもので、プローブ光
の本数は多いほど作用効果は確実になる。
[実施例] 以下、本発明の実施例を、図面を参照して詳細に説明す
る。
第4図は、本発明を実施した単分子累積膜形成装置の一
例を示す構成図である。
第4図において、4は液体3を収容した液槽で、その液
面2上には被測定物たるN膜lが展開されている。図示
される薄膜1は、単分子膜を模式的に表わしたものであ
る。
液槽4の側方のやや下方にはプローブ光@9a及び9b
が設けられている。このプローブ光源9a及び8bから
は、薄膜1が展開されている液面2で全反射される角度
で、プローブ光8a及び8bが、液体3側から薄膜1の
測定部位へ向けて照射される。また、プローブ光源9a
及び8bと液槽4を挟んで相対向する位置には、送られ
て来るプローブ光8の位置を検出する検出器10が設け
られている。プローブ光8a及び8bはミラー28.2
7.28により互いに液面2の外部要因による変動を、
前記検出器10の受光面上で前記原理に基づき、補償し
合うように配置されている。この検出器10の信号は、
ドライバー11を介してロックインアンプ12へ送られ
るようになっている。
液槽4の上方には励起光源6が設けられている。励起光
源6は、励起光5を薄膜1の測定部位に向けて照射する
ものである。励起光5の光路に沿った位置に、励起光5
を断続光としたり光強度に強弱を付けて照射するための
、例えばチョッパーや可変フィルター等の光強度変調器
7が設けられている。また、励起光5は、更にレンズ1
3によって集束されて、薄膜1の測定部位に照射される
ものである。
光強度変調器7はロックインアンプ12に接続されてい
て、光強度変調器7から送られる励起光5の断続又は強
弱状態を示す信号を参照信号として、検出器10からの
信号を同期検出できるようになっている。プローブ光源
8a及び9b、励起光源6、光強度変調器7及びロック
インアンプ12は、各々測定制御器14に接続されてい
る。測定制御器14は、プローブ光8a及び8b及び励
起光5の光路及び波長並びに光強度変調器7による励起
光5の断続又は強弱間隔を制御すると共に、ロックイン
アンプ12からの信号によって光吸収特性を算出するも
のである。
液槽4は、少なくともプローブ光8a及び8b及び励起
光5の光路となる部分に透明な窓を設けておけば、こと
さら全体を透明とする必要はない、また、液体3は、励
起光5について吸収の小さいものであればプローブ光8
へ多少直接影響を与えるものであっても測定にさほど悪
影響はないが、透明であることが好ましい。
まず、励起光源6より出射された励起光5は、光強度変
調器7により、断続した又は強弱の付いた光に変調され
、液槽4の液面2上に展開されている薄膜lの測定部位
を照射する。励起光5が照射される測定部位上の領域で
は、液面2上の薄膜1が光を吸収し、無放射輻射過程に
より、断続的又は強弱をもって熱を発生し、そのため、
近傍の屈折率変化が断続的に生じることになる。
一方、プローブ光源9a及び9bから出射されるプロー
ブ光8a及び8bは、入射角が液体3の臨界角より太き
くなるよう入射されて、液面2の励起光5照射部位で全
反射され、液体3内を通過して液槽4外へと出る。従っ
て、プローブ光8a及び8bは、上記励起光5の照射に
よって断続的に屈折率が変化する測定部位を通過するこ
とになる。この屈折率の断続的変化を生じる領域を、プ
ローブ光源θa及び8bから出射されたプローブ光8a
及び8bが通過すると、変化した屈折率分布に応じて、
光路が偏向することになる。プローブ光8a及び8bを
ごく近接した、かつそれぞれ異なる屈折率分布の領域を
通過させることとすれば、ミラー2B、 27.28に
より、液面の変動によるプローブ光の変動量のベクトル
和はゼロになり、励起光照射による屈折率分布のみに応
じた偏向量となる。
検出器10は、継続してプローブ光8a及び8bを受け
、プローブ光8a及び8bの受光位置をドライバー11
を介してロックインアンプ12へ送る。ロックインアン
プ12は、この検出器lOからの信号を受けると同時に
光強度変調器7からの信号を受けており、両信号を同期
させることによって、励起光5照射時又は高強度時のプ
ローブ光8a及び8bの受光位置信号と、励起光5非照
射時又は低強度時のプローブ光8a及び8bの受光位置
信号との差をS/N比良く測定制御器14へ送る。測定
制御器14は、この送られて来た信号に基づき、その時
の励起光5の波長についてのプローブ光8a及び8bの
偏向量を求め、これに基づいて光吸収特性を算出する。
また、励起光5の波長を順次変えながら同様の測定を行
えば、薄膜1の分光吸収特性を得ることができる。
この測定に際して、測定部位は、測定制御器14で励起
光5の光路を調節することで自由に選択でき、また液面
2の位置に応じてやはり測定制御器14でプローブ光8
a及び8bの光路を調節して正確を期すことができる。
また、プローブ光源9a及び9b、励起光源6及び光強
度変調器7に必要な調節を全て測定制御器14で自動的
に行うようにし、操作を簡略化することも可能である。
励起光5の測定部位における光量分布、液体3の熱によ
る屈折率変化の特性、プローブ光8a及び8bの入射ビ
ーム位置及びその時の偏向量から薄膜1によって吸収さ
れた光エネルギーが求まる。
従って、励起光5の薄膜1への照射エネルギーをフォト
センサー等でモニターしておけば、両者から薄膜1の絶
対的な光吸収特性が得られる。そして、励起光5の波長
を変化させることにより、絶対的分光吸収特性が得られ
る。また、励起光5の各波長における相対強度を予め求
め、波長に対応したプローブ光8a及び8bの偏向量を
求めるだけでも、相対的な分光吸収特性を得ることがで
きる。
光吸収特性の相対値、絶対値は、測定の目的に応じ適宜
選択すればよい。
ところで、液槽4回りは、従来のLB法による単分子累
積膜形成装置と同様で、これを第11図及び第12図で
説明する。
液槽4は、広くて浅い角形を成し、その内側に、例えば
ポリプロピレン酸等の内枠16が水平に釣ってあり、液
面2を仕切っている。液体3としては、通常純水が用い
られる。内枠16の内側には、例えばやはりポリプロピ
レン酸等の成膜枠17が浮かべられている。成膜枠17
は、幅が内枠16の内幅より僅かに短かい直方体で、図
中左右方向に二次元ピストン運動可能なものとなってい
る。成膜枠17には、成膜枠17を図中右方に引張るた
めの重錘18が滑車19を介して結び付けられている。
また、成膜枠17上に固定された磁石20と、成膜枠1
7の上方で図中左右に移動可能で磁石20に接近すると
互に反撥し合う対磁石2Iとが設けられていて。
これによって成膜枠17は図中左右への移動並びに停止
が可能なものとなっている。このような重錘18や一組
の磁石20・、 21の代りに、回転モーターやプーリ
ーを用いて直接成膜枠17を移動させるものもある。
内枠16内の両側には、吸引パイプ22を介して吸引ポ
ンプ(図示されていない)に接続された吸引ノズル23
が並べられている。この吸引ノズル23は、単分子lり
や単分子累積膜内に不純物が混入してしまうのを防止す
るために、液面2上の不要になった前工程の単分子膜等
を迅速に除去するのに用いられるものである。尚、15
は基板ホルダ24に取付けられて垂直に上下される基板
である。
上述の単分子累積膜形成装置による単分子膜の形成並び
にその累積膜の取得原理は、基本的には従来のものと同
様である。
まず、成膜枠17を移動させて、液面2上の不要となっ
た単分子膜等を掃き寄せながら吸引ノズル。
23からすすり出し、液面2を浄化する。次いで成膜枠
17を液槽4の一端に寄せて、液面2に膜構成物質をた
らした後、成膜枠17を移動させてその展開領域を狭め
、固体膜としてから基板15を上下させて、形成された
単分子膜を移し取ればよい。
ところで、本実施例に係る装置では、第4図で説明した
ように、液面2上に展開された単分子膜である薄膜lの
物性を、光学的にその場で直接測定することができる。
従って、単分子膜の形成からその移し取り完了までを通
じて、この測定に基づいて対磁石21の移動、即ち成膜
枠17の移動を測定制御器14で制御すれば、所望の物
性の単分子膜を確実に基板15上に累積させることがで
きる。
第5図は、本発明の別な実施例を示す概略構成図で、2
本のプローブ光8c及び8dをそれぞれ直交する2方向
へ偏光(例えば紙面に垂直なS偏光と紙面に沿うP偏光
)するように、プローブ光源9c及び9dの前方に偏光
素子33c及び33dを配設し、偏光ビームスプリッタ
31で、両者をほぼ重ねた状態にして測定面1上へ照射
し、その反射光を再び偏光ビームスプリッタ32で分離
し、ミラー2J 27により、検出器10の受光面で液
面の外部要因による変動を互いに補償するように重ねる
。この構成によると、2木の光ビームを簡単に近接させ
ることができる。
尚、第6図のように2つの偏光ビームスプリッタ35及
び36と2つのミラー37及び38を組み合わせた光学
系を使用すれば、1つのプローブ光源9でも、前記S偏
光及びp偏光の2木のプローブ光8c及び8dをつくる
ことができる。すなわち、直接偏光を発するプローブ光
源9の前方に、入/4波長の偏光板34を配設し、円偏
光として、偏光ビームスプリッタ35によりS偏光とP
偏光とに分離し、ミラー37もしくは38で反射させた
のち、再び偏光ビームスプリッタ36でほぼ同じ光路に
重ねることにより、近接したS偏光8c及びP偏光8d
を得ることができるゆ 第7図から第10図までの各図は、検出器の受光面で2
木のプローブ光の光量を等しくする制御手段を備えた本
発明の実施例を示す概略構成図で、第7図及び第8図は
可変NDフィルターを使用した例で、第7図では可変N
Dフィルター39a及び39bがプローブ光fi9c及
び9dのすぐ前方に配設され、第8図では可変NDフィ
ルター40a及び40bが検出器10のすぐ手前に配設
されている。第9図はプローブ光源9として半導体レー
ザー9La及び9Lbを使用した例で、レーザーの駆動
電流をドライ、<−41a及び41bでコントロールす
ることによリ、プローブ光の光強度をコントロールする
第10図は、同様にプローブ光源として半導体レーザー
9La及び9Lbを使用し、2木のプローブ光の光強度
変動を補償することにより、安定した測定を行う実施例
で、プローブ光源9La及び9Lbを励起光と異なる周
波数fa及び「bで変調し、検出器IOに入射するプロ
ーブ光の光強度信号を、ドライバー11により、対応す
る周波数fa及びfbで同期検出し、各プローブ光の光
強度変動を補償するように、制御ドライバー42a及び
42bによるフィードバックをかけるものである。
[発明の効果] 本発明によれば、液面上に展開されている薄膜の物性を
、高精度かつ高感度の光吸収特性の測定によって正確に
知ることができ、単分子累積膜形成装置に用いれば、特
性精度の極めて高い単分子累積膜が得られるもので、試
料面へ照射されるプローブ光を複数本使用し、試料の変
動に起因する各プローブ光の変動量のベクトル和をゼロ
とするように、光学系もしくは光源を制御することによ
り、例えば試お[たる単分子膜を展開させた液面の揺れ
等による試料変動の影響を受けない安定した測定結果が
得られる光物性測定の安定化方法を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明の原理図、第2図はその原理に基づく基
本装置の構成図、第3図は測定結果のグラフ、第4図は
本発明の一実施例の構成図、第5図〜第10図は本発明
の他の実施例の構成図、第11図および第12図は単分
子累積膜形成装置の説明図、第13図は従来例の構成図
、第14図〜第16図はPSD素子の説明図である。 1:被測定物、2:液面、3:液体、 4:液槽、5:励起光、6:励起光源、7:光強度変調
器、8ニブローブ光、 9ニブローブ光源、10:検出器、 11: ドライバー、12:ロックインアンプ、13:
レンズ、14:測定制御器、15:基板、17:成膜枠
、24:基板ホルダ、 25:光路調整器、 2B、   27.  2B、   29.  30.
  37.  38:   ミ ラ − 、31、32
.35.3Ei:偏光ビームスプリッタ、33.34+
偏光素子、 39、、40 :可変NDフィルター、41:レーザー
ドライバー。 42:制御ドライバー。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)試料の測定部位に断続的に励起光を照射すると共
    に、前記測定部位又はその近傍にプローブ光を照射し、
    励起光の断続に対応するプローブ光の偏向量から試料の
    光物性を測定するに際し、その測定を試料の変動から独
    立させる安定化方法において、プローブ光を2本もしく
    は2本以上用い、試料の変動に起因する各プローブ光の
    検出面基準点からの変動量のベクトル総和が常にゼロと
    なるように光学系を設定することを特徴とする光物性測
    定の安定化方法。
JP28110785A 1985-08-16 1985-12-16 光物性測定の安定化方法 Pending JPS62140049A (ja)

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