JPS6213993B2 - - Google Patents

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JPS6213993B2
JPS6213993B2 JP55036161A JP3616180A JPS6213993B2 JP S6213993 B2 JPS6213993 B2 JP S6213993B2 JP 55036161 A JP55036161 A JP 55036161A JP 3616180 A JP3616180 A JP 3616180A JP S6213993 B2 JPS6213993 B2 JP S6213993B2
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JP
Japan
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cation
ethylenically unsaturated
imparting
unsaturated monomer
weight
Prior art date
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Expired
Application number
JP55036161A
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English (en)
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JPS56134580A (en
Inventor
Reizaburo Tomioka
Takashi Yao
Jusuke Nishama
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd filed Critical Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority to JP3616180A priority Critical patent/JPS56134580A/ja
Publication of JPS56134580A publication Critical patent/JPS56134580A/ja
Publication of JPS6213993B2 publication Critical patent/JPS6213993B2/ja
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  • Aftertreatments Of Artificial And Natural Stones (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明はモルタル、コンクリートおよびアスベ
ストなどの如きアルカリ性成型体の表面を被覆し
たさいに、これらの物体が水と接触した場合など
においてアルカリ物質が表面に浸出するのを封鎖
し、しかも長期の屋外暴露にも十分な耐水性およ
び耐候性をもたらすことのできる合成樹脂エマル
ジヨンを用いたアルカリ性成型体の表面処理方法
に関するものである。 従来、かかるアルカリ性成型体に対して被覆剤
を施用する目的はこれらの基材物体の耐薬品性、
耐水性または耐候性などの耐久性を向上させ、併
せて保護美装をも得ようとするためであり、それ
には有機系あるいは無機系の各種被覆剤が広く使
用されてきている。 しかし、従来の被覆剤では厳しい外的条件に対
して十分に耐えうるものは極く少なく、とりわけ
取扱いが簡便なことから、工業的に大量生産され
ている合成樹脂エマルジヨン・ベースの被覆剤が
僅かに使用されているが、これとても比較的寿命
が短く、短期間に再塗装補修される必要があるほ
どである。 その理由としては、従来の合成樹脂エマルジヨ
ンというものが、通常は乳化剤と称されるアニオ
ン性ないしはノニオン性界面活性剤、あるいは保
護コロイドと称されるアニオン性ないしはノニオ
ン性の合成または天然水溶性高分子の存在下で、
各種のエチレン性不飽和単量体を乳化重合せしめ
ることによつて製造されているし、それがため
に、かくして得られたエマルジヨンを被覆剤とし
て基材物体(前記したアルカリ性成型体)に被覆
せしめた場合には、これらの界面活性剤あるいは
保護コロイドが塗膜の基材物体への密着性を損ね
る原因となつており、さらにこの種の被覆剤はそ
れ自体が水溶性であるがために、塗膜の耐水性を
著しく損ねる原因ともなつているからである。 とりわけ、上記の界面活性剤あるいは保護コロ
イドがアニオン性である場合には、これらが基材
のアルカリ性成型体中に含まれているK+、Ca++
あるいはAl+++などの金属イオンと反応して、い
わゆる金属石けんとなつて塗膜の表面に析出し、
その結果、塗膜自体の著しい劣化とまでは至らぬ
までも、エフロツセンスとなつて塗膜表面が白化
し、美感を損ねることになる。 他方、この種のエマルジヨンのポリマー成分と
して提唱されているのがポリ酢酸ビニル、アクリ
ル系共重合体あるいはアクリル―スチレン系共重
合体などであつて被覆剤としては一応の水準にあ
るけれども、従来のポリ酢酸ビニル系エマルジヨ
ンはもともとポリマー自体の耐けん化性が不良で
あるために、アルカリにより加水分解を受けて耐
アルカリ性ないしはアルカリシール性に劣る。ア
クリル系共重合体エマルジヨンあるいはアクリル
―スチレン系共重合体エマルジヨンは上記のポリ
酢酸ビニル系のものに比して比較的耐アルカリ性
にはすぐれているものの、前記乳化剤の影響によ
りアルカリシール性の方はすこぶる劣つている
し、また当該アクリル含有エマルジヨンにあつ
て、官能基を導入して架橋型にしたものの塗膜は
耐薬品性および耐湿熱性などの個々のテストでは
すぐれているものの、アルカリ基材の被覆剤とし
て用いる場合には長期の屋外暴露に耐えきれず、
とくに官能基が一般にはアルカリ性で親水性であ
ることから、ポリマーが分解して基材より消滅し
てしまう傾向にある。 とくに、こうした官能基としてカルボキシル
基、スルフオン基またはリン酸基などが多用され
ている場合には、前記の乳化剤あるいは保護コロ
イドの場合と同様、金属石けんを形成してエフロ
ツセンスの原因となる。 そこで、近年は前述の如き乳化剤や保護コロイ
ドによる悪影響を回避するために、かかる物質を
使用せずにエチレン性不飽和単量体を乳化重合さ
せて得られる合成樹脂エマルジヨン、いわゆるソ
ープフリーエマルジヨンを被覆剤として用いる例
もあるにはあるが、この種の悪影響は回避される
ものの、一般には、分散安定剤として使用される
アニオン性の水溶性オリゴマーないしはポリマー
中にカルボキシル基、スルフオン基あるいはリン
酸基などが多量に含まれるために、アルカリ性基
材への被覆剤として使用される場合には、前記し
た如く、金属石けんが形成され、その結果はアル
カリシール性が不良となつてエフロツセンスの発
生を防ぎえないものである。 かくして、本発明の目的はかかる従来の合成樹
脂エマルジヨンによる限りは到底果しえなかつた
アルカリ性成型体に対するすぐれた密着性を有
し、かつ、すぐれたアルカリシール性、耐水性、
さらにはすぐれた耐候性を付与しうるアルカリ性
成型体の表面処理方法を提供するにある。 本発明者らはこうした目的を達成すべく鋭意研
究した結果、陽イオン性を有し、あるいはこれを
与える化合物を存在させてそれ自体では陽イオン
性を付与しない(以下、この意味で「非陽イオン
付与性」という。)エチレン性不飽和単量体をラ
ジカル(共)重合せしめて得られる特定のガラス
転位温度(Tg)をもつたポリマーのエマルジヨ
ンを用いれば所期の目的に合致したアルカリ性成
形体が得られることを見出すに及んで、本発明を
完成するに到つた。 すなわち、本発明は陽イオン性の水溶性ないし
は水分散性オリゴマーおよび/またはポリマー
(A)、陽イオン付与性エチレン性不飽和単量体(B)お
よび陽イオン付与性ラジカル形成触媒(C)から選ば
れる1以上の化合物の存在下に、非陽イオン付与
性エチレン性不飽和単量体(D)をラジカル重合せし
めて得られる、60℃以下のTgをもつた陽イオン
性合成樹脂のエマルジヨンを用いることから成る
アルカリ性成型体の表面処理方法を提供するもの
であり、就中、該不飽和単量体(D)が一般式 (但し、式中のR1,R2およびR3は炭化水素基
で、かつ、それらの炭素数の合計は3以上である
ものとする。)で表わされる第3級カルボン酸の
ビニルエステル、あるいは未置換オレフインのそ
れぞれ10重量%以上とこれとラジカル共重合可能
な他のエチレン性不飽和単量体の90重量%未満と
から構成されるものであるか、さらには該不飽和
単量体(D)が10〜80重量%の芳香族不飽和単量体と
90〜20重量%のこれとラジカル共重合可能な他の
エチレン性不飽和単量体とから構成されるもので
あるという態様を含むものである。 本発明方法を実施するに当つて処理剤として用
いられる陽イオン性合成樹脂エマルジヨンとして
は、下記の如き種々の方法により製造されたもの
が包含される。 (イ) 陽イオン性の水溶性ないしは水分散性オリゴ
マーおよび/またはポリマー(A)(以下、「陽イ
オン性水溶性ポリマー等(A)」という。)の存在
下に、水中で非陽イオン付与性エチレン性不飽
和単量体(D)(以下、「非陽イオン付与性単量体
(D)」という。)をラジカル(共)重合せしめる
方法。 (ロ) 上記(イ)の方法において、非陽イオン付与性単
量体(D)の一部を陽イオン付与性エチレン性不飽
和単量体(B)(以下、「陽イオン付与性単量体
(B)」という。)に置換して行なう方法。 (ハ) 陽イオン付与性ラジカル形成触媒(C)を用いて
行なう上記(イ)の方法。 (ニ) 陽イオン付与性ラジカル形成触媒(C)を用いて
行なう上記(ロ)の方法。 (ホ) 陽イオン性水溶性ポリマー等(A)の不存在下
に、陽イオン付与性単量体(B)を非陽イオン付与
性単量体(D)の一部として用いて、該単量体(D)を
ラジカル共重合せしめる方法。 (ヘ) 陽イオン付与性ラジカル形成触媒(C)を用いて
行なう上記(ホ)の方法。 このような種々の方法に従い、一般に常用され
ている乳化剤あるいは保護コロイドを用いること
なく、本発明方法に適用される処理剤を得ること
ができる。 しかし、本発明方法は決して一般に常用されて
いる部類の乳化剤や保護コロイドの併用を妨げる
ものではなく、諸物性を損ねない限度での使用は
一向に差支えないものである。 ここにおいて、前記した陽イオン性の水溶性な
いしは水分散性オリゴマーおよび/またはポリマ
ー(A)として代表的なものを挙げれば、特公昭35―
3547号あるいは特開昭52―15591号公報明細書に
開示されているような、それぞれポリアルキレン
ポリアミンと二塩基酸との縮合反応により得られ
る水溶性ないしは水分散性のポリアミド、もしく
はこれらのポリアミドとエピハロヒドリンとの反
応生成物、あるいは後記する如き陽イオン付与性
単量体(B)の単独重合物(オリゴマーをも含む)も
しくは共重合物(オリゴマーをも含む)、あるい
はモノエタノールアミンチオグリコレート、2―
ジメチルアミノエタンチオールハイドロクロライ
ドもしくは2―メルカプトアミンハイドロクロラ
イドの如き陽イオン性有機チオール化合物とエチ
レン性不飽和単量体とをラジカル生成触媒の存在
下に反応せしめて得られる水溶性ないしは水分散
性オリゴマー(ポリマーをも含む)などがある。 また、前記した陽イオン付与性エチレン性不飽
和単量体(B)の代表的なものとしては、N―メチル
アミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルア
ミノエチル(メタ)アクリレートの如きアクリル
酸もしくはメタクリル酸のエステル類ないしはそ
れらの塩類、ビニルピリジンの如きモノビニルピ
リジン類、ジメチルアミノエチルエーテルの如き
アルキルアミノ基を有するビニルエーテル類、N
―(2―ジメチルアミノエチル)アクリルアミド
もしくはメタクリルアミドの如きアルキルアミノ
基を有するアクリルアミドもしくはメタクリルア
ミド類、2―ヒドロキシ―3―アクリロキシもし
くはメタクリロキシプロピルトリメチルアンモニ
ウムクロライド、(メタ)アクリルアミドプロピ
ルトリメチルアンモニウムクロライドの如き第4
級アンモニウム塩を形成しうるエチレン性不飽和
単量体などの如きアミノ基含有陽イオン付与性エ
チレン性不飽和単量体が挙げられる。 さらに、前記した非陽イオン付与性不飽和単量
体(D)としては、(メタ)アクリル酸エチル、(メ
タ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2―
エチルヘキシルなどの如きアクリル酸もしくはメ
タクリル酸のアルキルエステル類、マレイン酸、
フマル酸、イタコン酸のモノもしくはジエステル
類、(メタ)アクリル酸もしくはビニルスルフオ
ン酸、ビニルトルエンスルフオン酸などの不飽和
一塩基酸およびこれらの塩類、イタコン酸、フマ
ル酸、マレイン酸などの如き不飽和二塩基酸およ
びこれらの塩類、(メタ)アクリルアミド、マレ
イン酸アミドの如き不飽和酸のアミド類、N―メ
チロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルア
ミドなどの如き不飽和酸の置換アミド類、酢酸ビ
ニル、プロピオン酸ビニル、第3級カルボン酸ビ
ニルエステルなどのごときビニルエステル類、ス
チレン、α―メチルスチレン、ビニルトルエンな
どの如き芳香族不飽和単量体、ビニルピロリドン
の如き複素環式ビニル化合物、塩化ビニル、臭化
ビニル、塩化ビニリデン、フツ化ビニリデンの如
きハロゲン化ビニルおよびビニリデン化合物、ジ
ビニルベンゼン、ブタンジオールジメタクリレー
トの如きジビニル化合物、エチレン、プロピレン
の如きα―オレフイン類、ブタジエン、イソプレ
ンの如きジオレフイン類、β―ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、β―ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレートの如き不飽和カルボン酸の
ヒドロキシエステル類、グリシジル(メタ)アク
リレート、アリルグリシジルエーテルの如きグリ
シジル基含有不飽和単量体、(メタ)アクリロキ
シアルキルアルコキシシランの如き単量体、その
他アクリロニトリル、ビニルエーテル、ビニルケ
トンなどが挙げられる。 本発明方法において適用される陽イオン性合成
樹脂エマルジヨンは、それ自体陽イオン性を有し
ない非陽イオン付与性単量体(D)のラジカル重合物
を中核にして、その他の前記の陽イオン性水溶性
ポリマー等(A)、陽イオン付与性単量体(B)および/
または陽イオン付与性ラジカル形成触媒(C)により
該ラジカル重合物を陽イオン化することを基本と
するものであるから、該ラジカル重合物を「主ポ
リマー」と呼ぶことにすれば、この主ポリマーを
陽イオン化するために用いられる、該陽イオン性
水溶性ポリマー等(A)あるいは陽イオン付与性単量
体(B)は該主ポリマーに対して0.5〜30重量%、よ
り好ましくは1〜25重量%なる範囲であれば良
い。0.5重量%未満の場合には目的とする陽イオ
ン性合成樹脂エマルジヨンを安定に製造すること
が難しいばかりでなく、これを用いてアルカリ性
基材に表面処理をした場合に基材に対する密着性
が不十分であり、逆に30重量%を超えて多量に使
用して得られた処理剤をアルカリ性基材に表面処
理した場合は、その塗膜は耐候性に劣るので、こ
れ亦好ましくない。 また、上記処理剤を多孔質のアルカリ性基材の
表面処理に使用する場合、あるいは表面処理を施
したアルカリ性成型体が過酷な条件下に使用され
るなど塗膜の耐久性が一層要求される場合には、
より好ましくは前記主ポリマーの成分として一般
(但しR1,R2およびR3は前出のとおり) で示される第3級カルボン酸ビニルエステル10重
量%以上と、これと共重合可能なその他のエチレ
ン性不飽和単量体90重量%未満との共重合物、あ
るいは芳香族不飽和単量体10〜80重量%と、これ
と共重合可能なその他のエチレン性不飽和単量体
90〜20重量%との共重合物、さらには未置換オレ
フイン10重量%以上と、これと共重合可能なその
他のエチレン性不飽和単量体90重量%未満との共
重合物である陽イオン性合成樹脂エマルジヨンが
好ましい。他方、本発明に於けるポリマーのTg
は60℃以下であることが好ましい。Tgが60℃を
超えると塗膜の可撓性が乏しくなり、基材の伸縮
に耐えられなくなつてクラツクの原因となる。こ
のポリマーのTgの調節は前記エチレン性不飽和
単量体を適宜組合せて共重合することによりなさ
れるが、可塑剤で調節しても良い。 さらに、前記陽イオン付与性ラジカル形成触媒
(C)としてその代表例を挙げれば、2,2′―アゾビ
ス(2―アミノエタン)ハイドロクロライド、
2,2′―アゾビス(イソブチルアミジン)ハイド
ロクロライド、2,2′―アゾビス(2―アミジノ
プロパン)ハイドロクロライドの如きものであ
り、これらは前記主ポリマーに対し0.01〜5重量
%、より好ましくは0.2〜2.0重量%の範囲内で用
いられる。 本発明に用いられる処理剤の製造には前記(A)〜
(D)なる各種原料成分の2種以上を使用してラジカ
ル共重合せしめるわけであるが、とくに前記した
(イ)〜(ヘ)の如き方法を用いて公知の乳化重合法を駆
使して一般に常用されているような乳化剤を使用
せずに行うことができる。 かくして得られた陽イオン性合成樹脂エマルジ
ヨンを用いて前記アルカリ性成型体に表面処理を
施すには、上記基材に合成樹脂エマルジヨンを単
独で使用することも出来るが、さらにこれに顔
料、染料、セメント、砂などの充填剤などを混合
して使用することもできる。また、増粘剤、造膜
助剤、可塑剤、消泡剤、防腐剤など一般にエマル
ジヨン塗料に使用されるものが混合されて使用可
能である。塗被方法としてはデイツピング、ハケ
塗り、コテ塗り、ロールコート、フローコート、
スプレーなどの適宜の方法が採用できる。 乾燥は通常、常温にて行われるが、この場合に
よつては加熱乾燥することも可能である。 また、前記した如きアルカリシール性、耐水
性、耐候性など塗膜の耐久性をさらに一層向上せ
しめる目的で、前記陽イオン性合成樹脂エマルジ
ヨンにフエノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹
脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂などの熱硬化性
樹脂を添加混合し、しかるのちこれを前記アルカ
リ性基材に対して表面処理しても良い。 さらに興味ある表面処理方法として、一般に被
覆剤として公知のアニオン性合成樹脂エマルジヨ
ン塗料と前記陽イオン性合成樹脂エマルジヨンと
を組合せてアルカリ性基材に表面処理を施した場
合には、従来のアニオン合成樹脂エマルジヨンで
は到底果し得なかつた、すぐれた基材に対する密
着性、アルカリシール性、耐水性を賦与すること
が出来る。たとえば、アルカリ性基材に前記陽イ
オン性合成樹脂エマルジヨンを下塗りし、乾燥し
て、しかるのちその乾燥塗膜上に従来のアニオン
性合成樹脂エマルジヨン・ベースの塗料を塗被し
て得られた塗膜は、従来一般に下塗り剤として常
用されているものを施した場合、あるいは従来の
アニオン性合成樹脂エマルジヨン塗料単独で塗被
した場合に比し格段に優れた基材に対する密着性
を賦与し、さらには、優れたアルカリシール性、
耐水性を付与することが可能である。 さらに、シーラーとして使用する場合には、た
とえば特開昭51―30232号または特開昭48―11407
号公報明細書中に開示されている如くの陽イオン
性水溶性樹脂と混合し、しかるのちアルカリ性基
材に塗被すると一段と効果的である。 次に、本発明方法を実施例により具体的に説明
する。以下、部および%は特記なき限り、重量基
準であるものとする。 実施例 1 撹拌機付ステンレス製反応容器に、窒素置換
後、「カイメン557H」(デイツク・ハーキユレス
(株)製ポリアミド―エピクロルヒドリン樹脂;固型
分12.5%)40部および脱イオン水40部を仕込み、
「Veo VA10」(シエル社製第3級カルボン酸ビニ
ルエステル)40部、酢酸ビニル25部およびメチル
メタクリレート35部よりなる単量体混合物ならび
に過酸化水素水を70℃にて滴下し、共重合せしめ
て固型分55%の陽イオン性合成樹脂エマルジヨン
を得た。このポリマーのTgは約25℃であつた。
これを分散液A―1とした。なお比較のために上
記「カイメン557H」を使用する代りに、ドデシ
ルベンゼンスルフオン酸ソーダ2部およびポリオ
キシエチレンノニルフエノールエーテル(HLB
17)4部を使用する以外は、分散液A―1の場合
と同様に製したアニオン性合成樹脂エマルジヨン
を分散液B―1とした。 上記分散液A―1及びB―1に造膜助剤として
ブチルカルビトールアセテートを添加し、3×70
×100mmのスレート板の全面に塗布量(固型分基
準)120g/m2となるよう刷毛塗りし常温にて48
時間乾燥後、これを水に浸漬した。スレート板中
より抽出されるアルカリを、水のPH変化を調べる
ことにより観測した。また、各試片を用いて促進
耐候性および屋外暴露試験を行い、その結果を表
―1に示した。
【表】 <試験方法及び判定基準> 促進耐候性;デユーサイクルウエザオメーターに
て100時間試験後の塗膜状態(光沢保持性、
汚染性など)を観察し、密着性をも調べる。 屋外バクロ;各試片を南面45゜の角度にて2年間
暴露したのちの塗膜状態(光沢保持性、汚染
性など)を観察し、密着性をも調べる。 〇;塗膜の状態変化がなく、かつ、密着性も変
化なし。 △;塗膜の光沢が低下し、エフロツセンス、汚
染がみられる。また密着性も低下。 ×;塗膜変化が大きく、密着性も著しく低下。 実施例 2 実施例1と同様な反応容器に、窒素置換後、ジ
メチルアミノエチルメタクリレートのギ酸塩3.5
部、2―ジメチルアミノエタンチオールハイドロ
クロライド0.2部、t―ブチルハイドロパーオキ
サイド0.2部および脱イオン水95部を仕込んで80
℃にて1時間反応せしめた。その後、スチレン35
部、メチルメタアクリレート34部、2―エチルヘ
キシルアクリレート30部、メタアクリル酸1部お
よびジメチルアミノエチルメタクリレートのギ酸
塩4部からなる単量体混合物ならびに重合触媒と
して過酸化水素を65℃にて反応容器に滴下して共
重合せしめ、固型分濃度50%の分散液を得た。こ
のポリマーのTgは約35℃であつた。この分散液
100部に対して「エピクロン850」(大日本インキ
化学工業(株)製ポリエポキサイドの50%トルエン溶
液5部を添加して均一になるまで撹拌混合したも
のを分散液A―2とした。 なお比較のために、乳化剤(ドデシルベンゼン
スルフオン酸ソーダおよびポリオキシエチレンノ
ニルフエノールエーテル)存在下、スチレン35
部、2―エチルヘキシルアクリレート30部、メチ
ルメタクリレート31部、メタクリル酸2部および
N―メチロールアクリルアミド2部を常法により
反応せしめた熱硬化性アニオン性合成樹脂エマル
ジヨンを分散液B―2とした。 上記分散液A―2およびB―2に、それぞれ着
色顔料を2部(分散液100部に対し)添加混合し
たものを60℃に予熱したスレート板に塗布量(固
型分基準)70g/m2となるようにスプレー塗装
し、100℃で10分間乾燥した。各試片の物性結果
を表―2に示した。
【表】 <試験方法> 耐湿熱性;50℃、98%RHの条件下に、21日間放
置したのちの塗膜の状態変化を観察し、同時
に密着性も調べる。 耐沸水性;沸騰水中に2時間浸漬し、塗膜の状態
変化を観察し、同時に密着性をも調べる。 判定基準は表―1の場合と同様 実施例 3 実施例1と同様な反応容器に、2―ヒドロキシ
―3―メタクリロキシプロピルトリメチルアンモ
ニウムクロライド2部、2―エチルヘキシルアク
リレート3部、ラウリルメルカプタン0.1部、
2,2′―アゾビス(2―アミジノプロパン)ハイ
ドロクロライド0.2部、イソプロピルアルコール
20部および脱イオン水72部を添加し、80℃にて1
時間反応せしめた。その後スチレン50部、2―エ
チルへキシルアクリレート50部およびジメチルア
ミノエチルメタクリレートのギ酸塩4部からなる
単量体混合物ならびに過酸化水素水を65℃で滴下
して共重合せしめ、固型分濃度50%の分散液を得
た。このポリマーのTgは約10℃であつた。これ
を分散液A―3とした。 なお比較のために、乳化剤(ドデシルベンゼン
スルフオン酸ソーダおよびポリオキシエチレンノ
ニルフエノールエーテル)の存在下、スチレン45
部、2―エチルヘキシルアクリレート53部および
メタクリル酸2部を常法により反応せしめて得ら
れアニオン性合成樹脂エマルジヨンを分散液B―
3とした。 また、水溶性樹脂としてイソプロピルアルコー
ル中、還流温度でスチレン50部、アクリル酸ブチ
ル30部、メタクリル酸5部、ジメチルアミノエチ
ルメタクリレート15部およびアゾビスイソブチロ
ニトリル3部を滴下して共重合せしめたのちエピ
クロルヒドリン9部を加え、さらに脱イオン水を
添加して固型分40%の水溶性樹脂を得た。この樹
脂溶液100部に対し、前記分散液A―3 150部を
添加混合したものを分散液A―4とした。 上記分散液A―3、B―3およびA―4を、そ
れぞれスレート板およびPC―コンクリート板に
塗布量70g/m2(固型分基準)となるよう刷毛塗
りし、常温にて24時間乾燥後、一般市販外装用リ
シン塗料(アクリル―スチレン共重合体エマルジ
ヨン系)を1Kg/m2になるようスプレー塗装し、
常温7日間乾燥後、各試験に供した。なお比較の
ために、上記分散液を下塗りせずに各基材に直接
リシン塗料を吹付けたものも同様の試験に供し
た。 その結果を表3に示した。
【表】 <試験方法> 付着力;JIS A―6909に準じ、PCコンクリート
板(30×70×70mm)を基材にした試片の塗膜
面中央部にエポキシ系接着剤でアタツチメン
トを固定して3日後、アームスラー型引張り
試験機により付着力を測定。(単位Kgf/
cm2) 透水試験;JIS A―5403に準じ、スレート板(6
×70×70mm)を基材にした試片の塗膜面中央
部に、内径35mm、高さ300mmのガラス管を立
て、底部をパラフインワツクスにて水密と
し、高さ250mmまで水を入れる。上部を密封
して7ケ月後の水位を測り、透水量を測定。
(単位c.c./cm2) 実施例 4 グラスライニングしたステンレス製オートクレ
ーブに、窒素置換後、2―ヒドロキシ―3―メタ
クリロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロ
ライド2部、n―ドデシルメルカプタン0.3部、
過酸化水素0.1部および脱イオン水150部を仕込ん
で70℃で1時間反応せしめた。 その後、ブタジエン40部、スチレン60部、ビニ
ルピリジンのギ酸塩3.4部および2,2′―アゾビ
ス(2―アミジノプロパン)ハイドロクロライド
0.3部を仕込んで70℃で12時間反応せしめた。残
留単量体をストリツピングして固型分50%の分散
液を得た。このポリマーのTgは約0℃であつ
た。これを分散液A―5とした。 なお比較のために、上記オートクレーブにブタ
ジエン40部、スチレン57部、アクリル酸3部、脱
イオン水150部、乳化剤としてアルキルベンゼン
スルフオン酸ソーダ1部、およびn―ドデシルメ
ルカプタン0.2部ならびに過硫酸カリウム0.2部を
仕込んで反応して得られた分散液をB―4とし
た。 上記分散液A―5およびB―4を内径96mm、厚
さ27mmおよび長さ200mmのコンクリートヒユーム
管の内部に、塗布量70g/m2(固型分基準)にな
るようにスプレー塗装して常温に1週間乾燥して
試片を得た。上記各試片の片側を密封し、中に水
を満たしてそのPH変化および塗膜状態を観察し、
その結果は表―4に示した。なお比較のために、
処理剤を全く使用しないコンクリートシユーム管
もまた試験に供した。
【表】
【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 陽イオン性の水溶性ないしは水分散性オリゴ
    マーおよび/またはポリマー(A)、陽イオン付与性
    エチレン性不飽和単量体(B)および陽イオン付与性
    ラジカル形成触媒(C)から選ばれる1以上の化合物
    の存在下に、非陽イオン付与性エチレン性不飽和
    単量体(D)をラジカル重合せしめて得られる、ガラ
    ス転位温度(Tg)が60℃以下である陽イオン性
    合成樹脂のエマルジヨンを用いることを特徴とす
    るアルカリ性成型体の表面処理方法。 2 上記非陽イオン付与性エチレン性不飽和単量
    体(D)が、一般式 (但し、式中のR1,R2およびR3は炭化水素基
    で、かつ、それらの炭素数の合計は3以上である
    ものとする。)で表わされる第3級カルボン酸の
    ビニルエステル10重量%以上と、これとラジカル
    共重合可能な他のエチレン性不飽和単量体90重量
    %未満とから構成されるものであることを特徴と
    する、特許請求の範囲第1項に記載の方法。 3 前記非陽イオン付与性エチレン性不飽和単量
    体(D)が、芳香族不飽和単量体10〜80重量%と、こ
    れとラジカル共重合可能な他のエチレン性不飽和
    単量体90〜20重量%とから構成されるものである
    ことを特徴とする、特許請求の範囲第1項に記載
    の方法。 4 前記非陽イオン付与性エチレン性不飽和単量
    体(D)が、未置換オレフイン10重量%以上と、これ
    とラジカル共重合可能な他のエチレン性不飽和単
    量体90重量%未満とから構成されるものであるこ
    とを特徴とする、特許請求の範囲第1項に記載の
    方法。
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Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4892488A (ja) * 1972-03-11 1973-11-30
JPS5252985A (en) * 1975-10-27 1977-04-28 Seiko Kagaku Kogyo Co Ltd Process for preparing cationic high polymr emulsions
JPS52136286A (en) * 1976-05-12 1977-11-14 Kao Corp Preparation of cationic vinyl polymer emulsions

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