JPS6213952Y2

JPS6213952Y2 -

Info

Publication number: JPS6213952Y2
Application number: JP1980190580U
Authority: JP
Priority date: 1980-12-27
Filing date: 1980-12-27
Publication date: 1987-04-10
Also published as: JPS57110047U

Description

【考案の詳細な説明】〈技術分野〉この考案は熱可塑性樹脂の発泡体からなる容器
に関し、さらに詳述するなら容器本体に対する被
蓋状態が確実で輸送等の取扱い使用中に蓋が外れ
ず積み重ね状態の良好な容器に関する。

〈背景および従来技術〉従来における蓋付の熱可塑性樹脂発泡体からな
る容器は、これを使用する場合、容器本体内に内
容物を入れ、蓋をして輸送する際、蓋が取り扱い
の途上又は風等により外れる場合が有つた。その
ため、この蓋外れを防止する目的で、二個所或は
四箇所又は場合によつては全周をガムテープ等に
より、蓋２０と容器本体１０とを止めていた。

しかしながら、テープ費用が多くかかり不経済
であると共にテープ貼着のために作業性を阻害し
ていた。

〈目的〉この考案は上記従来の容器が有していた欠点お
よび不便を解消できる容器を提供することを目的
としている。

〈構成〉そして、上記目的を達成するためのこの考案の
構成は、それぞれ熱可塑性樹脂の発泡体にて形成
された容器本体と蓋とからなり、蓋の嵌合部内周
には、上下二段の凹部を設け、他方容器本体の上
縁外周部には上記二段の凹部の何れとも係合でき
る形状の凸部を形成し、容器本体に蓋を嵌合する
とき上記凹部の何れかと上記凸部とを互に係合さ
せて蓋を外れ難くしてあることを特徴としてい
る。

〈実施例〉次いで、この考案の実施例について図を参照し
ながら以下に説明する。

第４図に示した従来からリンゴ函等に使用され
ている発泡ポリスチレン製等の容器の場合は、容
器本体１０の突出した垂直な上縁外周部１１に蓋
２０の垂直な嵌合部２１が嵌まり込んでいるだけ
のものであるため、蓋２０に外力を加えると蓋２
０が外れ易いと言う欠点があつたことは先にも指
摘した通りである。

そのため、第１図〜第３図に例示するこの考案
の実施例の場合、発泡ポリスチレン等の熱可塑性
樹脂の発泡体よりなる容器本体３０には上方へ突
出した上縁の外周部に凸部３１′を形成し、他方
容器本体３０と同様熱可塑性樹脂の発泡体よりな
る蓋４０の嵌合部には内周に上下二段の凹部４１
ａ，４１ｂを形成してある。そして、上記容器本
体３０の上縁外周部に形成した凸部３１′が、こ
の上下二段の凹部４１ａ，４１ｂの何れかと選択
的に係合できるように構成されている。

容器本体３０の凸部３１′は当初下段の凹部４
１ａと合致して係合状態を保ち（第２図参照）、
リンゴ等の内容物Ａが収納当初から時間経過に伴
ない自重等にて下がり、下方へと落着いた時点で
凸部３１′は上段の凹部４１ｂと合致して係合す
る（第３図参照）。

なお、上記容器本体３０の凸部３１′と、蓋４
０の凹部４１ａ，４１ｂとは部分的に設けられる
ほか、全周に設けて実施される場合もある。

また、容器本体３０と蓋４０を形成する熱可塑
性樹脂の発泡体としては先に例示した発泡ポリス
チレンのほか、ポリエチレン、ポロプロピレン、
ポリ塩化ビニルおよびこれらを主体とするコポリ
マー等からなる合成樹脂発泡粒子を型窩内で加
熱、膨脹させて互に融着させた発泡体によつて形
成されたものが適しており、特にポリオレフイン
系樹脂とポリスチレン系樹脂とからなり両樹脂が
少なくとも一部グラフト結合した発泡粒子、例え
ばポリエチレン粒子を核にしてスチレンモノマー
を核に吸収させてこの核内でスチレンモノマーを
重合させることによりポリエチレンにグラフト結
合した粒子が得られ、この粒子にさらに発泡剤を
加えたものでグラフト結合部分は、ポリオレフイ
ン系樹脂とポリスチレン系樹脂との総和の１％以
上のもの［商品名：ピオセラン（グラフト率４
％）、積水化成品工業株式会社製］を加熱膨脹さ
せて互に融着させた発泡体が好ましい。

〈効果〉この考案は上記したごとき構成を有しており、
この考案容器に内容物を入れて使用した結果、容
器本体の上縁外周部に有する凸部と、蓋の嵌合部
内周に有する凹部とによつて、容器本体と蓋との
嵌合時における両者の係合力は強力になり、蓋が
輸送途上又は風等の外力によつても妄りに外れ
ず、従来のガムテープ等の融着が不要となつた。

従つて、非常に取扱い易く作業性が向上すると
共にガムテープ不要な点による経済的メリツトも
非常に大きい考案である。

また、蓋の凹部が上下二段に形成されていて、
容器本体の凸部はこの上下二段の凹部の何れかと
係合可能なように形成されているので、当初下段
の凹部と合致して係合状態を保ち、内容物が下方
へと落着いた時点で凸部を上段の凹部と合致して
係合でき、リンゴ等の内容物Ａが収納当初から時
間経過に伴ない自重等にて下がり、その降下分だ
け内容物と蓋との間に隙間が開くのを防げること
ができる。

即ち、通常では容器を多段積みした際、各容器
の内容物重量が各容器底の中央付近に負担がかか
るため、容器底は中央で下方へ膨出し、底全体が
湾曲し易くなり、内容物と蓋との間に隙間が大き
くできるほど上段の容器底から下段の蓋へと底膨
出による湾曲が伝わり易く、荷積み障害を来たす
ことになるが、本願の場合には特に隙間解消にて
このような問題は解決でき、非常に実用的効果の
高いものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案による容器の実施例を示す嵌
合前の一部断面図、第２図および第３図は嵌合段
階を示す要部断面図、第４図は従来例を示す断面
図である。１０，３０……容器本体、３１′……凸部、４
１ａ，４１ｂ……凹部、Ａ……収納物。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】１それぞれ熱可塑性樹脂の発泡体にて形成され
た容器本体と蓋とからなり、蓋の嵌合部内周に
は、上下二段の凹部を設け、他方容器本体の上
縁外周部には上記二段の凹部の何れとも係合で
きる形状の凸部を形成し、容器本体に蓋を嵌合
するとき上記凹部の何れかと上記凸部とを互に
係合させて蓋を外れ難くしてあることを特徴と
する容器。２容器本体の凸部と蓋の上下二段の凹部とが全
周に形成されてなる上記実用新案登録請求の範
囲第１項記載の容器。３容器本体の凸部と蓋の上下二段の凹部とが部
分的に形成されてなる上記実用新案登録請求の
範囲第１項記載の容器。